英検対策講習から始まった
スポーツ強豪校の変革

岡山県作陽高等学校

2014.04.30

松田英毅理事長

岡山県北部の津山市にある作陽高等学校は、部活動が盛んなことで知られている。中でもサッカー部、ゴルフ部、柔道部などは毎年全国1、2位を争うほどの強豪チームだ。一方、平成23年度春の叙勲で、教育界における顕著な功績により旭日中綬章を受章した松田英毅(ひでき)理事長の方針に基づき、近年は学力面の強化にも力を入れており、きめ細やかな指導で基礎学力を補強し、特進コースやスーパー特進コースを中心に国公立大学の合格実績も伸ばしている。この成長に実用英語技能検定(以下、英検)へのチャレンジが大きく関係していると聞き、取材した。

4年前に1年生を対象に英検合格目標を設定

中山勇副校長

中山勇副校長

 「これまでの本校は、文武両道の『武』が強く、『文』は生徒の自主性に期待する傾向にあったのですが、近年は『文』の強化にも重点を置き、学力面の指導を熱心に行っています。その結果、文武のバランスが取れ、学校全体の雰囲気も変わってきました」と話すのは中山勇副校長。学習面で生徒の自主性を伸ばすことは容易ではなかった。しかし、英検への取り組みが学校を大きく変えた。
 この作陽高校の変化は、一人の英語科教諭が行った講習がきっかけとなり、始まった。その講習を行ったのは、山本立美(たつみ)先生である。山本先生が赴任した4年前の2008年、生徒たちの英語レベルは決して高くなかった。しかし、先生はこれまでの経験から「素直で真面目な作陽の生徒ならできる」と確信したという。そして、その年に入学したての1年生を対象に、放課後、英検対策の講習を始めたのだ。「1年生にとっては、3年後の大学受験はまだ遠い先のことに感じられ、勉強には本腰が入りません。そこで年に3回受験のチャンスがある英検の合格を目標に設定し、取り組ませることにしたのです」。強制ではなかったにもかかわらず、生徒の多くが自主的に参加した。さらに、部活動で遅くなる生徒に向けて夜8時からのクラスも開講したところ、さらに多くの生徒が集まったという。