Moira's Birthday

Robert Munsch 文 Michael Martchenko イラスト


今回ご紹介するのは、誕生日に特別なパーティを開こうと大騒動を繰り広げる女の子のお話です。本書の生まれるきっかけは、作者のRobert Munschが本の宣伝と読み聞かせのためカナダをツアー中に、その名もMoiraという女の子に出会い、誕生会用のお話を作ってほしいと頼まれたことに あったとMunsch自身が語っています。

さて、物語の中のMoiraは自分の誕生日会に、両親に内緒で学校中の生徒を招待してしまいます。家中にあふれかえった子どもたちを見て慌てふためく両親 を尻目に、Moiraは200枚のピザとケーキを注文するのですが、そんな大量の注文を受けたことがないピザ屋もケーキ屋も途方に暮れてしまいます。 Moiraの両親をはじめ、ピザ屋のおかみさんにケーキ屋のご主人などMoiraにすっかりペースを乱されててんてこ舞いの大人たちの表情と、落ち着きは らって次々と解決案を生み出していくMoiraとの対比が印象的です。

さて、物語の終盤、子どもたちがみんな帰ってしまった後になってやっと届いたピザとケーキの山を前に、Moiraはどんな提案をしたでしょう。文章は長め ですが、繰り返しも多くテンポよく書かれた文章を、ぜひ音読しながら味わってほしいと思います。Munschはカナダ在住の児童文学作家で多数の絵本を出 版しています。本書の他にも母と息子、その娘と三世代にわたる親子の絆を描いたLove You Foreverは特におすすめです。

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