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公益財団法人 日本英語検定協会
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公益財団法人 日本英語検定協会(理事長:道明文夫、所在地:東京都新宿区横寺町55、以下「英検協会」)は、英語教育研究センターを通じてこのほど、『小学校の外国語活動に関する現状調査』を実施し、その結果をとりまとめました。
調査の対象者は、①全国の公立小学校の「学校長または外国語活動担当教諭」と、②全国の都道府県および市町村の教育委員会の「小学校外国語活動担当指導主事」。昨2011年9~10月に対象者へ調査票を郵送のうえ返信を求めたところ、①の公立小学校からは1,463 件(回収率29.3 %)、②の教育委員会からは564 件(回収率32.8 %)の有効回答を得られました。
本調査では、小学校における外国語活動について、現在の実施状況やそのなかで浮き彫りになってきた課題などを探るとともに、課題や問題点の克服に向けた現場での取り組みや教員研修の現況などについて尋ねています。
また、これらの結果を、昨年「小学校の外国語活動」の導入前に英検協会がほぼ同様な内容で実施した「平成22年度 小学校の外国語活動に関する現状調査」などの結果と比較することにより、導入後1年間の環境や取り組みの変化を明らかにしています。
今回の調査結果の概要を次ページ以降にまとめました。
より詳細な結果をまとめた報告書については、以下のPDFファイルをご覧ください。
公益財団法人 日本英語検定協会
英語教育研究センター 小笠原/染谷
今回の調査の結果では、下記の表・グラフにあるとおり、公立小学校の高学年(5~6年生)では両学年とも「年間23~35時間」「36時間~70時間」併せて93%の学校が新学習指導要領に基づいた時間数で行っていることがわかります。
なお、低・中学年(1~4年生)の実施時間を昨年度実施した同内容の調査結果と比べると「0時間」「1~3時間」が前年度から2~5ポイント程度上昇しています。これに対し時間数の多い項目「4~11時間」「12~22時間」は、2~7ポイント減少しています。
学年 | 0時間 | 1~3時間 | 4~11時間 | 12~22時間 | 23~35時間 | 36~70時間 | 71時間以上 | わからない | 無回答 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1年 | 26.6% | 20.1% | 28.4% | 7.9% | 1.6% | 0.3% | 0.0% | 0.6% | 14.5% | 100% |
2年 | 26.0% | 20.2% | 28.6% | 8.3% | 1.6% | 0.3% | 0.0% | 0.5% | 14.5% | 100% |
3年 | 23.0% | 15.2% | 26.8% | 14.0% | 6.0% | 0.7% | 0.0% | 0.5% | 14.0% | 100% |
4年 | 22.1% | 14.8% | 27.5% | 14.6% | 6.0% | 0.8% | 0.0% | 0.5% | 14.0% | 100% |
5年 | 0.0% | 0.3% | 0.5% | 1.8% | 85.1% | 7.9% | 0.3% | 0.0% | 4.2% | 100% |
6年 | 0.0% | 0.3% | 0.5% | 1.8% | 85.1% | 7.9% | 0.3% | 0.0% | 4.1% | 100% |
こうした現況をふまえて、「外国語活動実施に際しての環境の整備状況」の質問に対する教育委員会と小学校の両者共に「ALT(アシスタント・ランゲージ・ティーチャー)の小学校訪問頻度」は75%以上が十分であると答え、「教材」「教具」「指導計画・指導案」など授業に必要となる指導材料部分においても、昨年に比べ70ポイントまで数字があがっています。このことから、文部科学省が制作した「英語ノート」「英語ノート指導資料」「電子黒板用ソフト」等の現場への定着が窺える結果となりました。
反対に、小学校の約74%が「全く整っていない」と答えたのが、「5・6年生と1~4年生の担当教員の情報交換体制」ですが、教育委員会の半数はそう感じていないとの回答結果。また、「校内研究会・研修会の実施体制」に関しても、「整っていない」と答えた小学校が昨年の51.4%から60.7%と大幅にポイント数があがっているのに対し、教育委員会では53.2%が「整っている」との結果となりました。現場と教育委員会で、「教員間の情報交換体制」「校内研修実施の実状」に関する認識の違いがある可能性があることが窺えます。
一方で問題点や課題については、あらかじめ用意した13の選択肢からとくに強く認識している5つを選んでもらった結果、教育委員会では昨年と同様に「指導者(担当教員)の質・技術」続いて「指導内容・方法」となりました。しかし、この2項目の差が小さくなり、導入後の現場では指導内容・方法の課題のウェイトが高まった結果となりました。
全体をみると小学校と教育委員会でほぼ内容が一致し「評価」に高い関心を持っています。しかし、「具体的に誰が何をどのように教え、評価するのか」につながる具体的な指導内容が課題の上位にあがっている小学校に対し、教育委員会は「指導者の質」「小中連携」により大きな課題を感じていることが窺えます。
教育委員会を対象とした設問のうち、小学校の外国語活動に関する教員研修については、「実施している」または「実施する予定である」との回答は6割弱。前年度の66.6%よりも下がっています。一方、「実施していない」は、34.9%で、前年度の24.8%から約10ポイント増となり、減少傾向が顕著に出る結果となりました。
外国語活動がこれまでの先行実施の期間を経て「高学年における必修化」となり、準備の段階から本番に入ったことを反映している一方、前年度は外国語活動の本格導入直前にあたり、研修が盛んに行われていましたが、今年は研修の必要性に対する考えが昨年に比べ薄まっていることも窺えます。担当教員が必ずしも昨年までの研修に参加できていないケースもあることをふまえると、今後引き続き研修の場を望む現場の教員の声も増えることも予想されます。
最後に、小学校と教育委員会の両方に対して、「外国語活動必修化導入後、5・6年生での年間35時間の外国語活動がスムーズに進んでいるか」という記述式の設問を投げかけています。
外国語活動導入に関しては、ここに至るまで先行実施の期間があり、必修化にむけて様々な準備や取り組みをしてきた結果として、「スムーズに進んでいる」「課題はあるが進んでいる」と回答した合計は9割を超えました。行政も現場も同時におよそ9割が外国語活動導入にそれなりに自信をもっていることが窺え、順調にスタートをしたと言える結果となりました。