当社の事業は、公共および産業のインフラ設備、いわゆる電力供給や水環境などに関連した事業が多いので、売り上げも国内事業の割合が高くなっています。し かし、国内のインフラはすでに整備されており、政府の方針で公共事業も抑えていく傾向にあるので、国内市場の成長は見込みにくい状況になってきました。そ のため、東南アジアなどを中心に海外市場への展開を強化しており、これから５年間で海外売り上げの倍増を目指しています。

このような事業目標の下、当社が新入社員採用の場面で求めている人材は、日本を飛び出して、新たな世界に臆せず飛び込めるバイタリティのある人です。ま た、日本とは異なる文化や考え方があるということを十分に理解した上で、人間関係を構築できる柔軟性のある人を求めています。

そういう意味でも、若い時期に『留学をしよう』と考え、それを行動に移して異文化の中に身を置いて、積極的に何らかのモノを得ようとした留学経験のある学生というのは、当社のニーズに合致しているといえます。

留学経験のある人を求めているとはいえ、『留学経験があるから即採用』というわけではありません。また、語学力が最重視されると考える留学経験者もいるよ うですが、当社の場合は語学力そのものが採用の合否を大きく左右するということはありません。語学力も大切ですが、語学は集中的に勉強すれば伸びるものな ので、最も重視しているかというと、そうではないのです。

当社が留学経験者の評価をする上で、最も重視しているのは『しっかりとした留学』をしてきたかどうかです。『しっかりとした留学』をしてきた人からは、そ の人の行動力や積極性、異文化対応への柔軟性など、個人としての資質が面接などで伝わってきます。そのような留学経験者は、困難に直面してもそれを乗り越 え、解決できる力がある人なので、高く評価しています。

また、『しっかりとした留学』ができた人が必ず得てきている財産として、日本の中にいては感じられない日本に対する他国からの評価や、日本人学生と外国人 学生の母国への関心度の違いなど、外に出たことで得た日本への『気づき』があります。そのような『気づき』を持っている人は、語学力を磨くというステップ をきちんと踏んで、その過程の中で異国の人たちと人間関係を築いてきた人です。

ただ反対に、留学経験者でも面接などで『滞在しただけ』という印象を受けた学生、語学力を極めたのでもなく、何を目的にして何をしてきたのかが伝わってこない場合は評価できません。

留学というのは形がないものを得てくる機会ですので、就職に通用するのかというところを心配している人も多いと思います。しかし、最近ではどの会社でもい われていることですが、最重要視しているのは『人間力』です。会社のチームの中で人間関係を作り、スムーズに仕事を進めていったり、自分に何ができるのか を即座に把握する能力が求められています。

留学では、語学を勉強していく中で、必ず周囲の人間と関係を作り、話をしていかなければなりません。その中で鍛えられる『人間力』は、仕事をする上で一番大事なものですので、留学したいという気持ちを経験に置き換えて、レベルアップして帰ってきてほしいと思います。

また、留学中の心構えやがんばりはその後のみなさんの成長に大きく影響します。一生懸命に勉強して、社会人としての教養を身に付けてきてほしいと思いま す。留学中は、授業でインプットしたものをアウトプットする機会が日常生活の中にたくさんありますので、大いにその機会を活用してください。

当社では、留学生向けの就職フェアなどに参加しています。これからもグローバルな人材を確保するために、積極的に留学経験者を採用していきたいと考えています。