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God Save the Queen
今回はイギリスの国歌の話をしよう。
現在のイギリスの国歌は「God Save The King(神よ、国王を護り給え)」という歌だ。この歌は、1745年にイギリスの王位継承権を主張して、欧州本土から進撃してきたチャールズ・エドワー ド・スチュワートがイングランドに迫り来るなかで、君主と国家の安寧を祈って広まったと考えられている。ただ、作曲者は特定されていない。
現在では、法的に定められているわけではないものの、イギリスおよびその海外領土の国歌として定着している。ただ、イギリスの構成国であるウェールズやス コットランド、北アイルランドは、「God Save The King」とは別に独自の国家を定めており、サッカーなどの国際大会がある場合はそちらを使用している。イングランドは独自の国歌を持っておらず、事実上 の国歌をして「God Save The King」を使用している。
ところで、お気づきの方も多いかと思うが、この歌、現在は一般的に「God Save The Queen」と呼ばれている。これは、現在のイギリスの君主がエリザベス二世であり、女王だからだ。つまり、在位中の君主によって、"King"であった り"Queen"であったりと合わせて歌われるわけである。当然、歌詞の中にでてくる"him"は"her"に置き換えられる。言われてみれば当たり前だ が、このことを知らない日本人は多いのではないか。エリザベス女王はイギリス史上最高齢の君主だ。つまり、それだけ長らくこの歌は「God Save The Queen」として定着してしまっていると言える。私としては、その状態が末永いものであって欲しいと思う。
ちなみにエリザベス女王は歌われる側であって、決して彼女自身がこの歌を歌うことはない。そういう意味では、君が代と同じく、気高さを感じさせる国歌だ。
(January 2012)