立命館大学

派遣留学を目指す学生の質的向上と同時に、
派遣者数の拡大を目指す!IELTSの学内実施により、
さらに留学の門戸が開く

立命館大学
国際部副部長 国際教育推進機構 准教授
GGPコーディネーター
堀江 未来 准教授

グローバル30採択校として、派遣留学生2400名が目標

立命館大学は、文部科学省が推進している「グローバル30」に採択された国内13大学の一つとして、留学生の受け入れに積極的に取り組んでいます。さらに 受け入れる留学生だけでなく、本学から送りだす留学生も増加させるべく、年間2400名を目標に掲げていますが、2010年度の海外派遣学生は定員が 2028名分に対し1459名でした。

そのため派遣留学生を増やすための取組みにも力を入れています。ですが、単なる増員ということではなく質の向上を重視するためのプログラムとして2009 年度より「グローバル・ゲートウェイ・プログラム(以下GGP)」を実施しています。本校には大きく3つのタイプの海外留学があり、1つ目は4週間程度の 短期で語学研修や異文化を体験するイニシエーション型、2つ目が内容的により高度で外国語による専門講義を受けるというモチベーション向上型(2週間~1 学年間)、3つ目が交換留学やDUDP(最短4年間で日米2大学の学位取得)など、留学先大学の正規科目を履修するアドバンスト型です。GGPはアドバン スト型の学生や正規学部留学を目指す学生の質的向上と増加を図るために創設されました。

きめ細やかな個別指導で“留学”そのものの質を高めていく

GGPの特徴は入学直後から選抜されて、留学のための個人指導を受け、留学後もその学習効果を継続させるプログラムが用意されていることです。 IELTS4.5以上等が参加条件で、毎年70~80名程度が学部を超えて選抜されます。GGPでは担当教員による綿密な個別カウンセリングのもと、英語 での授業や講義が行われ、英語圏の大学での正規開講科目を学ぶために必要な力を身につけます。

高校までは英語の成績が良かった学生も、ここでは英語の読み書き以上のアカデミックスキルが要求されるため、4月から履修し、5月には挫折しそうになる学 生も中にはいます。そういう学生に対して担当教員が個別のカウンセリングを行い、モチベーションを維持できるようにサポートしています。

さらに留学を終えて帰ってきた学生に対しては、向こうで学んできたものが継続できるような仕組みを用意。学んできた専門科目を英語で受けられるのはもちろ ん、「多文化間リーダーシップ」という授業では外国人留学生と一緒に多文化環境でのリーダーシップ論を学びながら、学内の国際化についてグループワークを 行うプログラムを実施。

留学を終えても多文化グループでの学びを継続させています。さらにGGPが始まって4年目になる今年は帰国した学生がGGP1回生を指導するというプログ ラムも始めました。年齢の近い、直近の経験者である先輩の話だけに学生側にも浸透が早く、好評です。GGPでは2回生での留学を目指しているので、とにか く生の声を含め情報の量を多くして、1回生のモチベーションを上げるように努めています。

IELTS学内試験実施で、留学生の門戸拡大

昨年の秋、本学でIELTS学内試験を実施しました。目標にしているスコアに少しでも近づく為に、日本英語検定協会に事前対策講座を開講していただき、本 学の学生に対して事前にテスト対策指導をしていただけた事は非常に有り難いものがありました。また、TOEFLのテストスコアで伸び悩んでいた学生が、 IELTSテストで点数をクリアできたという声も聞いております。

グローバル化いう視点からも、学生にはもっと海外へ目を向け、質の高い留学をして欲しいという願いから、今後は留学を目指す学生の出願資格を満たすテスト の選択肢を増やし、留学するチャンスを増やせたらと思っています。さらに帰国した学生のさらに未来のことも見据えて、キャリアオフィスとも連携した、グ ローバル人材育成のプログラムにも力を入れたいと考えています。

プロフィール

立命館大学

1900年創立。「自由と清新」を建学の精神として掲げ、「平和と民主主義」を教学理念として、確かな学力と豊かな個性をあわせ持った人間の育成を目指 す。また、グローバル人材育成のために、グローバル・ゲートウェイプログラム(GGP)や複数のタイプ別プログラムなど多彩な留学プログラムを展開してい る。