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名前の変形や短縮形
あなたが外国の人と新たに知り合った際に「Hi, call me Bob(ボブと呼んでくれ)」といわれたとする。いわれたからにはボブに違いないと思い、「ボブ、ボブ」と呼んで半年。ひょんなことでその人のフルネーム を知ることになる。「Robert Hicks(ロバート・ヒックス)?なに、ボブではなかったのか?」
こんなことがあったとしても、怒るには早い。ボブは確かにロバートだったかもしれないが、やはりボブでもあるからだ。BobはRobertの短縮形だ。
英語圏では、名前の短縮形や変形があり、親しい仲同士であったり、カジュアルな場では一般的にそちらの名前を呼ぶほうが多い。わかりやすいところでいえ ば、James(ジェームス)はJimmy(ジミー)、Katherine(キャサリン)はKate(ケイト)、Michael(マイケル)は Mike(マイク)。
しかし、RobertをBobと呼ぶ例にもあるように、知らないと理解しづらいケースもある。たとえば、イギリスではMargaret(マーガレット)は Daisy(デイジー)と呼ばれる。由来は花のマーガレットにある。日本ではマーガレットと呼ばれている花は、実は英語ではデイジーという。マーガレット (マルガリータ)はフランスなど、主にラテン系の国で使われている呼び名だ。その関連性から、英語圏で親しい仲の場合、マーガレットを慣習的にデイジーと 呼ぶようになった。ちなみにアメリカだと事情が変わり、マーガレットはPeggy(ペギー)と呼ばれる。
同様に、Richard(リチャード)はDick(ディック)だ。もともとアングロ・サクソンの言葉で、Ricは統治者、heard(hard)は頑固さ などを意味したので、Richeard(Richard)となると強い統治者というほどの意味になる。このRichardもいつしか、Ric(リック)と 縮められ、転じてDick(ディック)となった。こうした韻を踏む省略は中世に頻繁に行われた。William(ウィリアム)はWill(ウィル)、そし てBill(ビル)に。Mary(メアリー)は、Molly(モリー)、Polly(ポリー)という感じに変化した。
しかし、多くのMaryはMaryのままを好むという傾向もあるように思うので、実際には本人がどう呼んでほしいかに従おう。英語圏では冒頭の挨拶のように、どう呼んでほしいかを本人から言うものなのだ。
(September 2011)