卯城祐司
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授
博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。
英語ではお互いを名字で呼び合うことがあまりありません。ではファーストネームかというと、実際には、その短縮形が使われることが多いようです。そうなる と、その人の本名が一体何だったのか、親しくなるほど、わからなくなってきます。私がよく一緒に仕事をしているパペット使いのJimの正式名はJames です。このあたりなら察しがつきますが、もう一人の底抜けに明るいBobの方はRobertと、正式名から少し距離があります。
しかもそれぞれ、人によって短縮形が異なるようです。第39代合衆国大統領Jimmy Carterも、本名はJames Earl Carter, Jr.でした。Jamesは他にもJamie, Jameyなどが用いられます。一方、第35代大統領John F. Kenneyの弟で司法長官を務めたRobert F. KennedyはBobbyと呼ばれていました。RobertはBert, Rob, Robby, Robbieなども用いられます。兄のJohnも短縮形はJackを用い、兄弟でJack and Bobbyと親しまれました。
元の名前と距離がある短縮形には、Bill (William)、Dick (Richard)、Liz (Elizabeth)、Nancy (Ann/Anne)など、そして男女ともに用いられる短縮形には、Alex (男Alexander, 女Alexandra)、Sam (男Samuel, 女Samantha)、Tony (男Anthony, 女Antoinette)などがあります。勝手に短縮形を決めず、何って呼んで欲しいのか、先ずは相手に尋ねることが大事です。
(April 2012)
博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。