高知県編

青い海、輝く太陽、
羽ばたけ高知の子どもたち

高知大学 教授 那須恒夫

2014.04.30

 高知県は幕末から明治維新にかけて日本の新しい国造りに貢献した人物を多数輩出した県である。彼らのうち特筆すべき2人の人物がジョン万次郎こと中浜万次郎と坂本龍馬である。中浜万次郎は1859年に幕府の名を受けて『英米対話捷径』と呼ばれる日本で最初の英会話教本を作成した。坂本龍馬は1867年の暗殺前に、和英辞典である『和英通韻伊呂波便覧』の編集を海援隊に指示していたと言われている。彼らは共に幕末の動乱期にいち早く日本人の国際化や英語学習の重要性に着目していたのである。そのような2人の偉大な人物が生まれ育ったのが高知であり、そこでは現在どのような英語教育研究が行われているか、平成22年度の活動を振り返りながら、その概要を紹介する。

1)英語スピーチ大会の開催

 まず、県下の幼児・小学生を対象に、国際人としての感覚を身につけ、将来国際社会で活躍できる人材を育てる一助となることを目的として毎年開催されている大会の一つに、「高知県こども英語弁論大会」(NPO県生涯学習支援センター主催)がある。今年38回目を迎えるこの大会には3~12歳までの43名(幼児20名、小学校低学年17名、小学校高学年6名)が参加し、身ぶり手ぶりを交じえ、英語で熱弁を振るった。もう一つは「第6回高知県小学生外国語暗唱大会」(学校法人明徳義塾主催)である。同大会には英語と中国語部門があり、小学生3年生以上の生徒50名が参加した。この2つの大会に毎年出場していた高知市城東中学校1年の宇田周平君は、11月下旬に開かれた高円宮杯全日本中学校英語弁論大会で、見事7位に入賞した。
 中・高校生を対象とした英語スピーチ大会も、生徒の英語力向上や世界に向け視野を広げることを目的として、毎年広く県下で開催されている。県中学・高校英語弁論大会(県教育文化祭運営協議会、土佐教育研究会、毎日新聞高知支局主催)は第63回を迎えた。中学生81人と高校生21人が流暢(りゅうちょう)な英語を披露した。中学生は1年が教科書などの暗唱、2・3年は暗唱とスピーチの2部門、高校生は自由なテーマで、それぞれ4~5分の持ち時間で身ぶり手ぶりを交じえ、聴衆に語りかけながら日常の疑問点などについて堂々と演説した。その他、高知県西部黒潮町で開かれた「第45回幡多地区中学校英語暗唱大会」には61人の生徒が、また、高知市の東隣りに位置する南国市で開かれた「第13回中学生英語弁論大会」(市外国語活動・英語教育研究会、市立教育研究所、市教委主催)には市内の4つの中学校から22人が出場した。高校生を対象とした、「高知県英語ディベート大会」(県教育文化祭運営協議会、県高校教育研究会、毎日新聞高知支局主催)は10回目を迎え、5校から12チーム42人が参加して、「日本は移民政策を大幅に緩和すべきである」というテーマで英語で議論を行った。