お知らせ

「大学入試英語成績提供システム」参加要件 確認結果を受けて

2018年03月26日

※本記事は配信時の情報であり、内容に一部変更箇所がございます。
2019年度実施の英検新方式についてはこちらをご確認ください。

高等学校学習指導要領における英語教育の抜本的改革を踏まえ、高大接続改革においても大学入試センターテストのあり方が見直され、2018年4月入学の新高校1年生以降の生徒を対象として、2020年度より「大学入学共通テスト」(以下、共通テスト)が実施されることになりました。

文部科学省は2017年7月、英語の試験について、「4技能評価を導入し、外部の資格・検定試験を活用すること」を発表しています。その活用に際しては、独立行政法人 大学入試センター(以下、センター)が「大学入試英語成績提供システム」(以下、成績提供システム)を設け、参加要件を満たすことが確認された資格・検定試験について、受験生からセンターへの成績送付の依頼があった回の成績を、センターが一元的に集約し、要請のあった大学等に対し提供するものとされました。

公益財団法人 日本英語検定協会(以下、英検協会)は、長年にわたる全国での実用英語技能検定(以下、英検)の実施・運営実績や大学入試での活用実績を踏まえ、2017年12月、成績提供システムへの参加申請を行っておりました。このたび、センターより成績提供システムの参加要件確認結果が公表されましたのでお知らせいたします。

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1.確認結果について

英検協会では、成績提供システムに、英検(従来型、公開会場実施、1日完結型、英検CBT)※、TEAP、TEAP CBT、IELTS(Academic Module ※ブリティッシュ・カウンシルと共同運営)を参加申請しておりました。なお、英検の従来型においては、本会場を前提とした実施運営方式を申請しておりました。
※「従来型」以外の英検はいずれも仮称(以下同)

センターによる参加要件確認結果は次の通りです。

◆参加要件を満たすと確認された試験

英検(公開会場実施、1日完結型、英検CBT)、TEAP、TEAP CBT、IELTS(Academic Module)

◆参加要件を満たしていると確認されなかった試験

英検(従来型)
理由:一次試験の合格者のみが二次試験を受験できる仕組みとなっており、一次試験不合格者は二次試験を受験できないことから、参加要件第4の3※を満たしていると確認することはできない。

2.成績提供システムでご活用いただける英検の方式について

英検協会では従来型の英検に加え、新たな試験方式として、2018年度より英検CBT、2019年度より公開会場実施、1日完結型を実施いたします。2020年度開始の成績提供システムでご活用いただけるのは、同年度中に受験いただく公開会場実施、1日完結型、英検CBTとなります。受験いただく皆様には、実施級や実施方式、試験日数等にあわせて最善なものをご選択いただければと存じます。

成績提供システムでご提供する3方式では、あらかじめ決められた日程において、英検協会が管理する本会場での実施が前提となります。入試セキュリティを鑑み、準会場での実施は離島・僻地等を除き、予定をしておりません。英検の入試用4技能システムのスピーキングテストは、入試に適した受験環境を構築するため、専用のテストセンターの利用や、利用する教室の特徴、大きさに合わせ、一つの教室での同時実施の受験者を4~6名に限定する等、受験者間に十分な距離を確保した上で実施いたします。また試験に集中できるようにするため、互いの顔が見えないよう、パーテーションを用意し、区切られた環境での実施を前提としています。加えて遮音性の高いヘッドセットをご用意し、他の受験者の発話が試験の妨げとならないよう準備を進めております。

また、高校生の入試用英検対策のために、今まで2技能だった英検IBAを4技能化し、リーズナブルなご料金にて学校の先生がいつでも模擬試験的に実施できるような新サービス「英検IBA4技能」を早期に提供させていただく予定です。英検IBAの4技能のスピーキングテストはタブレットPCの貸与を予定しております。

なお、共通テストを受験する場合には、高校3年生の4月から12月までの期間に、予め受験者が申請した2回までの受験結果が成績提供システムによって、大学へ通知されます(共通テスト以外の大学入試では、従来型もご利用いただけます。受験回数にも制限はありません)。


※画像をクリックすると拡大表示します。

 

3.実用英語技能検定(英検)について

英検は、実用英語の普及促進、英語力向上の目的のもと、英検協会が長年にわたり、離島・遠隔地を含む全国各地で実施・運営してまいりました。1級から5級まで7つの級の級別試験を行い、幼児から社会人まで幅広い年代層の方に受験していただいております。また、海外での試験会場設置や目や耳・肢体などの不自由な方への特別措置も講じております。そして何よりも学習への波及効果に最も大きな意義を置き、世界の中でも類を見ない「問題公開」を毎回行っております。近年では、級別の合否判定に加え、CEFRに対応したCSE2.0によるスコア表示、2級から3級までのライティングテスト導入、4、5級でのスピーキングテスト導入などの4技能化への取り組みも推進してまいりました。また、高校入試や大学入試での外部資格・検定試験活用の流れを受け、英検の入試での採用実績は伸びており、受験者が急増していることから、受験日程や試験会場の拡大・増設を行ったほか、なりすまし防止や試験運営の不正防止、監督者の運営ルールの徹底といった、実施における運営品質の維持・向上に努めております。このように、英検協会は公益財団法人として、時代の流れを踏まえ、英語学習者や受験者の皆様のニーズにお応えすべく、より良い試験の実施・運営のあり方を追求してまいりました。従来型の英検は、引き続き年3回実施いたします。

このたびの成績提供システムが適用されますのは、「大学入学共通テスト」が中心であると予想されます。現在、外部資格・検定試験活用入試等の4技能型の大学入試でご採用いただいております実用英語技能検定は、全て本会場および準会場にて実施される「従来型」です。今後も、私立大学での一般入試をはじめ、「成績提供システム」を利用した入試以外の大学入試では、従来型の英検をご利用いただけますことを、あらためてお知らせいたします。また、試験本来の目的である実用英語の普及・促進、英語力向上のため、英検の実施・運営は継続し、資格・検定試験としての英検の活用は何ら変わることはございません。従来型の英検を引き続き、ご活用いただきたく存じます。

4.検定料について

公益財団法人である英検協会は営利を目的とせず、公益性を重視しております。これまで、「収支相償」の考え方のもとで、適正な検定料を設定してまいりました。設定に際しては、世帯間の経済格差や地域格差にも配慮しております。 各方式による検定料は上述の通りですが、従来型と3つの新方式では実施・運営体制が異なるため、検定料設定に際し、以下の要因による大幅なコスト増が見込まれております。

  • 大量受験者に対応するためのシステム性能向上
  • CBT試験環境の構築
  • スピーキングテスト必須化(実施および採点)
  • 新方式に合わせた申込システム改修
    -会場割当ロジックの変更 -成績処理システムの改修 -採点システムの改修
    -合否判定ロジックの変更 -合否ウェブサイト改修  等
  • 新方式実施方法の確立
    -マニュアル改修 -実施資材 -試験問題の物流の変更
    -実施委員・採点者・面接委員の大量確保および研修
    -公開会場の運営品質(実施セキュリティ)の向上
  • 大学入試英語成績提供システムとの連携

なお、上述の検定料につきましては、従来型の英検が参加要件を満たすことが確認されることを前提とした設定となっております。そのため、このたびの参加要件確認結果を受け、英検協会としましては、公益性を重視したうえで、「収支相償」の考えに基づき、あらためてコストを見直したうえで、検定料を設定させていただきます。新方式の検定料につきましては、確定次第、速やかにお知らせいたしますので、ご理解を賜りますよう、お願い申し上げます。

5.英検協会より皆様へ

◆大学入試担当者・教職員の皆様へ

現在、外部資格・検定試験活用入試等でご採用いただいている英検は、全て「従来型」です。2017年度入試において、英検は日本で最も広く大学入試で活用され、330以上の大学様にご活用していただいています。早稲田大学様(文学部・文化構想学部)の一般入試(英語4技能テスト利用型)や東洋大学様(全学部)の一般入試前期日程(英語外部試験利用入試)では、「最も多く受験生が利用した試験は英検(従来型)」であったとご報告いただいておりますし、全国の大学様からも多数同様のご報告を受けております。今後も引き続き、ご利用ください。なお、2018年度以降、新方式が実施されますが、これは全て「英検」として取り扱っていただければ幸いです。

<英検「従来型」の特徴とメリット>

  • 年間受験者数340万人以上を数える英検ファミリー*のうち、英検「従来型」の2級、準2級を受験する高校生はそれぞれ30万人を超え、近年は準1級申込者も増加
  • 「従来型」を2018年度大学入試でご採用いただいている大学数は330以上
  • 成績提供システムでは「高校3年生の4月〜12月に2回まで」との制限がある一方で、近年は、外部検定利用入試に備えて、高校2年生以前に上位級を取得する生徒が増加
  • 成績提供システムでは、従来型が一度に4技能を測定できないことから、要件を満たしていないとされましたが、従来型は今後も改善を進めながら継続して実施・運営し、これまで通りに大学入試でのご活用は可能
  • 英検ファミリー=英検、英検IBAや英検Jr.の総称

◆中学・高等学校の教職員の皆様へ

現在、外部資格・検定試験活用入試等でご採用いただいている英検は、全て準・本会場が併存する「従来型」です。2017年度入試において、英検は日本で最も広く大学入試で活用され、330以上の大学様にご活用していただいています。成績提供システムを介した大学入試以外では、従来型も変わらずご活用いただけますので、ぜひ生徒様への受験周知をお願いいたします。なお、成績提供システムを利用する生徒様には、「公開会場実施」「1日完結型」「英検CBT」およびTEAP、TEAP CBT、IELTS(Academic Module)をご利用いただきますようご指導ください。大学受験を希望する生徒様の利便性や志望大学の募集要項等に照らし合わせ、幅広い選択肢からお選びいただければと存じます。
なお、高校生の入試用英検対策のために、今まで2技能だった英検IBAを4技能化し、リーズナブルなご料金にて中学・高等学校の先生がいつでも模擬試験的に実施できるような新サービス「英検IBA4技能」を早期に提供させていただく予定です。英検IBAの4技能のスピーキングテストはタブレットPCの貸与を予定しております。

<英検「従来型」の特徴とメリット>

  • 準・本会場両方を対象とした「従来型」を大学入試でご採用いただいている大学数は330以上で、今後もこの数は増加すると予想されます。
  • 共通テストでは高校3年生の4月〜12月に2回までしか受験できないとする一方、私立大学等の大学入試においては、原則、有効期限などの制限はない。
  • 従来型は今後も継続して実施・運営し、これまで通りに大学入試でのご活用は可能であり、2020年度以降も成績提供システムを介さない大学入試に有効です。

◆塾・予備校関係者の皆様へ

現在、外部資格・検定試験活用入試等でご採用いただいている英検は、全て「従来型」です。2017年度入試において、英検は日本で最も広く大学入試で活用され、330以上の大学様にご活用していただいています。今後も引き続き、ご利用ください。なお、2018年度以降、新方式が実施されましたら、受験生の利便性などもご考慮のうえ、新方式も併せて、生徒様へ受験に向けたご指導をしていただけますと幸いです。
なお、高校生の入試用英検対策のために、今まで2技能だった英検IBAを4技能化し、リーズナブルなご料金にて塾・予備校の先生がいつでも模擬試験的に実施できるような新サービス「英検IBA4技能」を早期に提供させていただく予定です。英検IBAの4技能のスピーキングテストはタブレットPCの貸与を予定しております。

<英検「従来型」の特徴とメリット>

  • 年間受験者数340万人以上を数える英検ファミリー*のうち、英検「従来型」の2級、準2級を受験する高校生はそれぞれ30万人を超え、近年は準1級申込者も増加
  • 「従来型」を2018年度大学入試でご採用いただいている大学数は330以上◇成績提供システムでは「高校3年生の4月〜12月に2回まで」との制限がある一方で、近年は、外部検定利用入試に備えて、高校2年生以前に上位級を取得する生徒が増加
  • 成績提供システムでは、従来型が一度に4技能を測定できないことから、要件を満たしていないとされましたが、従来型は今後も改善を進めながら継続して実施・運営し、これまで通りに大学入試でのご活用は可能
  • 英検ファミリー=英検、英検IBAや英検Jr.の総称

◆高校生・保護者の皆様へ

現在、外部資格・検定試験活用入試等でご採用いただいている英検は、全て「従来型」です。2017年度入試において、英検は日本で最も広く大学入試で活用され、330以上の大学様にご活用していただいています。今後も私立大学様をはじめ、共通テスト以外の大学入試では、従来型も変わらずご活用いただけますので、ぜひこれまで同様にお申し込みいただければと存じます。共通テストを受験する際には、「英検CBT」「公開会場実施」「1日完結型」およびTEAP、TEAP CBT、IELTS(Academic Module)をご利用ください。

<英検の特徴とメリット>

  • 準・本会場両方を対象とした「従来型」を大学入試でご採用いただいている大学数は330以上で、今後もこの数は増加すると予想されます。
  • 共通テストでは高校3年生の4月〜12月に2回までしか受験できないとする一方、私立大学等の大学入試においては、原則、有効期限などの制限はない
  • 従来型は今後も継続して実施・運営し、これまで通りに大学入試でのご活用は可能であり、2020年度以降も成績提供システムを介さない大学入試に有効です。

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英検協会ではこれからも、公益財団法人として、実用英語の普及・促進、英語力向上の目的のもと、皆様のご要望に応じた、より良い試験の実施・運営をめざしてまいります。また、大学入試における外部資格・検定試験の活用の広がりを受け、より多くの受験生の皆様にご利用いただけますよう、受験機会の拡大や実施・運営体制の強化・改善に努めてまいります。今後とも、英検協会ならびに各種検定試験へのご理解のほど、お願い申し上げます。