“黒潮魂” を育む教育で国際化社会を生き抜く力を持った人材を育成

岩手県・大船渡市立大船渡中学校

2014.12.08

リアス式三陸海岸の起始部に位置する大船渡市は、古くから水産業で栄えた土地。市立大船渡中学校は、この街の顔ともいえる大船渡湾を眼下に見下ろす高台に建つ。東日本大震災では3 割近くの生徒の家が被災し、校庭には震災直後に建てられた仮設住宅が今もそのまま残る。震災後、世界中から寄せられた温かい支援をきっかけに、独自の英語教育とともに国際化への意識が高まっている様子を取材した。

生徒の主体性を引き出す3つの気付き

佐藤謙二副校長

佐藤謙二副校長

 生徒数251 名(2014 年6 月2 日現在)の大船渡中学校は、昔から地域に開かれた学校として独自の学校運営を行ってきた。地元のボランティアを迎えて行う伝統文化・芸能を学ぶ活動は20 年以上も続いているが、毎年9 月から10 月にかけて、週に数回、大船渡町の伝統芸能である「鹿踊り」や「鎧剣舞」などを練習、継承している。参加は自由で部活動後に行うにも関わらず、震災後の今も6割以上の生徒が参加し、賑やかに行われているという。学校の教師だけでなく、地域の人たちも一緒になって生徒たちの成長を見守る温かく豊かな環境の中で、生徒たちは学校の校訓である「黒潮魂~明るく・賢く・逞しく~」の精神を持って、勉強や部活動に取り組んでいる。
 佐藤謙二副校長は「震災直後は、これからの生活への不安感が高まり、平常に授業を行うのは大変でしたが、今は落ち着きと活気を取り戻しています。不登校生もおらず、生徒の適応状況も良好です」と話す。そんな同校では次の「3 つの気付き」を養うことを校内研究の重点項目として掲げ、全ての授業や活動においてこれらの気付きを引き出すことに努め、主体性を持った生徒の育成を目指している。

①教材への気付き:教材そのものから学んだこと
②自分への気付き:教材を学んでの,これまでの自分と違う姿
③級友への気付き:級友のさまざまな考えから学んだこと