英検2・準2級 & センター試験
一石二鳥の英語対策講座

英検2級または準2級の合格を目指しながら、大学入試センター試験英語でも高得点をねらいましょう。
全10回の連載で、真の英語力を鍛える効果的な学習法を伝授していきます。

第1回 Overview

センター英語リスニングはあなどれない!

 まず、グラフ1を見てください。この表は、センター英語リスニング試験の過去8回の平均点(満点50点)を示しています。初回(2006年)を除くと、平均点はおおむね24~32点、つまり、5割~6割で推移していることがわかります。国公立大学や私立の難関大学を目指す受験生は、センター英語の筆記試験で8割以上の得点が求められます。リスニングが6割程度の得点率では、足を引っ張ることになりかねません。配点が50点とはいえ、あなどれないのがセンター英語リスニングなのです。

高校生の約8割が英語を聴く習慣がない

 実際、多くの受験生がリスニングを苦手とし、または敬遠し、その対策が後回しになることが多いようです。私が高校3年生約400人にアンケート調査を行ったところ、その約3分の1(32.7%)が英語学習にリスニングをまったく取り入れていないこと、約半分(46.5%)が1割以下であることがわかりました(注1)。つまり、高校生の約8割が、日頃から英語を聴く習慣がないのです。読者のみなさんは、どうでしょうか。

リーディング力を支えるリスニング

 軽視されがちなリスニングですが、大学入試で重視されるリーディング力を支えてくれることをご存じでしょうか? 私たちは、文字を読んで理解する過程で、脳内で文字を音声化していると言われています。これは、日本語でも英語でも同様です。声に出して読めない文章が記憶に残りづらいのは、音声化できないことで、理解のレベルが浅くなってしまうことが原因です。そこで、リスニング力を強化し、音声と文字の一体感を高めることで、速く深く読めるようになります。

会話文対策にも効果抜群!

 センター試験を含めた大学入試は、本年度からの新学習指導要領の実施を受けて、より音声重視、コミュニケーション重視の試験へとシフトしていくことが予想されます。2年後、今の高校1年生が大学を受験する時には、センター英語リスニング試験の配点が現行よりも大きくなる可能性もあるかもしれません。

 さらに、センター試験を含めた近年の大学入試問題では、会話文の出題が増えています。日頃からリスニングを通して会話文特有の言い回しや語彙に慣れておくことが、会話文対策としてはもっとも有効でしょう。

センター英語リスニングと英検リスニングの似ているところ

 そこで、センター英語リスニング対策として役に立つのが英検です。センター試験と異なり、英検には毎年3回の受験チャンスがあるので、ペースメーカーになります。英検でリスニングの力をつけ、バランスのとれた英語力を養い、センター英語で高得点をねらいましょう。

 表1を見てください。実際、センター英語リスニングと英検2級や準2級のリスニングの問題は、出題形式がかなり似通っています。具体的には、センター英語リスニングのpart2(応答文選択)は、英検準2級リスニングのpart1で対応が可能でしょう。また、センター英語リスニングのpart3A(やや長めの対話文)は、英検2級リスニングのpart1、 準2級リスニングのpart2の対策をすることでカバーできます。さらに、センター英語リスニングのpart4A(やや長めのトーク)は、英検2級のpart2、準2級のpart3がいい練習素材になります。

 ■表1: センターリスニング試験と英検2級・準2級リスニングの対応表

センター試験 英検2級 英検準2級
リスニング Part 1 短い対話
リスニング Part 2 適切な応答 Part 1 *
リスニング Part 3A やや長い対話(40-55words) Part 1 (約70words) Part 2 (約50-60words)
リスニング Part 3B 長い対話
リスニング Part 4A やや長いトーク(90words) Part 2 (約60-70words) Part 3 (約50-60words)
リスニング Part 4B 長いトーク(180-200words)

 * 選択肢は問題冊子には印刷されていない

センター英語リスニングと英検リスニングの異なるところ

 一方、センター英語リスニングと英検リスニングとでは異なる点が2つあります。1つは、音声が流れる回数です。センター英語リスニング試験では2回ですが(平成24年現在)、英検リスニングでは1度しか聴くことができません。つまり、英検で1度だけ音声を聴いて内容を処理する英語力と集中力を鍛えておけば、センター英語リスニングではかなりの余裕を持って聴くことができるのです。

 もう1つの重要な違いは、試験環境です。センター英語リスニングでは受験生一人ひとりにICプレーヤーが配布され、イヤホンを使用してリスニング試験を受けます。一方、英検リスニングでは教室に設置されたスピーカーから流れてくる音声を聴き、リスニング試験を受けます。つまり、英検のほうがより集中力の求められる状況で試験が実施されるわけです。厳しい状況下でリスニング試験を受けておくことで、センター試験本番では自信と心の余裕が生まれることでしょう。そしてそれが、本番での結果に結びつくのです。

まとめ

 今回はOverviewということで、リスニングの重要性を中心にお伝えしてきました。次回からは、実際の英検の問題を使いながら対策法をご紹介していきます。1年間、いっしょに頑張っていきましょうね。

(注1) 柳川 浩三  『教師はリスニングを教え、生徒は英語を聞いているか』 Dialogue, 11, 1-14.

Profile

柳川 浩三 (やながわ・こうぞう)

法政大学理工学部准教授。Ph.D(ベッドフォードシャー大学大学院(英国)。日本大学文理学部英文学科卒。神奈川県立高校の英語教師として25年間勤務したのち、現職。専門は英語リスニングおよび言語テスト。趣味は剣道(現在、剣道錬士六段)。


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