「小さな田舎町」だからこそ、
町をあげてグローバル社会にそなえる

熊本県・小国町

2014.04.30

風光明媚な熊本県阿蘇に位置する小国町は、人口8,500人あまりの自然に囲まれた小さな町。町をあげて小中学校での英語教育に力を入れていることで、県内では知られた存在だ。今回は、外国人講師を多数招いて開催された「夏休み学習会」の様子を取材し、先生方にお話を伺った。

「夏休み学習会」で外国人講師と交流する

小学生クラス・講師紹介の様子

小学生クラス・講師紹介の様子

岩田悠作先生

岩田悠作先生

 今年で3回目の開催となる「夏休み学習会」は、1日目は小学6年生、2日目は中学生を対象として行れる英会話と算数・数学を学ぶ夏の課外授業だ。今年は8月22、23日に行われた。英会話の授業はいずれも3時間ほど。様々なゲームやアクティビティーを楽しみながら、英語を使って色々な人とのコミュニケーションが取れるスキルを養っていく。小中それぞれの日本人教師を中心に、小国町のALTほか、YMCAの協力を得て、近隣地域から外国人講師や学生ボランティアを招き、総勢10名あまりの講師の指導の元、授業が始まった。
 小中とも、最初のアクティビティーは「バースデーチェーン」を作るというもの。生徒たちはクラスメイトや講師と“When is your birthday?”“My birthday is....”という会話を交わしながら、1月1日から12月31日まで誕生日順に大きな輪になって並ぶ。次にグループを作り、英語で自己紹介をしたり、クイズ、ビンゴをしたりと、英語を使ったアクティビティーが続く。それぞれのグループには外国人講師が加わり、生徒に自国について紹介するなど交流を深めた。さらに中学生の授業では、「1-minute Chat」や「Show and Tell」など、まとまった文章を話すアクティビティーも行われた。小中とも最後のアクティビティーは、「入国審査を受けよう」というもの。生徒にはパスポートが渡され、生徒はそれを持って各国の入国審査官に扮した外国人講師たちのもとを訪れ、入国許可のサインをもらうという活動だ。入国審査官に扮する外国人講師に自分の名前や年齢を伝えたあとに、“How long will you stay here?”“What's your purpose to come to this country?”など、入国のための質問に答える。生徒たちは、できるだけたくさんの国の入国サインを集めるために集中して質問に答え、教室中を動き回る。教室からは生徒たちが一生懸命話す英語や笑い声、歓声が聞こえるほどの盛り上がりを見せた。
 今回の学習会で行った活動は、小中学校の先生が協力して考案したものだという。小中とも同じ活動をベースにしているが、中学生には会話の中で使う表現や語彙のレベルを上げて、それぞれの学年に合った内容になるよう工夫されていた。
 小学生の授業を担当した岩田悠作先生は、「私は普段は小学5年生を担当していて、英会話の授業はALTとのTTで行っています。小学校では現在、基本的にはそれぞれの学年の担任が英会話の授業も担当していますが、教材や授業の組み立てなどは、お互いにサポートし合っています。現在の5年生は3年生の頃から英会話科を受けている学年で、英語への気後れや気負いが全くなく、ただ授業を楽しんでいるようです。彼らの様子を見ていると、大人から与えられる物事を素直に受け入れる低学年から、英語に触れる意義は大きいと感じます。私が授業でいつも強調して話しているのは、『間違ってもいいんだよ』ということと、『相手の目を見て話そう』ということです。なぜならば、英会話の授業では正しい英語を使うことよりも、相手とのコミュニケーション力を養うことに意義があると考えているからです。英語の授業で身につけた力は、他の教科や活動にも生きてくるのではないでしょうか」と話す。