英検を通して次に何を見るか
学習そのものに対して視野の広い生徒を育む

大阪学園大阪高等学校

2014.04.30

1927年の開校から長い歴史を積み重ねてきた大阪学園大阪高等学校。これまでも学校全体として数々の学習活動を進めてきた同校ではあるが、その一つである英検の全校受験が、2008年度の男女共学化による生徒数の増加に伴い、今年度からは約1500名という大規模なものへと発展した。現在では同校の風土とも認識される英検の全校受験と、一人ひとりの生徒へのフォロー、さらには英語教育の先に見据える同校の目指すべき姿をうかがった。

1)英検のノウハウだけを伝えて合格すればそれで良しではない

岡本 進教頭

岡本 進教頭

 国際化、さらには共生化という時代の流れに合わせて、2008年度から男女共学校となった大阪高校。「全人教育」との理念に基づき、知育・徳育・体育を備えた生徒の育成に重点を置く同校では、単に学習面に力を入れるだけではなく、あいさつや言葉づかい、マナーといった、人としてバランスのとれた人格形成を目標に「面倒見の良い教育」に取り組んでいる。そうしたなかで、英検の全校受験を実施しており、生徒数が増えた今年度からは約1500名という大きな規模で取り組んでいくことになった。
 「本校ではこれまでも、クラス代表による英語の暗唱大会を学年で取り組み、3年生では卒業研究レポートを書くなど、さまざまな学習活動を行ってきました。もともとこうした素地があり、英検も学習活動の一つとして実施するようになったのです」と話すのは岡本進教頭だ。
 英検を導入した当初、学校全体として英語に対して苦手意識を持つ生徒も少なくなかったという。そのため、英語科担当の教諭が、受験級別に問題を編集したCDを作成したり、授業を使って受験対策を行ったりするなどしてきた。岡本教頭は「英検にチャレンジすることにより、3級や2級を取得することで英語に対するモチベーションを上げていくことができるようになります。達成感を持たせることができれば、ほかの教科にも取り組む自信につながるでしょう。まず学年ごとに取り組むようになり、現在では学校全体の大きな活動となっているのです」と振り返る。
 「ただ、英検のノウハウだけを伝えて、合格すればそれで良いというものではありません。英語というものを身近に感じて、自分なりの自信を持ちながら、その先にあるものを見ることが大事だと考えます」
 英語を学ぶことによって、生徒は日本語を相対化し、言語として見るようになり、文化として知ることができるようになった。だからこそ「異文化との交流という視点でグローバルに物事を考えられる環境を学校の中に作りたいですね。イングリッシュ・カフェのようなコーナーを設置し、普段から先生と英語でコミュニケーションをとれる機会を作ってあげたいと考えています。そうしたことを日常的に用意できる学校にしたいですね」と岡本教頭の夢は広がる。