日本人だから、という甘えからの脱却

日本人は、何事においても日本人と外国人を分けたがる傾向がある。

しかし、近年、徐々にではあるが、日本人だから、という「甘え」から少しずつ抜け出してきたように思う。

昔から英語のスピーチ・コンテストなどでは、帰国子女や外国人の出場が制限されてきた。初期の頃は、スピーチの内容よりも、英語力(発音中心)が問われて いたので、それはそれで意味があったのだろうが、今は、国際英語の時代で、最早「英語が上手」かどうかが最大の採点基準になるようなスピーチ大会は時代遅 れである。

英語のうまい下手だけを見たいのなら「暗唱大会」で十分だろう。スピーチである以上、内容と説得力で勝負できなければならない。全国高校英語ディベート大会はまさにそうだ。優勝校は、世界大会等で英語圏の生徒とも同じ土俵の上で戦わなければならないのである。

昨年12月、上智大学で全国高校英語スピーチ・コンテストが開催されたが、帰国、外国人等の制限のない大会だった。採点基準でも、英語力は全体の1/5に しかすぎず、内容や表現力の方が重視された。優勝した生徒は海外経験のある生徒だったが、応募者245名の中から選ばれた決勝進出者20名の中には、海外 経験がない生徒が数名含まれていた。

グローバリゼーションの時代は、日本人として国際共通語としての英語を使って世界の人と向き合わなければならない時代なのである。

(February 2012)

吉田先生のPROFILE

吉田研作
上智大学言語教育研究センター教授・センター長

専門は、応用言語学。最近は、文部科学省の「外国語の能力の向上に関する検討会」座長も務める。また、日韓中国の高校生の英語力比較や教師の教え方を研究。海外のThe International Research Foundation for English Language Education(TIRF)の理事や、国内ではNPO小学校英語指導者認定協会の理事なども務める。著書多数。

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