英検2・準2級 & センター試験
一石二鳥の英語対策講座

英検2級または準2級の合格を目指しながら、大学入試センター試験英語でも高得点をねらいましょう。
全10回の連載で、真の英語力を鍛える効果的な学習法を伝授していきます。

第4回 センター英語リスニング 第4問A

はじめに

 夏休み、いかがお過ごしでしょうか。今回は、センター英語リスニングの第4問Aを取り上げます。第4問Aはやや短め(約90 words)のトークを聴き、内容に関する一つの質問に答える形式です。

「攻め」の姿勢で聴くべし!

 では、さっそく、今年のセンター試験の第4問Aを見てみましょう。

平成25年度 センター試験(本試験) 英語リスニング 第4問A 問22

英語を聞き、答えとして最も適切なものを、四つの選択肢(1~4)のうちから一つ選びなさい。
聞き取る英語は、2回流します。

 

Q) According to the speaker, which is true about urban farming?
1) It makes the city feel like the country.
2) It requires modern transportation systems.
3) This American business is not a new idea.
4) This way of farming is not good in winter.

 

 いかがでしたか? 我が家の近くのスーパーでも、近隣の農家が作った野菜や牛乳などを、生産者の顔写真を添えて販売しています。そんな光景を思い浮かべながら、この英文を聴くことができればいいですね。

 第4問では、自分の頭の中で本文のイメージが描くことが大切です。そのためには、「一体、何の話だろう?」という攻めの姿勢で聴くことが効果的です。「攻め」の姿勢で聴くためには、第4問Aでは設問(質問)だけを先読みします。何を聴き取ればいいのかをあらかじめ知っておくと、頭の中に「待ち受け画面」を作ることができます。これが「攻め」のリスニングの最初の、そして大きな一歩です。本問の場合は、Which is true about urban farming?「都市型農業について正しいのはどれか」ですね。

 その際、注意しなければならないことが一つあります。選択肢を読んではダメだということです。誘惑に負けて見たくなりますが、我慢して下さい。選択肢を見るのは1回目の本文を聴き終えた後、解答を選びにいくときが最初です。リスニングが苦手な受験生ほど、事前に選択肢を見て解答を選んでしまいます。これでは作問者の仕掛けたトラップにハマッテしまいますので、気をつけましょう。

 もう一つ重要な点は、ポイントとなる情報を聴き逃さないことです。これは前回(7月号)の第3問でも指摘したとおりです。本問の場合は、ポイントとなる情報は最後のurban farming is making a comeback.「都市型農業が復活してきた」です。この言い換えである選択肢3)が正解です。少し大げさに言えば、この部分さえ聴き取れれば、正解にたどり着けます。

 第4問Aの解法のポイントを、「本文を聴く前」、「聴いている最中」、「聴いた後」の三つに分けてまとめておきましょう。

    [聴く前]: 「攻め」の姿勢で聞くために、設問(質問文)だけを先読みする。
    [聴いている最中]:  ポイントとなる情報を押さえる。
    [聴いた後]: 解答の際は、ポイントとなる情報の言い換えを選ぶ。

[ Script ]
 Growing food locally in American cities has been getting more popular recently. In fact, the vegetables you buy in the supermarket may be grown just down the street. Shoppers may be surprised, but actually urban farming has deep roots, especially in the northeastern US. Before we had good highways and air transport, fruits and vegetables were often grown in city greenhouses during the winter, instead of being shipped in from faraway states or other countries. Because it reduces transportation costs and provides people with fresh food more quickly, urban farming is making a comeback.

[ Words & Phrases ]
urban farming 「都市型農業」
has deep roots in ~ 「~にルーツがある」
instead of ~「~しないで」
transportation costs 「輸送費」
provide A with B 「AにBを供給する、AにBを与える」

選択肢を見て、トピックをつかむ

 ではさっそく、英検の問題で練習してみましょう。4月号で述べたように、センター英語リスニング第4問Aの練習には2級のリスニング問題のPart2が有効です。英検では1度しか本文を聴けず、しかも質問文は音声で提示されるので、センター試験より難しく見えます(4月号参照)。しかし、聴く英文の長さはセンター英語リスニング第4問Aよりも若干短く、発話速度は英検のほうが少し遅いので、ちょうどいい練習となるでしょう。

英検2級 平成24年度第3回 リスニング Part 2 No.24

対話を聞き、その質問に対する答えとして最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。
英文は一度しか読まれません。解答時間は10秒です。

 

1 It was invented recently.
2 The rules are different in Scotland.
3 Most of its players live in Canada.
4 It was originally played on grass.

 

 英検では、センター英語リスニングと異なり、設問(質問)文が本文を聴き終わるまでわかりません。そこで、仕方なく(あくまでも仕方なく)、本文を聴く前に選択肢を斜め読みします。本問では、選択肢1と4のitが何を指しているかは、本文と質問を聴くまでは不明です。でも、何かの競技やゲームについてのトピックであることは想像がつきます。それで十分です。それ以上の予断や先入観を持たずに本文を聴きましょう。

 いかがでしたか? ポイントになる情報は the number of players has grown in Canadaです。でも、ここを聴き逃しても、最後にもう一度、about 90 percent of people who go curling are from Canada.と具体的に言い換えています。どちらかでも聴き取ることができれば、正解を得られたのではないでしょうか。

[ Script ]
There is a sport called curling that is played on ice. In curling, players try to slide rocks into a target area. It was invented in Scotland in the 1600s. Later, many Scottish people moved to Canada and continued to play it there. Curling has become less popular in Scotland, while the number of players has grown in Canada. Today, about 90 percent of people who go curling are from Canada.

Question: What is one thing that the speaker says about curling?

[ Words & Phrases ]
called 過去分詞で直前のsportを説明している。

 最後に、もう一度、第4問Aの解法をまとめておきます。

    1. センター試験では質問文だけを読んで(英検で練習する時は選択肢を斜め読みしてトピックを予測して)、「待ち受け画面」を作る。
    2. 本文を聴いている間は、全体像をつかむことに留意しながら、聴くことだけに集中する。
    3. ポイントとなる情報をつかみ、言い換えや消去法を使って選択肢を吟味する。

 次の9月号では、センター英語リスニング対策の最終回として、第4問Bを扱います。お楽しみに。それでは、どうか素敵な夏休みをお過ごしください。

Profile

柳川 浩三 (やながわ・こうぞう)

法政大学理工学部准教授。Ph.D(ベッドフォードシャー大学大学院(英国)。日本大学文理学部英文学科卒。神奈川県立高校の英語教師として25年間勤務したのち、現職。専門は英語リスニングおよび言語テスト。趣味は剣道(現在、剣道錬士六段)。