PISA型学力を習得し、高望に向かう力を養う

大阪府教育センター附属高等学校

2014.04.30

全国初の教育センター附属校として、今春、大阪市住吉区に開校した大阪府教育センター附属高等学校は、PISA型学力を育む、大阪府の教育を先導するナビゲーションスクールだ。隣接する教育センターと一体となった教育活動により、多様な学びの機会が開かれ、生徒一人ひとりの可能性を引き出す教育を目指している。今年4月に1期生を迎えたばかりの同校と、ほかの府立高校との違いとは何か。英語教育を例に、PISA型教育について取材した。

大阪の教育を先導するナビゲーションスクールとして

乾 匡校長

乾 匡校長

 大阪府教育センター附属高等学校は、1963年開校の府立大和川高等学校を母体として、今春改編された学校である。2年前に大阪府の教育委員会議において「府立高校のさらなる特色づくりの推進事業」の一環として、教育センターの研究・研修機能と附属研究学校の教育活動を直結し、一体となって大阪の教育課題を踏まえた実践・研究を展開するための学校の設置が計画されたのだ。大阪府の教育を先導し、教育センターの先進的な教育環境を活用しながら、生徒の夢や志を育む教育実践を行う「ナビゲーションスクール」としての役割を担う。その教育目標は「共に学び、共に敬い、共に高まる」。生徒同士、そして生徒と教員が共に学び合い、自己実現を果たしていく学校である。
 240名の1期生を迎えたばかりとはいえ、大和川高校の校舎を使用しているため、同校の2、3年生も在籍している。また、学校行事や部活動などは両校の生徒が合同で行うので、まったくの新設校という雰囲気ではない。だが、カリキュラムは違う。「新たな学びの創造」を掲げ、PISA型学力の育成が、教育の一つの柱となっているのだ。
 PISA(Programme for International Student Assessment)とは、OECD(経済協力開発機構)による国際学習到達度調査のことで、PISA型学力は、学習した知識や経験を活用して、筋道立てた考察をしたり、必要な情報を選びながら、自分の考え方を説明・表現したりできる力のことである。同校では、「知識や技能を活用して課題を探求する力」の育成を前面に打ち出している。その中核となるのが、教科横断型の体験学習「探究ナビ」である。グループでの「調べ学習」に始まり、企業担当者との新商品企画、劇作家とのコラボレーションによる演劇にも挑戦する予定だ。こうした授業の進め方については、教育センターの担当者と毎週のように打ち合わせを重ね、授業研修会を開き、意見交換も行いながら決めている。生徒たちは、週3時間のこの授業を通じて、仲間と学び合いながらコミュニケーション能力や自己有用感を高め、興味や関心の幅を広げている。
 乾 匡(いぬい ただし)校長は「学びとは、『なんで?』という疑問を持つことから始まり、『そうやったんや!』と解決したときの感動を体験すること。生徒たちは、こうして『学び』への意欲を高め、自信をつけることで、大きく成長していきます。授業の中や学校の中で、このようなスパイラルを創造していくことが、生き生きと学びに向かう生徒を育んでいくことになると思っています。いわゆるボリュームゾーンの学校である本校にとって、この取り組みは大阪の教育の未来にとっても大きな使命を授かっていると考えています」と話した。