学校が一体となって取り組む英検で、
英語への意識が高まる

小松市立高等学校

2014.04.30

建築機械メーカーの株式会社小松製作所の企業城下町である石川県小松市。小松空港の国際空港化や北陸新幹線の開通に向けて、市をあげた国際化への対応が迫られる。市の10年ビジョンでも「国際人を目指す」が掲げられ、将来の小松市を担う子どもたちが、世界で活躍できる人材となるために様々な国際交流の機会が設けられている。小松市の国際交流を牽引する存在として注目される小松市立高等学校の英語教育を取材した。

英語教育や国際交流が盛んな小松市

坂本和哉教育長

坂本和哉教育長

 歌舞伎の勧進帳の舞台となった「安宅(あたか)の関」をはじめ、那谷(なた)寺や粟津温泉などで知られる小松市。日本海に面した西部には平野が広がり、東部にはブナなどの森林に覆われた山地が広がる。世界に名をはせる小松製作所の現地法人がある都市から来訪者を迎える機会も多く、姉妹都市の英国・ゲイツヘッド市やベルギー・ビルボールド市との交換留学制度も整うなど、市民は世界を身近に感じながら生活を送っている。
 市では20数年前から「国際人」の養成を目指し、英語教育や海外との交流活動に積極的に取り組んできた。英語教育においては、10数年ほど前から小学校で英語活動を授業に取り入れてきた。外国語活動や総合的な学習の時間などを活用しながら、ALTが指導にあたり、日常的に外国人と英語での会話に親しむ機会が設けられている。「10数年にわたる小学校での取り組みの成果が現われてきています。外国人とのコミュニケーションに対して物おじせずに、積極的にアプローチする姿勢が培われていると実感しています」と、坂本和哉教育長は述べる。
 ゲイツヘッド市とは1991年より、中高生の派遣と受け入れを続けている。今年度からはビルボールド市との交流も始まる。英語圏ではないベルギーに中高生を派遣し、文化交流を盛んにしたいと言う。これらの交流体験を通じて、小松市の若者が日本文化を世界へ広める親善大使の役割を担い、世界へ羽ばたくことが期待される。
 坂本教育長は「ゲイツヘッド市への派遣には、小松市立高校の生徒も毎回応募しています。選抜された10名は、一人ずつ現地でホームステイを経験し、帰国後も家族ぐるみで親密な交流を続けていると聞いています。今年度から始まるビルボールド市への派遣には、生け花や少林寺拳法を習っている生徒、子供歌舞伎『勧進帳』に出演した経験を持つ生徒など、何らかの形で日本文化を世界に紹介できる生徒を選抜しました」と、市内の中高生による国際交流活動への積極的な参加を喜んだ。
 市内では教育委員会主催に限らず、市国際交流協会による在住外国人生徒へのサポートや、ライオンズクラブによる小学生対象のイングリッシュ・レシテーションコンテストなどが盛んだ。また土地柄、保護者の仕事の関係で海外生活を経験してきた子どもたちも少なくない。坂本教育長は「そうした存在が、周りの子どもたちに良い影響を与えています。同年代の仲間から受ける刺激は大きく、身近にロールモデルがいることで、他の子どもたちも『自分もがんばってみよう』と高め合っているのです」と、帰国生徒による教育的な効果の高さを説明した。