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小学校英語情報

小学校の英語活動

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14年間の実績を未来へどうつなげていくか

香川県三豊市立仁尾小学校

近隣7町が合併して誕生した香川県三豊市。この新しい市にある仁尾小学校は、町立校時代の平成7年度から14年にわたって英語活動を実践してきた。同校はいま、積み重ねてきた英語活動と、新学習指導要領による外国語活動をどのように結びつけていくのかについて検討を重ねている。

指導方針はJTE、活動は担任が中心

 小さな町の小学校が、14年間も英語活動を続けられたのは、町の行政の大きな支援があったからだ。当初から町単独でALTを採用し、町内の幼稚園から中学校までの子どもたちにネイティブスピーカーの英語や異文化に直接触れ合わせてきた。仁尾小学校も週に2日ALTが勤務し、全学年の子どもたちに毎週1時間、英語が指導される恵まれた環境にあった。授業時間以外にも、学級活動やクラブ活動などの時間を利用して、ALTとのさまざまな交流活動を行ってきた。

 平成9~12年度には文部省(当時)から研究開発校の指定を受け、19~20年度には文部科学省から「小学校における英語活動等国際理解活動推進事業」の指定を、国立教育政策研究所からは「小学校における英語教育のあり方に関する調査研究」研究協力校の指定を受ける。そして現在、在校生321人の児童は、1・2年生は学校裁量の「ゆとりの時間」を活用して年間17時間、3年生以上は35時間の英語活動を続けている(3・4年生は国際理解教育として総合の時間を活用)。ALTによる指導は、市雇用の2人のALTがそれぞれ年間22日と10日で全学年の授業に参加している。

 仁尾小の英語活動の特色は、英語に堪能なJTEが中心になって全学年のカリキュラムと教材を開発し、実際の活動場面では学級担任が主導して、JTEは担任とALTの橋渡し役を務める点にある。ALTの来校日には3人体制で、それ以外の日は担任とJTEのティームティーチングが基本になる。3者による打ち合わせや、クラスルームイングリッシュの練習などの時間をたっぷり取るほか、指導力向上や英語運用能力向上についての校内研修を欠かさず行う。

いままでの実践を生かしながら「英語ノート」を活用する


守屋 孝子教諭
 着任6年目、JTEとして4年目を迎えた守屋孝子教諭は「JTEになって、子どもを褒めるという教育の原点の大切さを、英語活動を通して再認識しました。担任の先生方も、子どもと一緒に学ぶ体験をしながら、英語活動の楽しさを味わっています」と話す。子どもとともに作る授業を目指す守屋先生は、子どもたちが主体的に活動するために自己決定できる場を作る、子どもたちが表現したいことができる場を作る、センテンスは分かりやすく短く、に留意しながら、子どもたちに接している。

 いま仁尾小は、新学習指導要領に照らし合わせたカリキュラムの再編成や学習指導過程、指導体制の見直しを図っている。英語活動についても「英語ノート」の活用法について検討を重ねてきた。「英語ノート」にこれまで培ってきたものをつけ加える形での実践である。たとえば、「英語ノート1」の「外来語を知ろう」では、単元のねらいを「外来語の音の違いを楽しもう」に変えた。低学年の国語科の授業でカタカナの言葉集めは経験ずみだが、国によって音が違ったり、似ているがリズムや発音が違ったりする「音の違い」を楽しめるのは外国語活動だからできる活動である。そこで、「音遊び」を取り入れた。日本語と英語を手拍子をはさんで交互に発音していく。ミルクのように音は似ていてもリズムが違う言葉、エビフライのように日本語による「カタカナ英語」の違いを、子どもたちはゲーム感覚で学ぶ。

 6年生の奈良への修学旅行では、外国の人に話しかけて一緒に写真を撮ってもらうことを課題の一つにした。ここは、“like”を使用して自己紹介するなど「英語ノート1」で経験したことを活用する場である。「What game」で英語で話しかける練習をした後、失礼のない態度であるとか、インタビューの相手がたまたま英語を話せない人だった場合の対応のしかたなども話し合って修学旅行へ出かけたところ、子どもたちは“Can I talk to you for a minute? ”と物もの怖おじせずに話しかけ、先生たちもびっくりするほど果敢に挑戦。文字への意識を持たせるねらいから促した、写真を送るために相手の住所を聞くことも、やってのけた。外国から土産入りのお礼の手紙がきて、子どもたちが大喜びしたのはもちろん、先生たちも大きな満足感を味わった。

 全体の活動時間は減ってしまったが、保護者からの英語活動継続への要望は根強く、23年度以降も1年生からの活動を続けるための方策を全校で練り上げている。

「チャレンジコーナー」で町の自慢を英語で紹介

 仁尾小では、行天節子校長の発案で全校児童を対象にした「チャレンジコーナー」を設けた。このコーナーでは月に一度、算数の計算を競ったり、詩を暗唱したりするのだが、ここにイングリッシュタイムを加えた。

 21年に着任した行天校長は、子どもたちに英語活動のチャンスを与え、豊かな表現力を培わせたい、という仁尾町の願いに応えるには、仁尾町の特色を子どもたちが英語で紹介することができたらすばらしい、と考えた。まず子どもたちに町の自慢を日本語で聞く。先生たちは町のことは何も知らないという役割を演じた。子どもたちが挙げた町の自慢は、「まつり(竜まつり)」「海・夕日」「くだもの(みかん・びわ)」だった。子どもたちが自慢したいことを英語で伝える表現を、守屋先生とALTが台本にした。それをALTが英語で、校長先生が日本語と英語を交えて、紹介する。そして最後に、「今月のチャレンジコーナーは、仁尾の自慢を英語バージョンで覚えてください」と告げる。エッ-! と声を上げるのは子どもたちよりむしろ先生たちだ。

 子どもたちは担任やALTの指導を受けながら、“I am proud of Nio.”“We have the sea, festivals, and many fruits.”“This is why I love Nio.”など、全部で6つの英文をものにした。いちばん喜んだのは1年生で、「英語が話せる!」と町のみんなに自慢しているという。

「英語を通して子どもたちの世界が広がるように」

三豊市立仁尾小学校
行天 節子  校長

 本校の英語活動は、先生方がしっかりと準備をして子どもたちに接することに特色があります。子どもたちは何回も何回も繰り返し活動することによって、一段ずつ階段を昇るように、英語を身近なものにしています。学校教育では不易な部分もありますが、その時肌で感じたことを子どもたちにやらせてみることも私たちの仕事だと思い、チャレンジコーナーとイングリッシュタイムを発案しました。先生方には、英語活動の時間には子どもたちを叱しからないで、英語の時間を楽しみにする子どもたちを育てて、とお願いしています。英語の勉強が子どもたちの成長の糧となり、子どもたちの世界が広がることを願っています。

リズムで楽しませ、クイズで好奇心を持たせる

じゃんけんとシールを使って音の違いを楽しむ 見学したのは5年生の授業でクラスサイズは30人。担任とJTE、ALTとのティームティーチングだ。外来語と日本語の発音の違いを、シラブルを取り入れて学習する。工夫されていたのは、耳で聞いても分かりにくいシラブルを、両腕を使った大きなジェスチャーで表現し、リズムでつなげていって楽しませていたこと。それと、ゲームに加えてクイズ方式で好奇心を持続させていたこと。大きな円を作ってリズムに乗せながら日本語と英語を交互に発音させるなど、子どもたちの負担にならないように、手拍子を打ちながらリズムに乗せて子どもたちが楽しめるように、といった配慮と同時に、子どもを本気にさせる瞬間の手綱さばきが見事だった。

 担任の木谷正敏教諭は今年着任したばかりで、本格的な英語活動は初体験。職員室でも守屋先生やALTに発音を確かめたりして毎日が勉強という。活動中失敗しても子どもたちに笑顔を向けて言い直したりするなど、子どもたちと一緒に英語ができるようになりたいという様子がうかがえ、ほほえましかった。

三豊市立仁尾小学校〒769-1403 香川県三豊市仁尾町仁尾丙1736 TEL:0875-82-2049