Animalia

Graeme Base 文・イラスト)


今回ご紹介するAnimaliaは一風変わったアルファベット絵本です。表紙を開けるとタイトルの下に、Animaliaという動物王国に読者をいざなう 作者Graeme Baseからのメッセージが書かれています。さらにページをめくるとアルファベットの各文字で始まる動物たちが飛び出してくるのですが、本書の魅力はそれ だけではありません。各ページにはその文字で始まる文章とイラスト、単語の数々が散りばめられているのです。

例えばEのページではイースターエッグを食べている8頭の象が描かれていますが(原文ではEight enormous elephants expertly eating Easter eggs)、象の抱えるイースターエッグの一つひとつにもEricやElizabethなどEで始まる人の名前が書かれているという凝りようです。イラス トも動物たちを描いた精巧で写実的なものから、人物の描写に見られる柔らかなタッチのものまで様々で、さらにフォントもページごとに違うというぜいたくな 作りになっています。

また、タイトルページのメッセージでは、「Animaliaのどこかで私に会えるかもしれませんよ。」という言葉とともに幼少期の作者自身が描かれている のですが、その言葉通り、どのページにも必ず表紙と同じBase少年のイラストが隠れています。言葉遊びと絵を堪能するという楽しみに加えて、隠れたイラ ストを探すというおまけもついた本作は、小さなお子さんから大人まで世代を問わず、何度でも読み返したくなる一作となっています。

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