1 is One

Tasha Tudor著

今回は春の訪れが感じられるこの時期にぴったりな、美しい草花や動物の挿絵が楽しめる一冊をご紹介したいと思います。アメリカでもっとも有名な絵本画家・ 挿絵画家の一人であるTasha Tudorによって書かれた本作は、"1 is one"というタイトルから想像できるように、数の数え方がテーマになっています。1から10までの数字の本は多数ありますが、本書は20までの数を扱っ ており、そのうち奇数のページはカラーで、偶数のページはモノクロで描かれています。

また、韻を踏んだリズミカルな本文も非常に魅力的で、目でだけでなく耳で楽しむことができます。Tasha Tudorは2008年に92歳で亡くなるまで、生涯に100冊近い絵本のイラストを手がけました。その才能は園芸家としても発揮され、57歳のときに バーモント州に移り住んでからは、庭造りが彼女の生活の中心となりました。

その後30年以上にわたり自ら広大な庭の手入れをし、草花のスケッチを楽しんだのです。本書が描かれたのはそれ以前のことですが、ふんだんに登場する草木 や動物たちの精細なスケッチからは、自然へのあふれんばかりの愛情が伝わってきます。Tashaが本書に込めた願いどおり、「子どもたちが楽しみながら数 を学べる」一冊だと思います。なお、本作は前々回にご紹介したSnowと同様、コルデコット賞の次点に選ばれています。

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