Kitten's First Full Moon

Kevin Henkes 文・イラスト


今年は9月12日が中秋の名月でしたが、今回は満月をテーマに、初めて満月を見た子猫のお話をご紹介したいと思います。ある晩、空に真ん丸なお月さまが浮かんでいるのを見た子猫は、ミルクの入ったボウルがあると勘違いして、そのミルクが欲しくなります。

しかしいくら精一杯首をのばしてなめようとしても、力いっぱい飛び上がってみても空に浮かぶボウルには届きません。その後もボウルを追いかけて走りまわり、木のてっぺんまでやってきた子猫が下を見下ろすと、今度は池の中にもう一つボウルが浮かんでいるではありませんか。

しかもさっきより大きなボウルです。そのボウルが月の影が池に映ったものとは知らずに、子猫はミルクめがけて池に飛び込みます。さて、無事にミルクを手に 入れることはできたでしょうか。全編通してモノクロのイラストが味わい深く、くるくると変化する子猫の表情を一層引き立てています。本書は2005年にコ ルデコット賞を受賞しており、『まんまるおつきさまをおいかけて』というタイトルで邦訳も出版されています。

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