竹中龍範
香川大学教育学部教授
専門は、英語教育学。特に英語教育史、英学史、英語辞書史、並びに言語文化論を研究。日本英語教育史学会会長、日本英学史学会中国・四国支部長や、文部科学省の教育研究開発企画評価会議協力者などを務める。小学校英語教育についても、研究開発学校指定校直島小学校の運営指導委員などを務める。著書・論文多数。
過去に、本コーナーの「イギリスの交通信号は日本とどう違う?」の回で、イギリスの交通信号が日本のものとは異なることを紹介しましたが、交通事情をめぐっては他にも違っているところがあります。
最もよく話題に上るのはroundaboutといわれる交差点でしょう。道路が交わる所に同心円状の車線が数本あり、右から来る車を優先して、自分がどちらに出るかを考えてその円状交差点に入ります。信号機はなく、タイミングよく車線を変更しないと、その中をぐるぐる回ってしまうことになりますので、慣れていない日本人は一苦労することになります。
これとは別に、日本人がなかなか気付かないのが、イギリスでは霧がよく発生するため、それへの対応が交通システムにも見られる、という点です。
例えば、歩行者用横断歩道は、白黒のしま模様になっていることからzebra crossingと呼ばれますが、ここに白黒じまの柱の上にオレンジ色の点滅灯の付いたものが立っています。これはBelisha beaconと呼ばれ、霧の中でも目立って、ドライバーに横断歩道があることを知らせています。
さらに、この横断歩道手前には10mくらいにわたって車線の両脇に白のジグザグ線が引かれていて、これもドライバーに注意を促すためだ、とイギリス人の同僚から聞きました。
また、前方にトレーラーなどが走っていると、車の後ろにLONG VEHICLEと書いてあるのに気付きます。これも霧の中で追い越しをする際に注意を喚起するための表示なのだ、と分かるとなるほど、と納得します。
街灯が、霧の中でもよく見えるように、蛍光灯などではなく、オレンジ色に光るナトリウム灯になっていることは言うまでもありません。
(August 2013)
専門は、英語教育学。特に英語教育史、英学史、英語辞書史、並びに言語文化論を研究。日本英語教育史学会会長、日本英学史学会中国・四国支部長や、文部科学省の教育研究開発企画評価会議協力者などを務める。小学校英語教育についても、研究開発学校指定校直島小学校の運営指導委員などを務める。著書・論文多数。