Leo Lionni 文・イラスト
A Color of His Own
今回ご紹介する絵本の作者Leo Lionniといえば、小学生のお子さんには教科書に出てくる『スイミー』の作者として馴染みがあるのではないでしょうか。オランダに生まれ、後にアメリ カに渡った著者は、絵本作家、イラストレーター、グラフィックデザイナーとして多彩な才能を発揮し、ほかにも『あおくんときいろちゃん』(原題 Little Blue and Little Yellow)など世代を超えて読み継がれている数々の名作を残しました。
さて本書はそんなLionniの絵本の中でも、独特の鮮やかな水彩画が目を引く一作です。主人公のカメレオンが、他の動物たちにはそれぞれ独自の色がある のに自分には決まった色がないことを思い悩み、その色を探しに出かけるというお話です。ぴったりの色がなかなか見つからないなか、カメレオンは一匹の仲間 に出会います。
やがて二匹の間に友情が芽生え、友達という宝物を見つけたことで、彼の自分探しの旅もハッピーエンドを迎えるのです。Lionniの他の作品と同様本作も メッセージ性の強い作品で、子どもだけでなく大人も楽しめると思います。なお、『スイミー』を始め、Lionniの作品の邦訳を多数手がけている谷川俊太 郎による本書の日本語版は、『じぶんだけの いろ ―いろいろさがしたカメレオンのはなし』というタイトルになっています。