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親子で楽しむ

ジュニアルファのマメ知識

Happy Birthday, Moon  (Frank Asch 文・イラスト)

今回の絵本は、月のことが大好きな、可愛いクマが主人公のお話です。ある晩クマは空を見上げながら、月に誕生日プレゼントをあげようと思いつきます。とそこまではよかったのですが、さあ月の誕生日がいったいいつなのか、また何をあげたらいいのか分かりません。そこで月に直接たずねようと山に登って呼びかけてみることにします。ようやく山のてっぺんにたどり着いたクマが何を聞いても、返ってくるのはこだました自分の声。けれどもそんなこととは知らないクマは、月と会話をしている、と勘違いしてしまうのです。そうして月にプレゼントのリクエストを聞いたクマは、はたして何をあげたのでしょう。ほのぼのとしたストーリーが、柔らかなタッチと優しい色合いのイラストと相まって心温まる一作となっています。なお、物語を最後まで読み終えたら、ぜひもう一度裏表紙をながめてみてください。作者のFrank Aschはアメリカの児童作家で絵本の著作も多数ありますが、このHappy Birthday, Moonに始まるMoonbearのシリーズはそんな彼の代表作といえるでしょう。同シリーズの一作でクマが今度は月とかくれんぼをするというMoongameも本書と並んでお薦めです。

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A Color of His Own  (Leo Lionni 文・イラスト)

今回ご紹介する絵本の作者Leo Lionniといえば、小学生のお子さんには教科書に出てくる『スイミー』の作者として馴染みがあるのではないでしょうか。オランダに生まれ、後にアメリカに渡った著者は、絵本作家、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして多彩な才能を発揮し、ほかにも『あおくんときいろちゃん』(原題 Little Blue and Little Yellow)など世代を超えて読み継がれている数々の名作を残しました。さて本書はそんなLionniの絵本の中でも、独特の鮮やかな水彩画が目を引く一作です。主人公のカメレオンが、他の動物たちにはそれぞれ独自の色があるのに自分には決まった色がないことを思い悩み、その色を探しに出かけるというお話です。ぴったりの色がなかなか見つからないなか、カメレオンは一匹の仲間に出会います。やがて二匹の間に友情が芽生え、友達という宝物を見つけたことで、彼の自分探しの旅もハッピーエンドを迎えるのです。Lionniの他の作品と同様本作もメッセージ性の強い作品で、子どもだけでなく大人も楽しめると思います。なお、『スイミー』を始め、Lionniの作品の邦訳を多数手がけている谷川俊太郎による本書の日本語版は、『じぶんだけの いろ ―いろいろさがしたカメレオンのはなし』というタイトルになっています。

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The Wheels on the Bus  (Annie Kubler著 (イラストも))

新学期を迎え、4月に幼稚園に入園したお子さんの中には、毎朝バスで通園する生活が始まった方もいることと思います。今回は、そんなみなさんにぴったりのバスの絵本をご紹介します。乗り物好きな子にもきっと喜んでもらえる一冊となっています。The Wheels on the Busというのはもともとは英米で有名な童謡で、絵本としてもさまざまなバージョンが出版されています。その中でも本作の特徴は“Classic books with holes”というシリーズ名にも表れているように、イラストのところどころがくりぬかれた仕掛け絵本になっているということです。穴の開いた部分がページをめくるたびにどんどん違う絵に変わっていくので、その変化を探すのも楽しいでしょう。また、ページごとに新たな乗客が一人ずつ加わっていくのですが、その登場人物たちが実に個性豊かです。これらのキャラクターは本文には書き込まれていないので、絵を見ながら読者が想像力を膨らませられる部分だと思います。さて、満員となったバスの乗客たちはある目的地に向かうのですが、その答えは最終ページで明らかになるのでぜひ実際に読んで確かめてみてください。なお、元となった童謡のメロディーを聞いてみたいという方には、CDつきのものも出版されています。

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1 is One  (Tasha Tudor著 (イラストも))

今回は春の訪れが感じられるこの時期にぴったりな、美しい草花や動物の挿絵が楽しめる一冊をご紹介したいと思います。アメリカでもっとも有名な絵本画家・挿絵画家の一人であるTasha Tudorによって書かれた本作は、“1 is one”というタイトルから想像できるように、数の数え方がテーマになっています。1から10までの数字の本は多数ありますが、本書は20までの数を扱っており、そのうち奇数のページはカラーで、偶数のページはモノクロで描かれています。また、韻を踏んだリズミカルな本文も非常に魅力的で、目でだけでなく耳で楽しむことができます。Tasha Tudorは2008年に92歳で亡くなるまで、生涯に100冊近い絵本のイラストを手がけました。その才能は園芸家としても発揮され、57歳のときにバーモント州に移り住んでからは、庭造りが彼女の生活の中心となりました。その後30年以上にわたり自ら広大な庭の手入れをし、草花のスケッチを楽しんだのです。本書が描かれたのはそれ以前のことですが、ふんだんに登場する草木や動物たちの精細なスケッチからは、自然へのあふれんばかりの愛情が伝わってきます。Tashaが本書に込めた願いどおり、「子どもたちが楽しみながら数を学べる」一冊だと思います。なお、本作は前々回にご紹介したSnowと同様、コルデコット賞の次点に選ばれています。

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What Makes a Rainbow?  (Betty Schwartz著   Dona Turnerイラスト)

今回は幼児から高学年の子どもまで楽しめる、しかけ絵本をご紹介します。物語はある雨の日のこと、ウサギの坊やが抱いた「虹は何からできているの?」という素朴な疑問で始まります。坊やはその答えを探すために、6匹の動物たちに聞いて回ることにするのですが、てんとう虫やキツネなど、尋ねる相手によって違う答えが返ってきます。ただ、この6という数字がポイントになっていて、最後にみんなの答えを聞いて初めて、虹が何からできているのか分かってめでたしめでたしというストーリーです。日本では虹は7色というのが定番ですが、この絵本では6色しか出てきません。文化によって虹の色の数が違うということを本書で知る子どもたちもいるのではないでしょうか。絵本のしかけはリボンを使った非常にユニークなものなのですが、最終ページではまた一味違ったしかけが楽しめます。文章はやや長めなので、小さな子どもにはしかけを楽しみながら色や動物の名前に親しんでもらい、高学年になったらじっくりストーリーを読んでもらうなど、様々な楽しみ方ができる本だと思います。

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Snow  (Uri Shulevitz 著)

今回ご紹介するのは雪をテーマにした作品で、その名も“Snow”という絵本です。最初の場面で空から降ってきた一片の雪(a snowflake)に気づいたのは町でただ一人、主人公の男の子だけだったのですが、次第に、two snowflakes, three snowflakesと雪のかけらが増えていき、初めは半信半疑だった町の人たちもだんだんと…というお話です。この本の特徴は、幻想的なイラストと、短くて非常にリズミカルな文章にあるといえるでしょう。イラストは、モノトーンで描かれた個所と彩り豊かな絵のコントラストがはっきりしていて、例えば物語の冒頭で雪が降り始めるシーンでは、灰色一色の空にほんの一片だけ真っ白な雪が描かれます。読み進めながら、見開きのページのどこにその雪があるのか探すのも楽しいと思います。
また、文章に関しては、主人公のBoy with dogに始まり、その他の登場人物にもMan with hatやWoman with umbrellaと同じ形のフレーズが繰り返し用いられます。作者のUri Shulevitzはポーランドのワルシャワ出身ですが、アメリカに移住し、現在はニューヨークで執筆活動を続けています。なお、本作は1999年に、アメリカで毎年最も優れた絵本作品に贈られるコルデコット賞の次点に選ばれました。味わい深いそのイラストは、子どもだけでなく大人も一緒に楽しめますので、読み聞かせにはお薦めの一冊です。

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Brian Wildsmith's ABC  (Brian Wildsmith 著)

今回ご紹介する “Brian Wildsmith’s ABC”は、文字はほとんどありません。1ページごとにAからZまでの文字とそれぞれの文字で始まる単語が、イラストと共に描かれています。数あるアルファベット絵本の中で、本書がお薦めの理由はいくつかあります。まず、小さい子どもたちを対象とした絵本として、手のひらサイズの大きさと、「ボードブック」という丈夫な装丁はとても魅力的です。また、文字が少ないので初期学習者の子どもにも楽しんでいただけると同時に、学習段階に応じて様々な使い方をすることができます。例えば、最初のarmadilloのページを開いてみると、黄土色一色ではなく、色彩豊かでいまにも動き出しそうなアルマジロの絵がそこにはあります。じっくりと絵を見てarmadilloという単語を確認したら、“What color is it?”と質問して、そこから家や教室の中で同じ色のものを探させるといったアクティビティーに発展させることもできるでしょう。また、文字学習のある程度進んだ子どもには、Aで始まる他の単語を挙げてもらうなど、アルファベットの認識を高めるために使うこともできると思います。『ワイルドスミスのABC』というタイトルで邦訳も刊行されていますが、日本語版には英語版とは一部変わった趣向も凝らされているので、ぜひ比較してみてください。

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Dear Santa  (Rod Campbell 著)

初回の今月は、12月ということでクリスマスの絵本をご紹介したいと思います。この本の最大の特色は、読者が本の中の隠れた絵を見つけることができる、フラップブックという形式の「仕掛け絵本」であるということです。主人公にふさわしいクリスマスプレゼントはないかとサンタクロースがあれこれ思い悩み、様々なものを包んでみるのですが、その中身は実際にフラップ部分をめくってみないと分からないような工夫がほどこされています。本文もシンプルな文の繰り返しが多く、音読にぴったりです。また、プレゼントを選ぶ過程で出てくる、“too small”, “too big”といった様々な形容詞を学ぶこともできます。特に最後のページには特別な仕掛けが隠されているので、ページごとにプレゼントの中身を推測しながら、ぜひお子さんと一緒に何度も読んで触って楽しんでみてください。なお、本書の著者Rod CampbellはDear Zooというフラップ絵本も出版しており、こちらにはいろいろな動物が出てくるので、やはり小さなお子さんにおすすめです。