広まる国内でのIELTSの活用

2014年02月07日

国家公務員にも求められる英語力

人事院は昨年12月に国家公務員採用の総合職試験において、外部の英語試験を活用していくことを発表した。これは行政の国際化の急速な進展と発展の中で国家公務員総合職の採用者は、今後の国の政策の企画立案などを遂行するに当たり、基本的な英語運用能力を有していることが望ましいとするからだ。

対象となる試験は総合職試験(院卒者試験・大卒程度試験)の全ての試験区分としており、平成27年度の総合職試験から外部の英語試験を活用し始める。人事院が外部の英語試験として挙げているものに、日本英語検定協会が運営している国際的な試験のIELTSと実用英語技能検定(英検)がある。求められている英語試験のスコアを有する受験者には、最終的な採用試験の総合点に15点または25点を加算する方向だ。

東大初の推薦入試導入でもIELTS

さらに今年1月下旬には、東京大学が現在の後期日程試験に替えて推薦入試を導入することを公表した。平成28年度入学者選抜から導入する予定で、東京大学が推薦入試を取り入れるのは1877年の創立以降初めてとなる。

東京大学は「世界的視野をもった市民的エリート」(東京大学憲章)を育成することをひとつの使命として掲げているが、今後導入される推薦入試でもそれが伺われる推薦要件が並ぶ。高い学力やリーダーシップを有していることはもちろんのこと、国際的な大会・コンクールでの入賞経験や長期的なボランティア活動など、今後のグローバル人材の卵となる人材を求めていることは明らかだ。さらに語学力の側面では、推薦入試を取り入れる10学部のうち9学部で外部の英語試験の記載があり、その全てに国際的に認められているIELTSが入っている。特に医学部医学科、医学部健康総合科学科、薬学部では「IELTS7.0以上などに相当する高い英語力を証明する」など、語学に堪能な人材を求めていることが伺える。