卯城祐司
筑波大学大学院人文社会科学研究科教授
博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。
米国人が「好きな国」はどこでしょうか?
2012年2月に米国の調査会社ギャロップが発表したデータによると、1位はカナダで96%でした。残るベスト3は2位がオーストラリア(93%)、3位 が英国(90%)です。気になる日本はというと、4位のドイツ(86%)に次ぐ5位(83%)でした。ちょっと胸をなで下ろす位置ですね。
70%以上の人々が好感を持っている国は他に、フランス(75%)、インド(75%)、イスラエル(71%)です。一方、人気が低い残念な国1位はイラン(10%)でした。2位は北朝鮮(13%)、3位はアフガニスタン(14%)と、どれも国際情勢などが影響しているようです。
好きな人が30%を割る国は他に、パキスタン(15%)、シリア(17%)、パレスチナ自治政府(19%)、イラク(24%)、リビア(25%)でした。
また、BBCが2012年5月に発表した世界22ヵ国が協力した調査によると、「その国が与える影響をどう思うか」という質問に対して、アメリカ合衆国について肯定的にとらえる人が47%、否定的にとらえる人が33%と、それほど高くありません。
ほかにも、スイスのSwitzerlandとタイのThailandは綴りを見ただけで大きく違うことがわかります。ちなみに英語のThaiは国名でな く、「タイ人」「タイ語」の意味になります。オランダ(正式にはオランダ王国)は、公式の英語表記はKingdom of the Netherlandsで、通称the Netherlands、俗称がHollandです。この名称は、国土の4分の1が海面下に位置するなど「低地の国」に由来しています。メアリ・メイブ ス・ドッジ作の「ハールレムの英雄」で、堤防の裂け目に指をつっこんで大災害を防ごうとした少年の話は有名です。戦国時代にポルトガルの宣教師がさまざま な文化を日本に伝えましたが、「オランダ」という表記も、そのポルトガル語から来ていると言われています。
この調査で好感度1位は何と日本で、肯定的と否定的がそれぞれ58%対21%でした。好感度50%を超えている国は、2位がドイツで56%対16%、3位がカナダで53%対14%と続きます。英国は51%対20%で4位でした。
では、日本を肯定的にとらえている人々が多い国はどこでしょうか?1位はナイジェリア(80%)、2位はインドネシア(77%)、次いで、アメリカ合衆国 (74%)、カナダ(72%)、英国(70%)でした。このような印象は大事にしなければなりません。一方、否定的にとらえる人々が多い国は中国 (63%)と韓国(58%)でした。どの国とも仲良くしたいですね。
(June 2012)
博士(言語学)。小学校英語教育学会会長、関東甲信越英語教育学会会長、全国英語教育学会副会長、語学教育研究所評議員。ELEC評議員。専門は英語教授法全般、リーディングおよび第二言語習得。文部科学省「『英語が使える日本人』の育成のための戦略構想」、「外国語能力の向上に関する検討会」委員などを務める。『図解で納得!英語情報ハンドブック』(ぎょうせい)ほか著書多数。