財団法人日本英語検定協会

児童の英語学習 応援します!

  • 英語サイトへ
  • よくある質問
  • お問い合わせ
  • 個人情報保護方針
  • サイトマップ

私の児童英語

特集コラム

一覧ページへ

「音声はことば、音韻は文化」

全国英語教育研究団体連合会会長
東京都立両国高等学校・附属中学校
統括校長
大平 一男
おおひら かずお栃木県生まれ。
東京都立上野高等学校教諭、東京都教育庁人事部職員などを経て現職。日本教育研究連合会評議員。著書に「学習指導案作成教本(英語科)」(蒼丘書林)、「ホームルーム指導の新展開12ヶ月」(小学館)ほか。座右の銘:君子之交淡如水

 かつて、アメリカのボストンを訪れたとき、ジューススタンドでレモネードを売っていました。私がこれまで日本で学び、出会いたかった、元祖ラムネでした。

 ラムネは英語のレモネード(Lemon+ade<果汁のこと>)が日本の人にはラムネと聞こえたと言われています。日本のラムネはレモン味ではなく、サイダーであり、サイダーはciderではなく、soda pop となります。cider はリンゴ酒(汁)であり、日本では、シードルとしてリンゴ酒を販売しています。

 One lemonade, please. Large or small? Large one, please. Here you are. このような会話を生徒としたとき、生徒はラムネと聞こえるのでしょうか。同じようにWhere's my white shirt, mom? と言ったときは、white shirt はワイシャツと聞こえているのでしょうか。

 ことばの成り立ちは、もともとは音声でした。ことばは発せられた音をそのまま順番に聞き取り、意味づけをするのが会話の姿であり、聞き取れなければ、会話を先に進めて、Pardon? となります。言語の線状性です。

 英語は強弱アクセント(stress accent)、日本語は高低アクセント(pitch accent)であり、この違いが聞き取り、発音に出てきます。(ちなみに、日本語は「雨、飴」、「橋、端、箸」は音の高低で意味を区別しています)

 もう1点、日本語と英語の音声にかかわる違いは、母音(vowel)と子音(consonant)の組み合わせがc+v+c+v の日本語に対して、英語はc+v+c であるところです。発音で示すと[miluku]ではなく[milk]となり、子音が連続します。

 日本語を母語とする児童がnative speaker のように発音できることを求めるのではなく、相手に通じる、相手の言っていることが理解できる、英語を通してコミュニケーションが図れるレベルにするということです。

 この2点、強弱アクセント、母音と子音の組み合わせを日本語との違いとして意識できると、listeningspeakingが上達し、コミュニケーション能力は高まります。音声はことば、音韻は文化です。外国語活動は、先生と児童が一緒に英語の音を楽しむ「英語楽」であり、音韻を楽しむ「文化祭」でもあります。大いにお楽しみください。