宮城県編

連携活動に根ざした教員養成大学の「在り方」

宮城教育大学教育学部 教授 板垣信哉

2014.04.30

 宮城県・仙台市は「杜の都」と呼ばれると同時に、東北を代表する「学都」としても知られております。筆者が奉職する宮城教育大学は、東北唯一の教員養成単科大学として44年あまりの歴史を有しております。地域に根ざした教員養成大学の「在り方」を考えることを念頭に、宮城教育大学が宮城県並びに仙台市とともに取り組んでいる英語教育充実のための連携活動と、大学の学部改革等を紹介させていただきます。

1)現職教育講座

 宮城教育大学は、1974年(昭和49年)から「現職教育講座」を開講し、小・中・高等学校の教員に研修の機会を提供してきました(2005年度からは宮城県教育委員会並びに仙台市教育委員会との共催事業)。英語教育関係の講座も、15年程前から月例会として2つの講座を開講しています(毎回20名前後の参加者、受講料は無料)。講座の主旨は「理論と実践の融合」で、近年の第二言語習得研究及び認知心理学の知見を、英語教育の実践面でどのように活用できるかを中心とした意見交換会であります。近年は、英語教育上の諸課題の変化を受け、勉強会の内容も多様になっております。特に、小学校教員の参加を受け、小学校での英語活動に関する文献紹介、授業実践、実証的研究紹介等も行っております。参加者には、現職教員をはじめ、若い学部学生・大学院生及び50年の教員歴を有する参加者もおり、戦後日本の英語教育の変遷を学ぶ場にもなっています。単に「最新の学問・研究成果を学ぶ」だけではなく「故きを温ねて新しきを知る」の精神も大切にしております。議論対象の文献としては、第二言語習得研究関係の学術雑誌の論文だけではなく、日本の英語教育の状況を検討する意味でSTEPBulletinの論文も取り上げております。参加者の多くは宮城県の小・中・高等学校の英語教育で活躍しておられますが、研究職に就かれて教育と研究で活躍されておられる方々もいらっしゃいます。