英検対象検定級別一覧 EIKEN BULLETIN 英検 研究助成 報告書

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A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

「外国語活動」と「小学校英語」をつなぐ,評価のあり方について
―到達度テストによる授業改善と指導と評価の一体化をめざして―

北海道/中富良野町立中富良野小学校 教諭 久保 稔

▼研究概要
本研究は,外国語活動の良さを生かしつつ,評価規準と単元テストを活用した実践を通して,「慣れ親しむ活動から身に付く活動」へと円滑に移行させる方策についての研究である。  平成23年度より,小学校の第5・6学年で外国語活動が必修化され3 年が経過した。コミュニケーション能力の素地の育成をめざし,全国各地でさまざまな実践が行われている。その外国語活動が,現在教科化に向けて議論が行われるなど,転換期を迎えている。これまで同様,コミュニケーション能力の素地を養うという基本路線は変わらないが,以下の点が変更になる。  ⑴ 授業時数の増加(週1時間から週3時間へ)  ⑵ 検定教科書の導入  ⑶ 話すこと・聞くこと中心の指導から,読むこと・書くことを含めた4技能の育成  外国語活動が教科になるときに,懸念されることの1 つに評価が挙げられる。これまでは,教師による行動観察や自己評価シートなどを活用した「主観的な評価」が行われてきた。しかし,教科になる以上,これまでの評価に加えてテストなどを活用した「客観的な評価」も必要になると考える。そこで,聞くことや話すことについての技能を見取るために,この2つの能力にかかわる確認テスト(到達度テスト)を用いた評価方法について提案していきたい。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
学習指導要領(小学校)
テスト・分析方法
到達度テスト
必要技能
リーディング
リスニング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

データマイニングの手法を用いた英語ライティングへのアプローチ
―日本人英語学習者のエッセイ評価に影響を与える文法的誤りパターンの検討―

東京都/早稲田大学大学院 在籍 石井 雄隆

▼研究概要
本研究の目的は,データマイニングの手法を用いた日本人英語学習者のエッセイ評価と文法的誤りパターンの関係性についての検討である。日本人英語学習者のエッセイ評価において,文法的誤りがどの程度関係しているかというのは,まだ十分に明らかにされていない。本研究では,その関係性について検討するため,2つの調査を行った。1つは,文法的誤りを20個のカテゴリーに分類し,エッセイ評価別の共起関係についてデータマイニング手法の1つであるアソシエーション分析を用いて,日本人英語教師がライティングを評価する際に寄与する文法的誤りについて検討した。もう1つは,文法的誤りの頻度情報からエッセイ評価の予測をするため,画像処理などによく用いられる手法である最近傍法を用いてエッセイ自動評価の可能性について検討した。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
ライティング評価
研究関連テーマ
評価(指導者による)
テスト・分析方法
アソシエーション分析
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

テスト項目と英文読解ストラテジーの関係
―正誤答時の視線データを基に―

愛知県/名古屋大学大学院 在籍 吉川 りさ

▼研究概要
本研究は,読解力テスト解答中における認知プロセスを明確にするため,日本語を母語とする英語学習者が読解テストに解答する際の眼球運動を計測し,⑴ テスト項目の認知的妥当性の検証と,⑵ 解答者の内的要因と認知プロセスの関連を調べた。具体的に,大学(院)生が英検の読解問題を解答する際の眼球運動の計測と,アンケート・インタビュー調査を実施した。主な結果は以下のとおりである;⑴ 項目正答者は,誤答者に比べて,解答時のテキスト注視時間が短く注視回数が少ないことから,解答該当箇所をより迅速にかつ的確に認識している;⑵ テスト項目正答に至るまでの認知プロセスには読み手のメタ認知ストラテジーが関与している;⑶ 解答時の認知プロセスを解明する上で,研究方法論間のトライアンギュレーションは有効に機能する。⑴を通して,英検問題項目への認知的妥当性が示された。これらの結果は,新たな視点からテスト評価と英語力評価の実現可能性を示唆している。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
視線データ
研究関連テーマ
リーディング能力
テスト・分析方法
インタビュー
英検問題(リーディング)
空所補充テスト
読解テスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

バックグラウンドノイズがリスニング理解度に与える影響の検証

茨城県/筑波大学大学院 在籍 藤田 亮子

▼研究概要
本研究は,リスニング音声に付加されたバックグラウンドノイズが日本人英語学習者のリスニング理解にどのように影響を与えるかを,ノイズのレベル,学習者の熟達度,リスニング問題の難易度に焦点を当て検証した。協力者102名は,3種類の難易度で異なる度合いのノイズが付加されたリスニング問題に回答した。その結果,ノイズのついた音声は,ノイズの度合いが小さい場合,学習者の熟達度を測定することに適していることが明らかになった。第二に,ノイズの影響は熟達度や問題の難易度により異なるものの,ノイズのレベルが大きいほど,学習者のリスニング理解度が低くなった。第三に,熟達度の影響としては,熟達度が高い学習者であっても,ノイズのレベルにかかわらず,ノイズが付加されていない音声と比較して,ノイズが付加された音声では理解度が低下した。最後に,リスニング問題の難易度によってもノイズがリスニング理解度に与える影響は異なっていた。学習者にとって低い難易度でもノイズがあることでリスニング理解度が低下した。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
リスニングテスト
研究関連テーマ
テスト・分析方法
TOEIC
英検問題(リスニング)
三元配置分散分析
重回帰分析
リスニングテスト
4件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

質問応答モデル QUEST に基づく錯乱肢の作成
―解答収束メカニズムを利用して―

茨城県/筑波大学大学院 在籍 細田 雅也

▼研究概要
人が質問に答えるとき,候補となる解答から最適なものを決める「解答収束メカニズム」が働く。QUEST はこの解答収束メカニズムによって,質問に対する最適解を生成する質問応答モデルである。本研究は QUEST による解答収束メカニズムを,英文読解テストにおける錯乱肢の作成に利用することを目的とした。調査1では,錯乱肢作成の基盤を築く目的で,QUEST の3つの解答収束メカニズム(i.e., リンク検索,構造距離,因果強度)がどのような順番で働くのかを検証した。調査2では,調査1から示された収束メカニズムの段階性(解答収束ステージ)を利用して,収束メカニズム上最適解に近い,および遠い錯乱肢を作成し,テキスト理解度が異なる受験者の弁別にどの程度有効かを調べた。その結果,最適解に近い錯乱肢は,テキスト理解度の低い受験者をより多く引きつけることがわかった。これらの調査を通し,もっともらしい錯乱肢の性質に対する示唆と,質問応答モデルの言語テストへの利用可能性が示された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
多肢選択式問題
研究関連テーマ
テスト・分析方法
一元配置分散分析
重回帰分析
多肢選択式テスト
筆記再生テスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

中学校英語科における強制アウトプットが不定詞の習得に与える影響

大分県/佐伯市立昭和中学校 教諭 山城 仁

▼研究概要
本研究は,英語初学者である中学生に対して強制アウトプット(ストーリーリテリング,ディクトグロス)を取り入れた授業を実践し,不定詞の習得にどのような影響を及ぼすのかを検証したものである。強制アウトプットを取り入れた授業は,それぞれ13時間実施された。授業実践前,直後,4週間後に行った自由英作文テストと文法性判断テストにおける複雑性・正確性・流暢性に関する分析から,ストーリーリテリング群には4週間後においても不定詞の使用数に効果が保持されており,不定詞の使用を促す効果が特に見られることが明らかとなった。ディクトグロス群には4週間後にかけて意味内容に応じてエラーを訂正する問題に改善が見られ,文構造の適切な使用を促す効果が特に見られることが明らかとなった。また,ディクトグロスは実践直後には不定詞の使用種類を,ストーリーリテリングは4週間後にかけて不定詞の使用数を有意に伸ばすことが明らかとなった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ストーリーリテリング
ディクトグロス
研究関連テーマ
英語運用能力
テスト・分析方法
自由英作文
文法テスト
必要技能
リーディング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

英文手紙交換がもたらす中学生の異文化理解と英語学習に対する意識の向上

大阪府/大阪市立高津中学校 教諭 伊藤 由紀子

▼研究概要
本研究では,日本とアメリカの生徒との英文手紙交換の活動を通して,両国の生徒のグローバルマインドと異文化理解の変容,日本の生徒の英語の授業における積極性に与えた影響を,質問紙によって検証した。また,取り組みに対する目的と,教師の視点からとらえた生徒の変容を,教師の半構造化インタビューにより分析し,さらに,中学時代に手紙交換を経験した卒業生の半構造化インタビューから,手紙交換が卒業後の進路や,英語学習への意欲に与えた影響について分析した。その結果,異文化理解に関して,日本の生徒の事前と事後で顕著な差が見られ,取り組み後にはお互いの国に対する印象が以前より良くなったことと,日本の生徒は以前よりも英語を使うことに対し自信がついたことが明らかとなった。また,教師が同じ目的を持って取り組んだことで,英文手紙交換が生徒の異文化理解の変容に影響を与え,卒業後の英語学習への意欲の向上につながったことがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
海外交流
自由英作文
研究関連テーマ
国際理解
ライティング指導
テスト・分析方法
インタビュー
ウィルコクソンの符号付順位和検定
4件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

テレビ会議システムを使用した異文化間プレゼンテーション能力の向上のための指導【共同研究】
―オーストラリアの高校生とのテレビ会議授業を通して―

北海道/北海道千歳高等学校 教諭・代表者 山崎 秀樹

▼研究概要
本研究は,異文化間プレゼンテーションの経験がない生徒が,オーストラリアの高校生とのテレビ会議システムを通じて,英語による異文化間プレゼンテーション能力を,どのように,どれくらい向上させるのか,また,英語による双方向の即時的なコミュニケーションが,英語プレゼンテーションへの心理的障壁を取り除くことができるのかを検証した。その結果,① プレゼンテーションとそれに向けての準備が,英語力(特に話すこと・書くこと)を向上させること,② 異文化にいる相手にも伝わるよう,プレゼンテーションの構成やデリバリーの工夫をすること,③ 異文化間コミュニケーションの差異に気づくこと,④ 同世代の生徒を相手に双方向かつ即時的なコミュニケーションを通して,英語を使うことへの自信が向上すること,⑤ 以降のプレゼンテーションスキルの向上や英語学習への動機づけが強化されることがわかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
海外交流
プレゼンテーション
研究関連テーマ
国際理解
ポートフォリオ
ルーブリック評価
テスト・分析方法
自由記述アンケート
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

評価 rubric を活用した英語ライティング力と自己評価力の育成をねらった実践

新潟県/新潟県立松代高等学校 教諭 松井 市子

▼研究概要
本研究の目的は,日本人高校生の英語ライティング力と自己評価力の育成に有効な評価 rubric の活用方法を探ることである。特に,評価 rubric を生徒と作成する段階を指導に取り入れることで,取り入れない場合との違いを明らかにする。本研究では,評価 rubric を生徒が能動的に作成したものを使用する方が,教師が作成したものを受動的に使用する場合よりも,生徒の英語ライティング力の育成に有効だということがわかった。特に,評価 rubric の「内容」の項目は,評価 rubricを活用すると教師の支援なしでも生徒自身でモニタリングできることがわかった。「言語(語彙)」の項目は,評価 rubric を生徒に作成させることで場面や状況を考慮した語彙選択をするという結果が得られた。また,評価 rubric を生徒に作成させることで,生徒が語彙や文法項目の学習を他の項目より重視していることもわかった。生徒の自己評価力に関しては,評価 rubric を生徒に作成させることで「教師評価」との「ずれ」が少なくなることがわかった。CAN-DO リストとパフォーマンスタスク,そして評価 rubric を有機的に指導に活用することが大事で,特に評価 rubric は生徒自身が作成したものを使用することで,生徒のライティング力や自己評価力がより育成され,それら三位一体の活用と教師の形成的評価が生徒の自律を促すことにつながるという結果を得ることができた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
自己評価
ライティング能力
研究関連テーマ
CAN-DO
ルーブリック評価
テスト・分析方法
ライティングタスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

個別カンファレンスを通しての「自立した書き手」の育成と「学び」の観察

アメリカ/ハワイ大学マノア校博士課程 在籍 今井 純子

▼研究概要
本研究は,個別ライティング・カンファレンスプログラムを,アメリカの大学の第二言語としての英語教育(ESL)課程において試験的に導入し,第二言語として英語を学ぶ大学・大学院生と,チューターとの間のやりとりを,学期を通して経時的に観察した。また,各カンファレンスの後,研究者とともに録画したビデオを見ながら,実践への参加者がカンファレンスについて振り返る時間を設けた。本紙では,チューターの1人(英語母語話者)と日本の大学からの交換留学生の1学期間(全4回)のライティング・カンファレンスへの参加の様子を観察し,事例として紹介する。また,この事例を,同チューターが受け持った他の学生との事例と比較し,ストラテジーへの言及,学習者の気付き,カンファレンスにおける共同作業,研究者の介入という点からその特徴を挙げる。また,プログラムを通して,「自立した書き手」の育成を目的とした支援や「学び」がどのように行われていたか,今後の研究の方向性も含めて考察する。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
自立学習
テスト・分析方法
ライティングタスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

日本人英語教師の英語観
―「国際語としての英語」を中心として―

東京都/立教大学大学院 在籍 行森 まさみ

▼研究概要
本研究では,日本人英語教師の「国際語としての英語」に対する意識とそれを構成する要因を検証し,教師の英語観の実態を明らかにすることを目的としてアンケート調査を行った。調査協力者は288名の高校教師で,t検定と探索的因子分析を用いて結果分析を行ったところ,英語でのコミュニケーション実践において,NS により強い意識を置いていることがわかった。その理由を表す英語観には,規範主義や英語圏への文化的関心,英語への言語学的関心,英語教育の知識志向および実用志向があることが明らかになった。自由記述回答では,実用性を重視する近年の英語教育の傾向が過度に進むことへの懸念も見られ,学校という場における英語教育のあり方を問うものもあった。そのような立場からすると,NNS として,NS だけではなく,より広く NNS とのコミュニケーションをも意識した「国際語としての英語」という概念は,実用主義を単に強化するものとしてとらえられる可能性が示唆された。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
世界諸英語
研究関連テーマ
EFL(English as a Foreign Language)
英語観
テスト・分析方法
因子分析
自由記述アンケート
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

D:その他

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

医学英語CAN-DOリストの開発【共同研究】

東京都/東京外国語大学大学院 在籍・代表者 高橋 良子

▼研究概要
本研究の目的は,医学英語 CAN-DO リストを開発し,その開発過程を詳細に記述することである。現在,ヨーロッパ共通言語参照枠( Common European Framework of Reference for Languages: Learning, Teaching, Assessment, CEFR)や CAN-DO リストの概念は日本の英語教育にも広く応用されているが,その多くが一般英語(English for General Purposes)教育に関連してであり,特定の目的のための英語(English for Specific Purposes, ESP)に関して十分とは言えない。医学英語という高度に専門的な分野において CAN-DO リストを開発し,その開発過程を克明に記録すれば,CEFR やCAN-DO リストの ESP への応用可能性を明らかにできる。本研究における医学英語 CAN-DO リストの開発は,開発目的の明確化→提示方法の明確化→タスクの選定→能力記述文の特徴の明確化→能力記述文の作成,という手順を踏んで行われた。能力記述文の作成過程では,英語圏で出版されている医療コミュニケーション関連の書籍や,医学英語に関する資格試験など,さまざまな資料を参考にした。今後は,本研究で開発された医学英語 CAN-DO リストを実際の授業で活用しその妥当性を検証することによって,より進歩した医学英語 CAN-DO リストを開発したり,他分野の ESP における CAN-DO リストの作成を試みることが必要である。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
CAN-DO
研究関連テーマ
ESP(English for Specific Purposes)
テスト・分析方法
-
必要技能
-
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

読みの流暢さを測定する Moving-Window 版テスト
―コンピュータ利用の新たな視点―

茨城県/筑波大学大学院 在籍 田中 菜採

▼研究概要
本研究では、コンピュータベースのチャンク提示読解タスクを応用したテストを試案し、日本人英語学習者の読みの流暢さの能力の検証を試みた。このテストでは各チャンクに対し個別に読解制限時間が定められ、自動的に進む。読み手は読解後にテキストの理解度を測定するための筆記再生課題を行い、その指標によって流暢さの能力を測定するというものであった。まず調査1ではチャンク提示速度の参考とするため大学生を対象にチャンクごとの読解時間を測定した。その結果、1分間におよそ100語、130語、170語の提示速度を決定した。また、調査2ではこの読みの流暢さを測定するテストを別の協力者に実施したところ、熟達度上下群で理解度の違いが見られた。熟達度の低い学習者は英文の内容よりも処理速度に困難を抱えていたため、このテストが流暢さの能力を測定していると考えられる。この他に、チャンク提示読解で制限時間を設定する場合の示唆が得られた。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
流暢さ
研究関連テーマ
多読
読解熟達度
読解速度
流暢さ
テスト・分析方法
一元配置分散分析
質問紙法(アンケート)
読解テスト
二元配置分散分析
筆記再生テスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

スピーキング能力と語順知識の関連性における調査

茨城県/筑波大学大学院 在籍 佐瀬 文香

▼研究概要
本調査は、スピーキングと語順についての関連性を調査することを目的とする。現行の中学校学習指導要領において、語順指導の重要性が明記されている。また、語句整序問題は、英検や大学入試センター試験などさまざまな試験に採用されているが、語句整序問題が何を測定するものなのか明らかにされていないのが現状である。本研究では、予備調査と本調査の2種類の調査を実施した。 予備調査では、本実験において焦点を当てる文法項目を選定した。その結果から本調査でのマテリアルを作成し、協力者83名に再話課題と語句整序問題、そしてSentence Buildsの3課題を課した。語句整序問題の結果から、協力者は上中下の3群に分けられ、それぞれの得点の結果を比較した。その結果、語句整序問題における得点が高ければ高いほど、再話課題において高得点を獲得したことがわかった。これらの結果から、文脈提示の重要さが支持され、さらに質的な調査の結果から、協力者の発話において簡易化という特徴的な産出が見られた。これより、語順指導は語順単体で指導するよりも、文脈を伴った語順指導の重要性が示唆された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
スピーキング能力
文法力
研究関連テーマ
スピーキング能力
パラフレーズ
文法力
文法指導
テスト・分析方法
語句整序テスト
質問紙法(アンケート)
重回帰分析
スピーキングテスト
多変量分散分析
ピアソンの積率相関係数
リスニングテスト
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

英語リスニング不安とリスニングの下位技能の関係
―リスニング不安の概念の細分化によるリスニング指導への具体的提案―

広島県/広島大学大学院 在籍 山内 優佳

▼研究概要
本研究の目的は、学習者がリスニング時に抱く不安とリスニング力の下位技能の関係を詳細に明らかにすることである。リスニング不安は6種類の要因(実生活におけるリスニング、学習場面におけるリスニング、学習者の不十分な知識、テキストの難易度、ボトムアップ処理、メタ認知的活動)、リスニング力は4つの下位技能(単語、音変化、推測、ワーキングメモリ)の観点から、それぞれの概念がどのように関連しているのかを調査した。調査の結果、「学習場面におけるリスニング」に対する不安はすべての下位技能と負の相関があり、本研究で対象としたリスニング力と最も関連が強いことが示された。不安軽減のための示唆としては、音変化を聞き取る力をつけること、そして適切なレベルの教材を使用することが挙げられた。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
リスニング能力
研究関連テーマ
ボトムアップ処理
メタ認知
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
ディクテーション
リスニングテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

中高一貫校での英語多読指導の科学
―統計,言語分析による,英語力,言語力,自己効力感の変化を予測する科学的指導モデルの提案―

兵庫県/神戸大学附属中等教育学校 教諭 増見 敦

▼研究概要
本研究では、授業中の10~15分間を利用した授業内英語多読活動にかかわる中高一貫校生の英文読語量、読書などの意識調査およびGTEC for STUDENTSスコアの分析結果に基づき、多読活動による学習者の能力(英語力、言語力)・意識(自己効力感を含む5観点意識)の関係について、授業内英語多読指導効果モデルの構築を試みた。 授業内英語多読活動を通じ、学習者は一定量の読書を行い、文法訳読精読型の英語の読みではなく、多読型の新しい読みのストラテジーを学習者に獲得させる上で統計上有意な効果が確認された。また、学習者の読みに対する自己効力感の大幅な上昇も確認され、GTECで測られる英語リーディング力をも向上したことが明らかになった。一方でこの活動の限界も示唆され、本研究の分析結果に基づき、「強制的読み」から「自律的読み」、あるいは「学び読み」から「楽しみ読み」に向けた、より広義の言語力獲得へ拡張できる新しい多読プログラム開発に向けた課題をまとめた。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
多読
研究関連テーマ
英語運用能力
自己効力感
多読
リーディング能力
テスト・分析方法
GTEC
t検定
重回帰分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

多読は速読に有効か?
―音読・心内音読・黙読の違いが読解速度と内容理解に与える影響―

東京都/東京都立白鷗高等学校 主任教諭 中野 達也

▼研究概要
高校1年生全員を対象にして、9月から2月末まで、約半年間にわたって多読プログラムを実施した。Oxford出版のGraded Readersシリーズをそろえ、生徒には原則1週間に1冊ずつ読ませた。約半年間の読了総語数は、平均で133、833.9語、読了平均総冊数は18.9冊、最高は48冊であった。多読プログラム開始時の9月と終了時の2月に、それぞれプレテストとポストテストを実施し、語彙力、文法力、読解力および読解速度の伸びを統計的に比較した。その結果、いずれの領域においても有意差があり、多読の効果があったことが認められた。 また、多読プログラムと並行して、心内音読についての質問紙による調査を年に4回実施した。この調査の結果、8割以上の生徒が心内音読をしていることがわかった。心内音読をしない生徒たちは読了総語数が多かったことから、心内音読を伴わない「よい読み手」になるためには、大量の英文を読み、概要をつかむことができるようになったり、語彙を増強することが有効であることもわかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
速読
多読
研究関連テーマ
音読
語彙力
速読
多読
読解速度
内容理解
文法力
テスト・分析方法
ACE(Assessment of Communicative English)
自由記述アンケート
ピアソンの積率相関係数
プリテスト/ポストテスト
4件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

授業内英語活動「4/3/2」は高校生のコミュニケーション能力と批判的思考態度を育成するか【共同研究】

鹿児島県/鹿児島県立加治木高等学校 教諭・代表者 市原 賢優

▼研究概要
本研究では、流暢さを伸ばすことをめざした授業内活動「4/3/2」を、ワードカウンターを用いて実践し、その効果を検証した。授業内活動「4/3/2」とは、相手を変えながら、同じ話題について時間的プレッシャーの中で話す活動である。聞き手の生徒はワードカウンターにより相手の発話語数を記録する。生徒の批判的思考態度と英語表現力に関する調査が授業内活動「4/3/2」の前後で2回ずつ計4回実施された。また活動後に、生徒は活動を通して感じたことをそれぞれ自由記述式で書いた。 結果として、授業内活動「4/3/2」によって英語の流暢さが伸びることが示唆された。また授業内英語活動「4/3/2」が、批判的思考態度の育成に寄与するという結果は得られなかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
スピーキング指導
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
スピーキング指導
批判的思考力
表現力
文法力
流暢さ
テスト・分析方法
自由記述アンケート
プリテスト/ポストテスト
ライアン法
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

生徒の自己発音モニタリングが正確な発音の定着に与える効果

東京都/東京都立白鷗高等学校 教諭 小林 翔

▼研究概要
中学で3年間英語を学習してきたにもかかわらず、高校生の英語の発音能力はあまり高くない。調音方法を知らなければ、正確な音を出すことは難しい。また生徒は自分自身の英語の発音を振り返って聞いた経験もほとんどなかった。本研究では、生徒自身の発音の誤りに対する気づきと修正がどのように推移していくのか、モニタリングを繰り返し検証することで正確な発音が定着できるのか、どの程度発音に対する意識は変化するのかを分析し、検証した。 調音方法を知り、発音への関心が高くなると、自分の発音に自信が持てるようになる。モニタリングを繰り返すにつれて正確な発音ができる。または自分の誤った発音に気づき、修正もできるようになるという仮説を立てた。調査には公立高等学校1年生41名のデータを取り、事前と中間と事後において、発音に対する意識調査の結果を分散分析の手法で分析した。結果は、すべての項目において事前から事後において発音に対する意識・知識・能力の値が上昇した。次に、発音モニタリングテストの結果を分散分析の手法で分析した。結果は、繰り返し自分の発音を聞くことで、正確に発音する力をつけることができることがわかった。また、自分の発音の誤りに気がつき、注意していれば修正もできることがわかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
自己発音モニタリング
研究関連テーマ
音声指導
テスト・分析方法
一元配置分散分析
質問紙法(アンケート)
スピーキングテスト
ボンフェローニ法
6件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

高校生の英作文力とリスニング力の向上におけるディクトグロスの効果

広島県/広島県立広島井口高等学校 教諭 久山 慎也

▼研究概要
本研究は、まとまった英文を聞いてメモを取り、そのメモをもとにペアあるいはグループでその英文を再現する活動であるディクトグロスを高校3年生1クラスを対象に実施し、その効果を検証した実践報告である。指導は3か月間で合計15回行われ、指導の前後で対象生徒の自由英作文における正確性・流暢性・結束性の変化が4つの指標(理解不能な文の数、総語数、アーギュメント重複値、結束語の出現頻度)を用いて分析された。あわせて、リスニングテスト得点も分析されたが、その結果から、ディクトグロスは自由英作文の得点が低い生徒およびリスニングテストの得点が低い生徒に対して有効な活動であることが明らかとなった。また、テキスト内のどの文法事項に対して「気づき」がもたらされるかについては、取り組む生徒によってばらつきがあり、望ましい「気づき」をもたらすためには指導者の適切な介入が必要であることが確認された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ディクトグロス
研究関連テーマ
自由英作文
ディクトグロス
リスニング能力
流暢さ
テスト・分析方法
ウィルコクソンの符号付順位和検定
英検問題(リスニング)
クラスター分析
自由英作文
自由記述アンケート
ディクトグロス
ボンフェローニ法
4件法アンケート
必要技能
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

Peer Coaching が授業改善に与える影響・効果の検証
―拠点校・協力校制度の中での英語教師の意識―

秋田県/大仙市立大曲中学校 教諭(兼)教育専門監 吉澤 孝幸

▼研究概要
本研究は、同僚とのティームティーチングを通した授業改善であるPeer Coachingの影響・効果を「拠点校・協力校制度」の中で検証しようとしたケーススタディである。実践の切り口として、暗記や原稿を読み上げて話すスタイルからの脱却をめざした「メモに基づいたスピーキング指導」を設定し、授業改善を拠点校と協力校で共通実践した。これらの実践項目を、拠点校から協力校へ波及させる際に、教員が受ける影響・効果は拠点校と協力校の間で、どの程度違いが生じるのかどうかについて教師や生徒への質問紙などを中心として調査した。この実践で取り入れた指導に対する「肯定の度合い」は3校の間で有意な違いはないものの、Peer Coachingの実施回数に起因すると思われる違いは認められた。また、協力校の教員はPeer Coachingに対してどのような意識を持っているか、この点についても明らかにすることを試みた。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
ティームティーチング
研究関連テーマ
Can-do リスト
授業計画
スピーキング指導
ティームティーチング
プレゼンテーション
テスト・分析方法
授業観察
4件法アンケート
必要技能
リーディング
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

新旧中学検定教科書のメタ分析
―語用論的観点からのテキスト分析―

東京都/上智大学大学院 在籍 日浅 彩子

▼研究概要
本研究は、平成20年に改定された新学習指導要領の影響を調査目的とし、学習指導要領が規定する「言語の働き」という項目に着目して、教科書会話文の言語機能としての取り扱いのされ方、すなわち語用論的観点に着目して教科書の新旧比較を行い、指導要領の改訂と教科書の変化の関係について検証した。中学3年生の英語教科書6種のうち、会話文を対象に、指導要領「言葉の働き」の具体例の項目を基にして類型化し、主として量的な分析を行った。分析の結果、「言葉の働き」の扱いについて、教科書間で共通した変化の傾向は見られなかった。指導要領による「言葉の働き」の取り扱いに対する教科書への直接的な影響はなかったということが示唆されたのである。本研究の結果を基に、「言葉の働き」にも十分な配慮をした教科書の作成が望まれる。
▼キーワード
研究対象
教科書
研究メインテーマ
検定教科書
メタ分析
研究関連テーマ
学習指導要領(中学校)
検定教科書
語用論
テスト・分析方法
-
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

定時制高校における英語学習にかかわる学習者要因
―ビリーフと動機づけに注目して―

神奈川県/厚木清南高等学校定時制 教諭 小金丸 倫隆

▼研究概要
本研究では、高等学校定時制課程に在籍する生徒による英語学習にかかわる学習者要因について、英語学習についてのビリーフ(学習観)や動機づけに注目して調査した。具体的には、高等学校定時制課程に通う生徒148名対象に、「英語学習についてのビリーフ」と「英語学習への動機づけ」についてアンケート調査を行い、探索的因子分析および共分散構造分析を用いて結果を分析した。生徒による自由記述も参考にしながら考察したところ、英語によるコミュニケーションに対して肯定的なビリーフを抱いている生徒が比較的多い反面、従来の英語授業に対しては否定的なビリーフを抱いている生徒が比較的多いことや、自らの英語力について否定的なビリーフを抱いている生徒が多いことなどがわかった。また、英語によるコミュニケーションに関してどのようなビリーフを抱いているかということが、英語学習への動機づけの度合いに大きく影響していることなども明らかになった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
定時制高校
研究関連テーマ
外発的動機づけ
コミュニケーション
自己効力感
内発的動機づけ
ビリーフ
テスト・分析方法
確認的因子分析
共分散構造分析
自由記述アンケート
探索的因子分析
4件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

日本とフィンランドにおける英語教育の比較

東京都/上智大学大学院 在籍 中村 啓子

▼研究概要
英語が国際社会で共通語として使用されることが多い現代では、日本と同様フィンランドでも多くの人々が英語を学んでいる。日本語の言語の系統は不明であるが、フィンランド語はウラル・アルタイ語族に分類され、両言語ともインド・ヨーロッパ語族に属すると考えられている英語とは語族が異なる。両国では英語を外国語として学習する環境にあるものの、その英語力には差があるように見える。例えば、両国のTOEFL iBT(January 2012からDecember 2012まで)の結果では、フィンランドはリーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの平均スコアが95(フルスコアは120)という好成績である。これは、英語と同じインド・ヨーロッパ語族のゲルマン語派に分類されるドイツ(スコア96)やデンマーク(スコア98)に近い水準である。一方、日本の平均スコアは70で、アジア30か国中、下から3番目の成績である。そこで、本研究では、フィンランドの英語教育の現状を調べる一方、日本の現状や英語教員25名を対象としたアンケート調査の結果を比較しながら、日本の英語教育における課題と向上のヒントを探りたい。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
フィンランドの英語教育
研究関連テーマ
ノングレイドカリキュラム
テスト・分析方法
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

小学校外国語活動におけるPhonemic Awareness の活動が模倣した発話に与える効果

大阪府/大阪市立神津小学校 教諭 井上 桃子

▼研究概要
本研究の目的は、Phonemic Awareness(以下PA)の活動を通して、日本語母語児童の発音にどのような変化が現れるかを観察することである。PAの活動は6年生をクラスごとに実験群と統制群に分けて行った。 PAの活動は2期にわたって実施した(Ⅰ期2012年6〜7月、Ⅱ期2012年11〜12月)。PAの活動では音の聞き取りをねらいとしたinputの活動と、音の定着をねらいとしたoutput活動を組み合わせた。活動の効果を測定するためにリスニングテストと模倣した発話のテストを行った。 活動の結果、リスニングテストにおいて、Ⅱ期のプレテストで2群に有意な差が見られた。模倣した発話活動では実験群の方が、発話の変化が早く現れた。この結果から、PAの活動を行うことで、音の違いに気づくだけではなく、長期記憶に音声情報が転送されていると考えられる。 PAの活動は児童の音の気づきを、確実な技能として定着させることが可能になると言える。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
音声認識能力
小学校英語活動
研究関連テーマ
学習指導要領(小学校)
コミュニケーション能力
語彙知識
小学校英語活動
スピーキング能力
リスニング能力
テスト・分析方法
実験群/統制群
スピーキングテスト
ピクチャーカード提示課題
リスニングテスト
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

小学校外国語活動における内容言語統合型学習(CLIL)の実践と可能性【共同研究】

東京都/上智大学大学院 在籍・代表者 山野 有紀

▼研究概要
本研究は、外国語活動における他教科を取り入れた内容の充実とその指導方法の探究をめざし、内容言語統合型学習(CLIL)を取り入れ、その実現性と可能性を探ったものである。全国公立小学校5校において全10時間のCLILの実践授業を行い、そのうち4校では普段の外国語活動との比較分析も行った。 研究の結果、外国語活動におけるCLIL授業の実践が可能であることが検証された。 またそれらの実践より、 ①指導者、特に担任教諭の知識と経験を生かした、児童の興味・知的レベルに合う内容の充実、 ②多様な文脈の中での学習言語への慣れ親しみ、児童のコミュニケーション活動への積極的参加、 ③児童の知的レベルに考慮した思考活動の実践、 ④協同学習の質の向上、 ⑤文化・国際理解の体験的学習、以上5点を促進できる可能性が示唆された。 問題点としてはCLIL実践における、使用言語と教材作成の難しさが指摘された。これらより、さらなるCLIL実践の検証の必要性が挙げられた。
▼キーワード
研究対象
小学生
教師・教職者
研究メインテーマ
小学校英語活動
内容言語統合型学習(CLIL)
研究関連テーマ
学習指導要領(小学校)
国際理解
コミュニケーション活動
小学校英語活動
テスト・分析方法
Χ²検定
インタビュー
授業観察
ピクチャーカード提示課題
4件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

ICT を活用した中学生のための聴解力養成教材の開発と試用結果

東京都/品川区立荏原第六中学校 教諭 岡﨑 伸一

▼研究概要
本研究は、「三ラウンド・システム」(竹蓋・水光、 2005)に基づいた中学2年生レベルの学習者を対象にした教材でICT(e-Learning)を活用した英語聴解力養成用の教材開発と試用効果の検証である。 聴解力養成の中核システムである「三ラウンド・システム」に基づいたWeb教材作成支援システム(竹蓋、 2009)を活用し教材作成をした後に試用した(実際に作成した教材例は3章を参照)。その教材の評価で学習者に対して、1)学習内容の定着を確認するためのChapter Quiz、2)聴解力の変化を観察するためのPre / Post-test、3)アンケートによる主観的評価で行った。それらの結果をまとめ、考察をした。 結果として、学習者は1)教材の内容を理解して学習を進め、2)聴解力の伸びが観察され、3)多くの学習者が成就感・達成感を感じ、学習ができたことがわかった。しかし、自由記述では20%が否定的な回答をしていた。学習効果は見られたが解決するべき課題も発見された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
リスニング指導
研究関連テーマ
ICT
学習意欲
熟達度
ネイティブスピーカー
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
t検定
自由記述アンケート
多肢選択式テスト
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

中学生の英作文指導において文と文のつながりを意識化させるタスクの構成

茨城県/筑波大学大学院 在籍 柴原 由貴

▼研究概要
現行の学習指導要領において、「書くこと」では文と文とのつながりに注意して文章を書くことの指導が加わった。しかしながら、生徒はまとまった内容の文章は書けても、文と文とのつながりを工夫して展開することが十分身についていないことが国立教育政策研究所教育課程研究センター(2012)の調査で判明した。学習者に文と文のつながりを意識させるには、英作文を書く際にいかにつなぎ表現を多く、正しく使えるかを指導する必要がある。そこで本研究では、英作文指導にフォーカス・オン・フォームの手法を取り入れ、生徒に文と文とのつながりを「形式、意味、機能」の関係概念として意識させる指導を行って、その効果を検証することを目的とする。本研究では、英作文指導において理解中心タスクを行ったグループと、産出中心タスクを行ったグループの指導前・後のパフォーマンス、特につなぎ表現の使用状況(使用頻度と使用の正確さ)について比較検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
CEFR
学習指導要領(中学校)
フォーカス・オン・フォーム
ライティング指導
テスト・分析方法
自由英作文
自由記述アンケート
二元配置分散分析
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

自己評価と他己評価を利用した自律的英語学習の探求
―高校生による英語スピーチを対象として―

神奈川県/神奈川県立横浜清陵総合高等学校 教諭 菅沼 洋子

▼研究概要
本研究は、生徒評価(自己評価・他己評価)と先生評価の関係を調査・研究することを目標とし、特に以下の4つの研究課題について考察をした。 1)生徒の自己評価と先生評価は1か月内に行われた3回の計測でどのように異なるか 2)生徒の他己評価と先生評価は1か月内に行われた3回の計測でどのように相関するか 3)自己評価と他己評価はどのように生徒の学習態度に影響を与えるのか 4)自己評価と他己評価はどのように学習者の自律性に影響を与えるのか なお、本研究のデータは、高校生の1分間英語スピーチを対象とする。リサーチ参加者は、英語母語話者の教師1名、日本語母語話者の教師1名、日本語母語話者の高校生26名である。生徒は、13名ずつの自己評価グループと他己評価グループの2グループに分けられ、スピーチ後に自己評価もしくは他己評価を行い、教師も同様に生徒のスピーチを評価した。結果は、自己評価グループの方が、Language Useの項目において先生評価との一致度を見せたが、他己評価グループは先生評価との相関を見せず、評価活動を3回繰り返しても、相関関係の発展は見られなかった。また、学習の自律性に関する影響度に関しても自己評価グループの方で変化が観察された。
▼キーワード
研究対象
高校生
教師・教職者
研究メインテーマ
自律的英語学習
研究関連テーマ
CEFR
自己評価
自立学習
自律性
スピーキング指導
動機づけ
テスト・分析方法
ウィルコクソンの符号付順位和検定
ケンドールの順位相関係数
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

語彙指導の諸問題と語彙学習方略の習得をめざした指導

茨城県/茨城県立下妻第一高等学校 教諭 川 貞夫

▼研究概要
大学進学を希望する学生の多い高校では、3年間で大量の語彙を学ばなければならないために、語彙指導の課題となる事項に十分に対応していないことがある。 語彙指導の課題となる事項から、1)教科書語彙の定着、2)単語集の活用、3)副読本の語彙、4)語彙に関する基本事項、5)コロケーション、6)生徒自身の語彙学習の把握について、具体的に問題と改善策を示すこと、さらに、指導によって生徒が有効な語彙学習方略を身につけられることを検証することが本実践研究の目的である。一学年を対象に一学年担当の英語教員全員の協力のもと実践を行った。 10月に語彙方略に関する生徒へのアンケートを行い、中学時代と比べ語彙学習方略に変化があったかを、さらに個々の語彙学習方略と単語テストや模試の成績との相関を調べた。 検証を通して、語彙指導の改善を図る継続的な授業実践が、生徒たちの語彙学習方略の獲得に役立っていることを示すことができた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
語彙指導
研究関連テーマ
コロケーション
語彙指導
メタ認知
テスト・分析方法
因子分析
空所補充テスト
語彙テスト
質問紙法(アンケート)
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

統語的プライミングを応用したタスク作成の試み

大分県/大分県立大分雄城台高等学校 教諭 後藤 史典

▼研究概要
自然なコミュニケーション活動の中で言語形式に注目させ文法を定着させる「フォーカス・オン・フォーム」のアプローチが注目を集めているが、自由度の高い表現活動ではターゲットとする文法項目や構文を生徒がなかなか使用しないという問題がしばしば起こる。本研究では直前に触れた構文を繰り返し使用する「統語的プライミング」という現象を応用し、ターゲットとする文法項目の使用を暗示的に促すfocused taskの作成を試みた。またその結果、ターゲット構文の習得が促進されるかどうかを検証した。 結果はターゲット構文の難しさによって統語的プライミングの効果には差があり、認知負荷の低い単純な構文であるほど統語的プライミングは起こりやすく、その構文の習得にもつながりうるというものであった。結論ではその結果を踏まえ、高校における今後の文法指導のあり方について示唆する。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
タスク
研究関連テーマ
学習指導要領(高等学校)
コミュニケーション活動
タスク
表現力
フォーカス・オン・フォーム
文法力
テスト・分析方法
t検定
実験群/統制群
テューキー法
二元配置分散分析
筆記再生テスト
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

高校生が地元を英語で紹介し海外の学校との交流を促進するノウハウを構築する
―FACEBOOK を活用して―

富山県/富山国際大学付属高等学校 教諭 林 要昭

▼研究概要
本研究は、本校国際英語コース生徒および英語部員を対象にした研究である。参加生徒が少しでも円滑に英語を発話できるよう、彼らが英語を使わざるを得ないような状況を創出するために、地元富山の観光地とお祭りを海外の姉妹校の同世代の生徒に向けて発信してみようという試みを実践した報告である。 この報告では以下の3点について参加生徒の積極的な変容を観察することができた。参加生徒の積極性と自主性が今後、海外の姉妹校との交流にプラス効果をもたらすと同時に、他の地域の高校にも良い刺激となって海外の高校とコンピュータで交流する学校が増えればよいと願って地域を英語で紹介するという実践をした報告である。(後略)
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
インターネット交流
海外交流
研究関連テーマ
コンピューターリテラシー
プロジェクト型学習
テスト・分析方法
インタビュー
質問紙法(アンケート)
必要技能
ライティング
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

海外インターンシップと事前研修が日本人英語学習者に与える英語学習の動機・英語能力試験への影響

東京都/東京工業高等専門学校一般教育科 専任講師 樫村 真由

▼研究概要
本研究は、高等専門学校における海外インターンシップとその事前事後学習が、海外インターンシップおよび本調査に参加した学生の英語学習・使用の態度およびモチベーション、英語運用能力試験、英語運用能力の自己評価に与える影響を検証したものである。 本調査には、学生の英語学習・使用の態度およびモチベーションを測るために、GardnerのAttitude / Motivation Test Batteryに手を加えたリッカート形式のアンケートが、英語運用能力の測定には、TOEICと同形式の問題が、学生自身の英語運用能力自己評価を測るためには、TOEIC Can-Do Listを高等専門学校用に加筆修正した高専版Can-Do Listが使用された。 インターンシップ参加前と参加後のデータを統計学的に分析したところ、海外インターンシップ参加者のインターンシップ参加後の英語使用への不安が減少し、英語運用能力試験の達成度に向上が見られた。また、学生自身の英語運用能力の自己評価にも改善が見られた。
▼キーワード
研究対象
高専生
研究メインテーマ
海外インターンシップ
研究関連テーマ
英語運用能力
世界諸英語
テスト・分析方法
TOEIC
t検定
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

在外日本人学校の高校生の持つ特異性の検討と新たな教育活動の提案
―学習ビリーフ,学習動機,学習ストラテジーに着目して―

中国/上海日本人学校高等部 教諭 関谷 弘毅

▼研究概要
本研究では、在外日本人学校高校生に対して効果的に機能する教育活動を模索し、それとともに在外日本人学校の高校生が持つ学習ビリーフ、学習動機、学習ストラテジーを日本の一般の高校生と比較検討をした。 調査1では、語学力研鑽のための宿泊合宿プログラムを実施し、参加者の学習観、学習動機、情緒要因に与える影響を検討した。その結果、文法に対する意識が高まり、正確に英語を理解し使おうとする態度が高まる傾向が見られた。 調査2では、在外日本人学校の高校生が持つ学習ビリーフ、学習動機、学習ストラテジーを日本の一般の高校生と比較検討した。その結果、日本の高校1年生の方が上海日本人学校高等部2年生よりも文法を重視する傾向が高かった。また、他人につられて学習行動をとりがちであることを示す「関係志向」が在外日本人学校の高校において、2年生の方が3年生より高かった。今後、現地語をESLの習得と同じ環境で学ぶ在外日本人学習者にとって、その経験が英語学習にも影響を与えるという視点を持って研究がなされることが望まれる。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
在外日本人学校
研究関連テーマ
ESL(English as a Second Language)
学習動機
情意面
テスト・分析方法
t検定
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

OCの授業におけるメタ認知指導が日本人大学生に与える影響
―自律した学習者の育成に向けて―

大阪府/関西大学大学院 在籍 香林 綾子

▼研究概要
本研究では日本人大学生を対象としたオーラル・コミュニケーションの授業において、メタ認知指導を実施し、その指導の影響を自己調整学習理論の観点から考察した。指導後では実際のオーラル・コミュニケーションの会話にどのような影響が現れるのかを見るために、インタビュー、および、会話分析を行った。さらに、指導に対する学生の意見を分析することで考察を深めた。結果、インタビューからは、指導後、学生はコミュニケーションのためのメタ認知方略とコミュニケーション方略をより使用するようになったことが明らかになった。また、会話分析からは、指導後、学生の英語使用者としてのオートノミー(自律性)が高まったことが観察された。さらに.学生の意見より、メタ認知の働きが自己効力感(学生の目標や課題を達成できるという感じ)の高まりに影響し、メタ認知方略やコミュニケーション方略を実践することが、それらの意義を知ることにつながるという知見が得られた。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
コミュニケーション方略
メタ認知
研究関連テーマ
オーラル・コミュニケーション
コミュニケーション能力
自律性
メタ認知
テスト・分析方法
インタビュー
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

音の出る絵本を取り入れた中学年のための小学校外国語活動【共同研究】
―高学年の外国語活動の準備段階としての活動―

東京都/新宿区立戸塚第一小学校・愛日小学校 外国語活動コーディネーター・代表者 執行 智子

▼研究概要
本研究は新宿区立の小学校4年生の外国語活動に、音の出る絵本を使用した課題解決の活動がどのような効果をもたらすかを調査したものである。 その結果、第1に英語を読むことに対する態度や意欲に項目について対応のあるt検定を行った結果、有意な差は見られなかった。よって、本活動が児童の英語を読むことに対する態度や意欲を高める効果が見られたとは言えない。 第2に、語彙に関する10項目について対応のあるt検定を行った結果、8項目において有意に差が見られた。よって、本活動が児童の語彙力を高める効果があったと言える。 第3に、活動を楽しんだかどうかの問いの平均値は、3.16であり、加えて児童の自由記述からも本活動を楽しんだ様子がうかがえたことより、音の出る絵本を使うことについて児童が肯定的にとらえていることが見られた。以上のことより、本活動を中学年に取り入れることは外国語活動の準備段階として意義があるものと考えられる。
▼キーワード
研究対象
小学生
教師・教職者
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
インタラクション
語彙力
小学校英語活動
テスト・分析方法
t検定
質問紙法(アンケート)
必要技能
リーディング
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

「国際バカロレア・中等教育プログラム」の教育方法を取り入れた授業実践とその効果

大阪府/帝塚山学院中学校高等学校 教諭 道中 博司

▼研究概要
本研究では、国際バカロレアの「中等教育プログラム(Middle Years Programme :MYP)」の教育方法を取り入れた英語授業を行い、その効果を調査した。 中学1年生42名に約9か月間の実践を行った。MYPでは、包括的な学習、多文化理解、コミュニケーションという3つの概念を基本に据え、自己の価値観を築きながら、国際的視野を発達させる生徒の育成をめざす。 その目標を実現するために、教科ごとの目標や評価規準が設けられている。また、教科の指導内容を生徒の実生活に結びつけるための仕組みが作られている。それらを盛り込んで、「単元プランナー」と呼ばれる授業案を作成し、授業実践を行う。 調査の結果、MYP教育を取り入れた英語授業を行うことで、生徒の英語学習意欲と異文化交流志向が高まり、「英語学習の実利的な動機」、「英語を学ぶ意欲」、「異文化交流志向」について統計的に有意な差が見られた。英語力についても、聞く力、読む力ともに得点が上昇した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
国際バカロレア
研究関連テーマ
国際理解
コミュニケーション
動機づけ
テスト・分析方法
ライティング・タスク
4件法アンケート
必要技能
リーディング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

中学校における協同学習の効果
―ディクトグロスの検証―

茨城県/龍ケ崎市立愛宕中学校 教諭 根本 章子

▼研究概要
本研究は協同学習のタスクとしてのディクトグロス(聞き取った英文をグループで再構築する)活動が中学校の英語の授業において効果的であるかどうかを検証したものである。 協同学習は、学力面(動詞の過去形の習得と過去形を用いた英文を書くこと)と、意欲面に効果があるかどうかについて、従来、教室の中で行われているような個別学習と比較した。 また協同学習クラスの生徒がグループ活動のときにどのような活動を行っているか、についての分析も行った。その結果、学力面、意欲面ともに、有意な差は見られなかったが、英文を書くことについては、協同学習クラスの生徒の数値の方が個別学習クラスの生徒よりも高く、活動にも好意的な傾向が見られた。 また、協同学習クラスではグループのメンバーとかかわりながら意欲的に学習に取り組む様子が見られた。 その反面、課題についての話し合いが進まない、話し合いに参加しない生徒がいるなどの諸問題も見られた。このようなことから、協同学習は長期にわたる継続した研究が必要であると言える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
協同学習(協働学習)
ディクトグロス
研究関連テーマ
ディクテーション
ディクトグロス
テスト・分析方法
ディクトグロス
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

中学校段階におけるTSLT(Task Supported Language Teaching)シラバスを基にした英語指導の研究

愛知県/名古屋市立守山東中学校 教諭 山田 慶太

▼研究概要
本研究では、第2言語習得研究で注目されているTask Based Language Teaching(TBLT)の理論を基に、より小学校段階の英語学習者に適しているとされるTask Supported Language Teaching (TSLT)の理念(Ellis、2009;高島、2000、2005)を基礎とした英語指導を実践する。 中学3年生を対象に設定したTSLTシラバスにおいて、7月、10月、12月、2月と計4回の「タスク活動」を実施した。「タスク活動」に取り組む学習者の発話を録音し学習者自身に振り返らせ、指導者は発話に共通して見られる誤り等を分析し学習者自身の「気づき」を重視しながらフィードバックとしての文法指導を行った。 学習者がタスク活動の最中にやり取りするメッセージの中心となる「過去形」と「現在完了形」の正確かつ適切な使用に着目しながら、シラバスの根幹となる、①文法指導→②タスク活動→③フィードバックとしての文法指導、という指導手順の有効性を授業実践を通して検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
TSLT(Task Supported Language Teaching)
研究関連テーマ
Task Based Language Teaching(TBLT)
コミュニケーション活動
授業計画
テスト・分析方法
自己評価シート
文法テスト
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

英文読解力評価のための英文和訳テストの信頼性と妥当性

大分県/大分県立大分上野丘高等学校 指導教諭 麻生 雄治

▼研究概要
日本の高等学校における英語教育において、英文和訳テストは多用されているにもかかわらず、これまで英文和訳テストの信頼性や妥当性について検討した研究は少ない。 そこで、本研究では、日本人高校生の英文和訳テストの解答サンプルを用いて、現職高校英語教員がどのように採点するかを調べ、評価者間信頼性と評価者内信頼性を検討した。 さらに、多肢選択クローズテストの結果と比較し、基準連関妥当性を調べた。その結果、評価者間信頼性、評価者内信頼性ともに比較的強い相関関係があることがわかったが、かなり低い相関も見られ、採点結果は絶対的なものではなく、採点者に依存することがわかった。 また、英文和訳テストと多肢選択クローズテストとの比較においては、強い相関関係は認められず両者のテストでは読解力の測定する部分が異なっているということが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
英文読解力評価
研究関連テーマ
評価者間信頼性
評価者内信頼性
リーディング能力
テスト・分析方法
英文和訳テスト
多肢選択式テスト
ピアソンの積率相関係数
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

海外留学は学習者の何を変えるのか
―英語圏長期留学が学習者の情意面に与える影響を探る―

大阪府/関西大学大学院 日本学術振興会特別研究員DC・在籍 植木 美千子

▼研究概要
本研究では、海外留学前・後に収集した質問紙データを用いて、大学生英語学習者のL2学習にかかわる情意(L2動機、L2不安、自己効力感)の変化を、L2 Motivational Self Systemの枠組みを用いて調べ、海外留学の効果を情意面から検証した。 本研究の参加者は、1年間の海外留学プログラムに参加した日本人大学生英語学習者151名。彼らに、留学前・後において質問紙調査を実施し、データを得た。これらのデータをもとに多母集団同時分析を行った結果、 1)留学前においては、理想L2自己(L2学習者としてこうなりたいと思う理想自己像)がL2動機の主な原動力だったのに対し、留学後は自己効力感もあわせて原動力として作用すること、 2)留学前は、義務L2自己(L2学習者としてこうならなければならないと思う義務自己像)はL2不安に強い正の影響を与えていたが、留学後では、L2不安ではなく、L2動機づけの方に正の影響を与える傾向があること、 3)留学前は、L2不安がL2動機づけに負の影響を与えていたが、留学後には、ほとんど影響がなくなったこと、そして 4)留学後にL2動機が有意に向上し、また、多くの要因によって、より安定した状態で支えられていることなどが、本研究から明らかになった。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
海外留学
研究関連テーマ
コミュニケーション
自己効力感
情意面
動機づけ
テスト・分析方法
共分散構造分析
質問紙法(アンケート)
必要技能
-
英検 対象級
-

A:研究部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

どうして「つながりのある文章」が書けるのか
―文法処理速度に焦点を当てて―

東京都/東京学芸大学大学院 在籍 鈴木 祐一

▼研究概要
高校英語教育のライティング指導では「正確さ」にのみ重点が置かれ、「流暢さ」という側面の重要性の認識が欠けている。そこで、「単文」レベルで言語処理の流暢さがつながりのある文章を書くために重要であることを証明するべく本研究を実施した。大学生を対象に、単語並び替えテストで単文の文法処理速度を測定し、漫画のストーリーを書くライティングタスクを行わせた。ライティングタスクでの結束詞の使用を分析し文法処理速度と比べた結果、文法処理速度が速い学習者は文と文の関係に注意を向けて結束詞を多く使い、語数も多い文章を書くことができることが明らかになった。また、長い英作文を書いた経験の頻度によって、結束詞の使用の追いを調べた結果、ライティング経験が特に重要な役割を果たす部分がわかった。同時に、長い英作文を書いた経験より、文法処理速度が多くの語数を書けるようになるために必要だということが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
高校生
大学生
研究メインテーマ
ライティング能力
研究関連テーマ
文法力
ライティング能力
流暢さ
テスト・分析方法
クラスカル・ウォリスの順位和検定
スピアマンの相関係数
ピアソンの積率相関係数
文法テスト
マン・ホイットニーのU検定
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

豊かなコミュニケーション活動を実現するOutputの創造【共同研究】
―地域外国語活動補助教材「Joy!Joy!English!」を活用した外国語活動の試み―

北海道/旭川市立北光小学校 教諭・代表者 小山 俊英

▼研究概要
児童にコミュニケーション能力の素地が求められている外国語活動。筆者は一人一人の児童に、素地にとどまらず、コミュニケーション能力を無理なく高めていくことをめざし実践を行っている。本研究では、次の2点を実践した。 ①単元を通して活動意欲の持続を促すために、OutputもしくはOutput的な活動の充実を図る実践 ②地域教材「Joy! Joy! English!」を制作し、Output的な活動で活用し、コミュニケーション能力を育む実践 筆者が平成15年に設立したAEENの会員にも実践協力してもらい、児童の自己評価(活動評価)の分析をすることを通して上記2点の検証にアプローチした。現在使用している「英語ノート」では、OutputもしくはOutput的な活動を仕組むことはなかなか難しい。しかしながら、充実したOutputは、児童の活動意欲を持続させること、および、本研究で多くの児童に試用してもらった「Joy! Joy! English!」が、コミュニカティブで児童が意欲的に取り組むことのできる教材であることを検証することができた。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
コミュニケーション活動
研究関連テーマ
B-SLIM
コミュニケーション活動
コミュニケーション能力
小学校英語活動
自己評価
テスト・分析方法
自己評価シート
4件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

小学校外国語活動における評価の可視化【共同研究】
―客観的な評価規準作成の試み―

福岡県/大牟田市立明治小学校 校長・代表者 馬場 直子

▼研究概要
小学校外国語活動の評価について、文部科学省は、平成22年5月に「小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校等における児童生徒の学習評価及び指導要録の改善などについて」の通知を出している。 明治小学校では、この通知の内容を踏まえながら、外国語活動の客観的な評価の実践研究をめざし「単元の評価規準の作成」、「毎時間の評価規準と評価方法の設定」、「評価補助簿の作成」および「個人カルテの作成」を図ってきた。(中略)これら一連の方途により教師の主観的・慾意的判断を退け、客観的な評価規準を作成することができた。また、評価の可視化が図られ、そのシステムが構築できた。それによって、子どもの状況を多面的、多角的に把握し、個々に応じた手立てを講じることができるようになってきた。まさに、指導と評価の一体化が図られたものと考える。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
学習指導要領(小学校)
自己評価
相互評価
テスト・分析方法
自己評価シート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

英語スピーキングテストにおける対話者の存在がスピーチパフォーマンスに与える影響

兵庫県/宝塚市立御殿山中学校 教諭 柳瀬 学

▼研究概要
現在、英語学習者のスピーキング能力を測るためのさまざまなテストが実施されている。それぞれのテストの特徴の違いの1つが対話者(話し相手)の存在の有無であるが、先行研究においてスピーキングテストにおける対話者の有無は、発話者のジェスチャー頻度に大きな影響を与え、ジェスチャー頻度の違いはスピーチにおける流暢さと正確さの数値と高い相関があることが実証されている。ただ、それらのデータは母語(L1)話者やESL環境の英語話者から得られたもので、EFL環境の日本入学習者に関するデータはほとんど存在しない。そこで本研究ではスピーキングテストを行う際、対話者の存在が日本人上級英語学習者のスピーチパフォーマンスにどのような影響を与えるかを検証した。結果、対話者が目の前に存在した場合、存在しなかった場合よりも有意にジェスチャー頻度、およびスピーチの流暢さ、正確さの値が伸びていた。最後にこれらの結果から今後の英語スピーキングテストの在り方に関する提案を行っている。
▼キーワード
研究対象
日本人英語学習者
研究メインテーマ
スピーキングテスト
スピーチ
研究関連テーマ
T-unit
スピーキング能力
文法力
流暢さ
テスト・分析方法
t検定
一元配置分散分析
スピーチ
ボンフェローニ法
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

中学生のパラグラフ・ライティングにおける事前プランニングとしてのマインドマップの有効性

大分県/九重町立野上中学校 教諭 立川 研一

▼研究概要
中学生のライティング活動にパラグラフ・ライティングの手法を取り入れることは、「コミュニカティブ・ライティング」の力を伸ばすことへとつながる有益な手段である。またライティングにスムーズに取り組ませるためには、その前段階としての事前プラニングが不可欠である。特に中学生のような初級学習者には、単にプラニングの時間を保障するだけでなく、その中で行う手立てを具体的に与えることが必要である。そこで筆者が注目したのは、「マインドマップ」を利用した事前プラニングである。 中学生のパラグラフ・ライティングの事前プラニングとしてのマインドマップの有効性を検証するため.本稿では形式を統一した「3-2-1マッピング」を考案した。「3-2-1マッピング」をパラグラフ・ライティングの事前プラニングとして用いることで.中学生のライティングの「流暢性」、「正確性」、「複雑性」、あるいは構成や論理性などの内容がどのように変化していくかを検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
パラグラフ・ライティング
研究関連テーマ
T-unit
学習指導要領(中学校)
文法力
ライティング指導
流暢さ
テスト・分析方法
Χ²検定
実験群/統制群
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

タスク後に行う活動の違いがその後のタスク遂行時の言語使用に与える影響
―協働的振り返りをどのように行うか―

神奈川県/南足柄市立南足柄中学校 教諭 内藤 篤

▼研究概要
本研究は、学習者がコミュニカティブなタスクを行った後に行うタスク終了後の活動において、ある種の指導を受けてから自分たちの発話について協働的振り返りを行うことで、その後のタスク繰り返し時における学習者の言語運用に影響が及ぼされるかどうかについて調べるものである。デザインは、実験群の学習者に対して1回目のタスク終了後の活動として2つの活動(明示的指導を行ってから協働的振り返り、モデル提示を行ってから協働的振り返り)を行わせる。そしてその後のタスク繰り返し時と2週後に閉じタスクを行った際に、学習者が産出する言語について、正確さと流暢さの面で何の活動も行わずタスクを繰り返した統制群と比較する。また、学習者が行った協働的振り返り中の対話を質的に分析することで、実際に学習者がどのようなことに注意を向けているかについて調査する。それらを検証することにより、中学校における文法指導と言語活動の在り方を提案したい。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
振り返り
研究関連テーマ
コミュニケーション活動
タスク
文法指導
流暢さ
テスト・分析方法
インタビュー
実験群/統制群
多重比較
単純主効果検定
分散分析
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

ライティング活動におけるピア・レスポンスと教師フィードバックの効果
―生徒の自律性を高める教師の介在場面についての考察―

兵庫県/西宮市大社中学校 教諭 神原 克典

▼研究概要
本研究の目的は、中学校でのライティング活動においてピア・レスポンスを導入することにより、教師の修正(correction)のみに頼るのではないライティング活動を行ったとき、生徒の心情面と、生徒が書く文章にどのような変化が見られるか、また教師がフィードバックを行う際には、どのような点に留意すればよいかを検証することにある。そこで、中学2年生を対象に、帯学習の形態でライティング活動を行い、創作ライティングタスクとして、年間を通して6つのタスクを生徒に与え(2か月に1つの割合)、書いた作品はファイルに綴じさせた。教師フィードバックとともにピア・レスポンス(peer response)を実施することで,生徒たちに書きながらコミュニケーションを行うことを体感させるとともに,文を作る上での相互アドバイスを行わせた。ここでは、6つのタスクのうち、主に後半の2つのタスク(タスク5とタスク6)を取り上げて報告する。タスク後に生徒に実施した自由記述アンケートをカテゴリ分類した結果、ピア・レスポンスに関しては生徒にメタ的に振り返らせることが難しかったものの、ピア同士でアイデアを出し合い、読み手意識が深まるとともに、より良い文章にしようとする内容重視のアドバイス交換ができ始めていることがわかった。また、教師フィードバックで顕著な項目は、未習の文法事項などのアドバイスであることがわかった。ピア・レスポンスにより書く意欲が高まる反面、個々の生徒に合わせた教師の適切なフィードバックが重要であることが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
T-unit
フィードバック
文法力
ライティング指導
ライティング能力
テスト・分析方法
自由記述アンケート
ポートフォリオ
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

小学校外国語活動嫌いを誘発させる要因
―学習者の質的データと量的データの分析を中心に―

和歌山県/和歌山大学教育学部附属小学校 教諭 辻 伸幸

▼研究概要
児童たちの外国語活動嫌いに焦点を当てた研究は数が少なく、児童の個性や学習環境を熟知している小学校教員の視点から客観的になされたものは.ほとんどない。本研究では、その小学校教貝が外国語活動嫌いを誘発させる要因を量的研究と質的研究の両アプローチで明らかにしようとした。 量的研究では、外国語活動嫌いとは対極である好意的因子を探るための因子分析を行い第1因子「英語運用力向上希望因子」をはじめとする5つの因子を特定することができた。質的研究では、量的研究のデータから外国語活動嫌いの児童と嫌いでも好きでもない児童を特定し個別にインタビュー調査を行った。その中で、外国語活動のさまざまな活動で嫌いな場面や好きな場面を特定し理由も聞き出すことができた。外国語活動嫌いでは、英語のスキル面、指導方法、指導内容の順位で嫌いにさせる要因を特定した。また、外国語活動嫌いの児童たちは、授業中ほめられる経験が少ないことも判明した。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
英語嫌い
小学校英語活動
研究関連テーマ
英語運用能力
学習指導要領(小学校)
テスト・分析方法
インタビュー
主因子分析
5件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

高等学校ライティング教科書における「書くこと」の課題比較分析

茨城県/筑波大学大学院 博士後期課程・在籍 小早川 真由美

▼研究概要
高等学校ライティング教科書23冊における「書くこと」の課題を分類し、どのような課題が教科書内で多用されているのか、それらの課題は学習指導要領が求めるライティング能力を育成するのに適切な課題か、分析を行った。各ライティング教科書では制限作文や和文英訳の課題が多く設定されていたが、全体的な特徴として、誘導作文と自由英作文の課題の占める割合は少なかった。さらに、現行の学習指導要領の記述内容がどのように教科書内でライティング課題として具現化されているか、検証した。自由英作文の課題として、自分の考えなどを整理して書く活動や、文章の構成や展開に留意しながら書く活動は設定されていたが、書き直す活動や読み手を想定して書く活動を設定している教科書は少なかった。そのため、教科書内の自由英作文の課題にこのような書く活動を取り入れていくことにより、「実践的コミュニケーション能力」の育成を支援する必要があると示唆される。
▼キーワード
研究対象
教科書
研究メインテーマ
検定教科書
研究関連テーマ
学習指導要領(高等学校)
コミュニケーション能力
テスト・分析方法
Χ²検定
自由英作文
和文英訳テスト
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

高校生の会話における対人コミュニケーション指導の効果

東京都/立教大学大学院 博士課程・在籍 行森 まさみ

▼研究概要
本研究の目的は、(1)高校生の英語での会話における対人コミュニケーションへの意識と動機づけの関係、(2)指導・練習という教育介入を受けることによる、意識と動機づけの変化を明らかにすることである。(1)については、言語行動よりも非言語行動により多く依存しており、「話し手として相手に返してもらえるような話題選びや話し方」、「聞き手として、興味・関心を示しながら質問をする」などという相手にも話しやすい配慮をするという点において特に改善の余地が見られ、それらは動機づけとも関係していた。(2)については、指導・練習後、言語行動に対する意識の高まりが確認され、実際の会話にもそれが表出している例が見られた。しかし動機づけについては、教育介入による意識の変化のみが動機づけに影響を与えているとは言いきれないことが明らかとなった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
コミュニケーション指導
研究関連テーマ
コミュニケーション
動機づけ
テスト・分析方法
t検定
スピーキングテスト
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

D:その他

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

到達目標,指導,評価の一体化の在り方の研究
―PCPP法による英語で行う授業への英検 Can-do リストの活用―

石川県/石川県立金沢桜丘高等学校 教諭 前田 昌寛

▼研究概要
平成25年度より、新高等学校学習指導要領が施行される。新指導要領では、(1)授業は英語で行うことを基本とすること、(2)4技能の総合的、統合的指導を行うことが特徴とされる。(1)については、EFLの環境において、JTEが無理なく行える教授法としてPCPP法を本研究では採用し、(2)については、英検Can-doリストを用いた4技能総合・統合タスク型授業を実践した。つまり、PCPP法による英語で行う授業へ英検Can-doリストを到達目標、評価の道具として活用することで、到達目標、指導、評価の一体化の在り方を本研究では扱っている。PCPP法による英検Can-doリストを活用した授業を実践した結果、生徒の4技能に対する運用能力の自信の度合いは向上し、特に読むことのタスク達成率が向上した。PCPP法による英検Can-doリストを活用した英語で行う授業の1つのモデルとして提案したい。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
英検 Can-do リスト
研究関連テーマ
CEFR
英検 Can-do リスト
英語運用能力
学習指導要領(高等学校)
自己評価
テスト・分析方法
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

テキストマイニングによる学習者作文における談話能力の測定と評価

大阪府/大阪大学大学院 在籍 小林雄一郎

▼研究概要
本研究では,日本人中学生,高校生,大学生の英作文を集めた「学習者コーパス」を解析し,(1) 中学生,高校生,大学生と学年が上がるにつれて,談話標識の頻度や使用傾向はどのように変化するのか,(2) 学習者(中学生,高校生,大学生)と母語話者の間には,談話標識の頻度や使用傾向にどのような違いがあるのか,という2 点に光を当てて,量的分析と質的分析を行った。また,談話標識に関して,先行研究ではさまざまな定義や構成要素が提案されているが,本研究では Hyland(2005)の metadiscourse markers の定義とリストに準拠した。  その結果,接続表現(transitions, frame markers),視点(self-mentions),心的態度(hedges, boosters)といった多くの点において,習熟段階の異なる学習者の間,そして学習者と母語話者の間に頻度や用法に関する大きな差異が見られた。
▼キーワード
研究対象
大学生
資格・検定試験受験者/試験問題
研究メインテーマ
ライティング能力
研究関連テーマ
コーパス
語彙力
ライティング能力
テスト・分析方法
対応分析
ピアソンの積率相関係数
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

日本人英語学習者のスピーキング vs. ライティングパフォーマンスの比較分析のための指標 
―学習者コーパスに基づくアプローチ―

東京都/東京外国語大学大学院 在籍 野村 真理子

▼研究概要
本研究は,日本の中学・高等学校の外国語科の新学習指導要領を踏まえ,話す活動と書く活動を組み合わせて表現力を育成する効果的な指導を模索するための基礎調査として,中学生・高校生の日本人英語学習者からスピーキングとライティング両方の産出データを収集し,学習者コーパスを構築することにより,同一学習者集団のスピーキング vs. ライティングパフォーマンスを比較分析し,比較測定のために有効な指標を調べたものである。分析に使用したコーパスデータは,中学3年生~高校3年生324名から収集した同一学習者が同一テーマで産出したスピーキングとライティングのデータである。使用語彙,10の言語特徴, 5つの言語項目のエラーおよび正用率について,話し言葉vs. 書き言葉で比較分析を行った結果,調査した多くの項目がモードの違いによる差異を示し,日本人中高生の産出モードの異なるパフォーマンスデータを比較分析するのに有効な指標が明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
スピーキング能力
ライティング能力
研究関連テーマ
英検 Can-do リスト
コーパス
スピーキング能力
ライティング能力
テスト・分析方法
Χ²検定
自由英作文
スピーキングテスト
二元配置分散分析
ボンフェローニ法
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

英文読解におけるテキスト間情報統合能力の検証

茨城県/筑波大学大学院 日本学術振興会特別研究員DC 清水 遥

▼研究概要
本研究は,複数テキストを同時に提示した際の日本人英語学習者の読解パフォーマンスを検証した。3つの調査の結果,次の3点が明らかになった。 (1) 6つの英文読解テストを調べた結果,3つのテストにおいて複数テキストを用いた問題が出題されていた。しかし,複数テキストを受験者に提示していても,テキスト間情報統合能力を測定する問題の出題率はテスト間で異なることが示された。 (2) 学習者の英語読解熟達度によって,テキスト間の情報統合を必要とする問題の正答率に差が見られ,熟達度の高い学習者ほど正答率が高かった。特に,テキスト間の情報統合能力を問うことで,中級および上級レベルの英語学習者の読解力の違いが明らかになった。 (3) 熟達度の高い学習者は熟達度の低い学習者よりも複数テキストの内容をより理解していたが,情報源の理解に関しては熟達度による差は見られなかった。  本研究から,英文読解テストに複数テキストを利用することによって,テキスト間情報統合能力というより高次レベルの読解スキルの測定が可能になることが示唆された
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
リーディング能力
研究関連テーマ
読解熟達度
リーディング能力
テスト・分析方法
ACE(Assessment of Communicative English)
TOEIC
英検問題(リーディング)
読解テスト
筆記再生テスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

『英語ノート』の効果的な使用法と活動実践例【共同研究】
―英語教育特区荒川区における小学校での取り組みから―

東京都/荒川区立峡田小学校 英語教育アドバイザー・代表者 杉山 明枝

▼研究概要
筆者が小学校英語教育アドバイザーとして勤務している東京都荒川区では,特区として平成16年度から小学校英語教育を開始し,指導方法の確立など一定の成果が見えてきた。しかしその一方で『英語ノート』に関し,これをどのように使用するかという課題が浮上した。  そこで本研究では既存の指導計画を生かしながら効果的に『英語ノート』を使用するための方法を荒川区での一小学校における授業実践を中心に,『英語ノート』で扱われている語彙やアクティビティなども分析しながら検証した。荒川区では既に6年間特区として独自の小学校英語教育を展開しているため,『英語ノート』をそのまま使うのではなく,既存の指導計画を生かしながら,『英語ノート』の中で活用できるアクティビティや歌・チャンツなどを部分的に選択利用するという形式をとった授業がほとんどであった。『英語ノート』は基本的には5,6学年用に作成されたものであるが,歌・チャンツに関しては低・中学年の授業においても利用した。また年度の開始と終了時に5,6学年全児童に語彙習得に関する調査をアンケート形式(評価)で実施し,その結果も踏まえた上で『英語ノート』を組み込んだ年間指導計画や語彙集を作成した。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
授業計画
研究関連テーマ
学習指導要領(小学校)
コミュニケーション能力
語彙力
小学校英語活動
授業計画
テスト・分析方法
t検定
語彙テスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

コミュニケーション活動に対する動機づけを高める理論と実践
―自己決定理論に基づいて―

三重県/津市立東観中学校 教諭 村井 一彦

▼研究概要
本研究の目的は,コミュニケーション活動を英語科授業の主たるものとして位置づけ,その中で,生徒の動機づけを高めるために必要な諸条件とは何であるかということを具体的に検討することであった。そして,自己決定理論における3つの心理的欲求の充足を動機づけを高めるための手立てとして,それらの認知を高める授業介入を約6か月間継続して行い,コミュニケーション活動に対する手立てと動機づけの高まりの関連について検討した。  研究1においては,自己決定理論における3つの心理的欲求の認知を測定するための「コミュニケーション活動における心理的欲求支援尺度」と自己決定理論における動機づけを測定するための「コミュニケーション活動における動機づけ尺度」を作成し,津市立T中学校の第2 学年生徒115名を対象に,2009年4月中旬に質問紙調査を実施した。(1)コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求支援の働き,(2)コミュニケーション活動に対する動機づけ構造,(3)コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求支援と動機づけの関係に関して検討した。コミュニケーション活動に対して,自律性支援,有能性支援,関係性支援の3 つは,互いに関連させ合いながら心理的欲求支援を満たしていることが確認できた。また,隣接する動機づけ概念間では,連続体上で隣接する概念間ほど相関が強く,離れるほど相関が弱い,あるいは負の相関を示していることが確認できた。そして, 3つの心理的欲求支援のうち,自律性支援と有能性支援に関しては,コミュニケーション活動の動機づけの高まりに強い影響を与えることが確認できた。  研究2においては, 3つの心理的欲求を充足させる手立てや動機づけの高まりにつながる手立てを計画し,授業介入(2009.4下旬~2009.9下旬)を行った。また,「コミュニケーション活動における心理的欲求支援尺度」,「コミュニケーション活動における動機づけ尺度」を使用し,授業介入を行った津市立T中学校の第2 学年生徒56名を対象に,2009年4月と2009年9月に質問紙調査を実施した。授業介入前後の比較により, 3つの心理的欲求支援の高まりと動機づけの高まりの関係を検討した。6か月間の授業介入によって,コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求の充足に関しては,自律性支援と関係性支援の認知が高まった。そして,内発的動機づけと同一視的調整といった自律性の高い動機づけの高まりが確認できた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
コミュニケーション活動
自己決定理論
研究関連テーマ
コミュニケーション活動
動機づけ
表現力
テスト・分析方法
t検定
確認的因子分析
共分散構造分析
クラスター分析
質問紙法(アンケート)
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

逐次通訳メソッドによるアウトプット練習が英語コミュニケーション能力に与える影響
―リプロダクションとシャドーイングを統合した授業から―

茨城県/茨城県立古河第一高等学校 定時制 教諭 飯塚 秀樹

▼研究概要
本研究では,通訳訓練法を用いたこれまでの SLA研究を,「逐次通訳」,「シャドーイング」,「リプロダクション」,「プロソディー分析」という4つの視点から調査し,それらが英語コミュニケーション能力に与える影響を考察した。さらに,これらの先行研究の中から統計的に有意とされた活動や,主効果の認められた手法を統合し,新たに改良を加え,音声中心の学習法として「逐次通訳メソッド」を提起した。本メソッドによる処置を約5か月間継続した結果,以下の3点が示された。  1) 本メソッドに基づくリプロダクション活動後,語彙・文法力を測る事前・事後テスト間に統計上の有意差が認められた。  2) 音声の表層構造をとらえるシャドーイングにtop-down的認知処理プロセスを加えた結果,リスニング能力伸長度テストで有意に点数が伸びた。  3) IL(Interlanguage:中間言語)を書かせることで,音声中心の学習では解決されづらい言語分野が特定された。 本研究により,CALL システムを使った指導法の一例も示唆された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
シャドーイング
リプロダクション
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
語彙力
シャドーイング
中間言語
文法力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
リスニングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

高校生の英語ディベート活動は英語スピーキング力と批判的思考力を伸ばすのか【共同研究】

鹿児島県/鹿児島県立志布志高等学校 教諭・代表者 有嶋 宏一

▼研究概要
本研究は,高校生の英語ディベート活動が英語スピーキング力と批判的思考力に及ぼす効果について調べたものである。仮説として,英語ディベート活動により,英語スピーキング力と批判的思考力は伸びるとし,またその両者にも相関関係があるとした。生徒の批判的思考力と英語スピーキング力は英語ディベート活動の前後で2回ずつ計4回調査された。また英語ディベート活動後,生徒に試合前,試合途中,試合後,感じたことを振り返ってもらい,それぞれ自由記述式で書かせた。  結果として,仮説は支持され,英語ディベート活動の後で,英語スピーキング力と批判的思考力が伸びることが示唆された。また英語ディベート活動後,批判的思考力と英語スピーキング力全体と流暢さと複雑さに相関があることが示された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ディベート
研究関連テーマ
スピーキング能力
批判的思考力
文法力
流暢さ
テスト・分析方法
自由記述アンケート
相関係数
テューキー法
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リスニング
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

第2言語ライティング学習時に協働作業によるピアレスポンスが生む創造性

埼玉県/秀明高等学校 教諭 山本 恭子

▼研究概要
本研究はグループとペアによる協働学習を行い,そこでのピアレスポンスが英語ライティングにどのような創造性を生み出すのかを3つのタスクを通して分析し,考察したものである。  質の高いライティングをめざすためにそれぞれのタスクに合ったマッピングなどを行った上で,さらにピアレスポンスでの変化を見た。ピアレスポンス前の原稿を第1原稿とし,ピアレスポンス後を第2原稿として,第1原稿と第2原稿の文中の総語数,語彙数,エラー数,複文数の変化,またそれが本人の英語力や協働学習者の英語力に関係するかという点を量的に調べた。また,生徒のピアレスポンスに対する態度や,そこでの学習成果をフィードバックおよびリフレクションから質的に研究を行った。  結果として,語数,語彙数が増加し,創造性が増しながらも間違い数が増加せず,複文数が増えるなどの点が成果と考えられる。また,日本語を使ってのピアレスポンスが英語ライティングの質や量の改善を促すだけでなく,社会概念,人間関係・友情の育成,自己確認,文化理解など個人の社会性に影響するという結果が認められた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
協同学習(協働学習)
研究関連テーマ
フィードバック
ライティング指導
テスト・分析方法
グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)
自由英作文
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

コミュニケーション能力の育成をめざす「長良メソッド」の実践とその効果の検証
―新しい学習指導要領を具現化する一指導法―

岐阜県/岐阜県立長良高等学校 教諭 石神 政幸

▼研究概要
平成21年3月に出された「高等学校学習指導要領」では,「4技能の総合的な指導を通して,これらの4技能を統合的に活用できるコミュニケーション能力を育成するとともに,その基礎となる文法をコミュニケーションを支えるものとしてとらえ,文法指導を言語活動と一体的に行う」ことや,「生徒が英語に触れる機会を充実するとともに,授業を実際のコミュニケーションの場面とするため,授業は英語で行うことを基本とする」ことがうたわれた。本稿ではこの新しい学習指導要領を具現化していく一指導法として,岐阜県立長良高等学校で行われている「長良メソッド」について報告する。「長良メソッド」では,シャドーイングやサイト・トランスレーションなど音読を中心としたインプットと生徒がカセットテープレコーダーを利用して会話をするアウトプットの活動が行われている。この「長良メソッド」の指導法を概観し,その実践と効果の検証を行う。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
コミュニケーション能力
研究関連テーマ
学習指導要領(高等学校)
コミュニケーション能力
シャドーイング
チャンキング(スラッシュリーディング)
ティームティーチング
テスト・分析方法
ACE(Assessment of Communicative English)
CASEC
GTEC
t検定
ディベート
6件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

英語プレゼンテーションに特化した授業による論理的思考能力を高める試み【共同研究】
―戦略的な英語プレゼンテーション技術の向上をめざして―

兵庫県/兵庫県立国際高等学校 教諭・代表者 眞田 弘和

▼研究概要
本研究は,英語プレゼンテーションに特化した授業を通して,論理的思考力の伸長を図るために行われた実践研究である。  スライドやスクリプト作成のノウハウを体系化し,その指導手順に従って授業を進めることで,生徒の意識やプレゼンテーションスキルがどのように変わっていったのかを観察した。  4月当初と12月に行った質問紙による調査や生徒が作成した各学期でのスライドとスクリプトを比較することにより,私たちが取り組んだ手法(GUEPメソッド)で,自ら情報を発信し,自分の考えを論理的に英語で発表する力が向上したことが明らかとなった。  また,質問紙による調査の項目を使って,論理的思考力を測る評価指標モデルを作り上げた。  一方で,ビジネスでの経験や知識もない生徒に,論理的根拠を示すデータを実際に短時間で調査させることは困難であることが判明した。  課題としては,生徒が情報収集を行いやすくかつ提案が実現可能なテーマを設定することが必要である。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
プレゼンテーション
研究関連テーマ
英語運用能力
国際理解
コミュニケーション能力
プレゼンテーション
テスト・分析方法
自由記述アンケート
4件法アンケート
必要技能
プレゼンテーション
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

中学校検定教科書で学習される語彙,学習されない語彙
―延べ語数、異なり語数、語彙レンジの視点から―

東京都/日野工業高等学園 教諭 村岡 亮子

▼研究概要
本研究の目的は,1)中学英語教科書に出現する語彙の特徴を明らかにすること,2)それをもとに指導者が学習者に適切な語彙指導を行う助けとなる資料を提供すること,である。英語学習において語彙習得の必要性は言うまでもないが,本格的な英語学習入門期である中学校での教科書を使用した語彙学習は特に重要だと考えられる。  本研究では,6社の教科書を2つの視点から調査した。まず,各社の教科書に出現する異なり語数(token),品詞の割合,各社にまたがって出現する語彙のレンジを調査し,6社の教科書に出現する語彙の特徴を明らかにした。次に,最も異なり語の出現が多かった SUNSHINE ENGLISH COURSE 1-3. の延べ語数(total)を調べ,語彙の出現頻度を調査した。また,出現回数が多いほど語彙を習得できるという仮説のもと,反復回数別に語彙を集計し,学習されやすいと思われる語とそうでない語を分類した。  研究の結果,中学英語教科書に出現する語彙には以下のような特徴があることが明らかになった。 1) 使用する教科書によって,学習する語彙に相当なばらつきが出る。 2) 6社の異なり語の品詞の割合はほぼ同じである。特徴的な違いは名詞である。異なり語を多く扱っている教科書は名詞の割合が高い。 3) SUNSHINE ENGLISH COURSE 1-3. に関して,繰り返しの回数が多く学習効果が高いと思われる語は全体の約24%,比較的効果があると思われる語は全体の約7%であり,この2つの合計でも31%程度である。 4) 以上のことから,語彙指導には特に注意を払わなければ中学生の語彙力は不足する傾向だと言える。
▼キーワード
研究対象
教科書
研究メインテーマ
検定教科書
研究関連テーマ
異なり語数
語彙指導
テスト・分析方法
-
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

授業を見つめる視点
―教員や生徒には授業がどう見えているか―

岩手県/岩手県立釜石高等学校 教諭 三野宮 春子

▼研究概要
本調査は,教員と生徒が授業のどの要素に注目し,どのように意味づけするかを関心事とする。協力者が自覚的・選択的に言語化した認知情報をデータとして,その内容と表現における一般傾向と個別性を扱う。授業を正確に(間違えて)観察しているかどうかを評価するものではない。  初めに,教員29名と高校生29名の協力を得てVTR視聴を伴う質問紙調査を実施し,自由記述式の回答をカテゴリー分類した。続いて,教員6グループ18名と筆者が視聴 VTRについて協議を行い,そのうち2グループの談話を分析した。  その結果,教員の回答の特徴として,「ねらい-評価」,「導入-展開-終末」など論理的・時間的関係を強く意識することなどが明らかになった。しかし,これらが必ずしも授業理解に役立っていないのではないかという疑問が生じた。一方,協議からは,相互作用の中で協力者が自身のビリーフを対象化しスキーマの特徴を自覚する様子を報告する。さらに,質問紙の回答,協議の発話それぞれに特徴的だった表現使用を比較する。  以上をもとに,「教員が授業を見る・理解する」ことの意味を考察する。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
授業研究
研究関連テーマ
英語運用能力
授業計画
ビリーフ
テスト・分析方法
自由記述アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

英語授業における教師の考えとコミュニケーション志向との関連
―教師をめざす大学生が行った模擬授業の分析を中心に―

北海道/旭川実業高等学校 教諭 志村 昭暢

▼研究概要
本研究では教師をめざしている教員養成課程の大学生が行った中学校と高等学校での授業を想定した模擬授業について,Frölich,Spada and Allen(1985)で開発された授業分析手法である,Communicative Orientation of LanguageTeaching Observation Scheme(COLT)を用いて分析し,それぞれの授業におけるコミュニケーション志向の特徴を分析した。その後,分析結果をもとに授業者に面接調査を行い,授業の背景にある授業者のビリーフ(考え)を明らかにした。  結果は授業分析により活動形態,活動内容,学習者の使用技能,教師・学習者の言語使用の観点により,それぞれの学生教師(教育実習生)が行った授業のコミュニケーション志向の特徴を明らかにできた。また,面接調査の分析により,学生教師のビリーフが模擬授業のコミュニケーション志向の特徴に反映されていることが明らかになった。また,各教師が行った模擬授業の背景にあるビリーフも明らかになった。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
授業研究
研究関連テーマ
コミュニケーション
スピーキング能力
ビリーフ
テスト・分析方法
COLT(Communicative orientation of Language Teaching Observation Scheme)
グラウンデッド・セオリー・アプローチ(GTA)
スピーキングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

大学入試英作文の語彙分析
―異なるコーパス間の比較から―

新潟県/長岡工業高等専門学校 教諭 占部 昌蔵

▼研究概要
本研究は,入試英作文の中で出題されることの多い和文英訳問題に的を絞って英文を収集し,それをコーパス化したものを分析し,その特徴を明らかにすること,および,高校生の書いた自由英作文コーパスと比較することによって,それぞれどのような相違点があるのかを探ることであった。主な分析に使用したソフトはAntConcとRangeである。主な分析結果は,次の4点である。 (1) 入試英作文の方が,多くの種類の語を使用しているということ。 (2) 頻度順で上位30位までの分析では,自由英作文の方が,わずかに内容語の使用が上位に来ているということ。 (3) 語彙難度分析では,大きな違いは示されなかったが,入試英作文の方が,難度の高い語をより多く使用しているということ。 (4) 特徴語分析では,自由英作文に比べて入試英作文では what が顕著に使用されており,その品詞が関係代名詞であったということ。  最後に,データ収集の方法やタグ付けなど今後の課題を提示した。
▼キーワード
研究対象
大学生
資格・検定試験受験者/試験問題
研究メインテーマ
語彙分析
大学入試
研究関連テーマ
異なり語数
コーパス
語彙力
産出量
テスト・分析方法
コンコーダンス分析
和文英訳テスト
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

チームティーチングにおける構成員のチーム認知の比較研究
―チーム力をつけるための提案―

三重県/三重県立四日市工業高等学校 教諭 橋爪 真理

▼研究概要
JETプログラムのチームティーチングが日本の英語教育に導入されて23年となるが,教育現場ではチームティーチングにやりにくさをいまだに感じている。  本論では,このやりにくさの原因はどこにあるのか,そしてチームをよりよく機能させ,チームワークを高め,教育効果を上げていくにはどうすればよいのか,またやりにくさを解消させるポイントは何かを探索的に考察した。  まず,質問紙を用意して三重県の中学校,高等学校に勤務する日本人英語教師と外国人指導助手に回答を依頼し,その回答結果から因子分析を行い,チームティーチングを構成する4尺度を作成した。次にこの尺度得点を使って,日本人英語教師と外国人指導助手が,チームおよびチーム活動をどのように考えているのか特性を探った。  そして,両者を比較分析することにより,やりにくさの要因を明らかにし,チーム機能を高めるには何を,どのように取り組んでいけばよいのか,可能性をいくつか提案した。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
ティームティーチング
研究関連テーマ
ALT
JETプログラム
JTE
ティームティーチング
テスト・分析方法
因子分析
7件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

「話し手」の英語スピーキング力を促す「聞き手」の育成
―カウンセリング技法、スピーキングテスティング技法教授の効果―

東京都/東京大学大学院教育学研究科 在籍 関谷 弘毅

▼研究概要
本研究は,ペアワークによるスピーキングの学習場面において,聞き手に質問スキルを教授することの話し手のスピーキング力向上への効果とその個人差について,中学生を対象に検討した。質問スキル教授群,事前準備を加えた質問スキル教授群,統制群を設定し実験授業を行った。質問スキル教授の有無,事前準備の有無の対比を用いて検定を行った結果,質問スキルの教授は話し手の発話の複雑さに,事前準備を加えた指導は発話の複雑さ,正確さに効果を持つことが示された。また,学習観を個人差変数とした適正処遇交互作用(ATI)の検討の結果,文法規則を重視する学習者には,事前準備を行った聞き手を相手にした方が発話の流暢さ,正確さ,および知識レベルの文法規則の習得に高い効果が得られた。情緒性格要因に関しては,衝動性が高い学習者にとっては事前準備を行っていない聞き手を相手にした方が,発話の流暢さを高めることが示された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング能力
研究関連テーマ
学習動機
スピーキング能力
非言語行動
テスト・分析方法
スピーキングテスト
適正処遇相互作用(ATI)
ピクチャーカード提示課題
文法テスト
プリテスト/ポストテスト
4件法アンケート
5件法アンケート
6件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

スピーチにおける生徒相互評価の妥当性
―項目応答理論を用いて―

茨城県/茨城県立竹園高等学校 教諭 深澤 真

▼研究概要
本研究の目的は,スピーチにおける日本人高校生の相互評価にはどの程度の妥当性があるかを検証することである。妥当性は, 1)構造的要素, 2)一般可能性的要素, 3)外的要素, 4)内容的要素, 5)実質的要素, 6)影響的要素の6つの側面より検証された。主な分析方法として項目応答理論のラッシュ・モデル分析を用いた。その結果,生徒相互評価の構造的要素については部分的に妥当性が認められ,その他の5つの妥当性の側面についてはすべてにおいて十分な妥当性が示された。6つの妥当性の要素の検証結果をまとめると,スピーチにおける日本人高校生による相互評価には一定の妥当性があると考えられる。また,生徒相互評価には,教員評価に比べ平均値が高く,標準偏差が低い傾向も見られた。これらの研究結果に基づき,生徒相互評価の活用について教育的示唆を行う。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
スピーチ
相互評価
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
相互評価
テスト・分析方法
t検定
項目応答理論(IRT)
ピアソンの積率相関係数
ラッシュ・モデル
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

日本人英語学習者に適したテスト形式とは何か
―オンラインテストと口頭テストの比較検討―

兵庫県/神戸学院大学附属高等学校 教諭 船越 貴美

▼研究概要
テスティング技術の進歩とコンピュータの普及によって多様なテスト形式が開発されるようになり,従来の紙と鉛筆を用いた筆記テストに代わって,コンピュータを用いたテストが開発され,テスト形式と採点方法に変化をもたらした。本研究では,異なる2つのテスト形式を使って同じ質問をし,評価基準をあわせて得られた採点結果と,テスト後のアンケート結果よって,どちらのテスト形式がよりコミュニケーション能力を発揮できるかを検証した。実験には私立高等学校1年生199名が参加し,英語母語話者による直接対面式の口頭テストと,インターネットの回線でつながれたコンピュータの画面を見ながらキーボードで解答を入力するオンラインテストの両方を受験した。その結果,口頭テストは英語によるコミュニケーション能力を測定するテストとして,日本人学習者に適したテスト形式であると考えられるが,テストの信頼性を高める必要があることがわかった。また,オンラインテストは客観的な採点が可能となるが,解答時間や IT 環境の整備などの課題を見直す必要があることが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
オンライン学習
テスト形式
研究関連テーマ
オンライン学習
コミュニケーション能力
テスト形式
テスト・分析方法
t検定
確認的因子分析
共分散構造分析
重回帰分析
テューキー法
4件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

日本人学習者の英語語意知識測定テストの開発と検証
―正答率および応答自信度による評価―

東京都/東京大学大学院 博士課程・在籍 中田 達也

▼研究概要
本研究では,L2における語意知識(語の意味に関する知識)を測定するためのテストである再認式文章完成課題において,応答自信度を得点に反映することで,テストの1)信頼性,2)妥当性,3)実用性が改善されるかどうかを調査した。98人の日本人大学生を対象とした調査の結果,自信度を語意テスト得点に反映することで,信頼性と妥当性の構造的側面に関しては改善される可能性が示唆された。しかし,妥当性の一般化可能性および外的側面に関しては,差が見られなかった。また,テストの実用性に関しては,自信度を用いない従来の採点方式の方が優れていた。本研究の結果から,再認式の語意テストにおいて自信度を用いることは必ずしも必要ではないものの,高い信頼性が望ましい場合には,自信度を採点に取り入れることが1つの選択肢になり得ることが示された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
語意知識測定テスト
研究関連テーマ
リーディング能力
テスト・分析方法
Χ²検定
一元配置分散分析
項目応答理論(IRT)
語彙テスト
多肢選択式テスト
テューキー法
ピアソンの積率相関係数
ボンフェローニ法
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

プロジェクト型外国語活動におけるインプット増強のためのカリキュラムの提案
―自立学習喚起のための音声指導のあり方―

兵庫県/西宮市立高木小学校 教諭 東野 裕子

▼研究概要
平成23年度より小学校の第5 ・6学年に導入される「外国語活動」では,小学生という発達段階を考慮した体験的な活動を通して,内容は「総合的な学習の時間」で育成すべき「生きる力」を共通項としながらも,言語教育の枠組みの中での「コミュニケーション能力の素地」の育成が目的である。そこでは,与えられた(あるいは,見つけた)課題に対して児童自らがゴールを決定し,そのゴールまでのプロセスにおいて,グループ学習や協同の学び体験を通して,主体的かつ創造的な学びが成立する。この種の特徴を持つ課題解決型の活動を「プロジェクト型外国語活動」と呼ぶ。  本研究では,このプロジェクト型外国語活動により,児童が,時間の経過に伴い,より意欲的に活動に取り組むことができたことを「振り返りシート」を時系列に調査し,コミュニケーションに対する積極的な態度の変化を観察した。また,到達すべきゴールが明確であることにより,学習が必然的になされ,自ら英語表現を練習し,発表の段階まで意欲的に取り組んだ結果,プロジェクトで扱った英語表現が自然と定着したことを明らかにした。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
プロジェクト型活動
研究関連テーマ
音声指導
コミュニケーション能力
自己評価
授業計画
自立学習
プロジェクト型学習
テスト・分析方法
自由記述アンケート
リスニングテスト
4件法アンケート
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

紙辞書を使った語彙・コロケーションの指導とその効果
―英語で伝える力と自ら学ぶ力を育てる『和英表現ノート』作りの実践―

千葉県/渋谷教育学園幕張中学校 教諭 内田 富男

▼研究概要
「紙辞書」,「英作文」,「語彙」,誰もがその指導の意義を認めてはいるものの,教室ではなかなか手が回らない。本実践では,公立中学で英検講座を受講する約70名の2年生を対象に,1)コロケーション重視の語彙指導,2)紙辞書を活用したノート指導,3)フリーライティングの指導,を試みた。年間およそ20時間の講座では,教科書・英検コーパスから作成した教材と紙辞書,作文シートを使って指導した。その結果,敬遠しがちだった紙辞書をより身近なツールであると感じ,コロケーションに興味を持つ生徒が増えた。また,モデルを参考にしながらでも英語で書く機会を得て,表現意欲が昇華された。なお,正課の授業とあわせて,週7時間の学習の結果,2年終了時にはほとんどの受講生が英検3級以上に合格した。本研究から,実際の授業実践を通して,英語を学ぶ動機と意欲,英語に触れる機会の大切さが確認され,困難な学習課題に挑戦させることの意義が示唆される。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
語彙指導
研究関連テーマ
コロケーション
語彙指導
自由英作文
自立学習
ライティング指導
テスト・分析方法
t検定
英検
英語能力判定テスト
自由英作文
自由記述アンケート
4件法アンケート
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

海外パートナー校との協調学習による英語コミュニケーション力向上プログラムの試み【共同研究】

東京都/八王子市立城山中学校 教諭・代表者 吉田 和夫

▼研究概要
本論文は一般的な公立中学校での英語科の授業においては比較的実現が難しいと考えられる,海外のパートナー校(中学校レベル)との連携による効率的・効果的な学習指導を構築することの可能性について具体的に検討・実施した教育実践を紹介するものである。  また,この実践を通して,今後どのようなシステムで,国際社会に備えることのできる英語を用いた総合的なコミュニケーション力を向上させるかを具体的に考察した。さらに,そのためにどのような手立てやプログラムが必要となるか,またそのプログラムを実施するにあたり,どのようなマニュアルや手引き,ワークシートなどの書式があるとよいかをあわせて検討し,各学校ですぐに役立ち,実践に取り組めるよう,全体の内容や手順をパッケージ化した。  この報告内容を実践することで,多くの公立中学校でこれまでとは異なる「真正・本物の(Authentic)」交流的な学習,協調学習が実現すると考える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
海外交流
協同学習(協働学習)
コミュニケーション能力
研究関連テーマ
学習意欲
動機づけ
表現力
プロジェクト型学習
テスト・分析方法
-
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

後置修飾の定着を促す言語活動と文法指導の有効性に関する実証的研究

神奈川県/横浜市立旭中学校 教諭 奥村 耕一

▼研究概要
この報告は,中学校における外国語指導において,教師が,日本語を母語とする中学生に日本語とは異なる語順や修飾の関係について定着させるには,どのような指導が必要かを明らかにしようとしている。  そのために,これまでに提言されてきた言語活動と文法指導を有機的に関連させることによって,後置修飾の定着をどの程度促すことができるかを探ることにした。後置修飾の文構造は,日本語とは異なることから,中学生にとってその定着が難しいとされてきた。2012年度に完全実施の新学習指導要領では,文法指導と言語活動を有機的に結びつけて指導することにより,コミュニケーション能力の基礎を養うよう求められている。本研究では,主に3種類の言語活動を実施することにより,どの程度後置修飾の定着が促されたかを測定していく。  結論においては,日本における外国語学習の環境を踏まえた,今後の指導のあり方と課題についての示唆でまとめている。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
リーディング指導
研究関連テーマ
音読
学習指導要領(中学校)
スピーキング指導
タスク
文法指導
リーディング指導
テスト・分析方法
t検定
テューキー法
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

ペア・プランニングが自由英作文に与える影響【共同研究】
―Coh-Metrixを用いたテクスト分析―

新潟県/長岡工業高等専門学校 助教・代表者 田中 真由美

▼研究概要
本研究では,事前のペアによるプランニングの方が,1人で行うプランニングよりも,その後のライティング・タスクのパフォーマンスを高めるかどうかを検証した。用いた分析指標は,流暢さ,複雑さ,正確さ,結束性の4つである。高等専門学校の2年生,3学科を対象に,英語ライティングの授業時間内に,週1回,計5回の自由英作文タスクを行った。各学科を,ペア・プランニング群,個人プランニング群,オンライン・プランニング群に割り振り, 3群間でパフォーマンスを比較したところ,個人プランニング群の平均値の方がオンライン・プランニング群の平均値よりも統計的に有意に高かった。ペア・プランニング群とオンライン・プランニング群との間には平均値に統計的有意差は認められなかったものの,ペア・プランニング群と個人プランニング群とではほとんど数値に差がなかったため,流暢さにおいてペア・プランニングは個人プランニングに近い効果があると考えられる。ペア・プランニングの効果は,今回の研究結果ではあまり認められなかったが,ペア・プランニングがより効果的になるようなプランニングとライティングのタスク設定の必要性が,今後の課題として明らかになった。
▼キーワード
研究対象
高専生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
自由英作文
ライティング指導
ライティング能力
テスト・分析方法
自由英作文
ピアソンの積率相関係数
分散分析
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

高校生のリーディングに対する動機づけの高揚と読解力の育成
―学習動機を高める学習者支援のあり方を求めて―

三重県/三重県立四日市南高等学校 教諭 城野 博志

▼研究概要
本研究は10分間ほど易しい段階別教材を読ませる多読(10分間多読)に関する実践的研究である。次の2点をその研究目的とする。1つはコメントや助言など(言語的報酬)による多読支援を行うことによって多読の動機が高まり,読みの速さを伸ばすことを実証すること。もう1つは,読みの速さと動機の関係を明らかにすることである。  本研究の結果,支援を受けた生徒は教師との関係を改善し,多読に対する関心を高め,1分当たりの読語数(WPM)を伸ばした。同時に読む面白さを味わいながら,多読に対する不安を減らして読語数を増やした。しかしながら,自分の読みたい本を自分で決めるという学習内容に対する自己管理意識(自律性)や長文を読む自信(有能感)に変化はなかった。本の選択についての助言,読後レポートに対するコメント,多読に対する姿勢についてのフィードバック回数が不足していたことがその要因として考えられる。有能感支援や自律性支援が効果的でなかったために,多読の価値が自分の中に取り込まれず内発的価値が高まらなかった。  言語的報酬による多読支援には多くの要因が複雑にからまっている。支援の柱として,生徒が読みたいと思う本を生徒と一緒に読みながら,読む喜びを共有して,その喜びを通して達成感を味わせることが重要と思われる。我々教師は多読を支援する者として,複雑にからまった糸を解きほぐしながら,いかにして動機づけを高めていくか,試行錯誤を繰り返していくことが求められる。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
動機づけ
研究関連テーマ
学習動機
自律性
多読
動機づけ
読解速度
フィードバック
リーディング能力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
相関係数
探索的因子分析
読解テスト
6件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

ライティング授業における音読活動が作文に及ぼす影響

京都府/京都府立桂高等学校 教諭 大八木 康弘

▼研究概要
本研究は,公立高校でのライティング授業において,習得目標である文法項目を含む文をフレーズ単位で繰り返し音読させることにより,その内在化をめざす指導を試みる。学習者に書かせた作文をコーパス化し,その言語的特徴などを分析する。それを基に効果的な授業案を提案する。  よりよいアウトプットをするためにはインプットされた言語知識が中間言語に内在化される必要があり(Gass, 1997),内在化にはそれを含む英文の音読などが効果的である(門田, 2007)と主張されている。  本研究では,1組には文法解説中心の,もう1組には基本例文などの音読活動中心の指導を行い,指導前後で作文をさせた。結果,音読中心の組が作文の流暢さ,正確さおよび文法的複雑さをより向上させた。さらに,音読した英文の N-gram を作文でより多用した上,従属接続詞もより多く,正確に,母語話者に近く使用した。以上から,ライティング授業でのインプット後の音読活動が,言語知識の内在化を促し,作文を上達させることが示唆された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
音読
ライティング指導
研究関連テーマ
音読
コーパス
シャドーイング
中間言語
定型表現
ライティング指導
テスト・分析方法
t検定
Χ²検定
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

中学校・高等学校英語教師の,英語学習動機づけに対する認識に関する調査

兵庫県/兵庫県立西宮南高等学校 教諭 篠原 みゆき

▼研究概要
本研究の目的は英語学習動機づけ方略にかかわり,(1) 日本の英語教師の英語学習動機づけ方略重要認識度と,(2) 方略重要認識度と使用頻度の違いを調査することである。調査に参加したのは,日本全国の中学校・高等学校英語教師762名で,調査は2008年6月から8月に行われた。その結果,(1)については,重要認識度が高い順に,「適切な教師行動」,「適切な活動提示」,「生徒の自信を高める」,「学習活動を面白くする」,「学習習慣の確立を支援する」,「個人の違いに合わせる」,「生徒の自律を高める」,「生徒の努力を認める」,「心地よい教室雰囲気作り」,「グループの結束と規範を高める」,「生徒の目的意識を高める」,「生徒を英語関連価値に親しませる」であった。(2)については,重要認識度に比べて使用頻度が低かったのは「学習活動を面白くする」と「個人の違いに合わせる」で,高かったのは「学習習慣の確立を支援する」と「生徒の努力を認める」,どちらも低かったのは「生徒の目的意識を高める」,「グループの結束と規範を高める」,「生徒を英語関連価値に親しませる」であった。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
動機づけ
研究関連テーマ
学習意欲
動機づけ
内発的動機づけ
テスト・分析方法
6件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

日本人中学生を対象とした英語/ 日本語のキーワードが与える記憶術法の影響【共同研究】

群馬県/安中市立松井田東中学校 教諭・代表者 福田 昇

▼研究概要
本研究は,初期英語学習段階である中学生を被験者として考えた場合,(1)Keyword 法で用いられる絵と手がかり語との間にどのような関係があるのか,また,(2) 手がかり語を英語と日本語の2通りを用いて覚えた場合の再生効果はどのように影響するのか明らかにしようとしたものである。実験には公立中学校3 年生125名が参加し,(a)絵と Keyword法群,(b) 絵のみの学習法群,(c) Keyword法群,(d) 機械的学習法群の4群に分け,記憶タスクを実施した。また,Keyword法との関連を見るために語彙学習に対するアンケート調査と正字法知識に関するテストを実施した。  結果は次のとおりであった。(1) 絵+ Keyword法群では手がかり語が English / 日本語どちらでも学習効果に差はなかった。(2) Keyword法群では手がかり語が日本語の方が English よりも効果的であった。また,(3) 直後テストと正字法テストの比較から,Keyword法群と機械的学習法群には正字法テストと直後テストとの相関関係があることが示された。しかし,正字法知識のうち音韻情報と綴り情報のどちらをより方略において用いているかということは判断できなかった。(4) アンケート結果から語彙学習に対して学習者は「符号化:視覚的音韻的関連」,「符号化:意味的符号化」,「復唱:単語リスト使用」,「復唱:視覚的反復」の4つの方略を用いていることが示された。特にすべての学習群で「復唱:単語リスト使用」の方略を用いる心理が働いていたことが明らかになった。これは,日本人英語学習者が意味ネットワークを構築し,認知的処理を伴う方略が少ないとする先行研究を支持するものであった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
記憶術法
研究関連テーマ
リーディング指導
テスト・分析方法
実験群/統制群
正字法テスト
遅延テスト
テューキー法
分散分析
ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

英文読解指導のレベル化とテキスト理解度の関連性
―文レベルの指導と構造レベルの指導を通じて―

広島県/広島皆実高等学校 教諭 浅井 智雄

▼研究概要
本研究は,読解指導を,英文レベルの理解に重点を置いた指導と,複数の英文間の相互関係の認識に基づいたテキストの構造レベルの指導の2つにレベル化することによって,学校現場においてテキスト構造に関する継続的トレーニングがテキスト理解を深化させるために有効であることを立証しようとした。継続的指導中に学習者に課した要約と自由筆記再生を分析した結果,(1) テキスト構造が学習者にとって明確である場合に上位レベルのアイデアユニットが認識されやすかった。(2) テキスト構造に着目させる継続的指導の効果はアイデアユニットの統一において認められた。(3)テキスト構造に着目させる継続的指導はテキスト理解を元のテキストの模倣からより深いテキスト処理へと発展させた。また,教育的示唆として,推論の能力を高めるためには,テキストの論理展開を教えることに加えて,推論生成を促すようなタスクの工夫が必要であることが指摘された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
リーディング指導
リーディング能力
研究関連テーマ
リーディング指導
リーディング能力
テスト・分析方法
t検定
筆記再生テスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

ランゲージングが第二言語学習に与える効果

カナダ/トロント大学大学院 在籍 鈴木 渉

▼研究概要
本研究は,日本の大学教育機関で学ぶ日本人英語学習者が,英語の語彙や文法について考えたことや理解したことを自分の言葉で自分自身に説明することが,どのような効果を与えるかについて検証したものである。実験に参加した学習者は,まず特定のトピックについて英作文を書き,次に英語の母語話者から筆記でのフィードバック(直接訂正)を受け,それに対して考えたことや理解したことを自分の言葉で書いて説明(「ランゲージング」と定義)する。その後,学習者は,フィードバックを受ける前の元の英作文を見ながら,書き直しをする。分析の観点は,ランゲージングの内容の深さのレベルによる分類(① 半信半疑,② 単純な気付き,③ 理由を伴った気付き),及び,ランゲージングのレベルと書き直しの関係の2 点である。結果,(1) 日本人英語学習者が英作文のフィードバックを理解する際のランゲージングは理由を伴った深いレベルが多いこと,(2) ランゲージングは,そのレベルにかかわらず,学習に効果を与えることが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
ランゲージング
研究関連テーマ
フィードバック
ライティング指導
テスト・分析方法
Χ²検定
実験群/統制群
自由英作文
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

英文読解テストとしての再話課題の有効性の検証
―テキストタイプ、産出言語、採点方法の妥当性を中心として―

茨城県/筑波大学大学院 在籍 甲斐 あかり

▼研究概要
本研究は,再話課題の実施や採点に関する複数の手続きを重要度評定とテキストの再生率を用いて比較検証することにより,日本人英語学習者に適した再話課題の手続きを明らかにすることを目的とした。主な結果は次の3点である。 (1) テキストタイプの影響を検証した結果,物語文の方が説明文よりも再生率が高いことが示された。また,テキストタイプによって再生される情報の質や重要度が異なり,物語文では登場人物や設定に関する情報の重要度や再生率が高く,説明文では主題に沿った情報の重要度や再生率が高いことが示された。また,物語文では場面が変わる部分(登場人物の行動の変化)や時間的な経過がある部分が多く産出される傾向があることが示された。 (2) 産出言語の影響を検証した結果,重要度の高低にかかわらず日本語での再生率が英語での再生率よりも高いことが示された。 (3) 採点方法(重み付けあり・なし)による再生の傾向に違いがないことから,簡便性を考慮すると重み付けなしの採点で十分であることが示された。  本研究によって,再話課題に適したテキストタイプ,産出言語,採点方法が示唆された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
再話課題
研究関連テーマ
産出量
熟達度
スピーキング指導
評価(指導者による)
テスト・分析方法
t検定
英検問題(スピーキング)
英検問題(リーディング)
クラスター分析
三元配置分散分析
読解テスト
二元配置分散分析
ピアソンの積率相関係数
必要技能
リーディング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

コーパス分析とラッシュ・モデルを用いたライティング・テストでの困難度比較

茨城県/筑波大学大学院 在籍 長橋 雅俊

▼研究概要
本研究は,作文テストで与えるトピックの違いから評価への影響を調べ,教育現場での公正な作文評価がどこまで可能か検証する。  予備調査では,極めて熟達した ESL学習者によるTOEFL Test of Written English( TWE)の練習作文を,コーパス分析し,作文の長さ,語彙的特徴を測定した。この結果から対象のトピックを選び,本調査で日本人学習者のパフォーマンスを調べる。本調査1では予備調査でのコーパス分析を引き継ぎ,トピックごとに書かれた語彙的特徴を比較した。また6段階の全体的評価で採点し,得点に深刻な差がないか調べた。本調査2では,同一の学習者に2回テストを実施し,どの程度採点結果が一貫するのか調べた。  結果,異なるトピックによる作文は,高度な語彙の使用頻度に違いをもたらした。一方,全体的評価の平均点には差がなく,トピックの違いがパフォーマンスに与える影響は小さいと言える。ただし評価者の採点基準は常に一定とは限らず,厳しさの違いが確認された。この違いが得点に誤差をもたらす可能性から,現場教師のパフォーマンス評価には独断に陥らないための採点手続きが求められるだろう。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
ライティングテスト
研究関連テーマ
異なり語数
コーパス
語彙力
タスク
評価(指導者による)
テスト・分析方法
t検定
一元配置分散分析
クラスカル・ウォリスの順位和検定
テューキー法
マン・ホイットニーのU検定
ラッシュ・モデル
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

外国の小学校とのインターネットでの交流体験を活用した英語活動

宮城県/仙台市立人来田小学校 教諭 栄利 滋人

▼研究概要
本研究は,アメリカの小学校の教師及び小学生とインターネットを使って会話し,交流することにより,児童の実践的コミュニケーション能力を育成するものである。当初は,作品交流や録画交流の計画であったが,小学生同士が直接ライブで話す交流が実現した。初めは教師が補助しながらの会話であったが,交流を続けるうちにヒアリング力が向上し会話が続くようになった。  本研究では,ライブで話すことができる環境で,小学生同士が英語でコミュニケーションをどのように進め,どのような英語表現を身につけていくのかを検証していく。また,このようなインターネットで会話ができる新しい環境での取り組みで,本研究が高学年の子供たちにどんな変化をもたらすのか,また,どんな英語表現が実践的コミュニケーションとして有効なのかを明らかにしていく。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
インターネット交流
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
小学校英語活動
実践的コミュニケーション能力
ネイティブスピーカー
リスニング能力
テスト・分析方法
児童英検
4件法アンケート
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

英文読解におけるチャンキング指導が日本人初級英語学習者にもたらす認知効果

兵庫県/宝塚市立御殿山中学校 教諭 柳瀬 学

▼研究概要
英文読解におけるチャンキング(スラッシュリーディング)の効果は,これまでの研究で処理速度や内容理解の向上が認められている。ただ,内容理解に関しては学習発達段階によって微妙な差が見られる。すなわち上級学習者には効果があるが,初級・中級者においては効果が認められないとする報告がある。その原因として初級学習者はチャンキング行為それ自体に多大の労力を注いでしまい,肝心の読解度や読解速度を下げてしまっているという点が指摘されている。  そこで本研究では,英語初級学習者にチャンキングのパターンを事前に明確に教授することにより,英検3・4級レベルの英語単文問題,及び長文問題における内容理解と,読解速度(付随する問題を解く時間を含めたもの)にどのような変化が見られるかを検証した。分析の結果,内容理解の点で有意な伸びが確認されたのに対し,読解速度の点では有意差は認められなかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
チャンキング(スラッシュリーディング)
リーディング指導
研究関連テーマ
チャンキング(スラッシュリーディング)
読解熟達度
読解速度
リーディング指導
テスト・分析方法
一元配置分散分析
英文和訳テスト
実験群/統制群
読解テスト
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

ディクトグロスを用いたリスニング能力を伸ばす指導
―技能間の統合を視野に入れて―

石川県/石川県立金沢桜丘高等学校 教諭 前田 昌寛

▼研究概要
大学入試センター試験をはじめ,多くの入学試験にリスニングテストが導入されるようになり,その指導法の確立が急務となっている。しかし,その指導法となると,ラジカセのボタンを押して「問いに答えなさい」という指示だけで済ませてしまい,学習者のリスニング力を伸ばすための積極的かつ継続的な指導法の確立はいまだ不十分である。そこで本研究では,聞こえてくる英語の要点についてうまくメモを取り,話の全体像を復元し,元のテキストと比較するディクトグロスという手法を用い,(1) リスニング能力の向上にどのような効果をもたらすかを確かめる。また,ディクトグロスという指導をすることで note-taking能力の向上が図られ,さらに,文法に気を付けながら仲間同士で英文を復元するプロセスを経ることで,(2)文法能力やライティング能力が向上するかを確かめる。  結果は,ディクトグロスを行ったクラスはリスニングの得点が伸び,波及効果としてライティング能力にも伸びが確認された。また,文法能力に関しては,誤りの少ない英文を産出することができるようになった。特に局所的誤りを自己で訂正できる能力を学習者に身につけさせることができた。表題にもあるように,リスニング能力を伸ばすとともに,技能間の統合を図ることができた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ディクトグロス
リスニング能力
研究関連テーマ
産出量
ディクテーション
ディクトグロス
文法力
メタ言語能力
ライティング能力
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
F検定
t検定
ディクトグロス
文法テスト
プリテスト/ポストテスト
ライティングテスト
必要技能
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

高校生の自由英作文指導におけるピア・フィードバックの活用
―プロセスの改善とライティング不安の軽減の視点から―

広島県/広島大学附属中学校・高等学校 教諭 久山 慎也

▼研究概要
本研究では,高校段階におけるポスト・ライティング指導の一形態として,生徒にお互いが書いた作文を交換させ,コメントを返させるというピア・フィードバック活動を導入し,その効果を検証している。指導期間は半年間で,作文を交換してフィードバックを返す活動を3回,フィードバックを返す力をつけるための指導を計8回実施した。指導効果の分析に際しては,対象クラスの生徒を,文法能力,作文ストラテジーの使用頻度,英作文力の3変数によって4つのグループに分けたが,作文ストラテジーの使用頻度が最も低かったグループにおいて,計画段階と推敲段階でのストラテジー使用が増えた。また,このグループの生徒はピア・フィードバック活動の実施後に書いた英作文の得点においても上昇が見られた。ライティング不安の軽減については,今回の実践においては,どのグループにおいても指導の効果は確認されなかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
フィードバック
ライティング指導
研究関連テーマ
自由英作文
フィードバック
文法力
ライティング指導
ライティング能力
テスト・分析方法
クラスカル・ウォリスの順位和検定
クラスター分析
重回帰分析
相関係数
マン・ホイットニーのU検定
4件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

英語活動で ALT が行う授業の調整
―ALTと子供のコミュニケーションの検討に基づいて―

京都府/京都大学大学院 在籍 黒田 真由美

▼研究概要
経験の浅い ALT(Assistant LanguageTeacher)は子供とのかかわり方を工夫するが,授業計画の変更には困難を抱えることが知られている。本研究では,経験を積むことによって,ALTの授業調整がどのように変化するのかを明らかにすることを試みた。公立小学校で行われている5,6年生(全4クラス)の観察に基づき,ALTが主導する英語の授業内容の変化について検討した結果,授業計画を踏まえながら授業内容を取捨選択したり,時間配分を調整する様子がとらえられた。また,子供の反応をもとに臨機応変にかかわり方を変えるだけでなく,長期的な視野に基づいて授業計画を調整することが明らかになった。さらに,初期の授業で持っていた方針の変更を明示することはなかったが,子供に合わせて実質的に方針を変化させ,子供の力に応じた授業となるように子供とのかかわり方を工夫することが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
ALT
研究関連テーマ
ALT
コミュニケーション能力
自己効力感
授業計画
テスト・分析方法
インタビュー
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

中学校入学以前の英語学習経験が中学校における英語力に及ぼす影響
―英語学習歴調査と中学校3年間の英語力追跡調査の分析―

東京都/筑波大学附属中学校 教諭 肥沼 則明

▼研究概要
本研究は,中学校入学以前の英語学習経験が中学校における英語力に及ぼす影響を実証的に明らかにしようとしたものである。入学時ですでに存在する影響を明らかにするとともに,それが中学校3 年間の間にどのように変化するのかを調査した。  具体的な方法は,保護者に対する生徒の英語学習歴をアンケート調査し,その結果をもとに生徒を7つのグループに分類し,グループごとの差を① 音素聞き取りテスト,② 面接テスト,③ 定期考査の各得点で分析した。そして,次のような結果を得た。 ・①では,入門期に帰国子女の得点が小学校英会話授業経験者の得点に対して有意に高かったが,その他のグループ間には差がなく,卒業時には全グループ間に差がなかった。 ・②では,統計処理は行わなかったが,平均点は帰国子女が最も高く,次いで高頻度・長期間の英会話学校経験者,同その他の学習経験者であり,小学校英会話授業経験者と未経験者はほぼ同点で最下位であった。 ・③では,統計処理は行わなかったが,放送による「表現理解」の平均点は, 3年間帰国子女が第1位を保った一方,初期の頃に高かった高頻度・長期間の英会話学校経験者と同その他の学習経験者と他のグループの差は3年後にはほとんどなくなった。  以上の結果により,小学校における英語活動で言語教育として効果を上げるには,「週1回・3年以上」の授業が必要であるという示唆を得た。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
小学校英語活動
リスニング能力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
スピーキングテスト
定期テスト
テューキー法
リスニングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

小学校での英語活動経験者は中学1年時にその活動をどう評価しているか【共同研究】

福岡県/福岡教育大学大学院 在籍・代表者 渕上 啓子

▼研究概要
本研究の目的は,小学校で英語活動を経験した中学生が,中学1年生の1学期と3学期の時点で英語活動をどのように評価しているか,英語活動に対する評価は調査時期によって変化するのか,また英語活動の指導内容・方法・取り組みの違いよって,英語活動の評価は影響を受けるかについて調べることである。本調査に参加したのは九州北部の K 市内の12の小学校を卒業した1,197名(7月調査)と1,206名(3月調査)で,意識調査は2007年7月と2008年3月に行われた。調査の結果から,調査参加者が英語活動を肯定的に評価していること,中学校での英語学習の進行により「楽しさ」の評価は影響を受けないが,「有用性」や「学習内容」の評価はマイナスの影響を受けること,調査参加者が小学校の英語と中学校の英語を区別する傾向が示唆された。また英語活動の指導内容,指導方法,取り組みの違いが「英語活動の評価」や「英語が嫌いになる時期」に影響を与えることがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
英語嫌い
自己評価
テスト・分析方法
スピアマンの相関係数
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

高校入門期における生徒と教員の学習内容に関する意識調査【共同研究】
―中高連携を改善するために何が必要か?―

東京都/東京都立美原高等学校 副校長・代表者 桑原 洋

▼研究概要
中学校の学習内容を踏まえた指導を高等学校教員が行っているか。約200名の全国の教員の協力を得て,中学校英語教科書6社で共通な語彙数,語彙・連語(既習,未習),言語材料(既習,未習),教員の経験などについて,アンケートを実施した。さらに,都立高校の生徒約360名を対象に,中学校における既習語彙・連語,既習言語材料,英語学習の習慣などについて,アンケートを実施し,教員対象のアンケート結果と比較した。教員の正解率は,6社の教科書に共通な語彙数(15%)<未習語彙・連語(18%)<既習語彙・連語(50%)<言語材料(59%)の順番で高くなった。言語材料に教員の知識が偏重しているとも考えられる。一方,高校生では,言語材料の正解率(51%)と語彙・連語の正解率(48%)にあまり差がなく,理解が同じ程度とも言える。中学校英語教科書や中学校学習指導要領などを直接読み,高校教員が中学校における既習内容を正確に把握することが喫緊の課題である。
▼キーワード
研究対象
高校生
教師・教職者
研究メインテーマ
中高連携
研究関連テーマ
学習指導要領(中学校)
検定教科書
語彙
テスト・分析方法
自由記述アンケート
3件法アンケート
4件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

教師が推測する高校生のリスニング中の意識・方略使用と実態との比較

大分県/大分県立安心院高等学校 教諭 渡辺 眞一

▼研究概要
本研究の目的は, (1) 日本の高校生の英語リスニング中の意識及び方略使用を把握するためのリスニング専用の質問紙を作成する,(2) 高校生,日本人英語教師双方に同じ質問紙調査を実施し,各グループの特色と相違とを明らかにし,効率的なリスニング指導に役立つ示唆を得ることである。質問紙調査は113名の進学希望の生徒,23名の進学高の教師に対して行われ,生徒はリスニングテストを受けた後,自らの意識・方略を質問紙に回答し,教師は自分が担当する生徒がどのようにリスニングを行っているかを推測して回答した。結果として,(1) 教師が生徒のリスニング時の行動を低めに評価する傾向,(2)「計画 / 評価」を指導することの重要性,(3)「問題解決」とリスニング成績との相関,(4) 生徒の「集中」重視,「計画 / 評価」軽視の傾向,などが解明された。また,教師が推測する生徒の意識と実態との間にはかなりの相違があり,質問紙調査などを利用して実態を把握し,現状に即した指導を行うことの重要性が明らかになった。
▼キーワード
研究対象
高校生
教師・教職者
研究メインテーマ
リスニング能力
研究関連テーマ
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
MALQ(Metacognitive Awareness Listening Questions)
t検定
ピアソンの積率相関係数
6件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

項目応答理論を応用した英作文評価者トレーニングの有効性について

兵庫県/神戸市立大池中学校 教諭 占部 昌蔵

▼研究概要
自由英作文を評価するときに,評価の信頼性を議論されることがある。では,どのようにしてその信頼性を高くすることができるのか。本研究では,トレーニングを受けた評価者が行う評価が,前回の評価に比べてどの程度変化するのかを調べることによって,項目応答理論を応用した評価者トレーニングの有効性を検討した。同時に,評価者の背景によって信頼性に違いが見られるのかも検討した。評価基準は,ESL Composition Profileを使用した。この評価基準は,内容,構成,語彙,言語使用,(句読点,文法などの)メカニクスの5観点から構成されている。12名の英語科教員と8名の大学院生が,100名の高校生が書いた英作文を,この評価基準を用いて評価した。 結果,今回の評価者トレーニングは効果があることが確認された。また,評価者の背景によって信頼性に大きな違いは見られなかった。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
項目応答理論(IRT)
評価者トレーニング
研究関連テーマ
ESL(English as a Second Language)
自由英作文
評価者間信頼性
評価者内信頼性
テスト・分析方法
自由英作文
ピアソンの積率相関係数
マン・ホイットニーのU検定
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

単語認知における概念表象
―刺激語の抽象度、親密度、翻訳方向、学習者の熟達度が語彙テストに与える影響―

東京都/東京都立青山高等学校 教諭 中村 徹

▼研究概要
本研究では,日本人英語学習者の語彙認知においてL1語彙表象,L2語彙表象,概念表象がどのような関係を持っているか,またどのような要素が単語認知に影響を与えるかという問題を解明するため,語の属性その他の条件を操作した実験を行い,その差を検討した。その結果,語彙認知における「具象・抽象」効果については,実験参加者の「L2熟達度」によって効果がさまざまに変化することが示された。また,具象名詞については低熟達度群ほどL2→L1方向の語彙処理が正確であることが確認された。語の属性についての実験の結果,語の「親密度」と「イメージのしやすさ」いずれもが客観的ではなく主観的な指標であるということが再確認された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
概念表象
語彙力
研究関連テーマ
語彙力
熟達度
テスト・分析方法
t検定
語彙テスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

基幹部と選択肢の関連強度が語彙テストパフォーマンスに及ぼす影響

茨城県/筑波大学大学院 在籍 中川 知佳子

▼研究概要
本研究は,語彙知識の有無によって語彙ネットワークの関連強度(リンク強度)がどのように変化するのかを検証する実験1と,多肢選択式語彙テストにおける基幹部(stem)と選択肢の関連の強さがテストパフォーマンス(正答率,選ばれる選択肢の種類)に及ぼす影響を検証する実験2から構成されている。 実験1においてはパラディグマティック(paradigmatic),シンタグマティック(syntagmatic),音韻(phonological)の3種類のネットワークの発達を学習者の反応時間をもとに検証し,以下の2点が明らかとなった。(a) 語彙知識が深まることによりパラディグマティック,シンタグマティックネットワークが発達する。また,(b) 語彙知識がない場合には音韻関連を中心としたネットワークが構築される。 実験2においては基幹部の影響を,(a) 基幹部として与えられる文の種類,(b) 基幹部に含まれる目標語と正答選択肢のリンク強度,そして,(c) 基幹部に含まれる手がかり(目標語の同義語)と正答選択肢のリンク強度,以上の3つの観点から分析を行った。 主な結果は以下の3点である。(1)基幹部が例文の場合,定義文を与えた場合よりも正答率が高くなる。(2)目標語や,基幹部に含まれる同義語と正答選択肢のリンク強度は正答率に影響を及ぼさない。また,(3) 目標語が未知語である場合には,音韻的な類似性を持つ錯乱肢が選択されやすい。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
語彙テスト
研究関連テーマ
語彙知識
テスト・分析方法
TOEIC
t検定
一元配置分散分析
英検問題(リーディング)
三元配置分散分析
多肢選択式テスト
単純主効果検定
テューキー法
二元配置分散分析
ボンフェローニ法
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

小学校英語教育における動詞の役割と子供のSchema Formation
―子供の認知プロセスに着目したアニメーション教材の開発を通して―

奈良県/奈良市立三碓小学校 教諭 柏木 賀津子

▼研究概要
本研究では,「動詞の島仮説」(The Verb Islands Hypothesis(注1))を聞いてやり取りをする子供が,その意味にどのように交渉し推測しているのかを観察した。また,子供のSchema Formation に着目して作成した「基本動詞20」のFlash アニメーションソフトを授業に導入し,その効果を検証した。その際,動詞はCorpus などを参 考に選んだ。 被験者は6年生132名で,アニメーションを導入した実験グループとTPR(注2)(Asher, 2000)やジェスチャー中心の統制グループを比較し,授業後,記述テストやリスニングテストで分析を行った。 その結果,TPRやジェスチャーでは推測しにくい抽象動詞(need, smell など)があり,そのような動詞ではアニメーションの効果も高く,導入前に比べて伸びが見られた。最初は動作を名詞的にとらえた記述もあったが,学習頻度や質が増すにつれてVOcombination(動詞と目的語の結合)の記述が多くなった。事後リスニングテストでは,両グループの差はなかったが,全体平均は90%を超え,子供はインプットを何らかの方法で分析しながら動詞の意味を推測していると考えられる。今後もVO-combinationからVO-segmentation(動詞と目的語の分化)に向かうまでの子供の理解プロセスを観察し,子供の言語スキーマを育てるような指導の在り方を探りたい。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
Schema Formation
教材開発
研究関連テーマ
小学校英語活動
テスト・分析方法
t検定
ウィルコクソンの符号付順位和検定
実験群/統制群
児童英検
プリテスト/ポストテスト
ミドルテスト
リスニングテスト
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

TPRS を用いた生徒のスピーキング力を伸ばす授業

高知県/私立清和女子中高等学校 教諭 松尾 徹

▼研究概要
この実践研究は元来アメリカで外国語としてのスペイン語教育のために開発されたTPR(Total Physical Response)Storytellingという教授法を用いて,生徒のスピーキング力を伸ばすのにどのような効果があるかを検証することを目的としたものである。本報告書ではTPRSが日本ではまだ新しい教授法のため,まず最初にこの教授法の理論背景,基本的な指導手順,そしてテクニックを解説している。次に実際に行ったレッスンを実践例として詳しく記述している。その後,スピーキング力の伸びを測るために用いた2種類のタスクの説明とそのデータ収集法を説明している。そしてその後にそのデータから見えてきた生徒のスピーキング力の伸びをいくつかの視点から分析し,考察したことを記述している。最後にこの研究の課題とこの教授法で行う場合の問題点を提起して,研究報告をまとめている。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
TPRS(Teaching Proficiency through Reading Storytelling)
研究関連テーマ
Story-Telling
語彙力
スピーキング能力
文法力
テスト・分析方法
スピーキングテスト
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

中学校英語表現活動指導の改善【共同研究】
―タスクは実践的コミュニケーション能力の育成に効果があるか―

千葉県/市原市立国分寺台西中学校 教諭・代表者 村井 樹代実

▼研究概要
本研究は千葉県内5地区の英語教員が,「タスク」(task)が日本の中学校でどの程度有効なのかを検証したものである。日本の中学校で従来行われてきた「導入」(Presentation),「練習」(Practice),「表現活動」(Production)の指導過程で,「導入」と「練習」は授業の中で十分に行われてきたが,実践的コミュニケーション能力育成に欠かせない最後の「表現活動」はなかなかできていない現状がある。そこで,中学校の英語教師がめざしている実践的コミュニケーション能力を育成するために「タスク」に着目し,「表現活動」の段階に「タスク」を活用することでどのような英語力を中学生に身につけさせ,またどのような力を引き出せるかを検証した。 本研究では学習指導要領に示されている実践的コミュニケーション能力の基本的要素を,語彙数,流ちょうさ,正確さ及び意味交渉ととらえた。5つのタスクの実践前後に「事前テスト」(Pre TEST)と「事後テスト」(Post TEST)を実施し比較することにより,「タスク」の有効性を検証した。指導過程は基本的にはWillis(1996)のタスクフレームワーク(表1)を参考にした。また,Schmidt(1990,pp.129-158)の「言語の意識化が言語習得を促進させる」という理論に基づき,タスク終了後の振り返りの場面を重視した。生徒自らが使用した英語の表現や文法表現の誤りや不十分さに気付き,自らが修正できるような「気付かせる」時間をタスクフレームの中に位置付け,同じタスクをそれぞれ2回ずつ行った。本研究は「語彙数」,「流ちょうさ」,「正確さ」,「意味交渉」が量的,質的にどのように変化したかの実践報告である。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
研究関連テーマ
インタラクション
学習指導要領(中学校)
異なり語数
語彙力
実践的コミュニケーション能力
正確さ
タスク
流暢さ
テスト・分析方法
プリテスト/ポストテスト
プレゼンテーション
必要技能
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

日本人中学生のメタ認知能力を育てるためのパラグラフ・ライティングの指導
―自己評価と相互評価を生かして―

青森県/弘前市立第二中学校 教諭 丹藤 永也

▼研究概要
本研究は,パラグラフ・ライティングの指導を通して,日本人中学生の英作文におけるメタ認知能力を育成するために,パラグラフに対する自己評価と相互評価及び教師の添削とフィードバックの有効性を検証した。 調査の結果,パラグラフに関するアンケートでは,事前と事後の比較で,表現,構成,内容,メタ認知の各領域で事後が高く,有意差があった。また自己評価と相互評価の事前と事後の比較でも,内容と表現の領域で事後が高く,有意差があった。プロトコル・データの分析も,内容,構成,表現の各領域でメタ認知が活性化していることが検証された。 これらの結果から,自己評価と相互評価及び教師の添削とフィードバックは,メタ認知能力を育成し,パラグラフの質を改善させるものであると言える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
パラグラフ・ライティング
メタ認知
研究関連テーマ
自己評価
相互評価
フィードバック
メタ認知
テスト・分析方法
t検定
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

シャドーイングを用いた英語聴解力向上の指導についての検証

東京都/東京都立深川高等学校 教諭 鈴木 久美

▼研究概要
シャドーイング訓練が聴解力の向上に寄与するのではないかという研究(玉井,1992, 2005)を受け,教室でシャドーイングを用いた指導が多く見られるようになった。 この研究では,シャドーイング指導をどのように行うと,聴解力向上に結び付くかに焦点を当て,3回の実証授業を行った:(1) 5日間でのLL教室における授業で,未知・既知の英語のシャドーイング訓練を行い,聴解力伸長の差を比較,(2) 普通教室において,前回と同じ条件で,(3) read and look-up,repetition,シャドーイングのグループに分け普通教室で活動を行い比較。 結果は,意欲のある生徒は,未知の教材で,あまり英語に気持ちが向かない生徒には,既知の教材でシャドーイングを行うと聴解力が向上したというものであった。repetition は,意欲のある生徒なら聴解力に寄与することがわかった。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
シャドーイング
リスニング能力
研究関連テーマ
シャドーイング
トップダウン処理
ボトムアップ処理
リスニング能力
テスト・分析方法
GTEC
t検定
一元配置分散分析
英検問題(リスニング)
実験群/統制群
自由記述アンケート
多重比較
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

発音指導におけるインプット強化と意識化の重要性の検証

山形県/鶴岡工業高等専門学校総合科学科 助教授 阿部 秀樹

▼研究概要
本論文は発音指導におけるインプット強化(input enhancement)と意識化(consciousness-raising)が教室における音韻習得に与える影響を検討する。発音指導におけるインプット強化とは,学習者を音声形式へ注意を誘導しながら中間言語の音韻体系を構築することに寄与するものである。その指導効果の研究のために,初級から中級レベルの学習者90名が被験者として教室内実験に参加し,実験群と統制群合計3クラスに分かれて実験を行った。実験群Ⅰ(IEEグループ;インプット強化+説明),実験群Ⅱ(IEIグループ;インプット強化+インタラクション),統制群(NIEグループ;インプット強化なし)である。指導効果は事前と2度の事後テストによって検証され,2度の事後テストにおいて実験群と統制群の間に有意差が見られただけでなく,2つの実験群の間でも,実験群Ⅰと実験群Ⅱの間に有意差が観察された。このことより,教室環境における発音指導において,指導方略の1つであるインプット強化と意識化の重要性を提案する。
▼キーワード
研究対象
高専生
研究メインテーマ
音声指導
研究関連テーマ
インタラクション
音声指導
メタ言語能力
テスト・分析方法
t検定
英検問題(リスニング)
実験群/統制群
プリテスト/ポストテスト
リスニングテスト
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

ジャンル・アプローチを高等学校ライティングに生かす指導法
―形成的評価、カウンセリング、コーチング、LLを用いて―

岩手県/岩手県立一関第二高等学校 教諭 德江 武

▼研究概要
ジャンル・アプローチ( the genreapproach,以下,GAと略)は,豪州で発達した,テクストを作る力を育てる英語教授法である。これを日本の高等学校で生かせれば,実践的コミュニケーション能力を養うとともに,自ら学び,考え,表現する力など「生きる力」も育成できると考えられる。 そこで,本研究では,アクション・リサーチにより,GAを日本の高等学校で生かす指導法を作った。それは次の技法・発想から成る。 ① 日本の高校生のニーズに合わせる。 ② 形成的評価の諸技法を生かす。 ③ カウンセリングとコーチングを生かす。 ④ 誤りを直す際は,ヒントで気付かせる。 これらの技法・発想の下に,具体的技法を開発した。そこでは,LL とフロッピー・ディスクを用いる。研究の結果,次の課題が明らかになった。 ① クラスの全員が意欲的に取り組めるようにする。 ② GA にリーディング指導を取り入れる。 ③ GA に基づく教科書を作る。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
自己評価
実践的コミュニケーション能力
相互評価
評価(指導者による)
ライティング指導
テスト・分析方法
自由英作文
5件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

自主的語彙学習者育成のための語彙指導
―lexical approachの指導法の検証―

アメリカ/Columbia University Teachers College 修士課程・在籍 國分 有穂

▼研究概要
本研究は,語彙力の質的側面に焦点を当て,複数の日本語訳がある基本動詞を使い分けつつ使い切る力を養うために,① 学習者にformulaic sequences(定型表現)の気付きを促し,それを「観察―仮定―検証―確認」という段階を踏み,分析的に学習することの指導効果を検証すること,② 学習者主体の効果的な語彙学習のための指導法及び教材開発の提案を目的として行った。研究では,2つの実験群における適正処遇交互作用の存在が認められた。このことから,言語学習において,学習目標を同一に設定し,到達させるためには,学習者の特性の差異に応じて指導法を変えていくという点に留意する必要性が示唆された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
語彙指導
研究関連テーマ
語彙指導
語彙知識
定型表現
テスト・分析方法
t検定
共分散構造分析
項目応答理論(IRT)
語彙テスト
プリテスト/ポストテスト
6件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

小学校英語研究開発校に見られる英語能力の検証【共同研究】
―表現及び語彙における理解度と記憶の定着度を中心に―

奈良県/奈良女子大学附属中等教育学校 非常勤講師・代表者 福智 佳代子

▼研究概要
平成9年から10年間英語活動を行っている研究開発校と,平成18年度より同様の英語活動を行った小学校,及び当地域の児童が進学する中学校1年生に対して,活動の中で取り扱われた表現や語彙がどの程度理解され記憶の中に取り込まれるか,評価や活動の種類が違ってくる中学校英語学習における言語理解や表現にいかに寄与するかをテーマに,仮説として次の3項目 1. 背景や場面などから,ルールによらない定型表現を理解する力に差があるのではないか 2. 文法的結束性のある表現ばかりでなく,意味的に一貫性のある適切な応答の表現の理解にも差ができるのではないか 3. 理解できる語彙に差があるのではないかを設定し,測定可能な規準テストを用いて測る。結果から,合計得点及び各問題の正答率による比較,分散分析による比較を行う。さらに分散分析で有意と認められる結果が出た問題に関しては因子分析を行う。
▼キーワード
研究対象
小学生
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
語彙知識
小学校英語活動
定型表現
テスト・分析方法
Χ²検定
主因子分析
児童英検
分散分析
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

日本の小学生の英語に対する動機・態度と英語の熟達度との関係
―児童英検参加者の分析を通して―

東京都/津田塾大学大学院 在籍 カレイラ 松崎 順子

▼研究概要
本研究の目的は,英語学習にとって重要な要因である内的動機づけ,道具的動機づけ,外国に対する興味,不安,親の励ましに注目し,これらの情意要因と英語の熟達度の関係を調べていくことにある。本研究に参加したのは2006年10月に実施された児童英検を受験した小学校3年生から5年生の児童80名である。児童英検のグレード別に情意要因と児童英検の正答率の関係を調べた結果,最も難易度の高いGOLDでのみ,内的動機づけ,道具的動機づけが正答率と弱い正の相関を示し,不安は弱い負の相関を示した。なお,BRONZEとSILVERではそのような相関は認められず,親の励ましと弱い負の相関が見られた。すなわち,最も難易度の高いGOLDを受験した児童においてのみ情意要因と英語の熟達度が関係していたことから,学習歴が長くなるほど情意要因が英語の熟達度に影響を与える傾向があると考えられる。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
小学校英語活動
熟達度
情意面
動機づけ
内発的動機づけ
リスニング能力
テスト・分析方法
児童英検
ピアソンの積率相関係数
4件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

小学校におけるALT と子供のかかわりの変化の一例
―子供の発音に対するALTの応答に注目して―

京都府/京都大学大学院 在籍 黒田 真由美

▼研究概要
ALT主導で行われる英語活動を観察し,ALTが問いを発する場面の変化について検討した。9月から3月に実施された,小学校4年生の授業を対象に分析を行った。カテゴリー分析からは,ALTの個々の子供への働きかけが減少すること,学級担任への問いが増加することが見られた。また,子供の不適切な応答や無反応な状態に対して,ALTは子供に他の可能性を提案していた。さらに,事例分析から,ALTの変化として,子供の発話を活発化させ,クラス全体を巻き込んだ授業へと移行すること,1つの問いの機能を複雑化させること,子供観の変化が見られた。授業実践を通して,ALTの発話には「教師」らしさが現れるようになったと言えよう。
▼キーワード
研究対象
教師・教職者
研究メインテーマ
ALT
研究関連テーマ
ALT
ティームティーチング
テスト・分析方法
-
必要技能
-
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

指導と評価の一体化をめざした信頼性の高い英作文評価基準表の作成: 多変量一般化可能性理論を用いて

東京都/津田塾大学 演習助手 大久保 奈緒

▼研究概要
本研究においては,英作文評価基準表を作成し,その評定項目及び,評定者に関する信頼性の検討を多変量一般化可能性理論や評定者フィードバックを用いて検討した。この評価表は,ジャンル分析研究を参考に作成された。内容,構成,語彙,言語使用の4観点から成立し,各観点に,3から4の下位項目が設置されている。3人の英語母語話者である英語教師が,41人の大学生が書いた英作文を,この評価表を用いて評定した。多変量一般化可能性理論を用いた分析では,信頼性の高い結果が導き出された。しかし,語彙と言語使用の多変量一般化可能性係数,多変量信頼度指数が,内容及び構成に比べ信頼性の低い結果となり,前者2観点については改善が示唆された。また,評定者フィードバックから,内容・構成の採点の際に,評定者が過去の経験から構築された内的基準と本評価表との間で,すり合わせを行っている様子が浮かび上がった。2003年に発表された「『英語が使える日本人』の育成のための行動計画」(文部科学省, 2003)の中では,実践的コミュニケーションが強調され,英語をコミュニケーションの手段として使用し,4技能の育成を図ることが推進されている。このような流れとともに,2004年には英検において1級に自由英作文が,準1級に記述式問題が導入されるなど,和文英訳や一文単位の英作文に限らない,まとまりのある英文を書く能力が求められる傾向が強まっている。しかし,英文ライティングの評価は評価観点が多岐にわたり,複雑であるため敬遠されがちである。本研究においては,英文ライティングの指導内容を反映した英作文評価基準表(以下,評価表)を作成し,その採点項目及び,評定者に関する信頼性の検討を多変量一般化可能性理論や評定者フィードバックを用いて検討する。
▼キーワード
研究対象
大学生
教師・教職者
研究メインテーマ
評価者トレーニング
研究関連テーマ
フィードバック
メタ言語能力
テスト・分析方法
CASEC
一般化可能性理論
共分散構造分析
質問紙法(アンケート)
信頼性指数
分散分析
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

英語学習方法の考察:音読,暗唱,筆写

神奈川県/神奈川県立川崎高等学校 教諭 小林 潤子

▼研究概要
英語学習の中で音読が推奨されているが,教育現場では,音読に十分な時間がとれていない。音読の効果についての文献を読み,授業の中で音読の指導を強調して,英語の習得への効果を提唱してきた。 この研究では,2回の実験を通して繰り返し音読・暗唱・筆写の効果を比較した。また,指導の根拠となる理論を研究し,学習方法の考察を試みた。1回目の実験の結果分析では,音読と暗唱の間に有意差があった。2回目の実験では,指導方法を工夫して,音読,筆写の効果が,暗唱に近いものになるか,他の英語力向上に役に立つのかを検証し,事後テスト・定期試験・県下一斉テストで,より細かい内容を分析した。 事後テストの合計点の有意差はなかったが,熟語の部分で暗唱と筆写が音読に対して有意差があり,cloze test(注1)では暗唱が音読に対して統計的に有意差があった。定期試験では,cloze test で事後テストと入れ替わって暗唱と筆写に有意差があった。県下一斉テストの比較では,音読のグループの2回の結果(特に平均点とリスニング)に有意差が認められ,音読学習の効果が検証できた。 まだ不十分な研究ではあるものの,この研究で「音声の伴った繰り返し学習」の効果を再確認できたことで,今後の教育活動への効果を探ることができた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
リーディング指導
研究関連テーマ
語彙力
速読
チャンキング(スラッシュリーディング)
リスニング能力
リーディング指導
リーディング能力
テスト・分析方法
t検定
質問紙法(アンケート)
実験群/統制群
テューキー法
分散分析
ポストテスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

学習者の口頭によるオンラインと訳出によるオフラインのパフォーマンス比較
―産出量・複雑さ・文法的正確さ・カバー率の4指標を用いて―

愛知県/名古屋大学大学院 在籍 松原 緑

▼研究概要
英語学習者が産出を行う際にどれほど自分の持ち合わせている英語能力を発揮できているのだろうか。これまで学習者のパフォーマンスを測定するには,主として流暢さ・複雑さ・正確さの3つの指標が用いられてきた。しかしこれら3つの指標だけでは,最終的に産出されたデータを表面的に評価することしかできない。本研究では「正確さ」の指標を,「文法的正確さ」と,意図したことをどれほど意味的に表出できているかを示す「カバー率」に分け,分析することを提案する。日本人英語学習者のオンライン・モードとオフライン・モードにおけるパフォーマンスを産出量・複雑さ・正確さ・カバー率の4指標を用いて分析した結果,学習者の持ち合わせている英語能力レベルにかかわらず,オフライン処理であれば表出できるものも,オンライン処理を必要とする口頭産出では表出できていないことがわかった。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
パフォーマンス比較
研究関連テーマ
産出量
正確さ
文法力
テスト・分析方法
インタビュー
二元配置分散分析
ボンフェローニ法
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

ゲーティング法を応用した英語リスニング能力の要因分析

愛知県/名古屋大学大学院 在籍 村尾 玲美

▼研究概要
本研究では,日本人英語学習者と母語話者が,英語を聞き取る時に利用する手がかりについて,プロソディ情報と表現の知識という観点から分析を行った。結果として,次の2点が明らかになった。 1)母語話者とリスニング上級者は分節音素を聞かなくても,プロソディを手がかりとして使ってなじみ度合いの高い定型表現を認識することができた。リスニング中級者はこの能力に劣っており,定型表現を韻律的なまとまりとして記憶していないことが示唆された。 2)母語話者は,なじみ度合いの低い非定型表現でも,プロソディの手がかりを使って文構造や弱音節を認識することができた。学習者はプロソディの手がかりを非定型表現の認識に利用する能力に劣っていた。 本研究により,プロソディの手がかりを表現認識にどのように使うかが,リスニング能力に関与しているということが示唆された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
ゲーティング法
リスニング指導
研究関連テーマ
定型表現
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
二元配置分散分析
ボンフェローニ法
リスニングテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

語彙テストの形式が語彙知識と読解能力の測定に及ぼす影響

茨城県/筑波大学大学院 在籍 森本 由子

▼研究概要
本研究は文脈が手がかりにならない言い換え形式のテスト(Type A),文脈が手がかりになる言い換え形式のテスト(Type B),そして文脈が手がかりになる空所補充形式のテスト(Type C)という3タイプの多肢選択式語彙テストと,単語の意味にかかわる知識,コロケーションの知識,読解能力との相関関係が異なるかどうかを調べた。この結果,言い換え形式のテストは空所補充形式のテスト(Type C)より単語の意味にかかわる知識を測定しており,文脈が手がかりになるテスト(Type B)は手がかりにならないテスト(Type A)よりも読解能力を測定している割合が大きかった。しかしコロケーションの知識については相関係数間に有意差が現れなかった。したがって,単語の意味にかかわる知識と読解能力については同様の文脈内語彙テストでも測定している能力の割合が異なることが示されたため,目的に応じて文脈内語彙テストを使い分ける必要があることが示唆された。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
語彙テスト
テスト形式
研究関連テーマ
コロケーション
語彙知識
語彙力
テスト形式
テスト・分析方法
TOEIC
語彙テスト
ピアソンの積率相関係数
偏相関分析
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

速読練習を取り入れた「多読」授業の効果【共同研究】

千葉県/我孫子市立我孫子中学校 教諭・代表者 佐藤 知代

▼研究概要
本研究では,中学校での効果的な多読指導の在り方を探るために,多読と結び付きの強い速読力の育成と多読指導とを組み合わせた統合的授業を実施し,その効果を測った。多読に関しては,中学2年生,3年生の読語数,読み方,読むレベルの変容について調査した。速読に関しては,ALT と共同で速読テストを開発し,3種類のpretest ,midtest,posttest を実施し,読むスピードと理解度への効果を測った。 また,アンケートを行い,情意面での変化や生徒に有用なリーディングスキルについても調べた。分析の結果,速読練習を取り入れた多読指導を受けた生徒は,年間で,中学2年生は3万語,3年生は6万語読めることがわかった。中学2年生は100 wpmまで,3年生は150 wpmまでは理解を伴った上で速読力を伸ばした。アンケートによると,英語力,速読力の向上を内面で感じた生徒が多くおり,授業評価も高かったことがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
速読
多読
研究関連テーマ
情意面
速読
多読
読解速度
テスト・分析方法
一元配置分散分析
テューキー法
読解テスト
プリテスト/ポストテスト
ミドルテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

e ラーニング教材の授業活用による英語実践的コミュニケーション能力の育成

岡山県/岡山県立津山高等学校 教諭 藤代佳予子

▼研究概要
本研究は,ネットワークを介して「いつでも・どこでも」動画や音声を学習に利用できるeラーニングを活用した授業実践を通して,eラーニング教材を活用した効果的な指導方法を探り,英語実践的コミュニケーション能力を育成することをテーマとしたものである。WBT(Web BasedTraining)用の教材を生かした「個」に応じた指導と教師による一斉指導を融合させる指導を行い,その学習効果を検証した。 その結果,学習者の特に英語運用能力下位層のリスニング力が有意に向上した。学習者全体が語彙,文法,作文を合わせて総合的に向上した。また,英語の4技能のうち「聞く力」を高めるために他の3つの技能を伸ばす必要があることへの認識の深化が見られた。これは,リスニング力を伸ばす活動が英語実践的コミュニケーション能力の向上につながることを示すものであろう。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
オンライン学習
研究関連テーマ
英語運用能力
オンライン学習
自己評価
実践的コミュニケーション能力
リスニング能力
リーディング能力
テスト・分析方法
英検問題(ライティング)
英検問題(リスニング)
英検問題(リーディング)
質問紙法(アンケート)
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

中学生への英語教育における「デジタルポートフォリオ」の有効性

兵庫県/兵庫県立芦屋国際中等教育学校 教諭 岩見 理華

▼研究概要
本研究の目的は「デジタルポートフォリオ」の教育的効果に着目し,英語教育へ応用することの可能性と課題について検討することである。具体的には中学校の英語の自己表現活動の授業において,従来のペーパーベースのポートフォリオを用いた実践の効果と課題について明らかにした上で,公立学校の教育現場で容易に利用可能な汎用アプリケーションソフトを用いたデジタルポートフォリオの授業をデザインした。その実践結果から観点ごとの学習者のパフォーマンスの評価についてポートフォリオとデジタルポートフォリオの間に統計的にはほとんど有意な差は表れなかったが,生徒の態度の観察やアンケートの回答の分析からデジタルポートフォリオの活動が学習者に積極的に評価され,特にふりかえりの活動において有効であることが示された。また学習の記録をWeb 上に公開することや既存のオンラインソフトの導入,デジタルポートフォリオを用いたスピーキングの評価方法についての課題も明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ポートフォリオ
研究関連テーマ
Show&Tell
自己評価
相互評価
表現力
プレゼンテーション
テスト・分析方法
Χ²検定
ウィルコクソンの符号付順位和検定
自由記述アンケート
5件法アンケート
必要技能
ライティング
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

生徒のSpeaking 力を育てる授業改善の試み【共同研究】
―「英語教員研修」の成果を通して―

宮城県/仙台市教育センター 指導主事・代表者 齋藤 嘉則

▼研究概要
「英語が使える日本人」の育成のための行動計画により,平成15年度から悉皆の英語教員研修が始まった。仙台市教育委員会も夏季休業期間中に2週間,英語教員研修を実施している。研修実施3か月後のアンケート調査では,研修を受講した教員から,言語活動の具体と特に話すことの指導と評価について疑問点や困難点が挙げられた。そこで,本研究では,生徒のSpeaking力に焦点を当て,生徒の発話の質と量を高め増やすことをめざし言語活動を工夫した。さらに生徒の発話を実際に記録して質と量の両面からいくつかの視点を設定して分析した。 その分析結果から,発話の量的な部分では,発話された単語総数及び文の総数は増加した。しかし,質的な部分では一部の生徒群において,文法的に正しく文を発話する割合が低下したことがわかった。このことから,まず学習活動から言語活動を積み重ねていくことで発話量そのものが増えたことから,学習した英語の単語や文についての知識が,実際の発話に活用されたということが言える。しかし,文法についての知識は,今回の一連の生徒の学習と教員の指導だけでは生徒の発話時に,まだ正確に働いていない,それらの知識が適切に作動するまで習得されていない,と考えることができる。 すなわち,英語についての知識において,単語や文についての知識と文法についての知識は,それぞれその習得の過程やその働き方が異なるのではないか,ということが明らかにされた。今後,教室内での活動を見直す新しい視点を得ることができた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
教員研修
スピーキング能力
研究関連テーマ
Story-Telling
スピーキング能力
正確さ
文法力
テスト・分析方法
英検問題(スピーキング)
ピクチャーカード提示課題
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

中学生のスピーキング活動における振り返りの効果

兵庫県/高砂市立荒井中学校 教諭 的場 眞弓

▼研究概要
本研究におけるキーワードは,「振り返り」,「中学生のスピーキング力」,「絵を使用したStory Telling」である。 「実践的コミュニケーション能力」の育成が課題となり,コミュニケーション活動を行わせることが多くなってきた。それらの活動をより効果的にするため,「振り返り」に焦点を当て,その後の活動に及ぼす影響を検証することが,本研究における主な目的である。 前半においては,「振り返り」の効果を,A:ペアで行うグループ,B:1人で行うグループ,C:振り返りを行わないグループで比較し,スピーキング活動における「振り返り」の効果を検証している。後半は,ペアで振り返りを行ったグループに焦点を当て,ペアで振り返った時の会話を分析することで,スピーキング活動における「振り返り」の効果や影響を検証しようとしている。後半では,また,ペアの関係性が,「振り返り」の話し合いにも影響し,そのことが次の活動にも影響していることにも言及している。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
振り返り
研究関連テーマ
Story-Telling
コミュニケーション能力
語彙力
スピーキング指導
タスク
テスト・分析方法
自由記述アンケート
多重比較
ピクチャーカード提示課題
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

地域英語教材“15 Stories of Saitama-ken”(Ver.2)の開発と活用【共同研究】

埼玉県/鶴ヶ島市立西中学校 校長・代表者 吉田 敏明

▼研究概要
本研究は3部構成で,平成14年度に開発した中学生向けのCD-ROM 版地域英語教材“15 Stories of Iruma-chiku”(入間地区の15の物語)を第1部として仮説と検証の結果を述べる。次に,第2部は,題材を入間地区の範囲から埼玉県全体に広げて平成15年度に開発した“15 Stories of Saitama-ken”(埼玉県の15の物語)について起案,取材,編集,校正,教材化,配布方法などについて詳述する。そして,最後の第3部では,平成17年度に1 年間をかけて開発してきた“15 Stories of Saitama-ken” Ver.2 についてこれまでの教材と比べた改善点や取材方法,広報活動,生徒の反応などについて報告する。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
教材開発
研究関連テーマ
学習意欲
自己評価
自作教材
授業計画
内容理解
表現力
テスト・分析方法
自由英作文
自由記述アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

日常的に英語に触れる環境を作る学級担任による英語活動
―アメリカ合衆国におけるイマージョン教育の経験を生かして―

福岡県/大野城市立大野南小学校 教諭 上原 明子

▼研究概要
本実践は,アメリカ合衆国におけるイマージョン教育の経験からヒントを得,一日中子供たちと一緒に過ごす学級担任の立場を最大限に利用し,学校生活のあらゆる場面で可能な限り児童に対して英語を使用することに挑戦したものである。 対象は筆者が担任する5年生の児童35名である。実践は1年間を通して行った。英語の使用は,朝の会から始まり,給食,掃除,休み時間,それに一般教科(8教科),学校行事など,学校におけるすべての教育活動において行った。 この実践により,学校生活のどの場面やどの教科で,どのような英語表現が使用可能であるかが明らかになった。また,子供たちにどのような影響を及ぼしたかについても明らかになった。子供たちが大きく力を伸ばしたのは,語彙力と,自然に話される大量の英語の中から,必要な情報を聞き取る力である。また,英語に対する関心・意欲・態度,さらに,国語や算数の学力についてもよい影響を与えていることがわかった。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
学級担任による英語活動
研究関連テーマ
イマージョン
学級担任
語彙力
小学校英語活動
表現力
リスニング能力
テスト・分析方法
ピクチャーカード提示課題
リスニングテスト
3件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

学級担任が進める小学校英会話活動【共同研究】
―地域イントラネットを活用した多様な活動―

福岡県/大牟田市立明治小学校 校長・代表者 安田 昌則

▼研究概要
本研究は,大牟田市教育委員会が作成している地域イントラネットを活用して小学校の学級担任が中心となって英会話活動の多様な活動を進めていった実践報告である。研究内容は,英会話活動の授業用コンテンツを活用したものとテレビ会議システムを活用したものである。小学校英会話活動は,ややもすれば学級担任よりも英会話活動担当教師やALT などが中心になって進められていることが多く見受けられる。本市の小学校英会話活動は,学級担任が指導することになっている。そこで,小学校で英会話活動を推進するにあたり,本市の地域イントラネットを活用して,学級担任が意欲を持ち,自信を持って進めることのできる英会話活動について研究を行った。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
学級担任による英語活動
研究関連テーマ
学級担任
国際理解
コミュニケーション活動
小学校英語活動
テスト・分析方法
4件法アンケート
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

Constructing a Japanese Secondary School Students’ Beliefs Model
―日本人高校生の英語学習に関するビリーフモデルの構築―

神奈川県/神奈川県立神奈川総合高等学校 教諭 鈴木 栄

▼研究概要
学習者のビリーフに関する研究は,Horwitz(1987)が開発したビリーフを測る尺度としての質問紙であるBeliefs about Language Learning Inventory(BALLI)を使用した研究から,さらに学習者のストラテジー,動機付け,不安などの研究へと発展してきている。学習者が持っているビリーフを知ることは,カリキュラム編成,授業改革,評価などにおいて必要なことである。本研究は,これまであまり研究対象とされてこなかった高校生(1,143名)のビリーフについて改訂版BALLI を使い調査したものである。 分析には,試行研究では確認的因子分析を行い,本研究では因果モデルを構築した。分析の結果,生徒のビリーフの特徴の1つとして,日本語による確認志向が強いことがわかった。これは,オーラル・コミュニケーションを推進する教師のビリーフとの食い違いを生むことを暗示している。 今回できた日本の高校生のビリーフのモデルは,1,000人を超える被験者を得,信頼性も妥当性も確認されており,現在時点での高校生の英語学習に関する考えを表していると言える。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ビリーフ
研究関連テーマ
EFL(English as a Foreign Language)
ビリーフ
テスト・分析方法
BALLI(Beliefs about Language Learning Inventory)
確認的因子分析
共分散構造分析
探索的因子分析
4件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

日本語と英語の読解方略使用の比較

北海道/北海道立札幌工業高等学校 教諭 松本 広幸

▼研究概要
習熟度が低い第二言語(L2)の読解プロセスは第一言語(L1)の読解プロセスとは異なると,先行研究で報告されている。本研究では,日本語と英語の読解方略使用について質問紙調査を行い,両者を量的に比較した。結果として,(1)習熟度が低い英語の読解方略使用量は日本語の読解方略使用量よりも小さかったが,(2) 英語の読解方略使用量パターンは日本語の読解方略使用量パターンと類似し,(3) 英語における読解方略使用の関係性は日本語における読解方略使用の関係性と差はなかった。これらの結果は先行研究と一致しない面もあるので,この点も含めて検討した。また,本研究は,読み手が用いる読解方略の組み合わせについてもその概略を提供している。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
読解方略使用
研究関連テーマ
リーディング能力
テスト・分析方法
t検定
共分散構造分析
探索的因子分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

自由英作文における学習者コーパスの文章の種類別品詞分析から得られる教育的示唆

山形県/鶴岡工業高等専門学校 助教授 柏木 哲也

▼研究概要
高校生,高専生を対象にした自由英作文を叙述文,物語文,論述文という文章の種類別に分け,その学習者コーパスを品詞別に英語母語話者(大学生)の論述文(argumentative な題材)と比較した。その結果,叙述文と物語文が最も英語母語話者との相違点が多く,内容の近い論述文が最も語の使用において近かった。具体的に,① 書く力を示すTTR(タイプ・トークン比= 後述)は母語話者,論述文,物語文,叙述文の順に高く,それにほぼ一致する傾向を示すのが平均語長と1文の長さである,② 1,2人称の代名詞は頻度が高いが3人称は低い,③ 論理的内容(場所時間以外)の前置詞,助動詞の過去形,be動詞ではbe,been,不定詞,論理的機能語などで母語話者に劣り,逆に① 1人称の代名詞,② 自動詞の使用,③ 否定文で過剰使用の傾向が見られた。教育法への示唆として,①物語文が最も書く量が多く動詞の種類は多い,② 論述文は最も論理的機能語の使用が多い,③ but や逆接の接続詞,副詞は使用を控え,肯定文を増やす指導をする,④ 原因,理由を多く説明するよう指導をする,⑤ 基礎学力の不足している学生には論述文を慎重に導入する,などの点が考えられる。また教師側の留意点として不定詞と助動詞の過去形の持つ実用的な意味指導が挙げられよう。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
コーパス
ライティング指導
研究関連テーマ
コーパス
語彙
ライティング指導
テスト・分析方法
自由英作文
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

日本人中高生における発表語彙知識の広さと深さの関係

茨城県/筑波大学大学院 博士課程・在籍 小泉 利恵

▼研究概要
本研究の目的は,コミュニケーション能力の一部である発表語彙知識に焦点を当て,発表語彙知識の広さ(中核的な意味を知っている単語がどのくらいあるか)と深さ(ある単語の1つの意味に加え,連想・接辞の知識など他の側面をどの程度知っているか)の2つの関係がどの程度あるかを調べることである。結果は,発表語彙知識の広さの3000語レベルまでの幅広い学習者層で見ると,広さと深さの関係は強く,広さレベル(1000語単位)ごとに見ると,中程度の関係があった。これらの点から,発表語彙知識を測定する際,対象者の発表語彙知識の広さの範囲が幅広い場合には,広さから深さがある程度予測できるが,範囲が狭い場合には,広さと深さの両方を測る必要があることなどが示唆された。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
語彙力
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
コロケーション
語彙知識
語彙力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
一般化可能性理論
共分散構造分析
項目応答理論(IRT)
質問紙法(アンケート)
ピアソンの積率相関係数
プロトコル分析
ボンフェローニ法
ラッシュ・モデル
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

音読筆写時間と高校生の英語能力の関係

三重県/三重県立明野高等学校 教諭 北村 英子

▼研究概要
最近の音読ブームを英語教育に応用し,音読と音読筆写を英語授業に取り入れて,その有効性を検証する。そのため以下のようにまとめた。 初めに,実践をするにあたっての理論的背景を調べ,有効性に期待を持つことができた。第2に,筆者の勤務する高校の1年,2年,3年生を被験者に,実験を開始した。音読筆写をする実験群と,音読筆写をしない統制群に分けて実験を行った。音読筆写を実施した時間を毎日記録させて,その累計時間と英語の成績の相関関係を見る。英語の成績を見るためには,1年生は(財)日本英語検定協会の英語能力判定テストを使わせていただいた。なお,2年生と3年生は,通常の定期テストを使用した。 第3にすべての被験者にアンケートを実施して,音読筆写についての回答を得た。アンケート結果は,今回報告する分析結果とほぼ一致した。 最後に,SPSS で分析を行い,音読筆写累計時間と英語の成績の関係,また,どのような技能に相関があるかを見た。実験前後の英語力の伸びも確認した。累計時間の多い者と少ない者の英語テストとの相関関係も調べた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
リーディング指導
リーディング能力
研究関連テーマ
英語運用能力
リーディング指導
リーディング能力
テスト・分析方法
t検定
英語能力判定テスト
実験群/統制群
自由記述アンケート
定期テスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

高等学校英語Ⅰ・Ⅱの授業の大半を英語で行うための工夫とその授業の効果【共同研究】

大阪府/大阪府立鳳高等学校 教諭・代表者 溝畑 保之

▼研究概要
普通の英語学習環境を持つ学校で,英語の使用が中心になる授業を行うためにはどのような工夫が考えられるだろうか。平成16年度,複数の高校で英語Ⅰ・Ⅱとリーディングの授業の大半を英語で行った。そのため,モデル提示,例示,余剰性,繰り返し,相互交渉,拡張,褒賞を大事にした。また,言語学習の4条件のExposure,Use,Motivation,Instruction の観点にも留意した。さらに,その授業の効果を,項目応答理論に基づくテストで検証した。情意面のアンケートを行うことで,英語での授業に対する不安や自信度についても考察を行った。本稿は,英語で行う英語の授業をめざした5校の教員集団の試行錯誤の実践報告である。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
英語で行う英語授業
研究関連テーマ
語彙力
情意面
文法力
リスニング能力
リーディング能力
テスト・分析方法
BACE(Basic Assessment of Communication English)
Χ²検定
項目応答理論(IRT)
単純主効果検定
テューキー法
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

高校生の自由英作文における教師のFeedback と書き直しの効果

鹿児島県/鹿児島県立志布志高等学校 教諭 有嶋 宏一

▼研究概要
本研究は,高校生の自由英作文における教師のFeedback の効果と,生徒の書き直しの効果について調べたものである。仮説として,教師のFeedback だけではライティング能力の向上に対する効果は低いが,Feedback を与えて,生徒に書き直しをさせた場合に生徒のライティング能力は向上するとした。このことは一般には当然のことと考えられるかもしれないが,先行研究では書き直しを行っても効果はないという結果も出ているため,このように仮説化した。検査方法としては,量的研究とケーススタディを行った。 結果としては,仮説が正しいことがデータにより明らかになった。つまり,Feedback を与えるだけでなく,生徒に書き直しも求めるべきことが示唆された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
フィードバック
研究関連テーマ
自由英作文
フィードバック
文法力
メタ言語能力
ライティング能力
テスト・分析方法
質問紙法(アンケート)
実験群/統制群
自由英作文
テューキー法
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

暗唱文テストで育成する表現の能力【共同研究】

広島県/広島県立福山葦陽高等学校 教諭・代表者 門田 直美

▼研究概要
本研究の目的は英文を暗唱することにより,国立教育政策研究所教育課程研究センター「評価の観点及び趣旨」の「表現の能力」が定義とする「外国語を用いて,情報や考えなど伝えたいことを話したり,書いたりして表現する」力の育成が図れることを検証することである。 1・2年生を対象に6割を到達目標とする暗唱文テストを週1回実施し,すぐに採点を行ってテスト実施日に返却し,基準点に到達しない生徒に課題を提出させた。1・2年生全員に同じ時間帯に共通テストを実施・返却し,スピーディーなフィードバックを行い,英語科だけでなく担任・副担任など多くの教員が情報を共有し迅速に一致協力して指導を行うことで集団の教育力を活用して生徒の学習意欲を喚起した。また,毎週少しずつ覚えた暗唱文を基盤に,1年生を対象に総復習暗唱文テスト,英語で日記を書かせるジャーナル・ライティング,スピーチ・テスト,インタビュー・テストを行い「表現の能力」の育成を図った。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
暗唱文テスト
研究関連テーマ
学習動機
表現力
フィードバック
ライティング指導
テスト・分析方法
音読テスト
質問紙法(アンケート)
スピーキングテスト
スピーチ
フィードバック
必要技能
リーディング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

中学校における正確さと流暢さを同時に高める言語活動の開発とその評価のあり方

高知県/土佐市立高岡中学校 教諭 今井 典子

▼研究概要
中学校学習指導要領(外国語科)の目標である「実践的コミュニケーション能力の基礎」の育成には,実際に行われるコミュニケーションを「教室内でのシミュレーション」として,現実的な場面や目的を想定し,学習した文法知識や語彙などの言語知識を活性化する言語活動が必須である。そのためには,与えられた課題を解決するために,言語知識を場面に応じて実際に運用させる言語活動である,ESL(English as a Second Language)の世界で注目されているコミュニケーションを第一義とするCommunicative Language Teaching(CLT)の考えを基本とした「タスク(Task)」が有効であると考える(Nunan, 2004)。しかし,EFL(Englishas a Foreign Language)というインプットもフィードバックも少なく,学習者の動機付けもそれほど高くない日本の学習環境を考慮した場合,このタスクの理論を基本としながらも,日本の教室環境に適した中学生のためのタスク活動(高島,2000; 2005)が効果的であることが検証されている(Sugiura andTakashima, 2003)。本論は,これらの実証研究を踏まえ,言語使用の正確さを一層高める方法として,タスク活動後にdictogloss(Wajnryb, 1990)の活動を連動させることで,「正確さ」と「流暢さ」を向上させることを試みた研究実践である。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
タスク
ディクトグロス
研究関連テーマ
授業計画
正確さ
タスク
ディクトグロス
メタ認知
リスニング指導
流暢さ
テスト・分析方法
実験群/統制群
スピーキングテスト
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

PC 教室で行う中学生のスピーキング指導
―デジタル映像を利用した即時フィードバック―

神奈川県/山北町立山北中学校 教諭 室伏 秀元

▼研究概要
本研究はあるスピーキング指導法を実践し,その効果についてさまざまな分析を試みたものである。指導法とはWebカメラで学習者のパフォーマンスを録画し,その直後に学習者自身がビデオ映像を見ながら自己評価を行い,仲間や教師からフィードバックを受ける活動である。分析の結果,この活動を4回繰り返すことで発話量と正確さにおいて一定の向上が見られた。また,モデル映像を用意し,クラスごとにモデル映像を見せるタイミングを変えた結果,発話量の上昇の仕方に違いが見られた。これらのデータに考察を加え,本指導法の価値と課題について見解を述べる。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
研究関連テーマ
自己評価
フィードバック
テスト・分析方法
フィードバック
4件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

学習者のクラスター化に基づいたシャドーイングの効果的活用

秋田県/大曲市立大曲南中学校 教諭 吉澤 孝幸

▼研究概要
本研究は,シャドーイングを中学校での授業へ導入する際の効果的なあり方を探索した実践報告である。研究内容は,2つのサイクルで構成される。1つ目のサイクルでは,教科書を題材にし,授業で学習した英文をシャドーイングを通して瞬時に引き出すことをねらった。1つ目のサイクルが終了した段階で,一律的なシャドーイング導入により生じた問題点を洗い出し,次のサイクルを実践する。2つ目のサイクルでは学習者が内在する特徴により11のクラスター(群)に分類し,シャドーイングを通して学習する際,個々の生徒による学習上の特徴や考え方により教材の量や目標を決めていくやり方をとり,実験群と統制群とで比較した。インタラクションの活性化という所期の目的すべてを解決することはできなかったが,生徒の活動の中から心理的負荷が取り除かれ,目的意識を持った活動の様子が観察された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
シャドーイング
研究関連テーマ
インタラクション
シャドーイング
自律性
文法力
テスト・分析方法
クラスター分析
実験群/統制群
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

第二言語習得を加速させる流暢さのトレーニング
―継続的な「多読」&「書き出し訓練」の効果―

神奈川県/私立栄光学園中学高等学校 教諭 宇佐美 修

▼研究概要
本研究の目的は,正確さのトレーニングと流暢さのトレーニングの両方を,どの段階でどのような割合で行うと高い英語運用能力が身に付くのかということについての知見を得ることである。中学生に対して「多読」と「書き出し訓練」という流暢さのトレーニングを継続的に行うことにより,従来の正確さ中心のカリキュラムに変更を加えた。その流暢さのトレーニングの過程を記述し(実験1),さらにその効果を2種類のプリテスト・ポストテストの実験を行い分析した(実験2,3)。実験の結果,流暢さのトレーニングを受けた生徒たちは,簡単な英文を素早く読んだり書いたりできるようになり,その中でも英語での読書量の多い生徒のほうが少ない生徒と比べて到達度テスト(英語能力判定テスト)の読解分野においてより大きな得点の伸びを見せた。流暢さのトレーニングを受けた生徒と従来の正確さ中心の教授法で学習した生徒と比べると,前者が到達度テスト(TOEIC Bridge)の総合点においてより大きな伸びが見られた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
流暢さ
研究関連テーマ
正確さ
多読
読解速度
ライティング能力
流暢さ
テスト・分析方法
TOEIC
英語能力判定テスト
質問紙法(アンケート)
実験群/統制群
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

小学校高学年児童の個人の習熟度に応じたきめ細かな指導法の開発
―コンピューターを使ったOn-Demandな英語学習―

愛知県/椙山女学園大学附属小学校 非常勤講師 加藤 佳子

▼研究概要
小学校高学年クラス英語学習にはさまざまな問題点がある。本研究はそのような問題点を克服するための1つのアプローチとして,自作教材CD-ROM を作成し活用することによる児童の習熟度に応じたきめ細かな英語学習指導法の開発を目的としている。CD-ROM には,ダイアログを中心とした語彙習得・リスニング練習及び模擬対話形式によるスピーキング練習を盛り込み,必要に応じてリーディング,ライティング練習も取り入れた。また,ネイティブ講師と日本人講師によるスキットやネイティブ講師の発音練習などをビデオ録画した動画データを利用し,児童の視覚と聴覚を刺激するような内容も盛り込んだ。 自作CD-ROM を活用した個別学習は,① 個々の習熟度に合わせることができ,② 児童が主体的に学習しようとする態度を養い,③ 個々の児童の英語に対する学習意欲を高めることに大いに役立ち得ることが示唆された。この個別学習を今後も続けていくことにより,児童が自分で使える英語知識(自分の中のデータベース)を増やし,さらに,自分自身の弱点を見いだしフィードバックすることによって「自分の中のデータベース」を強化し,口頭表現能力を高めていくことが期待された。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
オンライン学習
小学校英語活動
研究関連テーマ
オンライン学習
語彙力
小学校英語活動
自作教材
熟達度
表現力
テスト・分析方法
質問紙法(アンケート)
児童英検
スピーキングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

日本人英語学習者のための英語語彙力測定と語彙学習方略診断調査表の開発

広島県/広島県立広島皆実高等学校 教諭 田頭 憲二

▼研究概要
本研究は,コンピューターを用いた日本人英語学習者に対する語彙学習支援としてのオンライン支援システムの構築を目的として行われ,英語語彙力測定と語彙学習方略診断調査表の開発がなされた。英語語彙力測定としては,望月(1998)の改訂版を作成し,項目応答理論を用いてより簡易な語彙力測定テストとそのテスト項目が作成された。また,語彙学習方略診断調査表としては,前田・田頭・三浦(2003)の調査項目を使用し,これまでの第二言語語彙研究結果をもとに個々の学習者に即した助言が作成された。今後,コンピューターを用いてこれらの測定・診断を学習者に提供することにより,語彙学習をより効果的に行うことができ,個々の学習者に対応した指導が可能となる。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
語彙力
研究関連テーマ
オンライン学習
語彙知識
語彙力
テスト・分析方法
項目応答理論(IRT)
語彙テスト
4件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

英語と日本語のリズムの違いに着目した音声指導
―強勢拍リズムを身に付ける英語活動―

徳島県/鳴門教育大学大学院総合学習開発コース 在籍 松永 健治

▼研究概要
本研究の目的は,小学校英語の学習者である2年生(下学年)と5年生(上学年)を対象とした,英語と日本語のリズムの違いに着目した音声指導の効果を探ることである。具体的には,音声指導の前後に学習者の発話する英語のリズムを調査・比較し,変容をとらえるようにする。また,音声指導の対象者が,英語あるいは英語の授業に対して持つ意識についても調査する。これら2つの調査を実施する意図は,リズム調査を技能面,英語に対する意識を情意面ととらえることで,児童を両面から見つめることが可能となるからである。双方から得られた結果を相互補完的にとらえ,音声指導のみならず小学校英語の在り方についても言及する。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
音声指導
研究関連テーマ
音声指導
情意面
テスト・分析方法
三元配置分散分析
実験群/統制群
自由記述アンケート
スピーキングテスト
探索的因子分析
単純主効果検定
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

面接方法が発話に与える影響
―ロールプレイを用いた個別面接方式とペア面接方式の比較―

栃木県/栃木県立小山高等学校 教諭 川島 智幸

▼研究概要
本研究では,ペア面接方式の有効性を検証するため,英検準2級の2次面接と全国模擬試験により測定した英語能力の個人差が,ロールプレイにおける発話にどのような影響を及ぼすかを調べた。さらに生徒同士のペア面接方式と,教師との個別面接方式の2つの方式でロールプレイを行い,面接方式の違いが発話に及ぼす影響を分析した。実験では,公立高校2年生8人が行った4種類のロールプレイでの発話について,発話量,複雑さ,正確さ,流暢さ,発話の機能への影響の有無を調べた。その結果,面接方法の違いが流暢さへ及ぼす影響のみが有意となり,ペア面接において英語能力の個人差が,発話量や正確さ,複雑さ,流暢さ,発話の機能に影響しないことを確認した。また面接方式の違いが,発話量や正確さ,複雑さに影響しないことも明らかになった。これらの結果は,試験的ではあるもののペア面接の有効性が支持されたことを意味する。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
スピーキングテスト
テスト形式
研究関連テーマ
T-unit
正確さ
テスト形式
文法力
流暢さ
テスト・分析方法
ウィルコクソンの符号付順位和検定
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

教師の音読を伴った繰り返し読みが高校生の英文読解に及ぼす効果

埼玉県/埼玉県立狭山経済高等学校 教諭 飯野 厚

▼研究概要
本研究の目的は,初級段階の読解力を持つ高校生を対象として,教師の音読による繰り返し読みが短期的に内容理解に及ぼす効果と,長期的に読解力と聴解力に及ぼす効果を探ることである。 実験1では,75名の高校生を被験者として,教師の音読による繰り返し読みが文章の理解度に及ぼす効果を探った。その結果,以下のことが明らかになった。教師の音読(すなわち英文とモデル音声の同時提示)は, (1) どのような条件の下でも有効と言えるわけではなく,難しい文章よりも平易な文章で,理解を促進した。 (2) 黙読と比べた場合,理解の進捗に遅延効果をもたらした。 (3) 平易な文章では,読解中の注意が文字に向かう傾向が明らかになった。黙読条件では注意が内的音声化に向かう傾向もあったことから,教師の音読によって,読解中の音韻処理の負荷が軽減され,意味へのアクセスが促進される可能性が示唆された。 実験2では,97名の高校生を対象として,長期的な処遇として,教師の音読を伴った繰り返し読みと,時間制限を設けた黙読による繰り返し読みの効果を比較した。その結果以下のことが明らかになった。教師の音読を長期的に施すことにより,(1)文章の難易度にかかわらず,黙読による速読指導と同程度に読解速度が伸張した。(2) 聴解力が伸張した。(3) 習熟度が低い学習者も読解速度と聴解力が伸張した。以上の結果から,教師の音読という音声支援のある繰り返し読みが,音韻処理の自動化を促進し,読解の流暢さを確立するために有効であることが示唆された。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
音読
リーディング指導
リーディング能力
研究関連テーマ
音読
読解速度
リスニング能力
リーディング指導
リーディング能力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
英検問題(リーディング)
三元配置分散分析
多肢選択式テスト
テューキー法
筆記再生テスト
プリテスト/ポストテスト
4件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

日本人英語学習者の読み方とチャンキング単位の関係
―速読と精読における効果的なチャンクの比較―

茨城県/筑波大学大学院 在籍 土方 裕子

▼研究概要
英文の読解速度を上げるために広く行われている指導法の一つが,チャンク(意味単位,センス・グループ)ごとに語順に沿って読む読み方(=チャンキング,フレーズ読み,スラッシュ・リーディング)である。 チャンキングを用いた指導が効果的になるためには,前もって読み手自身がどのようなチャンキング単位で処理しているのかを知ることが重要である。しかし,目に直接見えない心内過程を測定することは難しく,確立された測定方法もない。 本研究では読み手のチャンキング単位を測定するのに,速読と精読の2つの読み方を設定した。これは,読む目的に応じて,同一個人であっても異なるチャンキングを行うと考えられたからである。更に複数の観点からチャンキング能力を測定するため,ペーパー形式(実験I)とパソコン形式(実験II)の2つの方法から読み手がより速く正確に読めるチャンキング単位を調べた。
▼キーワード
研究対象
大学生
研究メインテーマ
チャンキング(スラッシュリーディング)
研究関連テーマ
速読
チャンキング(スラッシュリーディング)
読解熟達度
読解速度
テスト・分析方法
TOEFL
一元配置分散分析
三元配置分散分析
ピアソンの積率相関係数
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

中学校選択英語科のライティング学習における教授ツールとしての簡略ポートフォリオの効果に関する事例研究

千葉県/沼南町立高柳中学校 教諭 松崎 邦守

▼研究概要
本事例研究では,中学校2年生を対象とした選択英語科のライティング学習(50分授業×9回)において,教授ツールとしての簡略ポートフォリオを適用し,その効果について検討した。同ポートフォリオは,Matsuzaki(2003)が看護専門学校1年生を対象としたライティング学習において開発したものを,本研究に即して簡略化したものであった。事後アンケート調査の分析結果から,①本ポートフォリオを活用したライティング学習が,ARCS動機づけモデルの4観点から学習者によって肯定的に評価されており,同学習に対する学習意欲の向上に効果があったことが認められた。また,②本ポートフォリオを特徴づける「ガイドラインの明示」が本ライティング学習に対する見通しに,並びに「カンファレンスの実施」が学習の振り返りや修正及び学習意欲の向上に有効であったことが確認された。更に,事前・事後テストの分析結果から,③本ポートフォリオを活用したライティング学習が,本ライティング学習の目標を達成する上で効果があったことが示唆された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ポートフォリオ
研究関連テーマ
学習意欲
コミュニケーション
プレゼンテーション
メタ認知
ライティング指導
テスト・分析方法
Χ²検定
自由英作文
自由記述アンケート
分散分析
プリテスト/ポストテスト
ライアン法
3件法アンケート
5件法アンケート
必要技能
ライティング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

音声に対する敏感さと英語学習総合能力との関係

熊本県/熊本学園大学大学院 在籍 福富 かおる

▼研究概要
本研究は,中学生の英語学習総合能力(注1)と「音に対する敏感さ」すなわち,音識別能力との関係を明らかにすることを目的としている。検査方法として音識別能力を言語音識別能力と楽器音識別能力の2つに分類し,更にこれら2つの識別能力をそれぞれ声調聴取,和音高低聴取,和音音色聴取に分けて検証した。 調査の結果明らかになった点は次の4点である。(1)言語音識別能力と「書くこと」,「読むこと」の能力には有意な高い相関関係が見られる。(2)言語音識別能力は英語学習の初期段階で直接的に影響を及ぼしていると考えられる。(3)英語学習総合能力が低い学習者ほど音識別能力を頼りとする学習段階にあり,音識別能力の養成は重要な意味を持つ。(4)音声記憶能力は,英語学習総合能力のみに影響力を持つ独立した能力と考えられ,この能力は音声識別能力にはかかわりを持たない。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
英語運用能力
音声識別能力
研究関連テーマ
リスニング能力
リーディング能力
テスト・分析方法
英検問題(リスニング)
重回帰分析
ピアソンの積率相関係数
リスニングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

外国語としての英語の習得と運用能力向上に効果的なパーソナルコンピューター用学習ソフトウエアの開発

静岡県/静岡市立高等学校定時制課程 教諭 杉山 潔実

▼研究概要
本実践の目的は,英語などの外国語学習者が利用し,外国語を言語的に習得し,運用能力を向上させることに効果的なパーソナルコンピューター(以下パソコン)用学習ソフトウエアの開発である。言語習得の過程にはいかなる学習活動が望ましいかについての考察をふまえ,学習者が使いやすく,習得効率の高い学習が行える学習ソフトの開発をめざし,制作,改良を続けてきた。
▼キーワード
研究対象
資格・検定試験受験者/試験問題
研究メインテーマ
オンライン学習
研究関連テーマ
英語運用能力
オンライン学習
ディクテーション
リスニング指導
テスト・分析方法
-
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

インプットの発話速度の違いがリスニング力育成に与える影響

茨城県/土浦日本大学高等学校 非常勤講師 飯村 英樹

▼研究概要
本研究の目的は異なる発話速度を用いた指導が学習者のリスニング力育成にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることである。実験は3種類の発話速度(210wpm,160wpm,110wpm)を設定し,高校2年生を対象に5か月間,20回の指導という形で行った。実験の結果から,発話速度の違いは学習者のリスニング力に差を生じさせないが,発話速度の感じ方に差を生じさせることが示唆された。最後に発話速度の観点から今後のリスニング指導の在り方について論じた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
リスニング指導
リスニング能力
研究関連テーマ
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
Χ²検定
英検問題(リスニング)
分散分析
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

高校におけるディベート授業のシラバスデザイン

東京都/明治大学付属明治高等学校 教諭 矢田 理世

▼研究概要
本研究は高校の授業で8か月にわたって英語のディベートを行いながら,シラバスをまとめた実践報告である。研究内容は2つの段階に分けられる。まず到達目標とニーズ分析をもとに年間のシラバスを作成し,実際に授業をしながら逐次振り返り改訂していく授業実践。次に,授業終了後多方面から授業全体を振り返り,改善策を模索するシラバスの検証である。 英語でのディベートは,論理的な思考能力に加えlistening,reading,writing,speaking を総合的に養うことができる有効な言語活動であるが,高校生にとっては易しいものではない。このため,各時期において明確な意味と目標を持った言語活動をタスクとし,生徒たちの興味やニーズに合った適切なタスクを地道にこなしていくことを基本方針とした。当初はクラス全体の前で短い発表をすることも精一杯だった生徒たちが,数か月後にはユーモアを交えながら英語でディベートを楽しめるようになり,充実感と自信を持って授業を終えることができた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
ディベート
研究関連テーマ
TBLT(Task Based Language Teaching)
英語運用能力
自己評価
授業計画
テスト・分析方法
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

Reproductionを用いた英語表現能力の育成

大分県/大分県大分南高等学校 教諭 池邉 裕司

▼研究概要
英文読解を中心とした授業においてもアウトプットを促す活動を工夫することで英語表現能力を高めていくことができるのではないか,それが本研究のテーマである。ここでのreproductionは,story-retelling とも言われるが,あるまとまった英文を読んでその内容を自分の言葉で再現し書かせる活動である。5か月間にわたる実践の結果,reproduction の練習を重ねるにつれて表出する英語のfluency は次第に増していった。一方,accuracyはfluency が増すにつれていったん減少したが,その後次第に高まっていった。自由英作文を書く能力においても特に語彙や文法力が向上する傾向が見られた。読んだ英文を常にreproduce するという経験を繰り返すことで,英文を読む際にも自分で表出をするという観点で読めるようになり,語彙や表現形式に対する注意力が高まり,その習得が促進される可能性を示唆する結果が得られた。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
リプロダクション
研究関連テーマ
T-unit
自由英作文
正確さ
文法力
テスト・分析方法
t検定
英検問題(リーディング)
自由英作文
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

Scaffoldingがグループ活動を通してコミュニケーション能力や文法能力育成に与える効果の検証

北海道/常呂町立常呂中学校 教諭 佐藤 大

▼研究概要
「実践的コミュニケーション能力の育成」のため,英語の授業では,グループ活動が多く取り入れられている。本研究では,グループ活動で約2か月間,継続的にQuestions を与えることにより,それぞれの生徒たちの発話の質や量においてどのような変化が現れるか,またグループ内で生徒が互いに教え合うことによりどのくらい学習効果があるか,更に,文法力がどのくらい向上するかの検証を行った。研究はscaffolding(足場作り)の理論と方法を通じて進めた。 グループ活動におけるscaffolding の効果は,本研究によりある程度見ることができた。また,Japanese Teacher of English( JTE) とAssistant Language Teacher(ALT)の二者からscaffoldingを与えることにより,上位グループ・中位グループはもちろん,下位グループにも効果が見られた。ゆえに,scaffolding の概念は,外国語学習にとって有効な方法であると思われる。更に長期的にグループ活動を通してALT の協力の下にscaffolding を与えるとことにより,コミュニケーション能力や文法能力は一層向上していくことであろう。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
Scaffolding(足場づくり)
研究関連テーマ
ALT
JTE
コミュニケーション能力
文法力
テスト・分析方法
-
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

B-SLIMを導入した英語活動【共同研究】
―楽しく身につく英語活動の創造―

北海道/旭川市立日章小学校 教諭・代表者 小山 俊英

▼研究概要
B-SLIM を採用して3年目を迎える本校では,B-SLIM の提唱者であるO. Bilash博士を本校に迎え,授業研究を行うなど,各学年の実践を積み上げながら,B-SLIM の考え方に基づく英語活動の浸透を図ってきた。 児童の自己評価では,「楽しく活動ができた」「よくわかった。英語を使うことができた」と回答した児童が常時90%以上であり,本校がめざす「楽しく身につく英語活動」が実現に向かっていると考えることができる。多様な方法で行うInput とスモールステップで進めていくIntake (Activity) の展開が,この結果につながったものと考えられる。 平成14年度から,Output を重視することを念頭に置き,国際理解教育の単元とリンクさせた形で英語活動を構成してきた。「ノングレイドカリキュラム」を活用した英語活動では,児童が単元を見通して,どのような英語を使いたいのか,あるいはどのような表現が必要なのかを考えるところからスタートし,児童のニーズをもとに言語材料を選定し,「調べ学習」を位置づけた英語活動を展開してきた。その結果,児童の課題意識が,Input からOutputに至るまで持続することや英語活動に取り組む児童の意識の高まりを授業研究を通して検証することができた。
▼キーワード
研究対象
小学生
研究メインテーマ
B-SLIM(Bilash's Second Language Instructional Model)
研究関連テーマ
B-SLIM
国際理解
自己評価
相互評価
ティームティーチング
ノングレイドカリキュラム
フィードバック
テスト・分析方法
3件法アンケート
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

学習方法の違いによる語彙習得率の比較研究

千葉県/千葉県立匝瑳高等学校 教諭 中池 宏行

▼研究概要
語彙習得については,過去,様々な研究がなされてきた。しかし,それは主に英語を外国語とし,他のヨーロッパ言語を母国語とする研究者が行う英語の語彙習得に関するものか,英語を母国語とする研究者の英語(母国語)の語彙習得に関するものが多かった。日本での英語の語彙習得の研究は少なく,その方法,評価もばらばらであったように思える。そこで,筆者は日本人の英語の語彙習得研究について,過去の代表的な実験を,その実験の欠点を補いつつ,新たな実験をし,それを過去の先行研究と比較してみることとした。特に,映像・音声学習,意味的まとまりを利用する学習方法,接頭辞・接尾辞・語根学習,キーワード法に関しては,今までにその効果を調べる研究があまりなされていなかったという経緯があり,それらが,果たして,生徒の語彙習得の手助けになるのかを調査してみることとした。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
語彙力
研究関連テーマ
音声指導
語彙力
リーディング指導
テスト・分析方法
-
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

高校生の英語学習に対する意識と取り組み
―英語科と普通科の生徒の比較を通して―

宮城県/宮城県仙台東高等学校 教諭 畠山 喜彦

▼研究概要
英語科と普通科を併設している本校(宮城県仙台東高等学校)で指導をしていると,英語科と普通科の生徒の違いに驚かされる。両学科の生徒の特徴を調査・比較することは本校の英語指導を向上させるのはもちろん,高等学校における効果的な英語指導を模索するために意義があると考える。そこで,本研究では(1)「普通科と英語科の生徒の英語及び英語学習に対する意識と取り組みの傾向を,調査紙法により明らかにする」,(2)「各科ごとの傾向・差異・習熟度による差などを分析することを通して,学校現場における英語指導を向上させるための示唆を得る」の2点を目的とした。
▼キーワード
研究対象
高校生
研究メインテーマ
意識と取り組み
研究関連テーマ
学習意欲
自己評価
テスト・分析方法
分散分析
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

英語ドラマ活動は、中学生の英語習得・英語学習にどのような影響を与えるのか

兵庫県/兵庫教育大学大学院 在籍 井村 哲也

▼研究概要
東京都中学校英語教育研究会の事業部は,既に50年以上にわたり「東京都英語学芸大会」を実施している。毎年12月の第1日曜日に,東京23区及び各地域ブロックの代表の中学生が「スピーチ」と「英語劇」の2つの部門に分かれて発表を行い,互いに高いレベルで競い合い学び合う。10数年前に,一観客としてこの大会を鑑賞した筆者は,そのレベルの高さに驚き,翌年から10年以上にわたって英語劇を実践することとなった。 「ドラマは心の叫び~魂を言葉に乗せて」これは筆者が1999年,『STEP 英語情報』7,8月号に,東京都大会の体験をもとに書かせていただいた実践報告と英語劇の指導に関する拙文のタイトルである。皮肉なことに,ドラマの本質を語るこの言葉は,科学的なデータをもとに現象を検証する実証的な研究領域においてドラマ活動の価値の検証がいかに難しいかをも示唆しているのである。Edmonson(1985)は,「ドラマ活動は様々な要因が複雑に絡み合ってできているconstruct(構成概念)である」と指摘している。実証的研究分野でのドラマ研究が少ないのはこのことも大きくかかわっているものと考えられる。筆者は,実践者であり研究者であるという自らの利点を生かして,この多面性を持ったドラマ活動の「英語学習,習得における価値」を,先行研究(実証的でない文献も含める)を土台に,実証的研究分野の枠組みで検証すべく本研究に取り組んだ。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ドラマ活動
研究関連テーマ
英語運用能力
オーラル・コミュニケーション
情意面
内発的動機づけ
メタ言語能力
テスト・分析方法
自由記述アンケート
スピーキングテスト
分散分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

幼児英語学習者のコミュニケーション分析
―イマージョンスクールにおけるケーススタディー―

北海道/北海道大学大学院 在籍 田村 有香

▼研究概要
概要なし
▼キーワード
研究対象
その他英語学習者
研究メインテーマ
イマージョン
幼児英語学習者
研究関連テーマ
イマージョン
コミュニケーション能力
非言語行動
テスト・分析方法
授業観察
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-