神奈川県編

秦野市:子どもたちの意欲を高める試み
~韓国の英語村における中学生の研修を通して~

秦野市教育委員会 教育指導課 指導主事 山口昌男

2014.04.30

1)なぜ、韓国での英語研修か?

村内の様子

村内の様子

 平成22年8月、秦野市では、英語力向上を目的として、1週間の韓国派遣研修に18名の中学生を送った。韓国の英語教育は過熱的で、経済的な余裕があれば小中学生の頃から海外に留学することも少なくないそうである。しかし、高所得家庭でなくても、国内でネイティブスピーカーによる十分な英語教育が受けられる環境を、という趣旨で、2006年、国によって「英語村」が建設された。英語村の正式名称は、京畿(キョンギ)英語村坡州(パジュ)キャンプ(Gyeonggi English Village Paju Camp)という。日本の都道府県にあたる自治体「京畿道」が運営する、英語学習者のための公教育施設であり、イギリス南部地方の村をモデルにした、テーマパークとも言える体験型英語学習施設である。
 英語村では、常駐する100~120人の英語圏ネイティブスピーカーを主とする講師陣が研修の指導にあたり、40~50人の韓国人スタッフが施設を管理する。東京ドーム6個分ほどの広大な敷地には路面電車が走り、警察署、郵便局、病院などを模したロールプレイングのための擬似体験施設や、生活と学習の両面で用いられるコンビニエンスストア、ファストフードショップ、カフェテリア、本格的な劇場なども整備されている。各施設では、ネイティブスピーカーがすべて英語で対応する。敷地内には宿泊施設が完備され、管理するスタッフが常時滞在しているので、起床から就寝まで安心して生活ができる。
 現在、小学生用・中学生用・公立教職員用・行政職員用・軍人用・裁判官用・日帰り家族向けなど、様々な立場を対象とした英語研修プログラムがある。授業中はもちろん、食堂、宿泊棟、売店などの施設においても、スタッフと研修生が使用するのはすべて英語というルールになっている。