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監修者のことば

「英語という歌を、一石多聴で!」

国際教養大学副学長 グレゴリー・クラーク

言語を学ぶことは、歌を覚えることに似ています。私たちはどのように歌を覚えるのでしょうか?もちろん耳で聞いて覚えますよね。しかも夢中に聞いて覚えます。歌は私たちの潜在意識に一瞬にして入り込み、そのままの形で、いつまでも留まります。

もちろん外国語は歌とは違います。外国語の音声は自動的に私たちの潜在意識に入ってはくれません。ですから、音声が記憶に残るような「心の環境」を作ってあげなければいけません。ただ聞き流すだけでは不十分です。それでは浅すぎます。心への刺激が不足し、音声が潜在意識に入っていきません。

Deep Listeningは、極めて重要な、この「心の環境」を提供することを目的としています。私はこの方法で、ロシア語と日本語を独学で習得し、現在はスペイン語を勉強しています。中国語とフランス語もこの方法で習得しました。この経験をぜひ、日本で英語を学ぶ学生に伝えたい。

私が財団法人 日本英語教育協会と開発したDeep Listeningでは、英語を聞いて単に意味を理解するだけではなく、「パズルを解く」ことも求められます。学生の手元には多くの語が空欄になった英文があり、音声を聞きながらその空欄を埋めていきます。これがこの教材のポイントです。

この穴埋め作業にはいくつもの利点があります。まず学生がじっくりと、深く(Deepに)、聞くようになります。しかもそうした努力はすぐに報われます。先生方も学生の聞き取り能力を、簡単かつ正確に把握することができるでしょう。しかも、英語を書き入れていくわけですから、当然、記憶のプロセスも強化されます。

できれば、空欄のあるセンテンスは何度も繰り返し聞かせてあげたい。すると、センテンスを丸ごと覚えてしまいます。「英語という歌」が潜在意識に入り込むのです。ここが外国語学習のポイントです。

また、この教材には、他にも様々なクイズやエクササイズが含まれていますので、リスニングを通して学んだことが、さらに確固としたものになります。また、こうした穴埋め問題を宿題に出せば、学生は準備万端で授業に出席できるでしょう。この過程では、学力の高低にかかわらず、学生は各々のペースで学ぶことができるのです。先生方も、文章中の文法や語彙に説明に多くの時間を割けるようになるでしょう。まさに一石二鳥ならぬ、一石多聴と言える教材なのです。