研究対象別一覧 EIKEN BULLETIN 英検 研究助成 報告書

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B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

中学校英語科における強制アウトプットが不定詞の習得に与える影響

大分県/佐伯市立昭和中学校 教諭 山城 仁

▼研究概要
本研究は,英語初学者である中学生に対して強制アウトプット(ストーリーリテリング,ディクトグロス)を取り入れた授業を実践し,不定詞の習得にどのような影響を及ぼすのかを検証したものである。強制アウトプットを取り入れた授業は,それぞれ13時間実施された。授業実践前,直後,4週間後に行った自由英作文テストと文法性判断テストにおける複雑性・正確性・流暢性に関する分析から,ストーリーリテリング群には4週間後においても不定詞の使用数に効果が保持されており,不定詞の使用を促す効果が特に見られることが明らかとなった。ディクトグロス群には4週間後にかけて意味内容に応じてエラーを訂正する問題に改善が見られ,文構造の適切な使用を促す効果が特に見られることが明らかとなった。また,ディクトグロスは実践直後には不定詞の使用種類を,ストーリーリテリングは4週間後にかけて不定詞の使用数を有意に伸ばすことが明らかとなった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ストーリーリテリング
ディクトグロス
研究関連テーマ
英語運用能力
テスト・分析方法
自由英作文
文法テスト
必要技能
リーディング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

英文手紙交換がもたらす中学生の異文化理解と英語学習に対する意識の向上

大阪府/大阪市立高津中学校 教諭 伊藤 由紀子

▼研究概要
本研究では,日本とアメリカの生徒との英文手紙交換の活動を通して,両国の生徒のグローバルマインドと異文化理解の変容,日本の生徒の英語の授業における積極性に与えた影響を,質問紙によって検証した。また,取り組みに対する目的と,教師の視点からとらえた生徒の変容を,教師の半構造化インタビューにより分析し,さらに,中学時代に手紙交換を経験した卒業生の半構造化インタビューから,手紙交換が卒業後の進路や,英語学習への意欲に与えた影響について分析した。その結果,異文化理解に関して,日本の生徒の事前と事後で顕著な差が見られ,取り組み後にはお互いの国に対する印象が以前より良くなったことと,日本の生徒は以前よりも英語を使うことに対し自信がついたことが明らかとなった。また,教師が同じ目的を持って取り組んだことで,英文手紙交換が生徒の異文化理解の変容に影響を与え,卒業後の英語学習への意欲の向上につながったことがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
海外交流
自由英作文
研究関連テーマ
国際理解
ライティング指導
テスト・分析方法
インタビュー
ウィルコクソンの符号付順位和検定
4件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

D:その他

EIKEN BULLETIN vol.27 2015

スピーキング分野における「英検 Can-do リスト」活用の工夫【共同研究】
―ルーブリックの活用を通して―

茨城県/茨城大学教育学部附属中学校 教諭・代表者 小沢 浩

▼研究概要
本研究は CAN-DO リストについての意義と目的について概観し,真正の評価(authentic assessment)の意義や目的が CAN-DO リストと類似していることについて明らかにする。また,「英検 Can-do リスト」の能力記述文と真正の評価の採点ツールであるルーブリックを統合し,その効果ならびに波及効果について,スピーキング分野に絞り検証する。検証の結果,次のことが明らかになった。教師と生徒が「英検 Can-do リスト」およびルーブリックを単元導入時に共有すれば,めざすべき目標が双方に具体的に設定され, 1 )教師はその目標を達成させようと具体的に支援できる(授業改善につながる)。2 )生徒は身に付けるべき力を身に付けようと努力し,単元末に行うパフォーマンステストに向けて主体的かつ意欲的に学ぶことができる(自己学習力の向上,自己啓発促進,学習意欲向上)。3 )生徒は「英検 Can-do リスト」にある能力を身に付けたと実感することができ,話すことに対して自信を持つことができる(パフォーマンス力の向上)。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
英検 Can-do リスト
スピーキング能力
研究関連テーマ
自立学習
ルーブリック評価
テスト・分析方法
スピーキングテスト
4件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
英検準2級
英検3級

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

自尊心をもって主体的に英語の授業に参加できる生徒の育成
―音韻認識への気づきを高める取り組みを通して―

三重県/津市立美里中学校 教諭 森 雅也

▼研究概要
読み・書きに特別に困難さを示す英語ディスクレシア(読字障がい)を持つ生徒への支援のあり方について研究を進めた。その中で、マーガレット・コームリーの多感覚学習法にある91種類の音素カードを習得させることで、音韻認識を高め、中学校で学習する英単語のほとんどを読めるようになることがわかった。また、英語四線ノートに代わる七線ノートを導入するとともに、ポメラ(電子メモ帳)でタイピングを徹底的に練習することによりハンドライティングでの英語筆記への苦手意識を軽減した。英語の音声とつづりの関係がわからず、英語を読むことや書くことを苦手にしている生徒への指導の参考になると思われる。 また、自己効力感を高める4つの方法(成功体験、言語的説得、ソーシャルモデル、心理的圧迫の除去)を実践し、学習障がい(Learning Disability:LD)を持つことにより低下している自尊感情を高め、英語授業へ意欲的に参加できる生徒の育成をめざした。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
学習障がい
研究関連テーマ
音声指導
自己効力感
テスト・分析方法
英検
自己評価シート
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
英検5級

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.26 2014

中高一貫校での英語多読指導の科学
―統計,言語分析による,英語力,言語力,自己効力感の変化を予測する科学的指導モデルの提案―

兵庫県/神戸大学附属中等教育学校 教諭 増見 敦

▼研究概要
本研究では、授業中の10~15分間を利用した授業内英語多読活動にかかわる中高一貫校生の英文読語量、読書などの意識調査およびGTEC for STUDENTSスコアの分析結果に基づき、多読活動による学習者の能力(英語力、言語力)・意識(自己効力感を含む5観点意識)の関係について、授業内英語多読指導効果モデルの構築を試みた。 授業内英語多読活動を通じ、学習者は一定量の読書を行い、文法訳読精読型の英語の読みではなく、多読型の新しい読みのストラテジーを学習者に獲得させる上で統計上有意な効果が確認された。また、学習者の読みに対する自己効力感の大幅な上昇も確認され、GTECで測られる英語リーディング力をも向上したことが明らかになった。一方でこの活動の限界も示唆され、本研究の分析結果に基づき、「強制的読み」から「自律的読み」、あるいは「学び読み」から「楽しみ読み」に向けた、より広義の言語力獲得へ拡張できる新しい多読プログラム開発に向けた課題をまとめた。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
多読
研究関連テーマ
英語運用能力
自己効力感
多読
リーディング能力
テスト・分析方法
GTEC
t検定
重回帰分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

ICT を活用した中学生のための聴解力養成教材の開発と試用結果

東京都/品川区立荏原第六中学校 教諭 岡﨑 伸一

▼研究概要
本研究は、「三ラウンド・システム」(竹蓋・水光、 2005)に基づいた中学2年生レベルの学習者を対象にした教材でICT(e-Learning)を活用した英語聴解力養成用の教材開発と試用効果の検証である。 聴解力養成の中核システムである「三ラウンド・システム」に基づいたWeb教材作成支援システム(竹蓋、 2009)を活用し教材作成をした後に試用した(実際に作成した教材例は3章を参照)。その教材の評価で学習者に対して、1)学習内容の定着を確認するためのChapter Quiz、2)聴解力の変化を観察するためのPre / Post-test、3)アンケートによる主観的評価で行った。それらの結果をまとめ、考察をした。 結果として、学習者は1)教材の内容を理解して学習を進め、2)聴解力の伸びが観察され、3)多くの学習者が成就感・達成感を感じ、学習ができたことがわかった。しかし、自由記述では20%が否定的な回答をしていた。学習効果は見られたが解決するべき課題も発見された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
リスニング指導
研究関連テーマ
ICT
学習意欲
熟達度
ネイティブスピーカー
リスニング指導
リスニング能力
テスト・分析方法
t検定
自由記述アンケート
多肢選択式テスト
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.25 2013

中学生の英作文指導において文と文のつながりを意識化させるタスクの構成

茨城県/筑波大学大学院 在籍 柴原 由貴

▼研究概要
現行の学習指導要領において、「書くこと」では文と文とのつながりに注意して文章を書くことの指導が加わった。しかしながら、生徒はまとまった内容の文章は書けても、文と文とのつながりを工夫して展開することが十分身についていないことが国立教育政策研究所教育課程研究センター(2012)の調査で判明した。学習者に文と文のつながりを意識させるには、英作文を書く際にいかにつなぎ表現を多く、正しく使えるかを指導する必要がある。そこで本研究では、英作文指導にフォーカス・オン・フォームの手法を取り入れ、生徒に文と文とのつながりを「形式、意味、機能」の関係概念として意識させる指導を行って、その効果を検証することを目的とする。本研究では、英作文指導において理解中心タスクを行ったグループと、産出中心タスクを行ったグループの指導前・後のパフォーマンス、特につなぎ表現の使用状況(使用頻度と使用の正確さ)について比較検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
CEFR
学習指導要領(中学校)
フォーカス・オン・フォーム
ライティング指導
テスト・分析方法
自由英作文
自由記述アンケート
二元配置分散分析
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

「国際バカロレア・中等教育プログラム」の教育方法を取り入れた授業実践とその効果

大阪府/帝塚山学院中学校高等学校 教諭 道中 博司

▼研究概要
本研究では、国際バカロレアの「中等教育プログラム(Middle Years Programme :MYP)」の教育方法を取り入れた英語授業を行い、その効果を調査した。 中学1年生42名に約9か月間の実践を行った。MYPでは、包括的な学習、多文化理解、コミュニケーションという3つの概念を基本に据え、自己の価値観を築きながら、国際的視野を発達させる生徒の育成をめざす。 その目標を実現するために、教科ごとの目標や評価規準が設けられている。また、教科の指導内容を生徒の実生活に結びつけるための仕組みが作られている。それらを盛り込んで、「単元プランナー」と呼ばれる授業案を作成し、授業実践を行う。 調査の結果、MYP教育を取り入れた英語授業を行うことで、生徒の英語学習意欲と異文化交流志向が高まり、「英語学習の実利的な動機」、「英語を学ぶ意欲」、「異文化交流志向」について統計的に有意な差が見られた。英語力についても、聞く力、読む力ともに得点が上昇した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
国際バカロレア
研究関連テーマ
国際理解
コミュニケーション
動機づけ
テスト・分析方法
ライティング・タスク
4件法アンケート
必要技能
リーディング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

中学校における協同学習の効果
―ディクトグロスの検証―

茨城県/龍ケ崎市立愛宕中学校 教諭 根本 章子

▼研究概要
本研究は協同学習のタスクとしてのディクトグロス(聞き取った英文をグループで再構築する)活動が中学校の英語の授業において効果的であるかどうかを検証したものである。 協同学習は、学力面(動詞の過去形の習得と過去形を用いた英文を書くこと)と、意欲面に効果があるかどうかについて、従来、教室の中で行われているような個別学習と比較した。 また協同学習クラスの生徒がグループ活動のときにどのような活動を行っているか、についての分析も行った。その結果、学力面、意欲面ともに、有意な差は見られなかったが、英文を書くことについては、協同学習クラスの生徒の数値の方が個別学習クラスの生徒よりも高く、活動にも好意的な傾向が見られた。 また、協同学習クラスではグループのメンバーとかかわりながら意欲的に学習に取り組む様子が見られた。 その反面、課題についての話し合いが進まない、話し合いに参加しない生徒がいるなどの諸問題も見られた。このようなことから、協同学習は長期にわたる継続した研究が必要であると言える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
協同学習(協働学習)
ディクトグロス
研究関連テーマ
ディクテーション
ディクトグロス
テスト・分析方法
ディクトグロス
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.24 2012

中学校段階におけるTSLT(Task Supported Language Teaching)シラバスを基にした英語指導の研究

愛知県/名古屋市立守山東中学校 教諭 山田 慶太

▼研究概要
本研究では、第2言語習得研究で注目されているTask Based Language Teaching(TBLT)の理論を基に、より小学校段階の英語学習者に適しているとされるTask Supported Language Teaching (TSLT)の理念(Ellis、2009;高島、2000、2005)を基礎とした英語指導を実践する。 中学3年生を対象に設定したTSLTシラバスにおいて、7月、10月、12月、2月と計4回の「タスク活動」を実施した。「タスク活動」に取り組む学習者の発話を録音し学習者自身に振り返らせ、指導者は発話に共通して見られる誤り等を分析し学習者自身の「気づき」を重視しながらフィードバックとしての文法指導を行った。 学習者がタスク活動の最中にやり取りするメッセージの中心となる「過去形」と「現在完了形」の正確かつ適切な使用に着目しながら、シラバスの根幹となる、①文法指導→②タスク活動→③フィードバックとしての文法指導、という指導手順の有効性を授業実践を通して検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
TSLT(Task Supported Language Teaching)
研究関連テーマ
Task Based Language Teaching(TBLT)
コミュニケーション活動
授業計画
テスト・分析方法
自己評価シート
文法テスト
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

中学生のパラグラフ・ライティングにおける事前プランニングとしてのマインドマップの有効性

大分県/九重町立野上中学校 教諭 立川 研一

▼研究概要
中学生のライティング活動にパラグラフ・ライティングの手法を取り入れることは、「コミュニカティブ・ライティング」の力を伸ばすことへとつながる有益な手段である。またライティングにスムーズに取り組ませるためには、その前段階としての事前プラニングが不可欠である。特に中学生のような初級学習者には、単にプラニングの時間を保障するだけでなく、その中で行う手立てを具体的に与えることが必要である。そこで筆者が注目したのは、「マインドマップ」を利用した事前プラニングである。 中学生のパラグラフ・ライティングの事前プラニングとしてのマインドマップの有効性を検証するため.本稿では形式を統一した「3-2-1マッピング」を考案した。「3-2-1マッピング」をパラグラフ・ライティングの事前プラニングとして用いることで.中学生のライティングの「流暢性」、「正確性」、「複雑性」、あるいは構成や論理性などの内容がどのように変化していくかを検証した。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
パラグラフ・ライティング
研究関連テーマ
T-unit
学習指導要領(中学校)
文法力
ライティング指導
流暢さ
テスト・分析方法
Χ²検定
実験群/統制群
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

タスク後に行う活動の違いがその後のタスク遂行時の言語使用に与える影響
―協働的振り返りをどのように行うか―

神奈川県/南足柄市立南足柄中学校 教諭 内藤 篤

▼研究概要
本研究は、学習者がコミュニカティブなタスクを行った後に行うタスク終了後の活動において、ある種の指導を受けてから自分たちの発話について協働的振り返りを行うことで、その後のタスク繰り返し時における学習者の言語運用に影響が及ぼされるかどうかについて調べるものである。デザインは、実験群の学習者に対して1回目のタスク終了後の活動として2つの活動(明示的指導を行ってから協働的振り返り、モデル提示を行ってから協働的振り返り)を行わせる。そしてその後のタスク繰り返し時と2週後に閉じタスクを行った際に、学習者が産出する言語について、正確さと流暢さの面で何の活動も行わずタスクを繰り返した統制群と比較する。また、学習者が行った協働的振り返り中の対話を質的に分析することで、実際に学習者がどのようなことに注意を向けているかについて調査する。それらを検証することにより、中学校における文法指導と言語活動の在り方を提案したい。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
振り返り
研究関連テーマ
コミュニケーション活動
タスク
文法指導
流暢さ
テスト・分析方法
インタビュー
実験群/統制群
多重比較
単純主効果検定
分散分析
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

EIKEN BULLETIN vol.23 2011

ライティング活動におけるピア・レスポンスと教師フィードバックの効果
―生徒の自律性を高める教師の介在場面についての考察―

兵庫県/西宮市大社中学校 教諭 神原 克典

▼研究概要
本研究の目的は、中学校でのライティング活動においてピア・レスポンスを導入することにより、教師の修正(correction)のみに頼るのではないライティング活動を行ったとき、生徒の心情面と、生徒が書く文章にどのような変化が見られるか、また教師がフィードバックを行う際には、どのような点に留意すればよいかを検証することにある。そこで、中学2年生を対象に、帯学習の形態でライティング活動を行い、創作ライティングタスクとして、年間を通して6つのタスクを生徒に与え(2か月に1つの割合)、書いた作品はファイルに綴じさせた。教師フィードバックとともにピア・レスポンス(peer response)を実施することで,生徒たちに書きながらコミュニケーションを行うことを体感させるとともに,文を作る上での相互アドバイスを行わせた。ここでは、6つのタスクのうち、主に後半の2つのタスク(タスク5とタスク6)を取り上げて報告する。タスク後に生徒に実施した自由記述アンケートをカテゴリ分類した結果、ピア・レスポンスに関しては生徒にメタ的に振り返らせることが難しかったものの、ピア同士でアイデアを出し合い、読み手意識が深まるとともに、より良い文章にしようとする内容重視のアドバイス交換ができ始めていることがわかった。また、教師フィードバックで顕著な項目は、未習の文法事項などのアドバイスであることがわかった。ピア・レスポンスにより書く意欲が高まる反面、個々の生徒に合わせた教師の適切なフィードバックが重要であることが明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ライティング指導
研究関連テーマ
T-unit
フィードバック
文法力
ライティング指導
ライティング能力
テスト・分析方法
自由記述アンケート
ポートフォリオ
ライティング・タスク
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

日本人英語学習者のスピーキング vs. ライティングパフォーマンスの比較分析のための指標 
―学習者コーパスに基づくアプローチ―

東京都/東京外国語大学大学院 在籍 野村 真理子

▼研究概要
本研究は,日本の中学・高等学校の外国語科の新学習指導要領を踏まえ,話す活動と書く活動を組み合わせて表現力を育成する効果的な指導を模索するための基礎調査として,中学生・高校生の日本人英語学習者からスピーキングとライティング両方の産出データを収集し,学習者コーパスを構築することにより,同一学習者集団のスピーキング vs. ライティングパフォーマンスを比較分析し,比較測定のために有効な指標を調べたものである。分析に使用したコーパスデータは,中学3年生~高校3年生324名から収集した同一学習者が同一テーマで産出したスピーキングとライティングのデータである。使用語彙,10の言語特徴, 5つの言語項目のエラーおよび正用率について,話し言葉vs. 書き言葉で比較分析を行った結果,調査した多くの項目がモードの違いによる差異を示し,日本人中高生の産出モードの異なるパフォーマンスデータを比較分析するのに有効な指標が明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
スピーキング能力
ライティング能力
研究関連テーマ
英検 Can-do リスト
コーパス
スピーキング能力
ライティング能力
テスト・分析方法
Χ²検定
自由英作文
スピーキングテスト
二元配置分散分析
ボンフェローニ法
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

コミュニケーション活動に対する動機づけを高める理論と実践
―自己決定理論に基づいて―

三重県/津市立東観中学校 教諭 村井 一彦

▼研究概要
本研究の目的は,コミュニケーション活動を英語科授業の主たるものとして位置づけ,その中で,生徒の動機づけを高めるために必要な諸条件とは何であるかということを具体的に検討することであった。そして,自己決定理論における3つの心理的欲求の充足を動機づけを高めるための手立てとして,それらの認知を高める授業介入を約6か月間継続して行い,コミュニケーション活動に対する手立てと動機づけの高まりの関連について検討した。  研究1においては,自己決定理論における3つの心理的欲求の認知を測定するための「コミュニケーション活動における心理的欲求支援尺度」と自己決定理論における動機づけを測定するための「コミュニケーション活動における動機づけ尺度」を作成し,津市立T中学校の第2 学年生徒115名を対象に,2009年4月中旬に質問紙調査を実施した。(1)コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求支援の働き,(2)コミュニケーション活動に対する動機づけ構造,(3)コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求支援と動機づけの関係に関して検討した。コミュニケーション活動に対して,自律性支援,有能性支援,関係性支援の3 つは,互いに関連させ合いながら心理的欲求支援を満たしていることが確認できた。また,隣接する動機づけ概念間では,連続体上で隣接する概念間ほど相関が強く,離れるほど相関が弱い,あるいは負の相関を示していることが確認できた。そして, 3つの心理的欲求支援のうち,自律性支援と有能性支援に関しては,コミュニケーション活動の動機づけの高まりに強い影響を与えることが確認できた。  研究2においては, 3つの心理的欲求を充足させる手立てや動機づけの高まりにつながる手立てを計画し,授業介入(2009.4下旬~2009.9下旬)を行った。また,「コミュニケーション活動における心理的欲求支援尺度」,「コミュニケーション活動における動機づけ尺度」を使用し,授業介入を行った津市立T中学校の第2 学年生徒56名を対象に,2009年4月と2009年9月に質問紙調査を実施した。授業介入前後の比較により, 3つの心理的欲求支援の高まりと動機づけの高まりの関係を検討した。6か月間の授業介入によって,コミュニケーション活動に対する3つの心理的欲求の充足に関しては,自律性支援と関係性支援の認知が高まった。そして,内発的動機づけと同一視的調整といった自律性の高い動機づけの高まりが確認できた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
コミュニケーション活動
自己決定理論
研究関連テーマ
コミュニケーション活動
動機づけ
表現力
テスト・分析方法
t検定
確認的因子分析
共分散構造分析
クラスター分析
質問紙法(アンケート)
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.22 2010

「話し手」の英語スピーキング力を促す「聞き手」の育成
―カウンセリング技法、スピーキングテスティング技法教授の効果―

東京都/東京大学大学院教育学研究科 在籍 関谷 弘毅

▼研究概要
本研究は,ペアワークによるスピーキングの学習場面において,聞き手に質問スキルを教授することの話し手のスピーキング力向上への効果とその個人差について,中学生を対象に検討した。質問スキル教授群,事前準備を加えた質問スキル教授群,統制群を設定し実験授業を行った。質問スキル教授の有無,事前準備の有無の対比を用いて検定を行った結果,質問スキルの教授は話し手の発話の複雑さに,事前準備を加えた指導は発話の複雑さ,正確さに効果を持つことが示された。また,学習観を個人差変数とした適正処遇交互作用(ATI)の検討の結果,文法規則を重視する学習者には,事前準備を行った聞き手を相手にした方が発話の流暢さ,正確さ,および知識レベルの文法規則の習得に高い効果が得られた。情緒性格要因に関しては,衝動性が高い学習者にとっては事前準備を行っていない聞き手を相手にした方が,発話の流暢さを高めることが示された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング能力
研究関連テーマ
学習動機
スピーキング能力
非言語行動
テスト・分析方法
スピーキングテスト
適正処遇相互作用(ATI)
ピクチャーカード提示課題
文法テスト
プリテスト/ポストテスト
4件法アンケート
5件法アンケート
6件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

診断テスト・学習プログラム方式 CBT のフィードバック作成と検証
―並べ替え問題の履歴分析を通して―

新潟県/長岡市立宮内中学校 教諭 姉崎 達夫

▼研究概要
本研究の目的は次の3つである。(1) 並べ替え問題において,日本人学習者の間違いに見られる特徴は何か。(2) 並べ替え問題の誤答に対して,L1のフィードバックを提示した場合に語順の理解や定着が進むか。(3) 並べ替え問題の正答と誤答は並べ替え時間に差があるか。「授業同時テスト」方式 CBT に公立中学校の3年生約55名が参加した。出題は英検4級の並べ替え問題から35問を用いた。 本研究から次の3点が示唆された。(1) 中学生に見られる誤答の原因として,日本語の語順の影響,連語の知識の不足,結びつきの強さの影響などが考えられる。(2) 並べ替え問題において,L1と L2のフィードバックも L2のみのフィードバックも語順の定着につながるが,前者のフィードバックが後者のフィードバックよりも語順の定着に結びつくとは言えないことが示された。(3) 並べ替えの時間については正答の方が誤答よりも短時間だったことから,知っている語順は迷わず正確に並べ替えることができる傾向があることが示唆された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
オンライン学習
研究関連テーマ
フィードバック
リーディング能力
テスト・分析方法
Χ²検定
英検問題(リーディング)
語句整序テスト
分散分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
英検4級

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

紙辞書を使った語彙・コロケーションの指導とその効果
―英語で伝える力と自ら学ぶ力を育てる『和英表現ノート』作りの実践―

千葉県/渋谷教育学園幕張中学校 教諭 内田 富男

▼研究概要
「紙辞書」,「英作文」,「語彙」,誰もがその指導の意義を認めてはいるものの,教室ではなかなか手が回らない。本実践では,公立中学で英検講座を受講する約70名の2年生を対象に,1)コロケーション重視の語彙指導,2)紙辞書を活用したノート指導,3)フリーライティングの指導,を試みた。年間およそ20時間の講座では,教科書・英検コーパスから作成した教材と紙辞書,作文シートを使って指導した。その結果,敬遠しがちだった紙辞書をより身近なツールであると感じ,コロケーションに興味を持つ生徒が増えた。また,モデルを参考にしながらでも英語で書く機会を得て,表現意欲が昇華された。なお,正課の授業とあわせて,週7時間の学習の結果,2年終了時にはほとんどの受講生が英検3級以上に合格した。本研究から,実際の授業実践を通して,英語を学ぶ動機と意欲,英語に触れる機会の大切さが確認され,困難な学習課題に挑戦させることの意義が示唆される。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
語彙指導
研究関連テーマ
コロケーション
語彙指導
自由英作文
自立学習
ライティング指導
テスト・分析方法
t検定
英検
英語能力判定テスト
自由英作文
自由記述アンケート
4件法アンケート
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

海外パートナー校との協調学習による英語コミュニケーション力向上プログラムの試み【共同研究】

東京都/八王子市立城山中学校 教諭・代表者 吉田 和夫

▼研究概要
本論文は一般的な公立中学校での英語科の授業においては比較的実現が難しいと考えられる,海外のパートナー校(中学校レベル)との連携による効率的・効果的な学習指導を構築することの可能性について具体的に検討・実施した教育実践を紹介するものである。  また,この実践を通して,今後どのようなシステムで,国際社会に備えることのできる英語を用いた総合的なコミュニケーション力を向上させるかを具体的に考察した。さらに,そのためにどのような手立てやプログラムが必要となるか,またそのプログラムを実施するにあたり,どのようなマニュアルや手引き,ワークシートなどの書式があるとよいかをあわせて検討し,各学校ですぐに役立ち,実践に取り組めるよう,全体の内容や手順をパッケージ化した。  この報告内容を実践することで,多くの公立中学校でこれまでとは異なる「真正・本物の(Authentic)」交流的な学習,協調学習が実現すると考える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
海外交流
協同学習(協働学習)
コミュニケーション能力
研究関連テーマ
学習意欲
動機づけ
表現力
プロジェクト型学習
テスト・分析方法
-
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.21 2009

後置修飾の定着を促す言語活動と文法指導の有効性に関する実証的研究

神奈川県/横浜市立旭中学校 教諭 奥村 耕一

▼研究概要
この報告は,中学校における外国語指導において,教師が,日本語を母語とする中学生に日本語とは異なる語順や修飾の関係について定着させるには,どのような指導が必要かを明らかにしようとしている。  そのために,これまでに提言されてきた言語活動と文法指導を有機的に関連させることによって,後置修飾の定着をどの程度促すことができるかを探ることにした。後置修飾の文構造は,日本語とは異なることから,中学生にとってその定着が難しいとされてきた。2012年度に完全実施の新学習指導要領では,文法指導と言語活動を有機的に結びつけて指導することにより,コミュニケーション能力の基礎を養うよう求められている。本研究では,主に3種類の言語活動を実施することにより,どの程度後置修飾の定着が促されたかを測定していく。  結論においては,日本における外国語学習の環境を踏まえた,今後の指導のあり方と課題についての示唆でまとめている。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
リーディング指導
研究関連テーマ
音読
学習指導要領(中学校)
スピーキング指導
タスク
文法指導
リーディング指導
テスト・分析方法
t検定
テューキー法
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

日本人中学生を対象とした英語/ 日本語のキーワードが与える記憶術法の影響【共同研究】

群馬県/安中市立松井田東中学校 教諭・代表者 福田 昇

▼研究概要
本研究は,初期英語学習段階である中学生を被験者として考えた場合,(1)Keyword 法で用いられる絵と手がかり語との間にどのような関係があるのか,また,(2) 手がかり語を英語と日本語の2通りを用いて覚えた場合の再生効果はどのように影響するのか明らかにしようとしたものである。実験には公立中学校3 年生125名が参加し,(a)絵と Keyword法群,(b) 絵のみの学習法群,(c) Keyword法群,(d) 機械的学習法群の4群に分け,記憶タスクを実施した。また,Keyword法との関連を見るために語彙学習に対するアンケート調査と正字法知識に関するテストを実施した。  結果は次のとおりであった。(1) 絵+ Keyword法群では手がかり語が English / 日本語どちらでも学習効果に差はなかった。(2) Keyword法群では手がかり語が日本語の方が English よりも効果的であった。また,(3) 直後テストと正字法テストの比較から,Keyword法群と機械的学習法群には正字法テストと直後テストとの相関関係があることが示された。しかし,正字法知識のうち音韻情報と綴り情報のどちらをより方略において用いているかということは判断できなかった。(4) アンケート結果から語彙学習に対して学習者は「符号化:視覚的音韻的関連」,「符号化:意味的符号化」,「復唱:単語リスト使用」,「復唱:視覚的反復」の4つの方略を用いていることが示された。特にすべての学習群で「復唱:単語リスト使用」の方略を用いる心理が働いていたことが明らかになった。これは,日本人英語学習者が意味ネットワークを構築し,認知的処理を伴う方略が少ないとする先行研究を支持するものであった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
記憶術法
研究関連テーマ
リーディング指導
テスト・分析方法
実験群/統制群
正字法テスト
遅延テスト
テューキー法
分散分析
ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

英文読解におけるチャンキング指導が日本人初級英語学習者にもたらす認知効果

兵庫県/宝塚市立御殿山中学校 教諭 柳瀬 学

▼研究概要
英文読解におけるチャンキング(スラッシュリーディング)の効果は,これまでの研究で処理速度や内容理解の向上が認められている。ただ,内容理解に関しては学習発達段階によって微妙な差が見られる。すなわち上級学習者には効果があるが,初級・中級者においては効果が認められないとする報告がある。その原因として初級学習者はチャンキング行為それ自体に多大の労力を注いでしまい,肝心の読解度や読解速度を下げてしまっているという点が指摘されている。  そこで本研究では,英語初級学習者にチャンキングのパターンを事前に明確に教授することにより,英検3・4級レベルの英語単文問題,及び長文問題における内容理解と,読解速度(付随する問題を解く時間を含めたもの)にどのような変化が見られるかを検証した。分析の結果,内容理解の点で有意な伸びが確認されたのに対し,読解速度の点では有意差は認められなかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
チャンキング(スラッシュリーディング)
リーディング指導
研究関連テーマ
チャンキング(スラッシュリーディング)
読解熟達度
読解速度
リーディング指導
テスト・分析方法
一元配置分散分析
英文和訳テスト
実験群/統制群
読解テスト
二元配置分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

中学校入学以前の英語学習経験が中学校における英語力に及ぼす影響
―英語学習歴調査と中学校3年間の英語力追跡調査の分析―

東京都/筑波大学附属中学校 教諭 肥沼 則明

▼研究概要
本研究は,中学校入学以前の英語学習経験が中学校における英語力に及ぼす影響を実証的に明らかにしようとしたものである。入学時ですでに存在する影響を明らかにするとともに,それが中学校3 年間の間にどのように変化するのかを調査した。  具体的な方法は,保護者に対する生徒の英語学習歴をアンケート調査し,その結果をもとに生徒を7つのグループに分類し,グループごとの差を① 音素聞き取りテスト,② 面接テスト,③ 定期考査の各得点で分析した。そして,次のような結果を得た。 ・①では,入門期に帰国子女の得点が小学校英会話授業経験者の得点に対して有意に高かったが,その他のグループ間には差がなく,卒業時には全グループ間に差がなかった。 ・②では,統計処理は行わなかったが,平均点は帰国子女が最も高く,次いで高頻度・長期間の英会話学校経験者,同その他の学習経験者であり,小学校英会話授業経験者と未経験者はほぼ同点で最下位であった。 ・③では,統計処理は行わなかったが,放送による「表現理解」の平均点は, 3年間帰国子女が第1位を保った一方,初期の頃に高かった高頻度・長期間の英会話学校経験者と同その他の学習経験者と他のグループの差は3年後にはほとんどなくなった。  以上の結果により,小学校における英語活動で言語教育として効果を上げるには,「週1回・3年以上」の授業が必要であるという示唆を得た。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
小学校英語活動
リスニング能力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
スピーキングテスト
定期テスト
テューキー法
リスニングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.20 2008

小学校での英語活動経験者は中学1年時にその活動をどう評価しているか【共同研究】

福岡県/福岡教育大学大学院 在籍・代表者 渕上 啓子

▼研究概要
本研究の目的は,小学校で英語活動を経験した中学生が,中学1年生の1学期と3学期の時点で英語活動をどのように評価しているか,英語活動に対する評価は調査時期によって変化するのか,また英語活動の指導内容・方法・取り組みの違いよって,英語活動の評価は影響を受けるかについて調べることである。本調査に参加したのは九州北部の K 市内の12の小学校を卒業した1,197名(7月調査)と1,206名(3月調査)で,意識調査は2007年7月と2008年3月に行われた。調査の結果から,調査参加者が英語活動を肯定的に評価していること,中学校での英語学習の進行により「楽しさ」の評価は影響を受けないが,「有用性」や「学習内容」の評価はマイナスの影響を受けること,調査参加者が小学校の英語と中学校の英語を区別する傾向が示唆された。また英語活動の指導内容,指導方法,取り組みの違いが「英語活動の評価」や「英語が嫌いになる時期」に影響を与えることがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
英語嫌い
自己評価
テスト・分析方法
スピアマンの相関係数
5件法アンケート
必要技能
-
英検 対象級
-

D:その他

STEP BULLETIN vol.20 2008

英検 Can-do リストを使った Self-access Learning リスト作り
―授業の諸活動と英検各級合格との関係を明らかにする―

東京都/狛江市立狛江第一中学校 教諭 北原 延晃

▼研究概要
英検 Can-do リストは非常によくできているが,一般の中学生では理解できない表現があちこちに見られる。そこで中学生に理解できるように記述を簡単にすると同時に授業でどんなことができればその記述に当てはまるのか具体的に示した。 目的:生徒が自分で英検のどの級に合格できるかを判断できる 期待される成果:  ① 授業と英検が直接結び付く  ② 自分の学習到達度の履歴が一目でわかる表ができる  ③ 英検に合格するための細かな項目をチェックできるため,生徒が安心して英検を受験できるようになり,ひいては受験者増につながる。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
SALL(Self-Access Language Larning)
英検 Can-do リスト
研究関連テーマ
英検 Can-do リスト
自己評価
テスト・分析方法
質問紙法(アンケート)
必要技能
-
英検 対象級
英検準2級
英検3級
英検4級
英検5級

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

TPRS を用いた生徒のスピーキング力を伸ばす授業

高知県/私立清和女子中高等学校 教諭 松尾 徹

▼研究概要
この実践研究は元来アメリカで外国語としてのスペイン語教育のために開発されたTPR(Total Physical Response)Storytellingという教授法を用いて,生徒のスピーキング力を伸ばすのにどのような効果があるかを検証することを目的としたものである。本報告書ではTPRSが日本ではまだ新しい教授法のため,まず最初にこの教授法の理論背景,基本的な指導手順,そしてテクニックを解説している。次に実際に行ったレッスンを実践例として詳しく記述している。その後,スピーキング力の伸びを測るために用いた2種類のタスクの説明とそのデータ収集法を説明している。そしてその後にそのデータから見えてきた生徒のスピーキング力の伸びをいくつかの視点から分析し,考察したことを記述している。最後にこの研究の課題とこの教授法で行う場合の問題点を提起して,研究報告をまとめている。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
TPRS(Teaching Proficiency through Reading Storytelling)
研究関連テーマ
Story-Telling
語彙力
スピーキング能力
文法力
テスト・分析方法
スピーキングテスト
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

中学校英語表現活動指導の改善【共同研究】
―タスクは実践的コミュニケーション能力の育成に効果があるか―

千葉県/市原市立国分寺台西中学校 教諭・代表者 村井 樹代実

▼研究概要
本研究は千葉県内5地区の英語教員が,「タスク」(task)が日本の中学校でどの程度有効なのかを検証したものである。日本の中学校で従来行われてきた「導入」(Presentation),「練習」(Practice),「表現活動」(Production)の指導過程で,「導入」と「練習」は授業の中で十分に行われてきたが,実践的コミュニケーション能力育成に欠かせない最後の「表現活動」はなかなかできていない現状がある。そこで,中学校の英語教師がめざしている実践的コミュニケーション能力を育成するために「タスク」に着目し,「表現活動」の段階に「タスク」を活用することでどのような英語力を中学生に身につけさせ,またどのような力を引き出せるかを検証した。 本研究では学習指導要領に示されている実践的コミュニケーション能力の基本的要素を,語彙数,流ちょうさ,正確さ及び意味交渉ととらえた。5つのタスクの実践前後に「事前テスト」(Pre TEST)と「事後テスト」(Post TEST)を実施し比較することにより,「タスク」の有効性を検証した。指導過程は基本的にはWillis(1996)のタスクフレームワーク(表1)を参考にした。また,Schmidt(1990,pp.129-158)の「言語の意識化が言語習得を促進させる」という理論に基づき,タスク終了後の振り返りの場面を重視した。生徒自らが使用した英語の表現や文法表現の誤りや不十分さに気付き,自らが修正できるような「気付かせる」時間をタスクフレームの中に位置付け,同じタスクをそれぞれ2回ずつ行った。本研究は「語彙数」,「流ちょうさ」,「正確さ」,「意味交渉」が量的,質的にどのように変化したかの実践報告である。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
研究関連テーマ
インタラクション
学習指導要領(中学校)
異なり語数
語彙力
実践的コミュニケーション能力
正確さ
タスク
流暢さ
テスト・分析方法
プリテスト/ポストテスト
プレゼンテーション
必要技能
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

日本人中学生のメタ認知能力を育てるためのパラグラフ・ライティングの指導
―自己評価と相互評価を生かして―

青森県/弘前市立第二中学校 教諭 丹藤 永也

▼研究概要
本研究は,パラグラフ・ライティングの指導を通して,日本人中学生の英作文におけるメタ認知能力を育成するために,パラグラフに対する自己評価と相互評価及び教師の添削とフィードバックの有効性を検証した。 調査の結果,パラグラフに関するアンケートでは,事前と事後の比較で,表現,構成,内容,メタ認知の各領域で事後が高く,有意差があった。また自己評価と相互評価の事前と事後の比較でも,内容と表現の領域で事後が高く,有意差があった。プロトコル・データの分析も,内容,構成,表現の各領域でメタ認知が活性化していることが検証された。 これらの結果から,自己評価と相互評価及び教師の添削とフィードバックは,メタ認知能力を育成し,パラグラフの質を改善させるものであると言える。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
パラグラフ・ライティング
メタ認知
研究関連テーマ
自己評価
相互評価
フィードバック
メタ認知
テスト・分析方法
t検定
プリテスト/ポストテスト
5件法アンケート
必要技能
ライティング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.19 2007

小学校英語研究開発校に見られる英語能力の検証【共同研究】
―表現及び語彙における理解度と記憶の定着度を中心に―

奈良県/奈良女子大学附属中等教育学校 非常勤講師・代表者 福智 佳代子

▼研究概要
平成9年から10年間英語活動を行っている研究開発校と,平成18年度より同様の英語活動を行った小学校,及び当地域の児童が進学する中学校1年生に対して,活動の中で取り扱われた表現や語彙がどの程度理解され記憶の中に取り込まれるか,評価や活動の種類が違ってくる中学校英語学習における言語理解や表現にいかに寄与するかをテーマに,仮説として次の3項目 1. 背景や場面などから,ルールによらない定型表現を理解する力に差があるのではないか 2. 文法的結束性のある表現ばかりでなく,意味的に一貫性のある適切な応答の表現の理解にも差ができるのではないか 3. 理解できる語彙に差があるのではないかを設定し,測定可能な規準テストを用いて測る。結果から,合計得点及び各問題の正答率による比較,分散分析による比較を行う。さらに分散分析で有意と認められる結果が出た問題に関しては因子分析を行う。
▼キーワード
研究対象
小学生
中学生
研究メインテーマ
小学校英語活動
研究関連テーマ
語彙知識
小学校英語活動
定型表現
テスト・分析方法
Χ²検定
主因子分析
児童英検
分散分析
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

速読練習を取り入れた「多読」授業の効果【共同研究】

千葉県/我孫子市立我孫子中学校 教諭・代表者 佐藤 知代

▼研究概要
本研究では,中学校での効果的な多読指導の在り方を探るために,多読と結び付きの強い速読力の育成と多読指導とを組み合わせた統合的授業を実施し,その効果を測った。多読に関しては,中学2年生,3年生の読語数,読み方,読むレベルの変容について調査した。速読に関しては,ALT と共同で速読テストを開発し,3種類のpretest ,midtest,posttest を実施し,読むスピードと理解度への効果を測った。 また,アンケートを行い,情意面での変化や生徒に有用なリーディングスキルについても調べた。分析の結果,速読練習を取り入れた多読指導を受けた生徒は,年間で,中学2年生は3万語,3年生は6万語読めることがわかった。中学2年生は100 wpmまで,3年生は150 wpmまでは理解を伴った上で速読力を伸ばした。アンケートによると,英語力,速読力の向上を内面で感じた生徒が多くおり,授業評価も高かったことがわかった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
速読
多読
研究関連テーマ
情意面
速読
多読
読解速度
テスト・分析方法
一元配置分散分析
テューキー法
読解テスト
プリテスト/ポストテスト
ミドルテスト
5件法アンケート
必要技能
リーディング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

中学生への英語教育における「デジタルポートフォリオ」の有効性

兵庫県/兵庫県立芦屋国際中等教育学校 教諭 岩見 理華

▼研究概要
本研究の目的は「デジタルポートフォリオ」の教育的効果に着目し,英語教育へ応用することの可能性と課題について検討することである。具体的には中学校の英語の自己表現活動の授業において,従来のペーパーベースのポートフォリオを用いた実践の効果と課題について明らかにした上で,公立学校の教育現場で容易に利用可能な汎用アプリケーションソフトを用いたデジタルポートフォリオの授業をデザインした。その実践結果から観点ごとの学習者のパフォーマンスの評価についてポートフォリオとデジタルポートフォリオの間に統計的にはほとんど有意な差は表れなかったが,生徒の態度の観察やアンケートの回答の分析からデジタルポートフォリオの活動が学習者に積極的に評価され,特にふりかえりの活動において有効であることが示された。また学習の記録をWeb 上に公開することや既存のオンラインソフトの導入,デジタルポートフォリオを用いたスピーキングの評価方法についての課題も明らかになった。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ポートフォリオ
研究関連テーマ
Show&Tell
自己評価
相互評価
表現力
プレゼンテーション
テスト・分析方法
Χ²検定
ウィルコクソンの符号付順位和検定
自由記述アンケート
5件法アンケート
必要技能
ライティング
スピーキング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

生徒のSpeaking 力を育てる授業改善の試み【共同研究】
―「英語教員研修」の成果を通して―

宮城県/仙台市教育センター 指導主事・代表者 齋藤 嘉則

▼研究概要
「英語が使える日本人」の育成のための行動計画により,平成15年度から悉皆の英語教員研修が始まった。仙台市教育委員会も夏季休業期間中に2週間,英語教員研修を実施している。研修実施3か月後のアンケート調査では,研修を受講した教員から,言語活動の具体と特に話すことの指導と評価について疑問点や困難点が挙げられた。そこで,本研究では,生徒のSpeaking力に焦点を当て,生徒の発話の質と量を高め増やすことをめざし言語活動を工夫した。さらに生徒の発話を実際に記録して質と量の両面からいくつかの視点を設定して分析した。 その分析結果から,発話の量的な部分では,発話された単語総数及び文の総数は増加した。しかし,質的な部分では一部の生徒群において,文法的に正しく文を発話する割合が低下したことがわかった。このことから,まず学習活動から言語活動を積み重ねていくことで発話量そのものが増えたことから,学習した英語の単語や文についての知識が,実際の発話に活用されたということが言える。しかし,文法についての知識は,今回の一連の生徒の学習と教員の指導だけでは生徒の発話時に,まだ正確に働いていない,それらの知識が適切に作動するまで習得されていない,と考えることができる。 すなわち,英語についての知識において,単語や文についての知識と文法についての知識は,それぞれその習得の過程やその働き方が異なるのではないか,ということが明らかにされた。今後,教室内での活動を見直す新しい視点を得ることができた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
教員研修
スピーキング能力
研究関連テーマ
Story-Telling
スピーキング能力
正確さ
文法力
テスト・分析方法
英検問題(スピーキング)
ピクチャーカード提示課題
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

中学生のスピーキング活動における振り返りの効果

兵庫県/高砂市立荒井中学校 教諭 的場 眞弓

▼研究概要
本研究におけるキーワードは,「振り返り」,「中学生のスピーキング力」,「絵を使用したStory Telling」である。 「実践的コミュニケーション能力」の育成が課題となり,コミュニケーション活動を行わせることが多くなってきた。それらの活動をより効果的にするため,「振り返り」に焦点を当て,その後の活動に及ぼす影響を検証することが,本研究における主な目的である。 前半においては,「振り返り」の効果を,A:ペアで行うグループ,B:1人で行うグループ,C:振り返りを行わないグループで比較し,スピーキング活動における「振り返り」の効果を検証している。後半は,ペアで振り返りを行ったグループに焦点を当て,ペアで振り返った時の会話を分析することで,スピーキング活動における「振り返り」の効果や影響を検証しようとしている。後半では,また,ペアの関係性が,「振り返り」の話し合いにも影響し,そのことが次の活動にも影響していることにも言及している。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
振り返り
研究関連テーマ
Story-Telling
コミュニケーション能力
語彙力
スピーキング指導
タスク
テスト・分析方法
自由記述アンケート
多重比較
ピクチャーカード提示課題
5件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.18 2006

地域英語教材“15 Stories of Saitama-ken”(Ver.2)の開発と活用【共同研究】

埼玉県/鶴ヶ島市立西中学校 校長・代表者 吉田 敏明

▼研究概要
本研究は3部構成で,平成14年度に開発した中学生向けのCD-ROM 版地域英語教材“15 Stories of Iruma-chiku”(入間地区の15の物語)を第1部として仮説と検証の結果を述べる。次に,第2部は,題材を入間地区の範囲から埼玉県全体に広げて平成15年度に開発した“15 Stories of Saitama-ken”(埼玉県の15の物語)について起案,取材,編集,校正,教材化,配布方法などについて詳述する。そして,最後の第3部では,平成17年度に1 年間をかけて開発してきた“15 Stories of Saitama-ken” Ver.2 についてこれまでの教材と比べた改善点や取材方法,広報活動,生徒の反応などについて報告する。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
教材開発
研究関連テーマ
学習意欲
自己評価
自作教材
授業計画
内容理解
表現力
テスト・分析方法
自由英作文
自由記述アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

日本人中高生における発表語彙知識の広さと深さの関係

茨城県/筑波大学大学院 博士課程・在籍 小泉 利恵

▼研究概要
本研究の目的は,コミュニケーション能力の一部である発表語彙知識に焦点を当て,発表語彙知識の広さ(中核的な意味を知っている単語がどのくらいあるか)と深さ(ある単語の1つの意味に加え,連想・接辞の知識など他の側面をどの程度知っているか)の2つの関係がどの程度あるかを調べることである。結果は,発表語彙知識の広さの3000語レベルまでの幅広い学習者層で見ると,広さと深さの関係は強く,広さレベル(1000語単位)ごとに見ると,中程度の関係があった。これらの点から,発表語彙知識を測定する際,対象者の発表語彙知識の広さの範囲が幅広い場合には,広さから深さがある程度予測できるが,範囲が狭い場合には,広さと深さの両方を測る必要があることなどが示唆された。
▼キーワード
研究対象
中学生
高校生
研究メインテーマ
語彙力
研究関連テーマ
コミュニケーション能力
コロケーション
語彙知識
語彙力
テスト・分析方法
一元配置分散分析
一般化可能性理論
共分散構造分析
項目応答理論(IRT)
質問紙法(アンケート)
ピアソンの積率相関係数
プロトコル分析
ボンフェローニ法
ラッシュ・モデル
必要技能
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

中学校における正確さと流暢さを同時に高める言語活動の開発とその評価のあり方

高知県/土佐市立高岡中学校 教諭 今井 典子

▼研究概要
中学校学習指導要領(外国語科)の目標である「実践的コミュニケーション能力の基礎」の育成には,実際に行われるコミュニケーションを「教室内でのシミュレーション」として,現実的な場面や目的を想定し,学習した文法知識や語彙などの言語知識を活性化する言語活動が必須である。そのためには,与えられた課題を解決するために,言語知識を場面に応じて実際に運用させる言語活動である,ESL(English as a Second Language)の世界で注目されているコミュニケーションを第一義とするCommunicative Language Teaching(CLT)の考えを基本とした「タスク(Task)」が有効であると考える(Nunan, 2004)。しかし,EFL(Englishas a Foreign Language)というインプットもフィードバックも少なく,学習者の動機付けもそれほど高くない日本の学習環境を考慮した場合,このタスクの理論を基本としながらも,日本の教室環境に適した中学生のためのタスク活動(高島,2000; 2005)が効果的であることが検証されている(Sugiura andTakashima, 2003)。本論は,これらの実証研究を踏まえ,言語使用の正確さを一層高める方法として,タスク活動後にdictogloss(Wajnryb, 1990)の活動を連動させることで,「正確さ」と「流暢さ」を向上させることを試みた研究実践である。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
タスク
ディクトグロス
研究関連テーマ
授業計画
正確さ
タスク
ディクトグロス
メタ認知
リスニング指導
流暢さ
テスト・分析方法
実験群/統制群
スピーキングテスト
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

PC 教室で行う中学生のスピーキング指導
―デジタル映像を利用した即時フィードバック―

神奈川県/山北町立山北中学校 教諭 室伏 秀元

▼研究概要
本研究はあるスピーキング指導法を実践し,その効果についてさまざまな分析を試みたものである。指導法とはWebカメラで学習者のパフォーマンスを録画し,その直後に学習者自身がビデオ映像を見ながら自己評価を行い,仲間や教師からフィードバックを受ける活動である。分析の結果,この活動を4回繰り返すことで発話量と正確さにおいて一定の向上が見られた。また,モデル映像を用意し,クラスごとにモデル映像を見せるタイミングを変えた結果,発話量の上昇の仕方に違いが見られた。これらのデータに考察を加え,本指導法の価値と課題について見解を述べる。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
スピーキング指導
研究関連テーマ
自己評価
フィードバック
テスト・分析方法
フィードバック
4件法アンケート
必要技能
スピーキング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

学習者のクラスター化に基づいたシャドーイングの効果的活用

秋田県/大曲市立大曲南中学校 教諭 吉澤 孝幸

▼研究概要
本研究は,シャドーイングを中学校での授業へ導入する際の効果的なあり方を探索した実践報告である。研究内容は,2つのサイクルで構成される。1つ目のサイクルでは,教科書を題材にし,授業で学習した英文をシャドーイングを通して瞬時に引き出すことをねらった。1つ目のサイクルが終了した段階で,一律的なシャドーイング導入により生じた問題点を洗い出し,次のサイクルを実践する。2つ目のサイクルでは学習者が内在する特徴により11のクラスター(群)に分類し,シャドーイングを通して学習する際,個々の生徒による学習上の特徴や考え方により教材の量や目標を決めていくやり方をとり,実験群と統制群とで比較した。インタラクションの活性化という所期の目的すべてを解決することはできなかったが,生徒の活動の中から心理的負荷が取り除かれ,目的意識を持った活動の様子が観察された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
シャドーイング
研究関連テーマ
インタラクション
シャドーイング
自律性
文法力
テスト・分析方法
クラスター分析
実験群/統制群
5件法アンケート
必要技能
リスニング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.17 2005

第二言語習得を加速させる流暢さのトレーニング
―継続的な「多読」&「書き出し訓練」の効果―

神奈川県/私立栄光学園中学高等学校 教諭 宇佐美 修

▼研究概要
本研究の目的は,正確さのトレーニングと流暢さのトレーニングの両方を,どの段階でどのような割合で行うと高い英語運用能力が身に付くのかということについての知見を得ることである。中学生に対して「多読」と「書き出し訓練」という流暢さのトレーニングを継続的に行うことにより,従来の正確さ中心のカリキュラムに変更を加えた。その流暢さのトレーニングの過程を記述し(実験1),さらにその効果を2種類のプリテスト・ポストテストの実験を行い分析した(実験2,3)。実験の結果,流暢さのトレーニングを受けた生徒たちは,簡単な英文を素早く読んだり書いたりできるようになり,その中でも英語での読書量の多い生徒のほうが少ない生徒と比べて到達度テスト(英語能力判定テスト)の読解分野においてより大きな得点の伸びを見せた。流暢さのトレーニングを受けた生徒と従来の正確さ中心の教授法で学習した生徒と比べると,前者が到達度テスト(TOEIC Bridge)の総合点においてより大きな伸びが見られた。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
流暢さ
研究関連テーマ
正確さ
多読
読解速度
ライティング能力
流暢さ
テスト・分析方法
TOEIC
英語能力判定テスト
質問紙法(アンケート)
実験群/統制群
分散分析
プリテスト/ポストテスト
必要技能
リーディング
ライティング
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

中学校選択英語科のライティング学習における教授ツールとしての簡略ポートフォリオの効果に関する事例研究

千葉県/沼南町立高柳中学校 教諭 松崎 邦守

▼研究概要
本事例研究では,中学校2年生を対象とした選択英語科のライティング学習(50分授業×9回)において,教授ツールとしての簡略ポートフォリオを適用し,その効果について検討した。同ポートフォリオは,Matsuzaki(2003)が看護専門学校1年生を対象としたライティング学習において開発したものを,本研究に即して簡略化したものであった。事後アンケート調査の分析結果から,①本ポートフォリオを活用したライティング学習が,ARCS動機づけモデルの4観点から学習者によって肯定的に評価されており,同学習に対する学習意欲の向上に効果があったことが認められた。また,②本ポートフォリオを特徴づける「ガイドラインの明示」が本ライティング学習に対する見通しに,並びに「カンファレンスの実施」が学習の振り返りや修正及び学習意欲の向上に有効であったことが確認された。更に,事前・事後テストの分析結果から,③本ポートフォリオを活用したライティング学習が,本ライティング学習の目標を達成する上で効果があったことが示唆された。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ポートフォリオ
研究関連テーマ
学習意欲
コミュニケーション
プレゼンテーション
メタ認知
ライティング指導
テスト・分析方法
Χ²検定
自由英作文
自由記述アンケート
分散分析
プリテスト/ポストテスト
ライアン法
3件法アンケート
5件法アンケート
必要技能
ライティング
プレゼンテーション
英検 対象級
-

A:研究部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

音声に対する敏感さと英語学習総合能力との関係

熊本県/熊本学園大学大学院 在籍 福富 かおる

▼研究概要
本研究は,中学生の英語学習総合能力(注1)と「音に対する敏感さ」すなわち,音識別能力との関係を明らかにすることを目的としている。検査方法として音識別能力を言語音識別能力と楽器音識別能力の2つに分類し,更にこれら2つの識別能力をそれぞれ声調聴取,和音高低聴取,和音音色聴取に分けて検証した。 調査の結果明らかになった点は次の4点である。(1)言語音識別能力と「書くこと」,「読むこと」の能力には有意な高い相関関係が見られる。(2)言語音識別能力は英語学習の初期段階で直接的に影響を及ぼしていると考えられる。(3)英語学習総合能力が低い学習者ほど音識別能力を頼りとする学習段階にあり,音識別能力の養成は重要な意味を持つ。(4)音声記憶能力は,英語学習総合能力のみに影響力を持つ独立した能力と考えられ,この能力は音声識別能力にはかかわりを持たない。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
英語運用能力
音声識別能力
研究関連テーマ
リスニング能力
リーディング能力
テスト・分析方法
英検問題(リスニング)
重回帰分析
ピアソンの積率相関係数
リスニングテスト
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
英検 対象級
-

B:実践部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

Scaffoldingがグループ活動を通してコミュニケーション能力や文法能力育成に与える効果の検証

北海道/常呂町立常呂中学校 教諭 佐藤 大

▼研究概要
「実践的コミュニケーション能力の育成」のため,英語の授業では,グループ活動が多く取り入れられている。本研究では,グループ活動で約2か月間,継続的にQuestions を与えることにより,それぞれの生徒たちの発話の質や量においてどのような変化が現れるか,またグループ内で生徒が互いに教え合うことによりどのくらい学習効果があるか,更に,文法力がどのくらい向上するかの検証を行った。研究はscaffolding(足場作り)の理論と方法を通じて進めた。 グループ活動におけるscaffolding の効果は,本研究によりある程度見ることができた。また,Japanese Teacher of English( JTE) とAssistant Language Teacher(ALT)の二者からscaffoldingを与えることにより,上位グループ・中位グループはもちろん,下位グループにも効果が見られた。ゆえに,scaffolding の概念は,外国語学習にとって有効な方法であると思われる。更に長期的にグループ活動を通してALT の協力の下にscaffolding を与えるとことにより,コミュニケーション能力や文法能力は一層向上していくことであろう。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
Scaffolding(足場づくり)
研究関連テーマ
ALT
JTE
コミュニケーション能力
文法力
テスト・分析方法
-
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
-

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

中学生(英検3級)はALTの修正フィードバックをどの程度知覚するのか
―対話者と傍聴者のlistening positionの違いによる知覚量の分析―

北海道/伊達市立伊達中学校 教諭 大塚 謙二

▼研究概要
本研究は,中学3年生(英検3級取得者)が,ALT(Assistant Language Teacher)とのjigsaw task を用いたinteraction(相互交渉)を通して,ALT から戻される修正feedback をどの程度理解しているのかを質的量的に調査することを目的としている。 また,英語の授業に目を向けてみると,教室環境ではALT や日本人教師(JTE)が学級全体の中で生徒と英語でinteraction をすることも多く見られる。それが行われている場面では,生徒たちは対話者(interlocutor)と傍聴者(auditor)という2種類の立場になっている。本研究では,このlistening position の違いがfeedback の知覚量にどのような影響を及ぼすのかについても調査した。 更に,task 活動を繰り返すことや普段の触れあいによって生じるALT との親近性の増加(緊張感の低下)がfeedback の知覚にどのような影響を及ぼすのかも検証してみた。 結果としては,task を実施する上で,意味のやり取りに大きく影響する発音と語彙に関するfeedbackは比較的知覚されていたが,言語の構造に関するものは,それに比べてあまり知覚されていなかった。また,listening position の違いでは,傍聴者の方が対話者よりもfeedback を10%程度多く知覚することができていた。さらに,ALT との親近性が高まるとともに緊張感が低下し,feedback の知覚量が増加した。
▼キーワード
研究対象
中学生
資格・検定試験受験者/試験問題
研究メインテーマ
ALT
フィードバック
研究関連テーマ
ALT
インタラクション
英語運用能力
フィードバック
テスト・分析方法
スピーキングテスト
4件法アンケート
必要技能
リスニング
スピーキング
英検 対象級
英検3級

C:調査部門

STEP BULLETIN vol.16 2004

英語ドラマ活動は、中学生の英語習得・英語学習にどのような影響を与えるのか

兵庫県/兵庫教育大学大学院 在籍 井村 哲也

▼研究概要
東京都中学校英語教育研究会の事業部は,既に50年以上にわたり「東京都英語学芸大会」を実施している。毎年12月の第1日曜日に,東京23区及び各地域ブロックの代表の中学生が「スピーチ」と「英語劇」の2つの部門に分かれて発表を行い,互いに高いレベルで競い合い学び合う。10数年前に,一観客としてこの大会を鑑賞した筆者は,そのレベルの高さに驚き,翌年から10年以上にわたって英語劇を実践することとなった。 「ドラマは心の叫び~魂を言葉に乗せて」これは筆者が1999年,『STEP 英語情報』7,8月号に,東京都大会の体験をもとに書かせていただいた実践報告と英語劇の指導に関する拙文のタイトルである。皮肉なことに,ドラマの本質を語るこの言葉は,科学的なデータをもとに現象を検証する実証的な研究領域においてドラマ活動の価値の検証がいかに難しいかをも示唆しているのである。Edmonson(1985)は,「ドラマ活動は様々な要因が複雑に絡み合ってできているconstruct(構成概念)である」と指摘している。実証的研究分野でのドラマ研究が少ないのはこのことも大きくかかわっているものと考えられる。筆者は,実践者であり研究者であるという自らの利点を生かして,この多面性を持ったドラマ活動の「英語学習,習得における価値」を,先行研究(実証的でない文献も含める)を土台に,実証的研究分野の枠組みで検証すべく本研究に取り組んだ。
▼キーワード
研究対象
中学生
研究メインテーマ
ドラマ活動
研究関連テーマ
英語運用能力
オーラル・コミュニケーション
情意面
内発的動機づけ
メタ言語能力
テスト・分析方法
自由記述アンケート
スピーキングテスト
分散分析
5件法アンケート
必要技能
リーディング
リスニング
ライティング
スピーキング
英検 対象級
-