Growing Vegetable Soup

夏休みのこの時期、お家で野菜や植物を育てて観察日記をつけているお子さんも多いのではないでしょうか。今回はそんな夏にぴったりな野菜がテーマの一冊をご紹介します。真っ赤な装丁に鮮やかに描かれたトマトのイラストが目を引くこの絵本は、タイトル通り野菜スープを作ろうというお父さんの一言から始まります。ただ、この野菜スープ作りがユニークなのは、なんとスープに入れる野菜からすべて手作りだという点です。

というわけで最初に出てくるのは包丁やまな板ではなく、rake（熊手）やshovel（シャベル）、hoe（くわ）といった道具です。これらで土を耕した主人公とお父さんは野菜の種を次々に植えていくのですが、物語を読み進めながら野菜の名前はもちろん、それぞれの種の形や色まで学べるようになっています。

その後、発芽し水やりという手順を経て野菜が徐々に成長していく様子がページいっぱいに見慣れた形となって登場する野菜の数々に、お子さん達からも歓声が上がるのではないでしょうか。その後家に持ち帰って調理したスープが"It was the best soup ever..."（今までで最高の味）だったことは言うまでもありません。見返しには野菜スープのレシピまで載っているという嬉しいおまけもついて最後まで楽しませてくれる本作は、文字は少ない分イラストを見ながら会話が膨らむ、まさに親子で楽しめる作品となっています。