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私の児童英語

特集コラム

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「英語が通じる喜びの伝わる活動を」

昭和女子大学大学院教授
緑川 日出子
みどりかわ ひでこ埼玉県生まれ。
専門は英語教育(教員養成・教育)。文部科学省SELHi企画評価委員などを務める。スピーキング・リーディング能力の教授法、東アジアと日本の英語教育比較のほか、小中英語教育の効果的連携など児童英語の研究にも携わる。

私は児童英語の応援団です。子ども時代に程度の差はあっても外国語と外国語文化を楽しみながら体験すれば、生涯にわたってその体験が生きた財産になるであろうと信じているからです。私事ですが、私の息子は4歳のときに当時の日本ブリタニカ社が開発した「モクモク村のけんちゃん」という英語紙芝居をテープで聞きながら繰り返し見ているうちに、そこに出てきた英語をすっかり覚えてしまいました。そこで、私もその英語を使って息子と英語で話すようにしました。アメリカ人の友人が子どもをつれて家に来ると、2人の子どもは片言の英語と日本語を使って仲良く遊びました。息子は後年、仕事で米国留学をしたりして英語を使う機会が多くなったのですが、幼年時代の英語体験が彼の羅針盤役をしていたのではないかと思えてなりません。

息子の体験もあってか、私は先の「けんちゃんシリーズ」の製作に携わることになり、その後、「児童英検」のテストの基準作りやアルクで児童英検の練習問題教材の監修にかかわって、子どもたちが英語を通して、日常的経験を超えた異質の世界を自然に自分のものにすることへのお手伝いができることに喜びを覚えました。また最近では、小学校の英語活動を見学する機会が多くなり、新たな喜びや発見が加わりました。

小学校の英語活動では、先生が全身で言葉の意味を伝えようとしていること、低学年の児童は、カードゲームや歌を通して体を動かしながら活発に英語活動をすること、中学年になると恥ずかしさが現れて声が出にくくなり、高学年では単純な繰り返し活動には興味を示さなくなる、などということを知りました。

いつも感心させられるのは、小学生の聴力と発音の良さです。彼らは英語を正確に聞いて再生する能力が高いので、英語を聞くことに加えて、意味と、目的や場面が理解できれば、知っている言葉を使って発話するでしょう。そうして言葉のやりとりがあれば、徐々に自分の意思を伝えることができるようになるだろうと思います。ただ、惜しむらくは、小学校の教室に英語があふれている状況や、児童が英語を使うときに、わかった、通じたという喜びの場面が少ないと感じられることです。英語に対する興味を持続させるためにも、授業のほんの一部でもいいので、英語が通じる喜びを感じさせる活動を継続的に取り入れてほしいのです。そのためには、TTで活動している外国人講師や日本人の英語指導員を十分に活用してほしいと願っています。