英検のメリット

成績優秀者・優秀団体表彰式

平成21年度成績優秀者表彰式を開催

桜の花がほころび始めた3月26日, 「実用英語技能検定平成21年度成績優秀者・優秀団体表彰式」が,ホテルオークラ東京にて開催され, 各賞の授与のほか落語家の桂かい枝さんによる記念講演が行われた。全国から集まった受賞者たちは, 賞状やカップを手に喜びを分かち合った。

平成21年度成績優秀者

英語を話すことを恐れずに

日本英語検定協会会長 羽鳥博愛 平成21 年度中に三回実施された実用英語技能検定で, 成績が極めて優秀であった人をたたえる年に一度の表彰式。続々と会場に入ってくる受賞者たちは緊張した面持ちで席に着いた。
 自らも英検に挑戦中というTBSテレビアナウンサーの新井麻希さんの司会で式典が始まった。最初に登壇したのは, 日本英語検定協会会長の羽鳥博愛。受賞者を激励するとともに, 英検はコミュニケーション能力の養成になることから学校現場から高い評価を得ており, 平成15 年度から中学・高校の先生の英語力向上のため, 留学の支援も行っていることなどを報告した。
 文部科学大臣奨励賞, 日本英語検定協会賞のほか, 日本商工会議所会頭賞, 日本技能検定協会連合会会長賞, 生涯学習奨励賞, ブリティッシュ・カウンシル駐日代表賞などの個人賞の表彰が行われ, 米国大使賞ではプレゼンターとして米国大使館のナオミ・ウォルコットさんが祝辞を述べた。
 「私も外国語を勉強してきました。若いときに金沢や四国でホームステイしたことがあります。本や新聞を読んだり, 映画を見たり…といった勉強法もあるけれど, 一番大切なことは,『英語を話すのを恐れないこと』です」と話し, 自身の経験をもとに英語の勉強法を紹介。会場では受賞者たちがうなずく姿も見られた。
 一方, オーストラリア大使賞では, オーストラリア大使館教育担当参事官のミシェル・アランさんが受賞者に賞状とカップを一人ひとりに手渡し, 言葉を話す意義について自身の想いを披露した。
 「受賞者のみなさんにはテストの成績が良かったということだけではなく, より高いレベルのものに挑戦したというチャレンジ精神に対して, 私は『おめでとうございます』と言いたい。語学を勉強するということは, 色々な文化・国の価値を知ることにつながりますね。海外に留学すれば, 友人も増え, キャリアアップにもつながります。私は16 歳のときに日本に留学して日本語を学びました。みなさんもぜひオーストラリアに留学してください。最近, オーストラリアの若い人の間でアジアの言語を勉強する人が増えています。お互いに留学して関係が深まればいいですね」と結んだ。

長崎県諌早高等学校などが団体賞を受賞

 個人賞の授与式が終わり, 引き続いて団体賞である「文部科学大臣奨励賞」の授与式が始まった。この賞は学校や企業など, 英検を団体で受験し, それぞれの部門で極めて優秀な成績を修めた各団体を協会が文部科学大臣に推薦し, 大臣より奨励のための賞状とカップが与えられるもの。長崎県諫早高等学校や日本大学法学部のほか, 千葉県の財務省税関研修所などが受賞した。

 文部科学省生涯学習政策局生涯学習推進課の藤野公之課長は,「社会も経済も急速に変化している今日このごろ, わが国は世界に先駆けて問題解決の要とならなければなりません。日本人が世界に貢献するためには外国語のコミュニケーション能力が必要です。英検は『読む・書く・聞く・話す』といった四技能を検定し, 実用的な英語力を向上させる役割を担ってきました。クオリティの高い試験であると思います。学ぶことを通じて未来を開いていく。英検はそんな生涯学習の実践と言えます。今回の受賞を契機として, あとに続く人たちの模範となるよう, がんばってください」と受賞者の背中を押した。

授賞式の最後に, 第2 回検定で1 級を取得した田辺奈穂子さんが, 自身の英語学習と英検受験の経験を英語でスピーチした。
「3歳から7年半をカナダで過ごして帰国しました。中学・高校でも英語を使い続け, 大学では英文科に在籍しました。英語はいつでも私の人生の一部。大学時代は, 英語演劇部に入り, 中学校英語弁論大会の運営に参加したり, 生徒たちに英検を指導したこともあります。教員実習中には生徒から試験のアドバイスを求められた経験などがあり, 英語教師になろうと決心しました。現在は, 念願がかない, 東京の中学校で英語教師をしています。当校では英検を定期的に生徒たちが受験しているのですが, 笑顔で合格の報告をしてくれることがとてもうれしいです。そんななか, 生徒をサポートするためにも, 自分自身が英検の1 級を取得することが望ましいと考えました。英語の勉強だけでなく, 環境問題などの分野の記事を読み, 見識を広げることができました。この経験から,検定とは, 英語の能力を測るだけではなく, 挑戦や努力し続ける機会でもあることを認識しました。英語学習はより広い世界へのドアを開けてくれます。英語と世界に関する知識をさらに増やしていきたいです。今回の受賞は私の夢の始まりにすぎません」
生徒を支援し, 自分ももっと成長していきたいと願う田辺さんの熱い想いに会場からは盛大な拍手が贈られた。

かい枝さんによる記念講演

桂かい枝さんの特別講演 休憩を挟んで落語家の桂かい枝さんによる記念講演が行われた。桂さんは, 中学時代の恩師の影響で英語に興味を持つ一方で, 大学時代に落語と出会い卒業後桂文枝師匠に入門。
日本の古典芸能や落語を世界に伝えたいと1998 年から英語落語海外公演を行い, これまでにアメリカ, カナダ, シンガポール, オーストラリアなど世界13か国83 都市で320 以上の公演を成功させている。舞台の上には高座が用意され, 着物を着た桂さんが登場すると, 厳粛な会場が寄席のなごやかな雰囲気に一変した。
「本日はおめでとうございます。日本人は笑いに疎いと世界の人に思われています。『日本人を月曜日に笑わせるには金曜日にジョークを言うといい』なんていうジョークも欧米にはありますが, 狂言は昔からあるコント劇。日本だって優秀な笑いの文化があります。特に落語はノーコスチューム, オンリーイマジネーション。想像だけの芸です。家の大きさも,『おーい!』という掛け声の長さや声の大きさで表現する。扇子はキセルになったり植木バサミになったりします」
続いて, 2008 年に文化庁の文化交流大使としてアメリカでキャンピングカーを運転しながら, 公演活動を行ったときの様子をスライドで紹介した。桂さんのユニークな語りに会場は大いに盛り上がった。
「妻と子ども二人も一緒です。1 万7000キロの道を走りました。33 都市で公演したのですが, 本当に色々なことがありました。学校や地域の会館, シカゴでは消防署でも落語をやりましたが, もうすぐオチですよ! というところで出動のサイレンが鳴りお客さんがいなくなってしまう, ということもありました。高座もアメリカの人が作ってくださるのですが, 時にはグランドピアノの上だったり, ぐらぐらする小さなコーヒーテーブルの上だったり。最後はブロードウェーでやりました」
最後には, 落語「トラになった男」を英語で披露。これはイギリスの小話が日本に伝わって古典落語になったものだ。桂さんは,「笑いは世界に通じます。英語は便利な道具。私もさらに勉強していきたい」と締めくくった。

記念講演のあと, 祝賀会が開かれ, 会場では杯を交わしながら受賞者たちが交流を深めていた。

受賞者へのインタビュー

文部科学大臣奨励賞受賞 上林かをりさん  / (準1級、4月より早稲田大学国際教養学部1年生)

英検の問題と大学受験対策は似ています

栄えある賞を受賞したとの連絡が来たときはびっくりしました。3 月に卒業した神奈川県立横浜国際高校は, 英語に力を入れている学校でした。2 年生の夏から1 年間, 奨学金を受けてカリフォルニア州に留学。その時に自分の意見をしっかり伝えたり, 議論したりといった英会話力が身についたので, 英検準1級の面接試験を乗り切れたのかもしれません。英検と大学受験の問題は似ているところがあるので, 別々に勉強する必要はありませんでした。将来は, 国連か海外特派員として活躍したいですね。

日本商工会議所会頭賞受賞 内藤洋一さん  / (1級、NEC モバイルターミナル事業企画部)

32 年ぶりに1 級に再チャレンジ!

小さいころオーストラリアに住んでいて, 帰国後, 中学生で英検3 級, 2 級を取得し, 1 級にもチャレンジしましたが合格できませんでした。それから32 年たって再チャレンジしたのは, 1 級に合格した会社の先輩に刺激されたからです。リーディングに力を入れると同時に語いを増やし, オピニオンスピーチに取り組みました。英検に挑戦することにより, 日本や世界の歴史などにも興味が沸き, 様々なことに意欲的に取り組めるようになりました。栄えある賞をいただけたことに感謝し, その賞に値すべく今後は原点に戻り, 英語を楽しく勉強してまいります。

日本英語検定協会賞受賞 大泉里奈さん / (2級、4 月より札幌南高校3年生)

語い力を身につけたことが合格の秘訣

幼稚園のとき, 先生が外国人で,小学校に上がってからも教えていただきました。英語はずっと好きで, 高校に入学してから1 年間, オーストラリアに留学したんです。現地の普通の高校ですから, 最初は速い英語の授業にまったくついていけず落ち込んだこともありましたが, 友人ができてからは楽しくなりました。今回, 英検を受験するにあたり, 語い力が必要だと単語をたくさん勉強しました。次は準1 級を目指します。将来やりたいことはまだ決まっていませんが, 英語を生かせる仕事をしたいですね。

連合会会長賞 田辺奈穂子さん / (1級、聖心女子学院中等科教諭)

今日のスピーチは緊張せずにできました

英語教員ですから,英検受験をする生徒に面接の対策を聞かれることがあります。自分自身は, 中学校のとき準1 級を取得したきりでしたので, 1 級にチャレンジしようと,『タイム』などの雑誌を読んだり, 過去問題に取り組んだりしました。今日の代表スピーチにあたり, 書いては読み, 内容を修正することを繰り返し, 原稿を準備しました。間違えずに言えるか心配でしたが,話し始めると緊張が解けました。現在(3 月時点)は中学1 年生を教えていますが, ゲームなどを取り入れて楽しく勉強できるよう試行錯誤しています。

米国大使賞 玄地真悟さん / (準2級、4月より青雲高等学校1年生)

外国人を見かけたら話しかけています

英語を好きになったきっかけは,電車や地下鉄で時々流れるアナウンス。英語のイントネーションを聞いているうちに, 自分も話してみたいと思いました。長崎は海外からの観光客が多い町なので, 外国人を見かけたら自分から話しかけているうちに, スピーチが得意になりました。また, 英語で日記をつけるようにしています。これからは, 英検の上の級を目指していきたいです。理科系や医学系に興味があるので, 将来はそちらのほうに進みたいと思います。

ブリティッシュ・カウンシル駐日代表賞 須田亜利さん / (2級、4月より関西大学文学部4年生)

次は1 級合格を目指してがんばります

今回, 2級と準1 級のダブル受験をしてどちらも合格しました。2級では素敵な賞までいただき, とても嬉しく思います。どちらの級も過去問題にしっかりと取り組んだことが合格につながったのだと思います。小さい頃アメリカに住んでいたためスピーキングには自信があるのですが, 英文法が苦手なのでそれを中心に勉強しています。現在, 就職活動中ですがホテル業界や旅行業界など, 英語を使った接客の仕事をしたいと考えています。就職活動が落ち着いたら在学中に1 級獲得を目指しがんばりたいと思います。

文部科学大臣奨励賞(団体賞)受賞 長崎県諫早高等学校 M野正義先生

自主的に8 割近くの生徒が受験します

もともと当校では,「英検の日」があり, その日は部活なども休んで全員受験していました。現在, 全校受験はしていないのですが, それでも自主的に8 割近くの生徒が受験します。模試とは違い, 英検は「資格」。モチベーションが上がるらしく, 放課後にスピーチの練習をする生徒も。1 年生で3級, 2 年生で準2 級, 3 年生で2 級を受験する生徒が多いです。3 級, 準2 級は8 割近くが, 2 級は6 割くらいが合格します。合格が自信につながるなど, チャレンジする力を養っています。

文部科学大臣奨励賞(団体賞)受賞 日本大学法学部 福田弥夫教授(写真左)諸坂成利教授(写真右)

アカデミック・イングリッシュだからこそ英検1級にも合格!

日本大学法学部では,正規のカリキュラムとして英検対策の授業が用意されています。そのためか準1 級や1 級合格の学生がどんどん出てきているのは嬉しいですね。アカデミック・イングリッシュは誤解されることもありますが, 本来は必要。いくら日常会話ができても留学先の大学での講義が理解できない人も多い。授業では, あえて難しい英文学にチャレンジさせたり, 万単位で英語の単語を覚えさせたりしています。英字新聞や小説などを速読して, 量をこなしているうちに, 英語の頭脳になっていきます。

文部科学大臣奨励賞(団体賞)受賞 財務省税関研修所 研修研究部 主任教官 寄高真澄さん

先輩が後輩に教える伝統があります

税関職員は日常業務で英語を必要とします。そのため, 新規採用職員研修では英語も勉強するのですが, V種職採用職員にはその効果を測るために英検受験を取り入れています。3 級から2 級を受験しますが, 準2 級が中心です。研修では, 英検対策をすることはありません。しかし, 研修期間中は寄宿舎生活ですから, 夜, 英語が得意な人がそうでない人に教えたり, 海外勤務をした先輩の指導を受けるなど, そんな助け合いが伝統的に行われているようです。

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