太田ゼミ (取材当時:3年生)
名古屋外国語大学 外国語学部 英語教育学科

英語科教員を目指し、ともに学び合い、日々努力を重ねる学生たち

名古屋外国語大学 外国語学部 英語教育学科3年生(取材当時)の学生たちは、「“本気”で英語科教員を目指す人を求める」という太田光春教授の言葉に惹かれて太田ゼミナールを選んだ。 小・中・高等学校の教員を目指して、授業を英語で行うための指導法や英語表現などを身につけ、授業だけでなく授業外の時間にも英語に触れる機会を増やそうと努力を重ねている。目指している英語科教員像、英語学習との向き合い方についてお話を伺った。

< 太田ゼミメンバー:出席者10名+留学中1名 計11名 >
取材日現在

  • 新田 武蔵  さん:高等学校教員志望、英検準1級
  • 珠玖 麻由佳 さん:小学校教員志望、英検準1級
  • 羽場 遼太  さん:中学校教員志望
  • 土屋 京太  さん:中学校教員志望、英検準1級
  • 三島 瑛樹  さん:中学校教員志望、英検準1級、Griffith University(オーストラリア)に3カ月の交換留学予定(名古屋外国語大学より留学費用全額支援)
  • 春日 優希  さん:教員志望、Selkirk College(カナダ)に半期の留学(名古屋外国語大学より留学費用全額支援)
  • 山本 夕莉佳 さん:中学校教員志望、英検準1級
  • 近藤  海  さん:教員志望
  • 川上  馨  さん:高等学校教員志望、英検準1級
  • 大澤 慎吾  さん:University of the Highlands and Islands(イギリス)に半期留学予定(名古屋外国語大学より留学費用全額支援)
  • 北村 美月  さん:University of Lethbridge(カナダ)に1年間留学中(名古屋外国語大学より留学費用全額支援)
  • ゼミ生11人中、1人は留学中。2018年12月現在、6人が英検準1級に合格しており、全員が英検1級取得を目指しています。
  • 名古屋外国語大学の「留学費用全額支援」制度には審査があります。

なぜ、英語科教員を目指したのですか?

新田:中学生の頃は英語があまり好きではありませんでした。高校生になり、英語科教員である学級担任の先生と出会い、英語の楽しさや学ぶことの楽しさに気づきました。定年を迎える直前まで、英語はもちろん英語以外の言語も熱心に学び続ける姿勢を尊敬し、自分も先生のように英語を学び続け、英語を学ぶ楽しさを伝えることで、自発的に興味を持って学び続ける生徒を育てたいと考えるようになりました。

山本:私は中学、高校の英語の先生に大きな影響を受けました。高校では、英語の先生が自身の途上国でのボランティア活動の経験を話してくれました。英語を使えると海外で活動することができるのだと分かり、私も先生のように、英語を使って世界に出ていきたいと思ったのがきっかけです。

春日:私も高校生の時、英語の先生が大学時代に留学した話を聞いて影響を受け、英語を学び続けようと思いました。そして、大学生になり3年次にカナダへ4カ月半の交換留学に行きました。留学先では、第一言語が異なるさまざまな国の人たちと出会い、英語を通していろいろなことを学びました。寮ではよく、食文化や教育環境の違いについて話し合い、国による教育環境の違いに興味を持ちました。

三島:私が英語の勉強を本格的に始めたのは高校2年のときでした。教員になりたいという気持ちがあり、大学に行くことは決めていましたが、当時の英語の偏差値は40以下。受験勉強が始まり、英語と向き合うなかで、担任の先生と一緒に努力して英語を学んだ分、実力もついて、自信がつきました。最初から英語科教員になりたかったのではなく、「教師」という職業への憧れが出発点です。身体を動かすことが得意なので、体育科教員を考えましたが、英語学習を支えてくれた担任の先生から英語科教員を勧められ、チャレンジすることにしました。あの先生との出会いがなければ、今の自分はなかったと思います。

高校ではどのような英語学習をしていましたか?

新田:大学入試や定期考査で良い成績を取るための勉強をするばかりでした。本当はそのような勉強の仕方では楽しくありませんが、当時は入試のためと割り切って勉強していました。せめて学んだことが自分の知識となればと思いましたが、テストのために覚えたことは、結局あまり身についた気がしません。

土屋:私の学校は、英語使用7割、日本語3割の授業でした。比較的、英語を使って授業を受けていた方だと思います。

珠玖:教科書の例題などをひたすら解くばかりでした。授業は日本語で行われていました。卒業までに全員が英検準2級まで合格することが目標になっていて、1年生修了時に3級に合格できていない場合には補習がありました。

春日:私は英語が好きだったので、自分の英語力が今どのぐらいなのかを確かめたくて、自主的に英検を受けました。でも、英検は一次試験までは普段の授業で学んでいることがそのまま通用しますが、二次試験では英語を話さなければならず、授業では英語を話す機会がなかったので、面接の場で英語を話せるか不安で焦りました。

大学入学後はどのような英語学習をしていますか?

三島:入学早々、授業が英語で行われたことに驚きました。最初は先生やほかの学生の発言の内容が理解できませんでした。ペアワークでは自分より英語ができる人がたくさんいて、「これではまずい!」という衝撃が走ったことを今でも覚えています。

羽場:高校では文法を中心に勉強してきましたが、大学では、授業で英語を話す場面が多いことに驚きました。授業で発言するには、事前に準備をしないと話すことができないことを痛感し、努力するようになりました。通学時には、授業で使うフレーズを決めて、必ず1回は発言するように意識しました。

川上:大学1年次に図書館で勉強していたら、私以上に勉強している人がいて、それが近藤くんでした。彼は毎日、午後8時まで残って勉強していて、すごいと思う反面、負けたくないと思い、それがモチベーションになりました。太田ゼミでは授業で全員が毎回必ず発言をする、というルールがあります。議論は誰かが何かを発言しなければ始まりません。そのため、ほかのメンバーが発言せずに黙っていたら、まず自分から口火を切るようにしています。

なぜ、太田ゼミを選んだのですか?

川上:2年生の時にゼミ紹介の場面で、太田先生がおっしゃった「“本気”で教員になることだけを考えている学生に来てほしい」という言葉に惹かれました。実は当時はまだ、教員になるか、就職活動をするかを迷っていた時期でした。教員になりたくてこの学科に入学したものの、教員の置かれている現実を知るにつれ、業務の多忙化などの問題が見えてきました。そのような状況でも自分は教員として働き続けられるかと不安だったのです。でも、太田先生の「本気」という言葉で、教員になる覚悟が決まりました。

土屋:ゼミ生全員が同じ目標を持って学べるのは、本当にいい環境だと思います。ゼミを履修する前に受けた太田先生の授業では、ペアワークで学生同士が話したり、英文を読んだりする機会がありました。太田先生のような高い指導技術を持った先生のもとで学びたいと思いました。

三島:太田ゼミに入ってから、授業外で英語に触れる機会を増やすようになりました。3年生になると、必修科目の授業数が減り、自発的に学んでいないと英語力が落ちてしまうので、いろいろな方法で英語に触れ、学習を続けるようにしています。

川上:マイクロティーチングで取り入れたアクティビティーに対して、それは生徒にどのような力をつけさせたいから取り入れたのかということを追求されます。毎回、授業づくりの意図を明確にすることの大切さを考えさせられます。太田先生から、「授業は、教員が自分の知識を披露する場ではなく、主役はあくまで生徒」だと学びました。教員はあくまで児童生徒の学びを支える存在であり、児童生徒が主役の授業づくりをしていきたいと思っています。

目指す教員像は?

珠玖:私はゼミ生で唯一、小学校教員を目指しています。小学校でも英語が教科化されますが、小学校では英語に興味を持たせることがまず大事です。それが中学校、高等学校で学ぶ基盤となるからです。そのため、単に楽しいゲームやアクティビティーを取り入れるのではなく、子供たちが活動を通じて単語でもいいから英語を発し、英語に興味を持つことができるような授業づくりをしていきたいです。

羽場:私は自分自身が中学時代に一番成長したと実感しているので、その時期の生徒たちに接したいと、中学校教員を目指しています。英語を通して生徒が成長してくれたらうれしいですね。そして、自分も生徒たちと一緒に成長し続けたいと思います。

春日:私は太田先生のように、生徒に何らかのギフトを与えられるような教員になりたいです。クラスや授業をつくるのは生徒のため。自分の知識をみせびらかすためではないのだと、太田先生から学びました。生徒のためのより良い授業をつくっていきたいです。

近藤:英語を教えるというよりは、英語を通して人を成長させられる先生になりたいです。太田先生の授業を受けている人はみな、それを思っているはず。生徒が主体的に英語で活動する授業を展開していきたいと考えています。

大澤:明るい性格を生かして、生徒とのコミュニケーションを積極的に取っていきたいと思います。2020年度から共通テストが始まり、英語は4技能を評価されることになりますが、4技能を伸ばしつつ、生徒を寝かさない授業をつくりたいと思います。そのための指導力を高めていきたいです。

オススメの英語学習法や教材を教えてください

川上:趣味と英語を関連付けると、学習を続けやすいと思います。私の趣味はスニーカーを集めることですが、スニーカーの新しい情報を知りたくて、日々、YoutubeやWebサイトを見ますが、英語のニュースソースしか存在しない場合もあります。自分が好きなことについての記事を読んでいるときは、たとえ英語が難しくても、読むことが苦痛にはなりません。もし、英語が苦手でも、スポーツが好きな人なら、スポーツ実況を聴いたり、海外のスポーツ雑誌を読み始めたりすることから英語に触れることをオススメします。また、太田先生にはTED Talkを活用するように勧められています。普段はYoutubeで英語を聞いています。「バイリンガール英会話」のちかさんの実体験に基づくレッスン動画は面白いです。

山本:たくさんの英語に触れることが本当に大事だと思います。私も1年次は、レベル1の洋書しか読めませんでしたが、学年が上がるにつれ、次のレベルを読もうと思うようになりました。まずは、読み進められそうなレベルの本から読み切って自信をつけ、徐々にレベルを上げていくのがいいと思います。レベルに合っていないと、結局は読めずに挫折してしまいますから。あとは、アプリでBreaking News Englishをよく使っています。1つのトピックで短めなので読みやすく、自分のレベルに合わせて選べます。リスニングのスピードも6段階ぐらいあり、速度は普通を選ぶと、イギリス英語、アメリカ英語から選べます。

新田:スマートニュースのスマホアプリを活用しています。基本的には日本語のニュースサイトですが、設定を英語に変えると、いろいろな情報を英語で読むことができます。記事中の分からない単語はすぐにウェブ検索で意味や発音を調べることもできます。電車での移動中にも読めて、情報収集に便利なアプリです。

春日:私はPodcastを使って、アメリカと日本のハーフの方が配信している日常会話集を聞いています。ネイティブが使う単語や表現を解説してくれるので、耳で聞いて覚えたフレーズを、実際に次の日に使うように意識しています。スピードやレベルも選べるので、初心者でも楽しめると思います。

太田光春先生から見たゼミ生たち

学生たちは、英語科教員を「本気」で目指すという志願理由でゼミに入ってきてくれたので、私も「本気」でこの学生たちを先生にしたいと思い、迎え入れました。しかし、教員は「なりたい」という情熱だけで成り立つ仕事ではありません。教育には、時間と労力をかけること、粘り強さも大切だと伝えています。

また、自身が児童生徒のロールモデルになることを理解するよう指導しています。私自身が学生たちのロールモデルになれているかどうかは分かりませんが、彼らは今後、小・中・高等学校の教員となり、先生の影響を受けやすい年代の子供たちを相手にすることになります。教職は、子供たちの成長にかかわる仕事であり、教員自身がロールモデルにならなければなりません。

そのために、まずは「人」として成長させたいと思い、指導しています。教員を目指すのであれば、生活規律を見直すことから始めること。そして、授業はすべて英語で行うことが求められます。ゼミでは、学習指導要領やCAN-DOリスト、CEFRについて理解を深め、英語で議論をしています。ほかにも、文部科学省が制作したDVDを見て、コメントをし合うこともしています。マイクロティーチングを行う際には、ゼミ生同士が互いに英語でコメントや助言をするというフィードバックをしています。

1年間指導してきたなかで、学生たちの授業を見る眼はだいぶ育ってきたと思います。きっと、いい先生になるだろうと、今からワクワクして見ています。宝物のような存在です。さらに努力と学びを続けていってほしいと思います。