英語の特殊性

世界の言語とその母語話者の数を見ると、中国語は、12億人、2番目がスペイン語の母語話者で約3億3千万人、そして、英語の母語話者はスペイン語とほぼ 同じ3億3千万人弱、となっている。これを見ると、世界共通語として筆頭に挙げられても良いのは、中国語のように思えるかもしれない。では、なぜそうなっ ていないのだろうか。ここで、ぞれぞれの言語の母語話者が世界のどれだけの国に実際に住んでいるかを見ると、中国語は世界31カ国、スペイン語が44カ国 となっている。ちなみに、フランス語の母語話者は世界60カ国に住んでいるという。そんな中で、英語はほぼその倍の112カ国に母語話者が住んでいるので ある。それだけ英語の母語話者が世界中に散らばっているということなのである。

しかし、英語の最も大きな特徴は、英語を母語としないのに英語を何らかの形で学び、使っている人の多さにある。母語話者のほぼ倍の非母語話者が世界中で英 語を使って勉強、仕事、生活しているが、このような言語は他にはないのである。そのため、英語には、 Global English, Local English, International Englishというような、元々の英語圏文化と切り離され、それが使われている地域の文化を土台とした新たな英語が生まれたのである。

(August 2011)

吉田先生のPROFILE

吉田研作
上智大学言語教育研究センター教授・センター長

専門は、応用言語学。最近は、文部科学省の「外国語の能力の向上に関する検討会」座長も務める。また、日韓中国の高校生の英語力比較や教師の教え方を研究。海外のThe International Research Foundation for English Language Education(TIRF)の理事や、国内ではNPO小学校英語指導者認定協会の理事なども務める。著書多数。

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