英検2・準2級 & センター試験
一石二鳥の英語対策講座

英検2級または準2級の合格を目指しながら、大学入試センター試験英語でも高得点をねらいましょう。
全10回の連載で、真の英語力を鍛える効果的な学習法を伝授していきます。

第3回 センター英語リスニング 第3問A

はじめに

 もう少しで夏休み。それまで、もうひと踏ん張りですね。今回は、センター英語リスニングの第3問Aを取り上げます。第3問Aは、対話を聴き、内容に関する問いの答えとして適切なものを選ぶ形式です。この問題は第1問や第2問に比べて対話がやや長くなるのが特徴ですが、心配することはありません。本講座でコツを伝授しますので、しっかりマスターしてくださいね。

正答へのカギは対話の後半にある

 まずは、今年のセンター試験の問題を見てみましょう。

(例題) 
平成25年度 センター試験(本試験) 英語リスニング 第3問A 問14

対話を聞き、答えとして最も適切なものを、四つの選択肢(1~4)のうちから一つ選びなさい。
聞き取る英語は、2回流します。

 

Q) What is the problem?
1) The man didn’t turn on the printer.
2) The man needs to pay per sheet.
3) The printer and the computer aren’t connected.
4) There isn’t any paper in the printer.

 

 いかがでしたか? プリンターから紙が印刷されないと、イライラしますよね。

 さて、対話が長くなったからと言って、恐れることはありません。ポイントとなる情報さえ聴き取れれば、正答にたどりつけるものです。本問のポイントは、スクリプト中の下線部の Oh, we have to put some paper in it. 「おっと、紙がなかった」ですね。紙がないのは、プリンターもトイレも困りますよね。

 というわけで、ここでみなさんが学習すべきことは、対話が長くなってもあきらめず、集中力を切らさずに最後まで聴き続ける、ということです。正答へのカギとなる発話は、多くの場合、対話の後半に出てきます。最後まであきらめずに聴き通しましょう。

[ Script ]
Man: Something’s wrong with the printer.
Woman: What’s the matter?
Man: I turned it on and tried to print my essay, but nothing happened.
Woman: Is it connected to your computer?
Man: Yes, it is. Oh, we have to put some paper in it.
Woman: I guess we should have checked that first.

[ Words & Phrases ]
turn on~ 「スイッチを入れる」
should have checked that first 「最初にチェックすべきだった」

文脈と文法から、話し手の意図をつかむ

 続いて、もう一問見てみましょう。

平成25年度  センター試験(本試験) 英語リスニング 第3問A 問15

対話を聞き、答えとして最も適切なものを、四つの選択肢(1~4)のうちから一つ選びなさい。
聞き取る英語は、2回流します。

 

Q) What kind of cell phone does the man like?
1) One that is more up-to-date.
2) One that is very simple.
3) One with a large screen.
4) One with a lot of features..

 

 いかがでしたか? あなたも最新のスマートフォンがほしくなったりしませんか?

 さて、本問のポイントとなる情報は、携帯を新しく購入した女性の You should get one. 「あなたも新しいのを買ったら」という誘いに対して、男性が、No, thanks. All I need is a phone that dials and rings. 「いや、結構。電話がかけられて受けられればそれでいい」と断る場面です。

 後半の that dials and rings の部分を聴き取ることができたでしょうか。関係代名詞 that は弱く発音される場合が多く、その結果、文構造が捉えにくくなります。さらに、後続の dials 「電話をかける」が動詞で使われることを知らないと、この部分の聴き取りが困難になったかもしれません。

 リスニングで重要なのは、音だけに頼らずに、文脈(状況や会話の流れ)と文法を使いながら、話し手の意図をつかむことです。音だけに頼ると、聴き取りが困難になります。that dials and rings の部分がハッキリと聴き取れなくても、直前で男性が No, thanks. と否定していることから、少なくとも男性が新しい携帯を必要としていないことはわかります。それによって、選択肢1) One that is more up-to date. 「より最新の機種」、3) One with a large screen. 「大きい画面の携帯」、4) One with a lot of features. 「いろいろな機能付きの携帯」は消去できますね。

[ Script ]
Man: Is that a new cell phone?
Woman: Yeah. Look at the big screen!
Man: Why do you need another new phone?
Woman: I have to keep up with all the latest functions! You should get one, too!
Man: No, thanks. All I need is a phone that dials and rings.

[ Words & Phrases ]
keep up with~ 「~に追いつく」
the latest~ 「最新の~」
All I need is~ 「私にとって必要なのは~だけです」 ※that は関係代名詞

 ここまでのポイントを整理しておきましょう。ポイントは2つ。

    1.ポイントとなる情報は対話の後半に出てくる。これを聴き逃さないよう、最後まで集中力を切らさない。
    2.文脈(前後関係)や消去法を使って、選択肢を絞る。

 問題を解くときには、常にこれを心がけてくださいね。

英検で多様なパターンに慣れておく

 最後まで集中力を切らさず、ポイントとなる情報を聴き取り、文脈を活用できるようになるためには、日頃からの練習がとても大切です。そこで、英検の登場です。

 センター英語リスニング 第3問Aの練習には、英検2級のリスニング問題Part1が有効です。英検では英文は1度しか聴けず、英文の長さはセンター英語リスニングよりも若干長く、質問文は音声で提示されます。そのため難しく見えますが、発話速度は英検のほうが少し遅いので、ちょうど良い練習となるでしょう。

英検2級 平成24年度第3回 リスニング part1 No.6

対話を聞き、その質問に対する答えとして最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。
英文は一度しか読まれません。解答時間は10秒です。

 

1 It was baked in a pizza oven.
2 It was cooked in a tomato sauce.
3 It was roasted for a long time.
4 It was covered in spices and dried.

 

 いかがでしたか? 本問では、ポイントとなる情報 We put lots of spices on it and then dry the ham for several days. 「ハムの上にたくさんのスパイスをかけ、数日間それを乾燥させる」が、対話の後半ではなく、対話の中間に出てきます。この場合は、ポイントとなる情報が記憶から抜け落ちやすいので、注意が必要です。英検を通じてこうしたパターンにも慣れておくと、センター試験本番では心強いですね。

[ Script ]
Man: Excuse me, waitress. The ham in this salad is delicious. How’s it cooked?
Waitress: Actually, it isn’t cooked at all. We put lots of spices on it and then dry the ham for several days.
Man: That’s interesting. I thought it was roasted.
Waitress: No. The only time the ham gets cooked is when we use it on pizza.

Question: How was the ham in the salad prepared?

[ Words & Phrases ]
not at all ~「まったく~ない」
The only time the ham gets cooked is ~ 「ハムが料理をされるのは~の時だけ」
  ※timeの直後に関係副詞whenが省略されていると考えても良い

 今回はここまで。次回はセンター英語リスニングの第4問Aを取り上げます。お楽しみに!

Profile

柳川 浩三 (やながわ・こうぞう)

法政大学理工学部准教授。Ph.D(ベッドフォードシャー大学大学院(英国)。日本大学文理学部英文学科卒。神奈川県立高校の英語教師として25年間勤務したのち、現職。専門は英語リスニングおよび言語テスト。趣味は剣道(現在、剣道錬士六段)。