桁違いの謎

小学生の時、算数の時間に数字を桁で区切る勉強をしました。1万は「10,000」、1億は「100,000,000」、さらに1兆 「1,000,000,000,000」、1京「10,000,000,000,000,000」と続きます。しかし、このように3桁ずつコンマで区切る やり方は、どうもしっくりきません。4桁ずつ区切った方が、1万 (1,0000)、1億 (1,0000,0000)、1兆 (1,0000,0000,0000)、1京(1,0000,0000,0000,0000)と、呼び方ときれいに一致します。3桁ずつ区切っているの は、欧米の簿記にならっているからのようです。

英米語では、thousand (1,000)、million (1,000,000)、さらに米語ではこの後、billion (1,000,000,000)に trillion (1,000,000,000,000)、quadrillion (1,000,000,000,000,000)、quintillion (1,000,000,000,000,000,000)と続きます。ちなみに英語では、billion(1,000,000,000,000)、 trillion  (1,000,000,000,000,000,000)となります。billionはもともとmillionの二乗(米語のtrillion)であった ことによるようです。

インドでは、最初は1,000 (1 hazzar)と3桁で区切りますが、その後は、1,00,000 (1 lakh)、1,00,00,000 (1 crore)、100,00,00,000 (1 arawb)と2 桁ずつ
区切るそうです。まさに「桁違いの謎」です。

(May 2012)

卯城先生のPROFILE

卯城祐司
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授

博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。

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