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イギリスの食文化
ついにロンドン五輪が開幕した。大会期間中は、さまざまな国の人々がロンドン中のパブに繰り出し、ビールやフィッシュ& チップス(fish & chips)を堪能し、テレビ中継に釘づけになるのではないだろうか。この機会に多くの人にパブ文化の素晴らしさを共有してもらえることはうれしい。しか し、イギリスにはパブ以外にも、食にまつわる文化がある。そこで、今回はそれらをいくつか紹介してみたいと思う。
まずイギリスといえば、紅茶(tea)だろう。イギリス庭園で楽しむアフタヌーン・ティーは優雅なものだ。このお茶を飲むという習慣は、大航海時代に中国 から伝わった。初めは上流階級から、徐々に中流、下流へと広がっていった。そして、中国からの輸入だけで需要をまかないきれなくなると、当時植民地であっ たインドに大々的なお茶のプランテーションをつくった。その結果、今度は、それまでお茶の文化がなかったインドにまでチャイの文化が広まったというわけ だ。
インドのチャイ文化がイギリス人を通じて生まれたというのは興味深い。一方でインドからやってきて、いまやイギリスの国民食として定番になってしまったも のもある。それは、カレー(curry)だ。カレーは植民地時代にイギリスに伝わるや否や、その保存性のよさから重宝され、時間をかけて一般家庭にも広 がった。そして、第二次世界大戦後、大量の移民がインドやパキスタンからイギリスに渡ってきたことで、多くのインド料理店が生まれ、さらにメジャーになっ たのだ。日本で独自の進化を遂げたカレーライスも、インドから直接伝わったものではなく、イギリスのカレーが日本に伝わったものだといわれている。
また、皆が大好きなローストビーフ(roast beef)も、イギリスの伝統食だ。ヨークシャープディング(Yorkshirepudding) や野菜(vegetables)、ホースラディッシュ(horseradish) などを添え、日曜のお昼に家族集って食べるのが、今日まで続いている習わしだ。どうだろう、イギリスの食卓がじゃがいもばかりだと考えていたアナタ、少し は考えが変わっただろうか?
(July 2012)