言葉だけじゃない、伝える方法

「以心伝心」とまではいかなくとも、メッセージを伝える際、「言葉」以外にも重要な役割を果たす存在があります。それがジェスチャーなど言葉以外のノンバーバルコミュニケーションです。

ここで問題です。メッセージを伝える際、「言葉」と「非言葉」が占める割合はどのくらいでしょうか?

ある実験(Birdwhistell, 1970)によれば、「言葉」と「非言葉」で35:65でした。なんと「非言語」の方が大きいのです。また、人に感情や態度を伝える場合はどうか調べた実 験(Mehrabian, 1981)では、感情表現全体を100とすると「言葉」が7、「声」が38、「顔」が55となり、「言葉」と「非言葉」で7:93となりました。

日本人は概してノンバーバルコミュニケーションをパフォーマンス的と感じ、活用するのが苦手ですが、外国語活動や英語の時間では、先生自身がこの意義を再認識し、恥ずかしがらずに、積極的に用いる姿勢が求められます。

(July 2011)

卯城先生のPROFILE

卯城祐司
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授

博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。

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