青森県編

国際交流を通した英語教育
―米国メーン州との交流がもたらしたもの

弘前大学教育学部附属教育実践総合センター 准教授 野呂徳治

2014.04.30

はじめに

 グローバル化が加速度的に進展しつつある現代社会においては、国際交流は人間が種としての共通性と多様性に気づき、共生を目指してより幅広い価値観を身につけることを希求する過程における必然と言える。国際交流は、また、外国語教育の「目的」かつ「手段」としてもその有用性が広く認められている。目標言語の学習の動機づけはもちろんのこと、母語話者とのより実践的なコミュニケーションや目標言語文化の理解、さらには、異文化コミュニケーションを含めた統合的な言語学習にいたるまで、その可能性は極めて大きい。そして、これらすべての側面において鍵となるのは「体験」である。国際交流は、「体験」を基に、外国語学習における知識・技能の「活用」及び問題解決の「探究」のプロセスを具現化する絶好の機会と言えよう。
 本州最北の地に位置し、三方を海に囲まれている青森県は、その地理的環境もあってか、古くから国内外を問わず異文化に対する受容性が高く、民間による草の根レベルの交流が盛んな土地柄である。平成20年度は、県が主催する交流事業のほかに、県内18の市町村自治体が小学生、中学生を対象とした独自の国際交流事業を実施している。また、平成21年現在、海外に姉妹校関係ないしは友好関係を締結し交流活動を実施している青森県内の学校数は、小・中・高あわせて63校あり、海外の相手校は延べ100校以上に及んでいる。
 本稿では、国際交流が外国語学習にどのような貢献をなし得るかについて、本県が平成6年に友好協定を締結し、以後、様々な分野で交流活動を続けている米国メーン州との交流事例を基に考察してみたい。