徳島編

阿波池田ジャンボーズ英語セミナーの精神を受け継いで

鳴門教育大学 言語系コース(英語) 教授 伊東治己

2014.04.30

はじめに

 某テレビ局のバラエティー番組ではないが、各都道府県には独自の産物や習慣がある。徳島県と聞いて、読者の皆さんは何を想起されるだろうか。阿波踊り、鳴門の渦潮、鳴門金時、NHKの朝の連続ドラマで有名になったウミガメ。それとも、さだまさしの小説を映画化した「眉山」か、鳴門市にあった板東俘虜(ふりょ)収容所がモチーフとなっている「バルトの楽園」か。ちなみに、鳴門はアジアでの第九初演の地でもあり、毎年6月には全国、海外から第九の愛好者が集まってコンサートが開催されている。
 英語教育の分野では、おそらく50歳代以上の読者には「阿波池田ジャンボーズ英語セミナー」をすぐに思い出していただけるのではなかろうか。1968年から始まった英語セミナーで、阿波池田(高校野球ファンには懐かしい名前)の美しい自然と、國弘正雄氏をはじめとした、蒼々(そうそう)たる講師陣の魅力にも誘われ、全国から教員や学生が参加した。当時は英語を日常生活の中で使う機会が限られており、セミナー期間中はまさに英語漬けの状態であった。この活動は、日本社会での英語の存在感が強まるにつれ、参加者も減少し、1997年の第28回で終息している。しかし、徳島県の英語教育には今もその当時の熱気と意気込みが延々と受け継がれているように思える。