故郷を豊かに語れるよう
小中一貫英語で金沢を元気に!

金沢市

2014.04.30

「世界の中で独特の輝きを放つ世界都市金沢の実現」を目指す金沢市の「世界都市構想」において、世界に発信できる人材の育成を図る「小中一貫英語教育特区」が平成16年3月に認定され、今年で5年目を迎える。様々な試行錯誤を経て積み上げられてきた金沢市の特徴ある英語教育は、確実に成果を上げ、全国の教育関係者からの注目を集めている。金沢市教育委員会の主席指導主事・山下美奈子氏、小学校英語担当指導主事・前田みどり氏、中学校英語担当指導主事・中克之氏に、その取り組みについてお聞きした。

世界都市構想から始まった一貫教育

山下美奈子氏

山下美奈子氏

 金沢市の未来を担う子どもたちに、早い段階から英語に親しんでもらおうと、全校で小学校英語をスタートしたのは、平成8年。小学校1年生から6年生まで、年間10時間の英語の授業を行ってきた。こうした実績が認められ、平成16年度、「小中一貫英語教育特区」に認定。これにより、教育課程の弾力的な運用ができるようになり、学年を超え、上学年の教科書の使用が認められることになった。
 「金沢の教育というと、小学校英語科や小中一貫英語教育が話題になりますが、いきなり実施したわけではありません。いろいろ試行錯誤を経て、民間に協力をお願いしたり、教育関係者に意見をもらったりしながら、検討しました。今年11月にも、全国小中一貫英語教育推進有識者会議を行い、アドバイスをいただきたいと思っています」と、山下氏は語る。
 小学校3年生から、「活動」ではなく「教科」としての英語科が新設され、年間35時間以上の授業が組まれることになった。
 「先生方の英語力や教える内容など、考えなければならないことはたくさんありました。3年生以上の指導は、英語指導講師やインストラクターを新たに採用し、学級担任とのティームティーチングとしました。授業のプランニングは、英語指導講師や英語インストラクターとともに、学級担任にもアイディアを出してもらう。もちろん研修もしっかり行わなければなりませんでした」
 小学校4年生までは、「聞く・話す」を中心として、小学校5年生からは、「読む・書く」も段階的に指導。小学校6年生では中学校1年生の内容を学ぶ。英語科の授業以外にも、学級担任は、週1回15分間のショートタイムの指導を受け持つ。ここでは主に授業の復習や日常会話などが行われている。
 一方、中学校では、国の標準授業時数が105時間に対し、金沢市では140時間の授業時数を設定。四技能すべてをバランスよく学習する。
 他の市からの転入児童や生徒への指導も確立している。授業についていけるように、それぞれの学習の程度に応じて、各学校で放課後や夏休みなどに、補充指導をしている。中学校では、必修英語以外に、選択英語「補充」「発展」の2講座を開設。転入生は、希望すればどちらかを選択することができるようになっている。