日本女子大学
学生の声をもとにIELTSを導入。
学内実施の成果としてIELTS利用の留学が増えている。
日本女子大学
学生生活部国際交流課
小原 利恵子 さん
奨学金とIELTSの二本柱で留学者数の増加を!
日本女子大学は2006年度まではほぼ毎年25人前後の学生を留学生として送り出していましたが、TOEFLでIBTが導入されたり、協定大学が語学基準 を高く上げてきたりと様々な要因が重なり、2007年度以降は10人に届かない年もありました。そこで、送り出しの人数30人を見据え、2011年度より 協定大学留学奨学金制度が新設されました。これは協定大学に派遣で留学するすべての学生が対象となり、本学に学費を納入することで、留学先の大学の授業料 相当額が奨学金として支給されるものです。
交換留学と同じ費用で留学できるようになり 、学生が留学をあきらめる大きな理由である“経済面の不安”は緩和できたと思います。留学をあきらめるもう1つの大きな理由である“語学力の不安”も何と か大学としてバックアップするために、IELTSの学内実施の導入を決めました。留学のための英語の試験をいくつか比較してみると、IELTSはリスニン グ、リーディング、ライティング、スピーキングの4技能のバランスがよく、実際に“使える英語”を身に付けるには非常に適していると思います。特にスピー キングは実際にネイティブの面接官と会話形式で行われるのが良いと思いました。
IELTSの学内実施を導入したもう1つの大きな要素は“学生の声”です。実際にIELTSを受験した多くの学生から「IELTSは他の試験に比べて受け やすい」ということを聞いていたので、その声も導入の後押しとなりました。2012年度に留学する学生が18人と昨年に比べて増えたのは奨学金制度の新設 とIELTSの学内実施の相乗効果で、学生にとって留学しやすい環境が作られたためだとみています。
9月のIELTSは次年度に留学を目指す学生にとっての最後の砦。
学内実施を導入し、IELTSが大学の年間行事に組み込まれた結果、学生たちにとって目安ができ、これを目指して勉強できるので、モチベーションも上がる と思います。今まで試験会場まで足を運んで受験していた学生たちからも「受験しやすくなった」と聞いています。学内で行われる9月のIELTSは、これま で思うようなスコアが取れていないれけども、どうしても次年度に留学したいと考えている学生にとっては最後の砦となっています。現に2012年度に留学す る学生で、最後の9月のIELTSでスコアが取れ、留学が決まった学生が何人もいました。私ども国際交流課としても、試験の日程等の情報を年間ベースで学 生に案内して、「この時期に留学したいなら、ここでIELTSを受験しないと間に合わない」といった具体的なアドバイスが出来るようになり、学内実施を導 入したメリットだと考えています。
学内実施導入による成果が目に見えて出てきている!
学内実施を導入するにあたり、説明会を実施したのですが、こちらの予想を上回る約80人の学生が参加し、申込書もすぐになくなりました。関心の高さに驚かされたと同時に、潜在的には留学を希望する学生が多くいることも確認できました。
また、今までIELTSの存在を知らなかった学生も多かったと思いますが、学内実施を導入したことで、本学でのIELTSの知名度は一気に高まり、 IELTSを利用して留学する学生の数も着実に増えてきています。今、カナダの名門マギル大学に2人留学しているのですが、2人ともIELTSを利用して 行っています。本学としてはさらなる留学制度の充実を図り、多くの優秀な学生を送り出したいと考えています。
プロフィール
日本女子大学
4学部・15学科からなる女子総合大学。女子教育の草分け的存在として、100年にわたり、幅広い分野にパイオニアを輩出してきた。創立以来、伝統的に国 際交流を活発に行っている。また各国の名門校が名を連ねる協定大学留学制度では、女子学生を海外に送るに鑑み、生活環境や教育の在り方に配慮して選定して いる。