英検2・準2級 & センター試験
一石二鳥の英語対策講座

英検2級または準2級の合格を目指しながら、大学入試センター試験英語でも高得点をねらいましょう。
全10回の連載で、真の英語力を鍛える効果的な学習法を伝授していきます。

第6回 センター英語筆記 第6問 part1

はじめに

 早いもので、この講座も折り返し点を過ぎました。今月からは、センター試験の本丸とも言える、筆記試験の対策をしたいと思います。今回と次回の2回は、第6問の対策を行います。最初に第6問を取り上げるのは、配点も高く、この大問の成否がセンター英語の成否を分ける、と言ってもいいほど重要だからです。さあ、気合いを入れていきましょう。

実際の問題に挑戦!

 次の英文は、平成24年のセンター英語筆記 第6問の第1、第2パラグラフです。これを読み、後の問いに答えてみてください。

[ 平成24年 センター試験(本試験) 英語筆記試験第6問 (一部抜粋) ]
 ※実際の試験では、パラグラフは(1)~(6)まであり、設問はA問1~問5、Bがある。

第6問 次の文章を読み、下の問い(A・B)に答えよ。なお、文章の左にある(1)~(2)は段落の番号を表している。

(1)  A high school student has a science test on Monday but spends most of the weekend playing video games and does not start studying until late Sunday night. This kind of avoiding or delaying of work that needs to be done is called procrastination. It has been estimated that up to 95% of people procrastinate at least sometimes, and about 20% of them do it too much. Traditionally, people who procrastinate have been considered lazy, but research tells us that this is not true. Learning about the roots of procrastination can help us understand why most people do it to some extent and also help us decrease our own procrastination. Although researchers do not agree on all the reasons behind procrastination, there is general agreement about some factors that can explain it.

(2)  The first factor is how pleasant or unpleasant people find a task. Research shows that people will put off tasks they find unpleasant. Many high school students may delay cleaning their rooms or doing their homework. However, many might not delay doing such tasks as responding to a friend’s email. It is important to remember that whether or not a task is pleasant depends on the individual. For example, someone who loves bicycles might not delay fixing a punctured tire while someone who does not may put it off.

A 問1の[46]に入れるのに最も適当なものを、下の①~④のうちから一つ選べ。

問1 According to paragraph (2), [ 46 ]
① people do not forget unpleasant tasks
② people who love bicycles learn to fix tires fast
③ people will find different tasks pleasing
④ people will put off tasks to write emails

 

B 次の表は、本文の段落と内容を表すものである。[51]~[54]に入れるのに最も適当なものを、下の①~④のうちから一つずつ選び、表を完成させよ。ただし、同じものを繰り返し選んではいけない。
※[ 53 ][ 54 ]は省略

  • Paragraph Content
    (1) [ 51 ]
    (2) [ 52 ]
    (3) The belief in your abilities
    (4) The ability to keep to a task
    (5) [ 53 ]
    (6) [ 54 ]

 

① The appeal of a task
② The phenomenon of procrastination
③ The timing of realizing future gains
④ The way to deal with procrastination

 

第6問攻略のカギ「パラグラフリーディング」

 問題の解説の前に、第6問攻略のカギとなる「パラグラフリーディング」について説明しましょう。

    パラグラフリーディングとは?
    1. 一つひとつのパラグラフの主張をつかむ。
    2. それぞれの主張(パラグラフ)がどのような論理関係で結ばれているかを考えながら読む。

 今月は1の力、来月は2の力を養成します。ではさっそく、1の「一つひとつのパラグラフの主張をつかむ」について見ていきましょう。

 論文などでは、一つのパラグラフの中で、一つの主張とそれを支える根拠を一貫して示すことがあります。主張が述べられている文をトピックセンテンス(topic sentence)、その主張を具体的根拠を挙げて支える文を支持文(supporting sentence)と呼びます。読者は、トピックセンテンスを把握し理解することで、そのパラグラフで書き手が言いたいことを端的に知ることができます。なお、小説や物語、一部の説明文では、トピックセンテンスが存在しない場合もあるので注意しましょう。

 トピックセンテンスが置かれる場所は、パラグラフの先頭、パラグラフの最後、パラグラフの先頭と最後(先頭の言い換え)の両方、のいずれかの場合が多いと考えておきましょう。

パラグラフのトピックセンテンスを探す

 ではここで、練習です。私の書いた映画に関する英文を読み、トピックセンテンスに下線を引いてください。

  The film that moves me most is Stand By Me. I have two reasons for this. First, it reminds me of my long lost childhood. The film deals with four twelve-year-old kids, who go on a small trip. They are full of curiosity and dreams. I wish I could be twelve years old again. Second, it features my favourite song, Stand By Me, written by Ben E. King. Every time I listen to the song, I am impressed by the guitar sound and feel relaxed. I like the lyrics, too. For these two reasons, the film Stand By Me really moved me. I would like to have the same curiosity and dreams as they have in the film.

 

 いかがでしたか。The film that moves me most is Stand By Me. に線が引けたでしょうか。I have two reasons for this. 以下は、理由を説明しているに過ぎません(支持文)。この文章では、「私は今までに見た映画の中で、Stand By Meに最も感動した」と言いたかったのです。トピックセンテンスはパラグラフ先頭のこの一文しかないですよね。)

情報を識別し、構造化しながら英文を読む

 Warming upができたところで、先ほどのセンター英語の第6問に戻り、それぞれのパラグラフのトピックセンテンスに線を引いてみましょう。

 

 まず、パラグラフ(1)については、Learning about ~ に線を引いた人も多いと思いますが、それでは読みが浅いです。なぜなら、パラグラフ(1)と次のパラグラフ(2)との関係性を無視しているからです(パラグラフ間の関係については次回の講座で扱います)。パラグラフ(2)がthe first factor(第一の要因)で始まっているということは、パラグラフ(1)は、「人が何かを先延ばしにするのにはいくつかのfactor(要因)がある」という主張が中心になるはずです。「いくつか」と言った以上は、書き手はそれを具体的に示さなければなりません。そこでまず、「第一に…」と書いて、最初の要因を説明するわけです。

 次に、パラグラフ(2)です。トピックセンテンスをパラグラフ中段のIt is important to remember ~ の文と迷った人もいると思います。しかし、パラグラフ(1)のトピックセンテンスとの整合性から、第一文のほうがより適切であると言えます。それ以外の、部屋の掃除、宿題、メールへの返事、パンクしたタイヤの修理などは、すべて具体例なので、支持文(supporting sentence)に過ぎませんね。

 第6問では、一つのパラグラフの中に含まれる情報をトピックセンテンスと支持文に識別し、構造化しながら英文を読み進め、英文全体の概要や要点をいち早くつかむことができるかどうかを問うているのです。

英検2級大問4Cでトレーニング

 その力をつけるためには、日ごろからの練習が欠かせません。その材料としてピッタリなのが、英検2級の大問4Cの問題です。なぜなら、大問4Cの英文は、センター英語筆記第6問と同様に、しっかりとしたパラグラフ構造を持つ英文だからです。さらに、各パラグラフのトピックセンテンスをつかむことが正答に直結している点も、共通しているからです。

 ではさっそくやってみましょう。

[ 2012年度第3回 英検2級大問4C (一部抜粋) ]

英文の内容に関する質問に対して最も適切なもの、または文を完成させるのに最も適切なものを1, 2, 3, 4の中から一つ選びなさい。

 Naleds

  Mongolia has an extreme climate. During the winter, temperatures drop to below -30℃, and in the summer, they rise to above 20℃. Like other parts of the world, though, Mongolia is being affected by global warming. In fact, the average temperature has been steadily rising for the last 60 years. Such warmer temperatures might seem to be a good thing, especially in winter, but in reality, they are having mainly negative effects.

  Traditionally, most Mongolians have lived by keeping animals such as cows and sheep. These animals feed on the huge grasslands that cover most of the country. However, in the warmer months, the higher temperatures caused by global warming dry out the soil, making it hard for the grass to grow. As a result, there have been shortages of food for the cows and sheep, and more and more Mongolians have had to sell their animals and move into the cities.

(41) Mongolia's weather

1 has suffered little from global warming.
2 has been getting steadily cooler for many years.
3 is warmer than in many surrounding countries.
4 is very different in winter and in summer.

 

(42) Why have many Mongolians moved into the cities?

1 The food is cheaper there than in the countryside.
2 There has not been enough grass to feed their animals.
3 They want to escape the cold weather of the grasslands.
4 Large groups of animals have damaged the countryside.

 

 いかがでしたか?

 第1パラグラフのトピックセンテンスは、先頭の Mongolia has an extreme climate.(モンゴルの気候はとても極端である)です。問41では、この文の言い換えである4(モンゴルの気候は冬と夏の寒暖の差が激しい)が正解になっていることに気がついたでしょうか。

 第1パラグラフの最後で、「寒暖の差が激しいモンゴルでも、地球の温暖化によって悪い影響が出てきている」と述べられています。この「予告」を受けて始まる第2パラグラフでは、地球の温暖化による悪影響の具体例が述べられる必要があります。つまり、それがトピックセンテンスになります。悪影響とは、「温暖化によって土地が渇き、家畜のえさとなる草の生育が悪くなって家畜を手放し、都市に移住せざるを得なくなったモンゴル人が増えてきている」という現象でしょう。

 したがって、第2パラグラフのトピックセンテンスは、最終文のthere have been shortages of food for the cows and sheep, and more and more Mongolians have had to sell their animals and move into the cities. となります。トピックセンテンスがパラグラフの最後に置かれている例ですね。そして、まさにこれが、問42のWhy have many Mongolians moved into the cities?(どうしてモンゴル人は都市に移住したのか)という問いの解答そのものになっています。

まとめ

 今月は、センター英語筆記第6問で高得点をねらう感覚をつかんでもらうため、英検2級の問題を使って、パラグラフの主題(トピックセンテンス)をしっかりと押さえる練習をしました。

 来月は、センター英語筆記第6問対策の2回目です。パラグラフとパラグラフのつながりに注意しながら、英文を読み進める練習をしましょう。

Profile

柳川 浩三 (やながわ・こうぞう)

法政大学理工学部准教授。Ph.D(ベッドフォードシャー大学大学院(英国)。日本大学文理学部英文学科卒。神奈川県立高校の英語教師として25年間勤務したのち、現職。専門は英語リスニングおよび言語テスト。趣味は剣道(現在、剣道錬士六段)。