Madeline

今月の絵本はフランスのパリが舞台のお話です。古い寄宿舎に12人の女の子たちが住んでいました。その中で一番身体が小さく、それでいて一番勇敢でお転婆なのが本書の主人公であるマドレーヌです。普段は寄宿舎に出るネズミはもちろん、動物園のトラにもびくともしないマドレーヌですが、そんなマドレーヌがある日盲腸になってしまったのでさあ大変。真夜中の寄宿舎は大騒動になってしまいます。

全編を通じて韻を踏んだリズミカルな文章は、音読にぴったりです。イラストはシンプルながら登場人物の表情が実に活き活きと描かれていて、黄色と黒の二色のページとカラーのページとのコントラストも一層作品をユニークで魅力あるものにしています。

物語の随所にエッフェル塔、ルーブル美術館、ノートルダム寺院といったパリの名所が登場し、そうした建築物を探しながら読むという楽しみもできます。『げんきなマドレーヌ』というぴったりの邦題で日本でも出版された本作は、その後シリーズ化されています。