中村典生
長崎大学 教育学部教授
小学校英語教育学会事務局長、言語文化学会理事、SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会 連合会)利酒師、俳人協会会員・狩俳句会同人(俳号は中村龍徳〈りゅうとく〉)、前岐阜大学硬式野球部監督など、昼夜を問わず役職多数。専門は英語教育学、第二言語習得。著書多数。
2007年ユーキャンの新語・流行語大賞にノミネートされた「KY」は「空気が読めない(読めよ)」の略語です。ここに端を発して、日本語の文章を略して各単語の先頭のローマ字・数字を組み合わせた略語群のことをKY式日本語はと呼ぶことがあるようです。(ウィキペディア「KY語」を参照)この略語の類いには、AM ( 後でまたね)、HK ( 話変わるけど)、などがあります。
外国語でも略語 (abbreviation) が使われることがあります。英語でよく用いられる以下の略語はどんな意味だと思いますか?
a. ASAP b. BTW c. e. g. d. FYI e. RSVP
答えは以下の通りです。
a. as soon as possible(至急)
b. by the way(ところで)
c. exempli gratia(例えば、例を挙げると<ラテン語より>)
d. for your information(ご参考までに、ちなみに)
e. repondez s'il vous plait(お返事ください<フランス語より>)
これらはacronym(頭字語)とも呼ばれ、簡単な言葉で的確に伝えられるので、ビジネスの場面では特に重宝するようです。しかし注意も必要です。先日訪問先のアメリカで経験したことをご紹介しましょう。
“How about IPA?” と尋ねられたので、「ん? IPA? International Phonetic Alphabet(国際音標文字)のことかな?」。“What’s IPA?” と聞き返したところ、“India Pale Ale!”(クラフトビールで独特の苦みと香りがある)という答えが返ってきました。なるほど、一つの略語がさまざまな言葉の略語である可能性もあるので、気を付けなければならないと思いました。IPAにはこの他、Information Process Analysis(情報処理解析)、International Patent Agreement(国際特許協約)、Intermediate Power Amplifier(中間出力増幅器)などの意味もあるようです。(ちなみに、このIndia Pale Aleが最高でした! すっかりお気に入りです)
以上、KY(この話、良かった)ですか?
(November 2014)
小学校英語教育学会事務局長、言語文化学会理事、SSI(日本酒サービス研究会・酒匠研究会 連合会)利酒師、俳人協会会員・狩俳句会同人(俳号は中村龍徳〈りゅうとく〉)、前岐阜大学硬式野球部監督など、昼夜を問わず役職多数。専門は英語教育学、第二言語習得。著書多数。