開催概要:2022年1月13日(木) ライブ配信
主催: 公益財団法人 日本英語検定協会
共催: 株式会社Wiz We
登壇者: KDDI株式会社 エンジニアリング推進本部 教育・人財育成担当 門脇 充輪子氏
公益財団法人 日本英語検定協会 ビジネステスト事務局担当者
・KDDI株式会社に学ぶ!グローバルビジネスで通用するスピーキング力強化の取り組み
・対面型スピーキングテストGCASの特徴・導入事例
グローバル化が進む中、企業では英会話に留まらない実践的な英語力が求められるようになり、人材の英語力の指標としてビジネスに特化したスピーキングテストを活用する企業もまた増えています。
本セミナーでは、対面型スピーキングテストGCASをご活用いただいているKDDI株式会社 エンジニアリング推進本部 教育・人財育成担当 門脇 充輪子氏をお招きし、グローバルビジネスで通用するスピーキング力強化の取り組みをお話しいただきました。
KDDI株式会社 エンジニアリング推進本部 教育・人財育成担当
門脇 充輪子氏
KDDIでは、個人レッスンとグループレッスンの2種類の英会話レッスンを、それぞれ異なる社外の研修会社に依頼しているそうです。個人レッスンでは、英語の基礎固めとなる発話練習を毎日行います。これを、野球で言えば自主練や素振りのような基礎練習であると門脇氏は語ります。
グループレッスンでは、週1~2回、3~4名の人数でネイティブスピーカーの講師とのレッスンを行っているそうです。これを練習試合と例えています。このように、個人レッスン(基礎練習)とグループレッスン(練習試合)を組み合わせ、より実践に近い形で発揮できる機会を設ける9カ月間のプログラムを実施しています。
個人レッスンのプログラムでは、最初の3カ月で基礎的な英会話を学んだ後、受講者の英語レベルに合わせて、通信技術に関する専門用語も組み込まれていきます。例えるならば、まずは3カ月間白いご飯を食べ、基礎力が付いたら、次に白いご飯に牛丼の具を乗せて食べるような段階的に進化するトレーニングメニューだと門脇氏は言います。具の部分にあたる通信技術のコンテンツは、研修会社と協働して作成したそうです。
グループレッスンの内容は、KDDIグループである英会話イーオンと共同で設計を行っています。こちらも通信業界に特化した語いや事例を取り上げて、実践的な英語を身に付けることができるように工夫されています。また、業務内容や英語レベルという軸で参加者を丁寧にグループ分けすることで、一体感や共通点をもって楽しんでレッスンに参加できる点もポイントとなっていると門脇氏は話します。さらに、毎月一人一人が個別フィードバックを受け、それを仲間と共有する環境が生まれたことで、自身のスキルアップの状況を知り、互いにフォローしながら学習に取り組む姿勢が見られたそうです。
GCASを導入した決め手は、英語力に加えて、分析力や交渉力など、ビジネスの実践で必要となるスキルも併せて測定できる点であったと門脇氏は話します。その他にも、対面型で実際の会話に近いテスト形式であることや、試験時間が15分と忙しいビジネスパーソンでも受験しやすいテスト時間設定であることもメリットとして挙げられました。また、オンラインでの受験が可能であるため、企業人事担当者の立ち会いが不要、さらには受験スケジュールの調整も協会に任せることができる点も魅力的であったと言います。
今回の取り組みでは、効果測定のためGCASを3度実施した、と門脇氏は話します。また、2回目と3回目の受験の間には対策セミナーを開催し、後半の研修離れを防ぐと同時に参加社員の更なるモチベーション向上を目指したと言います。
今回取り組んだ研修は9カ月間、オンラインのみの実施でした。そのため、長い期間を受講者が完走できるようサポートするためには、受講のマインドセットと、受講者同士の一体感醸成が必要ととらえ、研修開始前にセミナーを開催したそうです。これは英語に対して苦手意識を持つ受講者にも、どうして英語を学ぶ必要があるのかという点について納得感を得てから学習をスタートしてもらうことを目的としていたとのこと。
事前セミナーでは、研修やGCASの概要説明に加え、研修のオーナーである部門の本部長や海外勤務経験のある部門長から、自身の語学経験のエピソードを交えながら受講者へ期待している内容についてメッセージを伝えることで、受講者の学習意欲を高められるように工夫したと言います。
更に研修開始から3カ月後には、学習者のモチベーション維持対策として中間セミナーが実施されました。中間セミナーでは、個人レッスンの受講率低下を防ぐため、受講率上位の社員を表彰するとともに、研修会社から英語学習を習慣化するためのコツを紹介しました。
研修終盤には、学習にメリハリを付けるためのイベントも開催されました。研修後期になるとグループレッスンの受講率に低下の兆候が見られたため、その対策として普段はパソコン越しでしか会うことのないネイティブ講師と実際に顔を合わせての対面レッスン、そして、受講者が講師を英語で案内するオフィスツアーを開催しました。このようないわゆる「オフ会イベント」を行った結果、グループレッスンの受講率上昇やメンバー同士の研修に関する会話の盛り上がりが確認でき、企画者として確かな手応えを感じることができたと言います。
「英語研修の取り組みは始まったばかりでまだ終了しておりませんが、現時点で想定以上の効果が出ていると感じています。」と門脇氏は話します。今後の課題として、業務で英語を使う社員へのさらなる学習機会の提供が必要になると感じていることから、これを次なるステップと捉えていると述べられました。
公益財団法人 日本英語検定協会 ビジネステスト事務局 担当者
セミナーの後半では、日本英語検定協会ビジネステスト事務局担当者から、GCASの概要や導入メリット、そしてコンシェルジュサービスについて説明がありました。
GCASとは?
ビジネスパーソンに求められる英語力を測定するテストGCAS。テストは実際のビジネスシーンを想定したコンテンツで構成され、15分で受験者の英語力を可視化することができます。フィードバックは、グローバルスタンダードであるCEFRに基づき評価を行っており、CEFRと同時にGCAS独自のスコアも表示されるため英語能力をより詳細に把握することができると話します。
GCASの受験方法
従来、GCASは、Examinerが企業に訪問し、会議室で受験者と対面で試験を実施してきましたが、昨今のワークスタイルの変化を受け、2021年9月よりビデオ会議ツールのZoomを利用したリモートでのGCAS受験のサービス提供を開始しました。「これにより、システム要件を満たし、試験に適した環境を確保いただくことで、在宅での受験も可能となりました。受験人数や勤務の状況に合わせてご希望の受験スタイルを選択できるようになり、利便性が格段に向上しています。」と紹介しました。
また、受験申込についても、スケジュール調整システムを活用することにより、導入企業、そして受験者にとって非常に負担の少ない形での実施が可能になったといいます。1カ月で約600名の受験実績がある企業も存在するそうです。試験結果となるテストスコアは、10営業日後を目安に返却され、受領方法についても紙または専用ウェブページでの閲覧から選択できる仕組みです。フィードバックまでのスケジュールについては受験者数によっては規定日数よりも早く返却が可能な場合もあるため、ぜひ事務局に相談してほしいとアナウンスしました。
コンシェルジュサービスのご紹介
続いて、担当者より企業担当者様の負担軽減を目的としたコンシェルジュサービスを紹介しました。社員の受験スケジュールの調整から受験案内メールの送付、ビデオ会議システムの利用サポートなどの代行サービスを展開。テストの実施だけでなく、実施までの手続き等についてもサポートを提供していると話しました。
また、業種別や年次推移などのスコアデータ分析についても対応を行っており、組織のスキル可視化のサポートも可能であると案内しました。
GCAS活用事例
GCASの活用方法は大きく分けて左記の4つに分類されます。 企業様ごとに業務で必要となる英語レベルを設定することで、スキル可視化の手段としてテストを活用されています。
“ビジネスを動かす英語力”を測定する対面式スピーキングテスト
本レポートに関するお問い合わせ:
担当 日本英語検定協会 GCAS事務局
TEL) 03-3266-6366
Email)GCAS @eiken.or.jp
平日9:30am-5:30pm